2022年07月28日
老いの功名
歳を重ねるということは、老化が進むということ。
生きとし生けるものすべて、あらがうことはできません。
五十路の坂を上り始めたころから、僕も肉体の衰えを日に日に感じるようになりました。
外見では白髪やシワ、シミが増え、内面では筋肉や目、肩、腰、歯の劣化が進みました。
特に目は仕事柄、酷使してきたため老化のスピードが早く、50代の初めには老眼鏡のお世話になっていました。
老化とは、「百害あって一利なし」 なのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
肉体は衰えても、人生の酸いも甘いも噛みしめてきた者だけが、たどり着ける精神世界があります。
さらに、それに長い間に培ってきた知識が加わります。
とは言いながらも、若い肉体に憧れてしまうのが、老いる者の常であります。
だから老いる者にとってアンチエイジングは、永遠のあこがれなんですね。
先日、運転免許証の更新に行って来ました。
エッヘン!
僕はゴールドカードですから、手続きもスイスイス~イとスムーズに終わりました。
でも、ここで、前代未聞の異変が起きたのです!
この何十年、僕の免許証の条件欄には、常に 「眼鏡等」 の記載がありました。
だから視力検査の時は、必ずメガネを持参して行きます。
「眼鏡等ですけど、裸眼は、いくつですか?」
と検査員。
とっさに訊かれても、最後に測ったのがいつだったかも覚えていません。
「では測ってみましょう」
ということで、測定が始まりました。
「上、右、下、左……」
すると、
「ハイ、結構です。裸眼で大丈夫ですね。眼鏡等の条件は削除します」
だと言うではありませんか!
おったまげーーーー!!!
一眼がそれぞれ0.3、両眼で0.7以上あったということです。。
視力が回復した?
こんなことって、あるんですね。
思えば、薄々気づいてはいたのです。
ここ数年、クルマを運転しているときに、メガネをかけ忘れることが多々ありました。
でも、それに気づいていない自分がいたのです。
メガネがなくても、見えていたのですね。
昨日、かかりつけ医へ行った際に、僕は先生に訊きました。
「自然に視力が回復することってありますか?」
すると先生は、一刀両断。
「ない」
「では、なんで眼鏡等が取れたんですか?」
「老化だよ。ジジイの証拠」
「えっ?」
「近くが見えなくなって、遠くが見えるようになった。ただ、それだけのこと」
喜んでいいのか、悲しんでいいのか、どちらなんでしょうか?
ま、僕にとっては、免許証の条件欄から 「眼鏡等」 が消えたことは、朗報には違いありません。
Posted by 小暮 淳 at 12:01│Comments(0)
│つれづれ