温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2017年09月13日

思わぬ伝言


 『ぐりとぐら』 『かえるのえるた』 『ちいさなおうち』 『シナの五人きょうだい』……

 もう50年以上も昔のことなのに、すらすらと題名が出てきます。
 絵本というものは、そういうものなんですね。

 みなさんにも、きっと “心に残る絵本” があるはずです。


 先日、行きつけの薬局に行ったときのことです。
 顔見知りの薬剤師さんから、
 「小暮さん、I さんという女性を覚えていますか?」
 と、声をかけられました。
 「……」
 「『誕生日の夜』 を読み聞かせしている人です」
 「はいはい、覚えていますとも。手紙をいただきましたから!」

 もう5年以上も前の話です。
 この薬局を利用している女性が、待合室に置いてあった僕の絵本 『誕生日の夜』 に感動してくださり、手紙をくださったのです。

 彼女は小学校の元教師で、そのときは学童保育で絵本の読み聞かせをしていました。
 <最初は1年生だけに読み聞かせていたのですが、反響が良かったので、他の学年の児童にも読んであげています>
 という内容の手紙でした。
 ※(当ブログの2012年3月8日「『誕生日の夜』が小学校で…」 参照)


 「小暮さんに、お会いしたがっていましたよ」
 「どんな方か、僕もお会いしたいですね」
 「なんでも、学童で育った子どもたちが、卒業後に “心に残る絵本” として、小暮さんの 『誕生日の夜』 を挙げているらしいですよ」
 「えっ、本当ですか!」

 薬局を出た後、僕は、しばらく道端で立ち止まってしまいました。
 見る見るうちに、目頭が熱くなってきたからです。
 うれしくて、うれしくて、体まで震えてきました。

 あれから5年……
 I さんは人知れず、ずーっとずーっと、『誕生日の夜』 を子どもたちに読み聞かせ続けていたのですね。
 “感謝” などという薄っぺらい言葉では、言い表わせない感動が全身を突き抜けていきました。


 たかが絵本、されど絵本なんですね。
 15年前に、自費出版で世に出した小さな小さな絵本です。

 I さん、ありがとうございます。
 あなたがいたから、たくさんの子どもたちの心に、僕の絵本が届きました。
 いつかきっと、直接お会いして、お礼を申し上げます。

 本当に、本当に、ありがとうございます。

 ※『誕生日の夜』 は、当ブログ内のカテゴリより全文を閲覧することができます。
  


Posted by 小暮 淳 at 17:14Comments(0)誕生日の夜

2017年09月11日

マロの独白(30) ネコじゃないもん!


 こんにちワン! マロっす。
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、11才です。

 えー、チワワと申しましても、みなさんが良く知っている、あの目がクリクリっとしたアイドル犬ではありません。
 オイラ、ロングコートっていう種類で、目は小さいです。
 だから、よく散歩の途中で、
 「あら、変わったイヌね~」
 なんて、近所の人から訊かれることがあるのですが、ご主人様が
 「これでもチワワなんですよ」
 と答えています。

 “これでも” とは、失礼しちゃいます。
 れっきとした血統書付きのチワワですよ!


 でもね、こんなオイラを 「カッコイイ!」 と言ってくれる人もいたんですよ。
 長男のR様です。
 「マロってさ、たてがみが長くて、ライオンみたいでカッコイイよね」
 って。
 あの頃はR様も、まだ中学生でした。
 現在は所帯を持たれ、この家を出て行かれましたから、もう、オイラのことを、そんなふう褒めてくれる人は、いませんけど……

 最近は歳のせいもあり、食が細くなって、夏バテもしてて、かなりヤセ気味なんです。
 おまけに、夏は毛が抜けて、リビングが汚れるとかで、奥様に追い回されて、バッサリと自慢のロン毛を切られてしまいました。

 「ギャハハハ~、なんだマロ、その姿は? ちっちゃくなっちゃったな! ネコがいるんかと思ったよ」
 「ご主人様まで、ひどいじゃないですか。大主人様はご高齢で、目も良く見えないから仕方ないですけど、ご主人様までが……」
 「ごめん、ごめん。すねるなよ。ネコみたいに可愛いっていうことだよ」
 ですって。

 もう、放っといてください。
 チビで、ガリガリで、貧相だってことでしょ!


 昨日だって、散歩の途中で、知らない人に声をかけられました。
 「あらら、ちいっちゃくて可愛いですね。ネコみたい」
 そしたら、ご主人様は、なんて言ったと思いますか?

 「でもね、こいつ、こう見えて、おじいちゃんなんですよ。ハハハ」

 ご主人様!
 オイラ、ネコじゃないし、そんなに年寄りでもありませんからね。
 もう、傷つくんだから!

 早く、冬が来ないかな~。
 フッサフサになって、みんなに 「カッコイイ!」 って、言わせてやるワン!!!
  


Posted by 小暮 淳 at 17:40Comments(3)つれづれ

2017年09月09日

湯治場の復活を考える②


 群馬県内には、約100ヶ所の温泉地があります。
 しかし、その半数以上が、たった一軒で湯と温泉地名を守り継いでいる “源泉一軒宿” です。
 そして年々、高齢化や後継者不在、経営不振などの理由から姿を消しているのが現状です。

 なんとかしたい!
 かつては湯治場であったはずの温泉地を元の姿にもどせないものか?

