2010年03月30日
やぶ塚温泉 「ホテルふせじま」「開祖 今井館」
昨日から、やぶ塚温泉に泊り込んで、老舗旅館の取材をしてきました。
「ホテルふせじま」(旧・伏島館)4代目主人の伏島晴彦さんと、「開祖 今井館」9代目主人の今井和夫さんに、やぶ塚温泉の歴史や湯の歴史について、興味深い話をたくさん聞きました。
開湯1300年、日本最古といわれる温泉神社が、両館の裏山に建っています。新田義貞の隠れ湯ともいわれ、江戸時代にはすでに湯小屋があり、農閑期には近在の農民たちが湯治に訪れていたといいます。
やぶ塚温泉は、子供の頃よりたびたび訪ねていましたが、このところ一軒宿の温泉ばかり取材していたので、知ってるつもりで知らなかった思わぬ発見があり、両氏の話に引き込まれてしまいました。
僕にとって最大の収穫は、幻の温泉「西長岡温泉」にたどり着いたことです。
ここ、やぶ塚には、「湯の入」「滝の入」「西長岡」の3つの源泉があったいいます。「湯の入」が現在のやぶ塚温泉が使用している源泉で、「滝の入」は廃業してしまって福寿館が所有していた源泉。そして今日、以前から探していた「西長岡」の場所が判明しました。今井さんが子供の頃、昭和20年代までは丘陵をひとつ越えたところに一軒宿があったそうです。大火により消失してしまった話を、リアルに語ってくださいました。
大正7年発行の田山花袋・著『温泉めぐり』に、次のようなくだりがあります。
<その西長岡温泉に初めて私の出かけて行ったのは、そのあくる年の二月のまだ寒い頃であった。(中略)位置としても、藪塚よりも深く丘陵の中にかくされたようになっていて、一歩一歩入って行く心持が好かった。>原文のまま
この本を読んだときから、僕は消えた温泉の場所を探しつづけていたのです。
謎が解けて、実に愉快です。これだから取材は楽しい!
「ホテルふせじま」(旧・伏島館)4代目主人の伏島晴彦さんと、「開祖 今井館」9代目主人の今井和夫さんに、やぶ塚温泉の歴史や湯の歴史について、興味深い話をたくさん聞きました。
開湯1300年、日本最古といわれる温泉神社が、両館の裏山に建っています。新田義貞の隠れ湯ともいわれ、江戸時代にはすでに湯小屋があり、農閑期には近在の農民たちが湯治に訪れていたといいます。
やぶ塚温泉は、子供の頃よりたびたび訪ねていましたが、このところ一軒宿の温泉ばかり取材していたので、知ってるつもりで知らなかった思わぬ発見があり、両氏の話に引き込まれてしまいました。
僕にとって最大の収穫は、幻の温泉「西長岡温泉」にたどり着いたことです。
ここ、やぶ塚には、「湯の入」「滝の入」「西長岡」の3つの源泉があったいいます。「湯の入」が現在のやぶ塚温泉が使用している源泉で、「滝の入」は廃業してしまって福寿館が所有していた源泉。そして今日、以前から探していた「西長岡」の場所が判明しました。今井さんが子供の頃、昭和20年代までは丘陵をひとつ越えたところに一軒宿があったそうです。大火により消失してしまった話を、リアルに語ってくださいました。
大正7年発行の田山花袋・著『温泉めぐり』に、次のようなくだりがあります。
<その西長岡温泉に初めて私の出かけて行ったのは、そのあくる年の二月のまだ寒い頃であった。(中略)位置としても、藪塚よりも深く丘陵の中にかくされたようになっていて、一歩一歩入って行く心持が好かった。>原文のまま
この本を読んだときから、僕は消えた温泉の場所を探しつづけていたのです。
謎が解けて、実に愉快です。これだから取材は楽しい!
Posted by 小暮 淳 at 16:29│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
はじめまして。
拝見したのが2年以上も前のブログ記事なので、その後、いろいろと調査を進められていらっしゃることと存じます。
実は、貴方のブログを拝見したこともきっかけとなったのですが、現在、私どもが開催している企画展「身のまわりの生活史7 夏の思い出」において、西長岡鉱泉に関する資料を数点展示しております。昭和2年発行の「西長岡鉱泉名所図絵」なるものもあります。(これは、鳥瞰図のような絵図です。)
御多忙とは存じましたが、お仕事の語参考になればと存じ、一報を入れさせていただきます。
宮代町郷土資料館
〒345-0817 埼玉県南埼玉郡宮代町字西原289
TEL 0480-34-8882 FAX 0480-32-5601
当町のHPではありませんが、下記アドレスに会場の様子があります。(住民の方のブログですが、よく取材をしてくださる方のものです。)
http://nurikikaku.blogspot.jp/2012/07/blog-post_22.html#!/2012/07/blog-post_22.html
拝見したのが2年以上も前のブログ記事なので、その後、いろいろと調査を進められていらっしゃることと存じます。
実は、貴方のブログを拝見したこともきっかけとなったのですが、現在、私どもが開催している企画展「身のまわりの生活史7 夏の思い出」において、西長岡鉱泉に関する資料を数点展示しております。昭和2年発行の「西長岡鉱泉名所図絵」なるものもあります。(これは、鳥瞰図のような絵図です。)
御多忙とは存じましたが、お仕事の語参考になればと存じ、一報を入れさせていただきます。
宮代町郷土資料館
〒345-0817 埼玉県南埼玉郡宮代町字西原289
TEL 0480-34-8882 FAX 0480-32-5601
当町のHPではありませんが、下記アドレスに会場の様子があります。(住民の方のブログですが、よく取材をしてくださる方のものです。)
http://nurikikaku.blogspot.jp/2012/07/blog-post_22.html#!/2012/07/blog-post_22.html
Posted by 宮代町郷土資料館 横内 at 2012年07月25日 11:03
宮代町郷土資料館 横内さんへ
貴重な情報を、ありがとうございます。
さっそく活用させていただきます。
また企画展の会期中に時間がとれるようでしたら、資料館へも足を運ばさせていただきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
貴重な情報を、ありがとうございます。
さっそく活用させていただきます。
また企画展の会期中に時間がとれるようでしたら、資料館へも足を運ばさせていただきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 at 2012年07月25日 14:45