2020年11月21日
ナオちゃんが死んだ
「もう、そんな時期なのか……」
日に日に届く喪中ハガキに、師走の足音を感じます。
去年の今頃は、僕も両親の訃報を伝える喪中ハガキの宛名書きをしていたことを思い出します。
「そろそろ年賀状の用意をしなくては……」
年内で喪が明けるわけですから、2年ぶりの年賀状です。
郵便受けから取り出したハガキを手にして、仕事場へ。
<母○○が○月○日に九十三歳で永眠致しました>
<父××が×月×日に八十八歳で永眠致しました>
僕の知り合いの親ですから、みんな高齢です。
僕の両親も94歳と91歳でしたから、なんのためらいもなく目を通しました。
<本年七月に夫Nが六十一歳にて永眠致しました>
えっ……
その喪中ハガキを手にした途端、全身が硬直してしまいました。
「ナオちゃんだ!」
差出人は、ナオちゃんの奥さんです。
僕とナオちゃんは、幼稚園からの幼なじみです。
小学校、中学校と一緒に通いました。
家も近く、母親同士が仲良かったこともあり、よく一緒に写真を撮りました。
そのナオちゃんが……
別の高校へ進学したため、10代の後半からしばらくは疎遠になっていましたが、20代の半ばに僕らはバッタリ再会をしました。
互いに都落ちをして、群馬に帰って来ていたのです。
しかも2人とも定職についていないフリーター同士。
また昔のように、つるんで遊び出しました。
♪ ぼ、ぼ、ぼくらは 秘境探偵団 ♪
なんて大声で歌いながら、ナオちゃんの車で県内の滝や洞窟など深山幽谷の秘境をめぐる探検を楽しんでいました。
でも、やがてナオちゃんは就職し、結婚を機に、遠くへ行ってしまいました。
僕も家族ができ、仕事が忙しくなり、ナオちゃんとの思い出は、いつしか青春の1ページに……
それでも去年までは毎年、年賀状のやり取りだけはあり、互いの近況報告だけはしていました。
最後に会ったのは……
確か5年程前の同窓会です。
「よう、ナオちゃん!」
「おお、ジュンちゃん!」
広い会場内で互いを見つけ出し、元気に歳を重ねている姿を確認しあいました。
なのに、なぜ……
享年61歳は、若すぎます。
病気を患っていたのでしょうか?
同窓会の時の笑顔からは、まったく想像できません。
ナオちゃん、さみしいよ。
また会いたかったよ。
だって僕らは同志じゃないか!
♪ ぼ、ぼ、ぼくらは 秘境探偵団 ♪
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
合掌
Posted by 小暮 淳 at 11:48│Comments(0)
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