 そんな思いから、有志を募り、3年前に発足したのがNPO法人 「湯治乃邑(くに)」 です。
 絶滅が危惧される温泉地および温泉宿の新たな活用を提案し、再生を支援する活動を始めました。


 昨年から開催しているパネルディスカッションも、たくさんの人に温泉地の現状を知って欲しいという思いから公開しています。
 前回は、予想以上の来場者と反響があり、新聞等にも取り上げられました。
 今年もすでに何紙か、事前の情報を掲載していただいています。

 今回はゲストパネラーに、みなかみ町観光協会理事長で上牧温泉「辰巳館」社長の深津卓也氏と、(株)エムダブルエス日高社長の北嶋史誉氏を招き、観光・環境・介護・福祉の面から温泉の未来を語っていただきます。

 開催まで1週間となりましたが、まだ席に余裕があります。
 この機会に、ぜひ、ご参加ください。



    第2回 公開パネルディスカッション
     消えゆくぐんまの源泉一軒宿
      『湯治場の復活を考える』

 ●日時  2017年9月16日(土) 午後2時~4時
 ●会場  高崎市産業創造館 研修室
 ●料金  参加費無料
 ●申込  ファックスかメールにてお願いします。
        fax.027-212-8822 E-mail:toujinokuni@gmail.com
 ※終了後、懇親会あり。会費3,000円

 <パネラー>
 小暮 淳   温泉ライター・NPO法人「湯治乃邑」理事長
 深津 卓也  みなかみ町観光協会理事長・上牧温泉「辰巳館」社長
 北嶋 史誉  (株)エムダブルエス日高 代表取締役社長
  


Posted by 小暮 淳 at 13:00Comments(2)湯治乃邑

2017年09月07日

アザレア号、伊香保へ


 世界のみなさん、こんにちは!
 伊香保温泉大使から外国人のみなさんに、大変うれしいお知らせです。

 すでに新聞報道等で、ご存知の人もいると思いますが、「アザレア号」 が11月1日から伊香保温泉まで延伸することになりました。

 アザレア号とは?
 成田空港-前橋間を走る高速乗り合いバスです。
 現在、1日10往復していますが、その一部の便が伊香保温泉まで延伸することになりました。


 このアザレア号、群馬県民には、たいへん重宝されています。
 電車のように乗り継ぎもなく、成田空港までの直通便ですからね。
 僕は利用したことはありませんが、息子が海外旅行へ行くたびに利用しているので、いつもバス停まで送り迎えをしています。

 そのアザレア号が、1日1往復とはいえ、毎日運行されるのです。
 「伊香保温泉はインバウンドという点では後発の温泉地。待ちに待った延伸です」と、渋川伊香保観光協会の大森隆博会長も、喜びの声を新聞に寄せていました。

 そうなんです。
 伊香保温泉は他の有名温泉地に比べるとインバウンド(訪日外国人客) の割合が、圧倒的に少ないのです。
 昨年の伊香保温泉の宿泊客数は105万1400人、このうち外国人は約1%の1万880人です。
 これを将来的には全体で140万人まで増やし、外国人客を5%に当たる7万人を目指しているとのこと。

 5%です。
 ちょうど良い割合ではないでしょうかね。
 あまり外国人が増え過ぎて、観光地化が進み過ぎると、温泉情緒が失われてしまいますからね。
 あとは、受け入れる側の姿勢です。
 “郷に入っては郷に従え” で、きっちりと温泉文化を指導していただきたいものです。

 それには我々日本人が、もっともっと温泉について知識を身に付けなくてはなりません。
 温泉のついての 「なぜ?」
 外国からのお客様に、答えられるようにしたいものです。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:30Comments(0)大使通信

2017年09月05日

山村文化とアートに触れる旅


 中之条町観光大使および四万温泉大使からのお知らせです。


 いよいよ、今週末から始まります!
 2年に一度、群馬県吾妻郡中之条町の町全体が舞台となる芸術祭「中之条ビエンナーレ」。

 1998年に町営の温泉施設でアーティストが制作しながら暮らすことを始め、2007年には 「中之条ビエンナーレ」 として発展し、アーティストの滞在制作と発表の舞台となりました。
 6回目となる今年は、国内外からさまざまな異なる文化を持つアーティストたち163組(海外より20の国と地域から70組) がこの地に集まり、長期間の滞在制作をこころみます。

 時が止まったままの木造校舎や養蚕農家、文豪たちが愛した情緒ある温泉街など、山村文化が息づく町内各所で、アート作品の展示、演劇、身体表現などのパフォーマンス、ワークショップ、マルシェなどが開催されます。


 下記の6つのエリアで開催されます。

 <四万(しま)温泉エリア>
 「四万の病に効く」 といわれる名湯、四万温泉。幻想的な青い川の流れと古き良き温泉街が舞台。旧第三小学校には多くの作品が並び、期間限定のカフェも登場します。

 <中之条伊勢町エリア>
 JR中之条駅から商店街、ふるさと交流センター 「つむじ」 などを含む中心街のエリア。歩いてまわれる範囲に、多くの作品やショップが集まっています。

 <伊参(いさま)エリア>
 町のシンボルである霊山・嵩山(たけやま) や明治から昭和に建築された木造校舎、国指定重要文化財 「冨沢家住宅」 などがあるエリア。棚田が多く、日本の原風景ともいえる里山の景観が残ります。「日本で最も美しい村」連合に加盟。

 <名久田(なくた)エリア>
 田園風景が広がるのどかな地区。ぬる湯の一軒宿、大塚温泉も近い。

 <沢渡・暮坂(さわたり・くれさか)エリア>
 “草津のなおし湯” として知られる沢渡温泉と、歌人・若山牧水が愛した暮坂峠があるエリア。峠の途中には、体験施設 「花楽の里」 があります。

 <六合(くに)エリア>
 旧六合村の南部・赤岩地区は養蚕が栄えた集落で、伝統的建造物が多く残る地区。六合温泉郷には5つの温泉が湧いています。「日本で最も美しい村」連合に加盟。



        中之条ビエンナーレ 2017

 ●会期  2017年9月9日(土)~10月9日(月・祝) ※期間内無休
 ●時間  9:30~17:00
 ●会場  中之条町内6エリア51ヶ所
 ●料金  パスポート 1,000円(前売800円)、ガイドブック 1,000円
        ※パスポートで会期中は何度でも作品鑑賞可(高校生以下無料)
 ●問合  中之条ビエンナーレ実行委員会事務局 TEL.0279-75-3320
  


Posted by 小暮 淳 at 19:22Comments(2)大使通信

2017年09月03日

される側の心理②


 「小暮さんの本は、5冊持っています」
 「ありがとうございます。温泉が、お好きなんですね?」
 「いえ、小暮さんが好きなんです」

 なーんて言われてしまえば、もう訊かれたことは、なんでも話してしまいますって!
 いえいえ、訊かれないことだって、みーんなしゃべっちゃいますよ。


 ということで、昨日、某誌から取材を受けました。
 しかも、東京から前橋くんだりまで、わざわざ僕を訪ねて来てくれたのです。
 それも、3人で!

