2021年08月09日
昨日は何の日?
『渓谷残し 八ッ場ダム』
(「新ぐんまカルタ」 より)
昨日8月8日は、「八ッ場の日」 なんですってね。
知っていましたか?
八ッ場 (やんば) とは、令和2(2020)年春に完成した八ッ場ダム (群馬県吾妻郡長野原町) のことです。
利根川の支流、吾妻川の中流域に造られた群馬県内で最も新しいダムです。
たぶん、県外の人でも温泉ファンならば、ご存じだと思います。
そうです! 湖底には、旧川原湯温泉がありました。
昭和27(1952)年、のどかな温泉街に突然、ダム建設の計画が持ち上がりました。
いったんは中止となりましたが、同40年に国は計画を再開。
計画から60余年、紆余曲折の長い闘争と翻弄の日々を経て、やっと完成したダムです。
水没地区は5地区、合計340世帯。
うち川原湯地区は、約3分の2を占めています。
平成26(2014)年、共同浴場の 「王湯」 の移転と共に、温泉街も高台の代替地へと引っ越しました。
冒頭のカルタは、平成20(2008)年に僕を含め有志8名で発足した 「ぐんまカルタ制作実行委員会」 により、“21世紀の群馬の子どもたちのために” という思いから制作・発行されました。
制作を開始した頃は、名勝である吾妻渓谷もダム湖に沈むという報道がなされていたため当初 「け」 の札は、
『渓谷沈め 八ッ場ダム』
と詠まれていました。
それが発行直前になり、「一部、渓谷は残す」 との報道がされたため、急きょ、読み札を変更したいきさつがあります。
そんな八ッ場ダム周辺の地域振興施設などでつくる 「八ッ場の日実行委員会」 が、今年から8月8日を 「八ッ場の日」 とすることを決定しました。
この日を記念日として、ダム湖 (正式名は 「八ッ場あがつま湖」) 周辺では、さまざまなイベントが開催されるとのことです。
実行委員長の樋田省三さんは、川原湯温泉協会長でもあります。
過去には、取材等で大変お世話になりました。
彼は以前、僕のインタビューで、このように語っていました。
<次世代を担う若い後継者が、帰って来ています。私たちは過去を引きずっていますが、彼らには未来しかない。新しい川原湯温泉に期待しています>
(『グラフぐんま』 2018年1月号 「小暮淳のぐんま湯けむり浪漫」 より )
新天地での新しい川原湯温泉が歩み始めました。
これからも開湯800年の歴史を、さらに刻んで行ってほしいものです。
これは余談ではありますが、実は昨日8月8日は、僕の誕生日でもありました。
ご丁寧に、お祝いメールをくださった友人知人のみなさん、ありがとうございました。
Posted by 小暮 淳 at 12:00│Comments(0)
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