2021年05月11日
身近な恐怖
「霊感って、ありますか?」
「いや、まったく」
「ご興味は?」
「不思議なことは好きですけど」
「今度、この方の怪談会に行こうと思うんですけど、ご一緒しません?」
と言われ、知人女性から一冊の本を手渡されました。
戸神重明/編著 『高崎怪談会 東国百鬼譚』 (竹書房)
なんでも高崎市出身在住の作家さんで、地元の怪談話を集めた本を書いたり、怖い話の朗読をする 「怪談会」 なるイベントも開いている方らしいのです。
家に帰り、借りて来た本をペラリとめくって、驚きました。
というのも、いきなり第1話の冒頭は、こんな文章から始まっていたのです。
<群馬県前橋市に住む小暮さんは、……>
おいおい、これ、俺のことじゃねーの!?
なんて、突っ込みを入れながら一気に読んでしまいました。
それくらいに丸々一冊、“群馬一色” で、地名や施設名など知っている場所ばかりが登場します。
そこで、ハッとしました。
そうか! 知っている “場所” だから怖いんだ!
もしこれが○○県××市だったら 「作り話かもしれない」 と思うし、土地勘のない聞きなれない地名では、他人事に感じるかもしれません。
でも、知っている場所、住んでいる地区となると、「もしかしたら自分も遭遇するかも」 という臨場感が増します。
現に僕は本を読みながら、「この公園って、あそこじゃねーの?」 「おいおい、その公衆電話、使ったことあるぞ!」 なんて、知らず知らずのうちに突っ込みを入れてましたものね。
なんで、この作家は群馬限定に、こだわっているんだろう?
って思っていましたが、
“怪談は身近なモノほど怖い”
からなんですね。
どうか、我が家と我が家のまわりには、現れませんように……
Posted by 小暮 淳 at 11:19│Comments(0)
│謎学の旅