 通常、新聞や雑誌の取材って、記者やライターが1人でやって来ます。
 昔はカメラマンが付いてきましたけど、今はカメラの性能が良くなりましたからね。
 たいがい1人できます。
 なのに、3人ですよ!(ビックリしました)

 ライターと担当編集者、と、なんと編集長さんまで!

 事前に、「うちの編集長が、ぜひ、お会いしたいと言っています」 とは聞いていたものの、本当に現場に来られるとは、驚きました。
 だって編集長のN氏は、業界では、かなりの著名人であります。
 そんな方が、僕のために、しかも群馬まで来てくれるなんて……(恐縮であります)

 で、名刺交換のあいさつの席で、冒頭の会話が交わされたというわけです。


 「この本にも小暮さんのことが、書かれていますね」
 と開口一番、N氏がテーブルの上に置いたのは、木部克彦さんの著書 『続・群馬の逆襲』(言視舎) でした。

 そうなんです。
 友人でもある元新聞記者でジャーナリストの木部さんが、この本の中で僕のことを “温泉バカ一代” と称し、「いかにも世界屈指の温泉大国・群馬らしいオジサンがいます」 と書いているのです。

 「よく調べていますね」
 「たまたま読んでいたら、小暮さんのことが書かれていたもので……」
 開かれたページには、赤い線が何本も引かれていました。


 僕の職業は、ライターです。
 フリーになる前の雑誌記者時代を入れれば、もう、かれこれ30年も取材活動をしています。
 たぶん、お会いして話を聞いた人の数は、何千人にもおよぶと思います。
 いわば、僕は取材を “する側” の人間なのです。

 それが、なんだか、ここ数年は、立場が逆転する現象が起きています。
 “される側” になっているのです。

 ライターが取材を受けるって、とっても不思議です。

 でも、こうやって、僕の本や記事を熱心に読んでくれて、さらに会いに来てくれる人がいることに、大変感謝します。
 本当に、ありがたいことだと思います。
 “される側” になって、初めて分かることって、あるのですね。


 2時間にわたる、長い取材でした。
 編集長のNさん、編集者のSさん、ライターのSさん、ありがとうございました。
 今から10月の発行日を楽しみにしています。
  


Posted by 小暮 淳 at 17:16Comments(0)取材百景

2017年09月01日

起承転結の 「結」


 僕は電車に乗るとき、必ず駅の売店で新聞を買います。
 雑誌でも、なんでもいいんですけど、活字を目で追っていないと落ち着かないのです。
 長距離の移動になると、新聞では活字の量が足りませんから、文庫本を持って行きます。

 が、「あれ、忘れた!」 と先日は、家を出てから文庫本を持たなかったことに気づきました。
 東京までの往復約4時間。
 間が持てるわけがありません。
 すぐに、書店に駆け込みました。

 でも、電車の発車時刻まで、あまり時間がありません。
 所要時間は、わずか5分!
 もう、衝動買いしかありません。
 なんでもいいから面白そうな本を……と、店頭の平積みを眺めていると……、真っ先に目に飛び込んできたタイトルが、

 『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(海竜社)

 著者は、漫画家の弘兼憲史さんです。
 『課長島耕作』 や 『黄昏流星群』 などで知られる有名な漫画家ですが、僕のお気に入りは、なんといっても 『人間交差点』 です。
 その昔、全シリーズをコンプリートとし、今でも時々、書庫から引っ張り出して来ては読んでいる “人生のバイブル” であります。

 迷うことなく本を手に取り、レジへ向かい、駅へと急ぎました。


 マイッタ~!

 電車に乗って、ページを開くなり、カウンターパンチを食らってしまいました。
 第1章の第1項から、いきなり <60歳というのは起承転結の「結」に突入する年齢です> と始まるのです。

 <現在の日本人の平均年齢は、男女ともに80歳を超えています。(中略) 物語的に言えば完全に終盤。いよいよ仕上の時の始まりです。> と。

 さすが漫画家らしく、<漫画も人生もエンディングが大事> だと “結末” の大切さを分かりやすく述べています。


 人生を4分割すると、
 生まれてから20歳までが、「起」。
 20歳から40歳までが、「承」。
 40歳から60歳まで、「転」。
 そして、残りの人生が 「結」 ということになります。

 いよいよ僕も来年は、還暦です。
 人生の結末を考える時がきました。

 振り返ってみると、それなりに生きてきたような気がします。

 表現することに目覚めた10代。
 表現することを始めた30代。
 表現を伝えることを知った50代。

 なんとか、起承転結の転までは生きてきました。
 さて、問題は最難関の 「結」 であります。

 終わり良ければ、すべて良し!

 自分は、どうやって、この人生を締めくくるのだろうか?
 と、あれやこれやと考えていたら、電車は東京に着いてしまいました。

 ま、80歳までは、あと20年もありますので、ゆっくり考えることにします。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:14Comments(0)つれづれ

2017年08月29日

東京へは、もう何度も行きましたね


 昨日、久しぶりに東京の空気を吸ってきました。
 昨年の9月以来ですから、約1年ぶりです。

 前回は、東京ビッグサイトで開催されたイベントで講演をしました。
 さて、今回は?

