2021年03月03日
エスカレートする不機嫌な大人たち
以前、『コロナに惑う子どもたち』 (2021年2月20日付) というタイトルで、コロナ禍の思わぬ弊害として、子どもの自殺が急増していることを書きました。
自粛により、行き場を失った子どもたちが、逃げ場の選択肢として “死” を選ぶという、なんともやるせない現状です。
では、大人の世界は、どう変わったのでしょうか?
リモートやキャッシュレスの急速な普及により、便利にはなりましたが、その反動でしょうか?
コロナ禍のストレスは、たまる一方のようです。
こんなデータがあります。
労働組合の調査で、新型コロナウイルスの影響とみられるカスハラ (カスタマーハラスメント) を受けたと感じる人の割合が、コロナ前より増えているといいます。
これは全国の流通・サービス業に携わる233組合の従業員を対象に、昨年の7~9月に実施したもので、結果、約20%が 「新型コロナの影響による迷惑行為があった」 と回答しました。
一番顕著だったのは、ドラックストアの店員でした。
「汚い手で触るんじゃねえ!」
と、ペットボトルのふたの部分を持った瞬間に、客に怒鳴られたといいます。
また多かったのが、マスクが品切れであることへのクレーム。
「自分たちの分は確保しているんだろう。早く出せ!」
中には、
「マスクが売れているからって、いい気になるな!」
といった見当違いなクレームもあったといいます。
こうなると、もうクレームなどではなく、ただの言いがかりです。
では、コロナとカスハラの増加には、どんな因果関係があるのでしょうか?
さる大学教授 (社会心理学) は、こう分析しています。
「不安感が高まることで、普段なら許容できることが許せなくなることがある」
(毎日新聞より)
教授によれば、ほかにも 「釣銭の渡し方が悪い」 「『ポイントカードを持っているか』 とレジのたびに訊かれる」 などのささないことがきっかけで、クレームや店員への罵声にまで発展するケースが増えていると言います。
いやはや、なんとも、情けない話であります。
ストレスの発散場所を探して街をうろつき、弱者である店員に対して言いがかりをつけるなんて……。
こんなコロナ禍だからこそ、もっと相手を思いやる行動が取れないものでしょうか?
自殺する子どもたちといい、すぐにキレる大人たちといい、人間って、なんて弱い動物なんでしょうかねぇ。
Posted by 小暮 淳 at 12:50│Comments(0)
│つれづれ