 某テレビ局の旅番組の打ち合わせです。
 「わざわざ東京までお越しいただきありがとうございます」
 とディレクター氏は、恐縮しながら僕を迎えてくれましたが、いえいえ、お礼を言わなければならないのは、こちらのほうであります。
 だって、またまた全国ネットで群馬の温泉を紹介してくれるんですよ!

 自称 “群馬の温泉大使” としては、お安い御用であります。


 都内某所にて。
 番組のディレクターとアシスタントディレクター、それに構成作家と僕。
 2時間にわたり、企画会議が行われました。

 僕も、ついつい話に熱がこもってしまいましたが、みなさん、番組にかける情熱がスゴイ!
 「いい番組を作りたい」 というアツ~イ思いが、ひしひしと伝わってくるのであります。
 と同時に、群馬の温泉にも大変興味を持っていただき、次から次へと、質問が出てきます。

 まだ企画段階であります。
 ロケ日も放送日も未定です。
 でも、絶対に面白い番組になりそうな予感がします。
 だって、群馬の温泉トリビアが盛りだくさんの内容なのですから!


 会議を終えて、夕暮れの街へ。
 人、人、人、人の群れ。
 いつ行っても、東京って、人が多い!
 それだけで、ドッと疲れてしまいました。

 やっぱり僕は、温泉のある群馬がいいなぁ~!!


 ♪ 東京へは、もう何度も行きましたね ♪

 駅へと向かう雑踏の中、気が付いたら口ずさんでいました。 
  


Posted by 小暮 淳 at 21:19Comments(0)テレビ・ラジオ

2017年08月27日

長者番付に載らなくても


 AKB48グループのプロデューサーであり、作詞家の秋元康氏の自叙伝的小説 『さらば、メルセデス』 に、こんな一節があります。

 <今朝の新聞の長者番付に、僕の名前が載っていた。(中略) 僕のような仕事をする者にとって、収入とは、実力のバロメーターだ。どんなに口で 「いいね」 と褒められるより、ギャラの額で評価された方がいい。>

 読んでいて、はたと、このページで手が止まってしまいました。

 若い頃なら、「所詮、秋元も拝金主義かよ!」 なんて思ったのかもしれません。
 または、「長者番付に載る人は、レベルが違う」 と敗北感を味わっていたかもしれません。
 でも僕が、ページをめくる手を止めたのは、そこではありません。

 “実力のバロメーター” という言葉です。

 「実力? 才能じゃないんだ!?」
 という、躊躇でした。
 久しぶりに、“実力” という言葉を目にした気がします。


 とかく、表現の世界で暮らしていると、“才能” という言葉に振り回されがちであります。
 ま、才能のアル、ナシで片付けてしまうと、物事は簡単ですし、人は結果に納得しやすいからです。
 でも、“実力” は違います。
 はるかに重い響きがあります。

 例えるならば、才能は 「瞬発力」 のようなもの。
 比べ、実力は 「持久力」 ではないでしょうか。
 才能があっても、実力がなければ、成功には導けません。
 逆に、才能はなくても、実力のみで地位を手にした人は、たくさんいます。

 その昔、プロ野球の張本選手が、スーパースターの長嶋茂雄のことを「天才」 と書いた新聞記者に、かみついたことがありました。
 「あんなに努力している人を、たった二文字で片付けるな!」と……。
 たぶん、僕は本を読んでいて、そのエピソードを思い出したんだと思います。


 <長者番付の他の人が、みんな、ひとつのことをやり遂げているのに、僕は、たまたま運よく時代の追い風に乗っただけだ。(中略) もっと、実態のあるものをやり遂げてからここに登場していたら、また、違っていたかもしれない。32歳の若さで、長者番付に載るほど、ギャラを稼ぐことに夢中になっていた自分が恥ずかしかった。>

 そして秋元氏は、富の象徴である愛車のメルセデス・ベンツを手放し、ニューヨークへと旅立って行きます。

 ま、凡人の僕が、とやかく言うことではありませんが、才能も実力も、上には上がいるということです。
 若い頃ならば、「今に見ていろ、俺だって!」 と拳を振り上げるのでしょうが、今となっては、ただただ人間としてのスケールの違いを感じるだけであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 21:49Comments(2)つれづれ

2017年08月25日

居場所さがし


 「しいて言うなら、居場所だろうな」
 「居場所?」
 「そう、仕事でもないし、趣味でもない。我々の居場所なんだよ」

 先日の野外ライブを終えた晩のことです。
 旅館の一室にバンドのメンバーが集まり、打ち上げと称して酒盛りをしているときでした。
 「何で我々は、バンド活動を続けているのか?」
 という話題になりました。

 思えば20年近くも、こんなことを続けているのです。
 よくもまあ、飽きもせずにです。

 基本、僕らのバンドは報酬をいただきません。
 その代わり出演には、条件があります。
 ①宿泊施設を用意すること。
 ②酒は飲み放題とすること。
 以上です。

 要は、メンバー全員がのん兵衛なので、“金より酒” に釣られてしまうのであります。
 (主催者側にしてみれば、逆に高く付くバンドかもね)


 好きなことでも収入を得れば、それは仕事です。
 逆に、趣味にすると身銭を切って、投資をしてしまいます。
 まさに、僕らにとってバンドは、どちらでもない心地よい “居場所” ということになります。

 「たとえば、鍋奉行よ」
 ベース担当のS君が、さらに話を続けます。
 「鍋奉行は、他人に頼まれてやる仕事じゃない。本人が好んで自ら率先してやる役職だよ」
 「いわゆる、居場所だね」
 「そう、他人にも迷惑はかけないし、かえって喜ばれることのほうが多い」
 「この、誰にも迷惑をかけないというのは、“居場所” の第一条件になりそうだね」
 「ジュンちゃんは、ほかに居場所があるかい?」

 そう言われて、ハタと考えてしまいました。
 好きなこと、興味のあることはたくさんあるのですが、なんだかみんな仕事になってしまっているのです。
 温泉も登山も、昔は趣味だったんですけどね。

 趣味を仕事にしてしまうと、とどのつまり居場所がなくなってしまうのかもしれませんね。
 残りの人生は、バンド以外の “居場所さがし” ということになりそうです。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:10Comments(3)つれづれ

2017年08月23日

霧積温泉 「金湯館」⑦


 <山の宿 泡付くヌル湯の 新鮮さ> by 郡司 勇


 全国でも希少な泡のつく温泉としても知られる群馬の秘湯といえば、霧積温泉です。
 かの伊藤博文や勝海舟らも泊まったという明治17(1884) 年創業の一軒宿、「金湯館」 へ行ってきました。


 「えー、今日の温泉は、源泉の温度が約39度。真夏にうれしい “ぬる湯” の宿です。何よりも、全身があっという間に泡まみれになる大変珍しい温泉です。ぜひ、その妙を楽しんでください」

 昨日は月に一回の野外温泉講座日でした。
 僕は9年前からNHKカルチャースクールで、温泉講座の講師をしています。

 「僕は、ここの湯のことを “サンゴの産卵” と呼んでいます。体毛、とくに陰毛が泡で真っ白になります。それを手で払ってみてください。パァ~と一斉に無数の気泡が飛び散って、まるでサンゴが産卵しているようですよ」

 車中で、笑いが起きました。
 やがてバスは、国道18号沿いのドライブインに到着。
 ここで一行は、すでに迎えに来てくれていた宿のマイクロバス2台に分乗し、山道を登り出しました。
 数日前に土砂崩れがあり、一時は通行止めになっていた道ですが、すでに復旧されています。


 鼻曲山の登山口、旧 「きりづみ館」 跡地の駐車場で、僕らは二手に分かれました。
 そのまま宿へ直行する組と、登山組です。
 僕を含め8名が下車し、伊藤博文らも歩いたといわれる 「ホイホイ坂」 を登って、宿を目指しました。

 徒歩約30分。
 たっぷり汗をかいて、待望の温泉へ。
 受講生一同、噂どおりの泡のつく湯を堪能しました。


 そして事件(?) が起きたのは、湯上がりの昼食タイムでした。
 「みなさん、全身が泡だらけになったでしょう?」
 と僕が受講生たちに問いかけた時でした。
 ほとんどの人が 「ハーイ!」 と答えている中、1人の婦人だけが、「私は付きませんでした」 と言います。

 えっ、そんなことってあるのでしょうか?
 1人だけ、泡がつかないっていうことが?

 「では、“サンゴの産卵” は見られなかったのですね?」
 との僕の問いに、婦人いわく、
 「私、頭髪以外、体毛がないのよ!」

 一瞬、場に静けさが漂い、遅れてドッと笑いが巻き起こりました。


 ま、毛のある人もない人も、存分に満足していただいた秘湯の宿でした。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:46Comments(0)温泉地・旅館

2017年08月21日

老神温泉 「観山荘」②


 先週のこと。
 自宅リビングのカレンダーに、1枚のプリントが貼られているのに気づきました。

 <学習合宿 実施要領>
 <8月16日(水)~20日(日) 老神温泉「観山荘」>
 と、書かれていました。

 高校3年生の次女のものです。
 受験勉強の強化合宿に参加するようです。


 「老神温泉(群馬県沼田市利根町) に行くの?」
 「うん」
 「観山荘に泊まるんだ?」
 「だっけ? そんな名前だった」
 「社長さんは、観光協会の副協会長さんだぞ」
 「そうなんだ」

 スマホを夢中になっていじっている娘には、まったく興味のない話のようです。

 「お父さんも、観山荘に泊まるんだよ」
 「いつ?」
 「日曜日」
 「へー、でも、すれ違いだね。私たちは、帰る日だから」
 「だね」
 「仕事?」
 「いや、バンド。老神温泉のお祭りに出るんだよ」

 そして、しばらく無言……

 「ねえねえ、おとう。おとうは、温泉じゃ、有名なんでしょ?」
 「有名って、まあ、老神温泉は温泉大使をしているけど」
 「だったら、おとうの娘だって言ったら、私だけ、なんか特別サービスがあるかな?」
 「さあ、どうかな。ためしに言ってみたら」
 「……、ヤダよ、恥ずかしい!」


 そして昨日の午後、僕はバンドのメンバーとともに、老神温泉のお祭り会場へ。
 本部テントへあいさつに行くと、観山荘のご主人、萩原忠和さんがいました。

 「今日まで、○○高校が合宿していたでしょう?」
 「あれ、よくご存知ですね」
 「ええ、うちの娘も参加しているんですよ」
 「そうですか! 確か、3時までいるはずですよ。娘さんに会いに行って来たらいかがですか?」
 「いえいえ、それは……」

 なんだか、急に恥ずかしくなってしまいました。
 とってもヘンな感じです。
 同じ日に、別々の用事で、父と娘が同じ温泉地にいるのって。


 夜9時、僕らは2回のステージを終えて、観山荘にチェックイン。
 祝杯を挙げる前に、とにかく汗を流したい。
 まずは全員で浴衣に着替えて、大浴場へ。

 源泉は、昔から 「瘡(かさ) 老神」 と言われるほど、皮膚病に特効がある名薬湯であります。
 泉質は、アルカリ性単純硫黄温泉。
 サラリとした、クセのない清らかな湯が、今日一日の疲れを取り除いてくれます。

 ふと、娘のことを思いました。
 5日間も、この湯を浴んでいたんだと。
 高校生のくせに、生意気だとも。
 10年、早いぞ! いや、20年くらい早い! なんてね。

 帰ったら、それとなく感想を聞いてみようかな……

 露天風呂の石の縁に頭を乗せながら、あれやこれやと考えていました。
   


Posted by 小暮 淳 at 19:09Comments(0)温泉地・旅館

2017年08月19日

急げ! ミュゼへ


 今日は、中之条町観光大使および四万温泉大使からのお知らせです。

 群馬県吾妻郡中之条町の歴史と民俗の博物館 「ミュゼ」 で、現在開催中の 『世のちり洗う四万温泉』展。
 もう、行かれましたか?
 えっ、まだ行ってない!?
 それは、大変です!

 会期は、あと10日(木曜休館) ですぞッ!!
 急げ! ミュゼへ


 温泉好きには、ぜひ、足を運んでいただきたい企画展です。
 四万温泉の歴史から来遊した文人墨客まで、貴重な資料と丁寧な解説が展示されています。

 <明治時代>
 三遊亭円朝、大槻文彦、高村光太郎、田山花袋ほか
 <大正・昭和時代>
 齋藤茂吉、与謝野晶子、太宰治、井伏鱒二、東条英機、土屋文明、柳原白蓮、服部良一などなど

 そして、平成時代のブースには……

 ハイ、わたくし小暮淳が登場しま~す!

 今となっては、とっても貴重な品々が展示されているのです。
 な、な、なんと! 直筆生原稿ですぞ。
 今は、ほとんどパソコンで原稿を書いていますからね。
 原稿用紙というのは、珍しい!
 大切に保存されていたことに、本人も驚いています。

 さらにさらに、その昔、四万温泉をテーマに描いた書画と絵画まで展示されています。
 これは、ちょっと恥ずかしいのですが、まあ、こんな一面もあるということで、ご愛嬌です。
 笑って、観てやってください。


 ということで会期は、あと10日!
 ぜひ、今年の夏の思い出に、四万温泉の行き帰りに、お立ち寄りください。



    中之条町歴史と民俗の博物館 「ミュゼ」 企画展
        『世のちり洗う四万温泉』

 ●会期  2017年8月30日(水) まで
 ●時間  9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 ●休館  木曜日
 ●料金  大人200円 子ども100円
 ●問合  ミュゼ TEL.0279-75-1922
        群馬県吾妻郡中之条町大字中之条町947-1
   


Posted by 小暮 淳 at 11:41Comments(0)大使通信

2017年08月17日

第2回 公開パネルディスカッション


 今年も開催いたします。
 NPO法人 「湯治乃邑(くに)」 主催による “湯治場の復活を考える” 公開パネルディスカッション。

 昨年11月に第1回を開催し、大変たくさんの方々に参加していただき、マスコミにも取り上げられ、好評を得ました。
 今回はゲストパネラーに、深津卓也氏と北嶋史誉氏をお迎えして、観光・環境・介護・福祉などの多方面から温泉について語っていただきます。
 今年も、熱いトークバトルをお楽しみください。

 ※終了後に懇親会を準備しております。どなたでも参加できます(会費3,000円)。
  希望者は申込時に明記してください



   NPO法人湯治乃邑 第2回公開パネルディスカッション
        消えゆくぐんまの源泉一軒宿  
         『湯治場の復活を考える』

 ●日時  2017年9月16日(土) 午後2時~4時
 ●会場  高崎市産業創造館 研修室
        (高崎市下之城町584-70)
 ●費用  無料
 ●申込  FAXまたはメールにてお願いします。
        FAX.027-212-8822 E-mail:toujinokuni@gmail.com

 ■パネラー
   小暮 淳  温泉ライター・NPO法人湯治乃邑理事長
   深津 卓也 みなかみ町観光協会理事長・上牧温泉辰巳館社長
   北嶋 史誉 (株)エムダブルエス日高代表取締役
  


Posted by 小暮 淳 at 14:37Comments(4)湯治乃邑

2017年08月15日

小さな講演会


 現在、僕は年間約20~30回の講演やセミナー、講座、教室などを開き、群馬の温泉の広報活動を行っています。
 主催者(依頼主) は企業や団体だったり、市町村などの自治体だったりと、さまざまです。

 一番多いのが、公民館で開催される地域の高齢者を対象とした講座や教室です。
 公民館といっても、何百人と収容できる大きなホールから村の集会所まで、その規模はさまざまです。

 また公民館の場合は、受講生の在住地域が限定されていたり、年齢に制限があることが多いので、ブログなどで一般には公開していません。
 が、今回、前橋市粕川町の粕川公民館さんのご厚意により、基本は粕川地区に在住および在勤の方を対象とする講座ですが、地区外の方でも事前申込をすれば受講できることになりましたので、お知らせします。

 ただし、小さな会場なので定員は40名です。
 先着順となります。



      第2回かすかわ元気講座
      『群馬は温泉パラダイス』

 ●日時  2017年8月29日(火) 10:00~12:00
 ●場所  粕川公民館 多目的ホール
        前橋市粕川町西田面194-4
 ●講師  温泉ライター 小暮 淳
 ●費用  無料
 ●定員  40名(先着)
 ●申込  電話またはFAXで、お申し込みください
        TEL.027-285-3311 FAX.027-230-6063 
  


Posted by 小暮 淳 at 21:18Comments(0)講演・セミナー

2017年08月14日

マロの独白(29) 散歩指導犬


 こんにちワン! マロっす。
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、11才です。
 お久しぶりでやんした!

 えー、なんとも、おかしな夏ですね。
 猛暑かと思えば梅雨のような空模様が続いたり、陽気の変化に体がついていけませんって。
 読者のみなさんは、体調を崩していませんか?
 オイラはね、ちょっと夏ヤセしたみたいです。
 そう、ご主人様がオイラを抱いて、言ってました。


 「マロ、誕生日が来たら、急に老け込んだな!」
 「えっ……、ですか?」
 「ああ、なんか肌にハリがなくなっというか……」
 「ご主人様ったら、オイラは、けむくじゃらですよ。肌は露出してませんって」
 「だよな。でもなんだか顔が小さくなったようだし、ほら、あばら骨が見えるぞ」
 「夏バテっていうやつですかね?」
 「だったら、ほれ、栄養つけろ!」
 そう言って、ジャーキーを袋から取り出して、オイラにくれました。

 すでに読者のみなさんもご存知のように、週末になると我が家には大主人様(ご主人様の父上) がやって参ります。
 土曜日の午後に来て、月曜日の午後に帰って行くのですが、大主人様が来ると、なぜか、ご主人様は必ずオイラにジャーキーやらビスケットなどのおやつをくださるのです。

 「ねえねえ、ご主人様。大主人様が来られると、どうしていつもオイラにおやつをくださるのですか?」
 「これは、ご褒美なんだって」
 「“なんだって”って、誰からですか?」
 「おばあちゃんからだよ」
 「えっ、大奥様からですか~!!」

 なんでも、ご主人様が実家に大主人様を迎えに行くと、必ず大奥様が、
 「これで何か、おいしいものをマロに買ってやっておくれ」
 と言って、お小遣いをくださるそうです。
 「いつもマロには、お父さんが世話になっているからさ」
 ですって。
 大奥様は、オイラが散歩の時に、大主人様の道案内をしていることを知っているのでございます。

 「と、いうことだ。マロ指導員、いや、散歩指導犬だな。今日もよろしく頼んだぞ」
 「おまかせください、ご主人様! さあ、参りましょう! ワンワンワン」


 オイラが先頭になって歩き、左手にリードを持ったご主人様が続き、その後ろから杖を突いた大主人様がついてきます。
 もちろん、ご主人様の右手に引かれてですけど……。
 ほほえましい光景でございましょ!

 ただね、相変わらず大主人様は、オイラのことが分かってないんでやんすよ。

 「おい、なんか、いるぞ! あれはネコか、イヌか、なんだ!?」
 ってね。
 でも、いいんですよ。
 オイラは、こうして、ご主人様のお役に立てているだけで幸せなんだワン!

   


Posted by 小暮 淳 at 16:12Comments(2)つれづれ

2017年08月11日

まもなく100回


 毎週火曜日、夜9時から群馬テレビで放送中の 『ぐんま!トリビア図鑑』。
 ご覧になってますか?
 僕は、この番組のスーパーバイザーをしています。

 初回放送は、2015年4月7日でした。
 マニアックな内容なだけに、当初から継続が危ぶまれていましたが、杞憂に終わったようであります。
 すでに3年目に入り、今週の放送で94回目を迎えました。


 今までに僕は、スーパーバイザーとしてだけでなく、番組にも出演してきました。
 役どころは、「トリビア博士」 です。
 ときどき顔を出して、「それはね」 なんて言って、謎解きをしています。

 昨年の暮れには、サプライズで 『温泉ライター小暮淳の素顔!』 という回を作っていただきました。
 なんでも故人ではなく、生身の人間が特集されるのは初めてだったらしいですよ。
 放送後の反響は絶大で、ロケ地となった大胡温泉(前橋市) には、直後から番組で紹介した 「焼きまんじゅう」 を食べに来る客が後を絶たなかったといいます。

 でもね、この番組での僕の “本業” は、あくまでもスーパーバイザーです。
 だから年4回開かれる構成会議にだって、ちゃんと出席しています。
 今週、その会議が行われました。


 「いよいよ、100回です!」
 会議の冒頭、プロデューサーが興奮しながらあいさつをしました。
 そうなんです、10月3日の放送で100回目の放送を迎えるのであります。

 「まさか、この番組が、ここまで続くとは、正直思ってもみませんでした。みなさんのおかげです」
 プロデューサーの言葉に、初回から参加しているディレクターや構成作家らは、同じように深くうなづいていました。
 もちろん、僕も同じ思いです。

 「ネタは、尽きませんか?」
 の問いかけに、一同が自信満々に笑みを浮かべています。
 「大丈夫ですよ。無尽蔵にあります」
 構成作家から頼もしい言葉がもれました。


 3時間におよぶ会議では、年内放送される101~109回までのテーマがしぼり出されました。
 本当に、ネタは尽きないようであります。
 まだまだ群馬には、トリビアが眠っているんですね。

 視聴者のみなさん、これからも 『ぐんま!トリビア図鑑』 を、よろしくお願いいたします。
 県内のアッと驚くトリビアを、お茶の間にお届けします!
    


Posted by 小暮 淳 at 19:41Comments(0)テレビ・ラジオ

2017年08月10日

見えるって、いいね。


 <良かったですね!これで淳ちゃんの活躍する新聞も雑誌も読めて、楽しい余生が送れますね。>
 “介友” からメールが届きました。

 介友とは、親の介護をしている友人のことです。
 いつしか同じ境遇の友人らと、不定期に近況を報告するメールのやり取りが始まっていました。


 先週、オフクロ(90歳) が白内障の手術を終え、退院しました。
 アニキと相談の末、残りの人生を楽しんでもらおうと、思い切って両眼を施術しました。

 「おっ、ちょいワルばあさん! お帰り」
 アニキに車イスを押されて帰って来たオフクロは、黒いサングラスをかけています。

 「痛くなかったかい?」
 「全然、あっという間に終わっていた」
 「良かったね、これで何でも見れるようになるよ」
 「楽しみだね」


 数日後、実家を訪ねると、イスに座ったオフクロが新聞を見ていました。

 「おお~、新聞が読めるようになったか!」
 「大きい字ならね」
 「小さい字は?」
 「ルーペを使えば見えるよ」

 良かった、良かった。本当に良かった。
 介友が言うように、今までは僕が新聞に載ると、記事を読んで聴かせていたのです。
 これで好きな時に、自分で読むことができます。

 なんだか最後の最後に親孝行ができたようで、アニキと一緒に喜びました。


 「あれ、お前! 急に、どうしたんだい?」
 「なにがさ?」
 「頭が、真っ白だよ」

 良かった、良かった。
 やっぱり、今までは見えていなかったんですね。

 「そうだよ。オレも来年、還暦だからね」
 「そうだね。仕方ないね」

 オフクロは、うれしそうに、また新聞を読み出しました。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:58Comments(2)つれづれ

2017年08月08日

青春が終わらないもどかしさ


 「あと、10年かな……」
 先日のライブの帰り道、バンマスが独り言のように言いました。

 我がオヤジバンドの平均年齢は、57.7歳。
 バンマスは最年長の60代半ばです。
 あと何年 “生きられるか?”
 “寿命” について話していました。

 10年とは、生涯寿命のことなのか?
 それとも、健康寿命のことなのか?

 「10年っていうことは、ないでしょう!?」
 「いや、がんばって10年ですよ」


 僕らバンドのメンバーは、全員が組織に属さないフリーランスの人間です。
 アートディレクター、カメラマン、デザイナー、そしてライター。
 仕事に定年は、ありません。
 生きている限り、働き続けなければならない人間なのです。

 「健康寿命」 = 「現役寿命」 ということになります。


 今日(8月8日) 僕は、59回目の誕生日を迎えました。
 還暦に、リーチがかかりました。
 まっとうな生き方をしていれば、現役をリタイヤして、悠々自適な余生を送る準備に入る年齢です。

 “あと10年”

 健康でいられれば、80歳でも90歳でも現役でいられるかもしれません。
 でも、やっぱり、全力疾走できるのは、あと10年くらいかもしれません。
 いえいえ、体力と気力の無茶が利くのは、5年かもしれません。
 残りの5年は、知力と人脈で乗り越えるしかありません。


 毎年、誕生日を迎えると、僕は 「アイツ」 のことを思い出します。
 アイツとは、20歳の頃の自分です。
 生意気なヤツだけど、今でも僕にとっては “人生の師” なのであります。

 やりたかったこと、
 やれなかったこと、
 やらなかったこと、
 まだ、やれること……

 走馬灯のように、頭の中をめぐります。


 「よっ、元気? 39年後のオレって、どんなよ?」
 アイツの言葉に、今日は一日、素直に答えようと思います。

 青春が終わらない、もどかしさを感じながら……
  


Posted by 小暮 淳 at 11:14Comments(4)つれづれ

2017年08月06日

蚊取り線香とうちわと23年目の夏


 しのぎやすかった陽気が続いたのもつかの間、また灼熱の太陽が照りつける暑い日がもどってきました。
 読者のみなさんは、お変わりありませんか?

 夏は、なんだかんだとイベントに借り出されることの多い季節です。
 昨日は、町内の納涼祭でした。
 お祭り自体は夕方からの開催ですが、僕は今年、班長なんです。
 ということで、朝から会場作りのお手伝いに参加してきました。


 ここは前橋市の南郊外。
 田畑が広がる田園地帯です。
 23年前、長女が小学校に入学するのと同時に、旧市街地から家族で引っ越してきました。

 田んぼがあり、川が流れ、雑木林が残る自然豊かな環境が、子育てに適していると思っての一大決心でした。
 古い土地柄、最初は近所付き合いに苦労しましたが、“住めば都” であります。
 おせっかいな住人たちに囲まれて、3人の子どもたちを育て上げました。


 ♪ チャンチャン、チャンチャカチャン
 ♪ ピーピー、ピーヒャララ

 軽快な八木節のリズムとともに、祭りが始まりました。

 我が町内には、空き地や公園がありません。
 入り組んだ昔ながらの町並みなので、お祭り会場は町内の交通を閉鎖して、公民館の前の道路で行います。
 ステージは、大型トラックの荷台です。

 大人の八木節が終わると、今度は子ども八木節踊りです。
 揃いの衣装で、クルクルと傘を回しながら踊る姿が、なんとも愛くるしい。

 「子どもの数が少ないですね?」
 「今年の子ども会は、17人ですって」
 「へー! 少子化ですね」
 「みこしだって、子どもたちだけでは担げなくなったんで、小さくなったんですよ」

 隣に居合わせた見知らぬ町民との会話です。


 「先日、BSに出てたね」
 「群馬テレビ、観たよ」
 「紀伊国屋でサイン会、やったんだって?」
 「おとといの日経新聞の記事、あんただよね!?」

 本部テントの脇で、缶ビールとうちわを片手に涼をとっていると、次から次へと声をかけられました。

 「ありがとうございます。お恥ずかしい限りです」

 その都度、僕は恐縮してしまいます。
 だって、町内の人って、なんだか身内のようで、照れくさいんですよね。
 でも、それだけ僕が、この町に溶け込んでいる証拠かもしれませんけど。


 会場内のそこかしこに置かれた蚊取り線香から、ゆらゆらと煙が上がっています。
 ステージでは、老人会によるカラオケ大会が始まりました。

 都会では、ラジオ体操や盆踊りが “騒音” だといわれ、自粛傾向にあると聞きます。
 なんとも世知辛い世の中になったなったものです。
 この町には、無縁な話ですけどね。


 「小暮さん、いっくらでもありますからね。ジャンジャン、飲んでくださいよ」
 自治会長さんが、キンキンに冷えた缶ビールを両手にもってやって来ました。
 「ありがとうございます。遠慮なくいただきます。年に一度のお祭りですから!」

 23年目の夏は、こうして、やぶ蚊と暑気と戦いながら過ぎていきました。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:33Comments(0)つれづれ