温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2018年09月26日

魔法のチケット


 読者のみなさんは、覚えているでしょうか?
 この夏、“弟子”たちが僕の還暦を祝ってくれ、そのとき 「酒処Hご招待券」 なる記念品をもらったという話を……

 “弟子” とは、僕のことを勝手に 「先生」 とか 「師匠」 とか呼ぶ温泉ファンの人たちのことで、2年前に 「弟子の会」 を発足。
 2ヶ月に1回、僕を飲み屋に呼び出してくれ、温泉話三昧の夜を過ごしています。
 ※(当ブログの2018年8月1日 「10%のしあわせ」 参照)

 「酒処H」 とは、ご存じ! 我らの溜まり場であります。
 たびたび、このブログにも登場するので、読者にはお馴染みだと思います。
 嬉しいとき、悲しいとき、辛いとき、苦しいとき、疲れたとき……、喜怒哀楽のすべてにおいて、酔いたくなったときに、フラリと足が向く僕の “オアシス” であります。


 昨晩、前橋駅に降り立ったのは、夜8時を過ぎていました。
 外は、雨。
 適度な疲労感もあり、真っ直ぐ家に帰る気分にはなれません。
 夕食も、まだでした。

 そんなとき、僕の足は、迷わず酒処Hに向かいます。


 「あっ、今日は火曜日。そうだよね?」
 「うん、温泉教室の日」
 「でも、いつもより遅いね?」
 「うん、山梨まで行って来た。おまけに帰り、高速で事故渋滞に巻き込まれちゃって」
 ママとの何気ない会話と、キーンと冷えた生ビールに、旅装が解かれて行きます。

 「あ、こんばんは。お久しぶりです」
 「相変わらず、小暮さんは、いつも元気ですね」
 「元気なもんか、今日は、もうクタクタですよ」
 常連さんとのたわいない会話に、心がゆるみます。

 「こちらの方が、今日、誕生日なんですって」
 「そうですか。それは、おめでとうございます」
 「何か1曲、歌ってあげてよ」
 そう言われて、迷わずカラオケに入れた曲に、大ひんしゅく!
 タイトルに “誕生日” が付いているだけで、詞の内容は、別れ話でした。

 「申し訳ない」
 「愛嬌っていうことで」
 「悪意はないんだ」
 「そりゃ、そうでしょう」
 店内が爆笑に包まれて、ホッとする僕。


 「ママ、ごちそうさまでした。はい、これで」
 カバンから取り出したチケットを、ママに手渡しました。
 “祝、還暦 酒処H招待券”

 「これが、いいんだよね」
 そう言いながらママは、カウンター隅の壁に、チケットをピンで貼りました。

 「これで、2枚目だね」
 僕が誇らしげに、壁のチケットを眺めていると、
 「お客さんに、訊かれるんだよ。これは、なんだい?って」
 ママは、そのたびに、僕と “弟子”たちの話をするそうです。


 飲むたびに、酔うたびに、一人ひとり “弟子”たちの顔が浮かびます。
 しあわせな夜を、ありがとう。
 チケットの魔法は、絶大です。
   


Posted by 小暮 淳 at 14:57Comments(2)酔眼日記

2018年09月24日

白髪ロン毛同盟



 「髪を染めれば、10歳若く見えるのに」

 親しい友人や知人から、そう言われることが多々あります。
 僕は2年前の春から、毛染めを止めました。

 なぜか?
 答えは簡単です。
 面倒臭いからです。
 それと、以前から “ありのままの自分” であることへの憧れがありました。

 ただ、その決意には時間を要しました。


 その理由は、トラウマです。
 その昔、友人を傷つけてしまったことへの贖罪として、髪を染め続けていました。
 また、チビ (40歳を過ぎてから生まれた次女) のためにも、“若いお父さん” でありたいと思ったことも事実です。

 そのこともあり、僕は家族の前で 「毛染め宣言」 をしたのでありました。
 チビが、成人するまでは、染め続けると……
 ※(詳しくは、当ブログの2012年3月27日 「白髪へのトラウマ」 参照)


 ところが2年半前、居ても立ってもいられなくなってしまったのです。
 きっかけは、毎年、新年になると故郷の前橋で、個展を開催している画家の友人の存在でした。

 彼は小学校の同級生ですから、かれこれ半世紀のつきあいになります。
 子供の頃も遊びましたが、大人になってからは一緒に旅をしたり、また僕の著書を彼がプロデュースしてくれたこともありました。

 僕は毎年、彼の個展には必ず、祝いの酒を持って駆けつけています。
 もちろん、年々、彼の頭髪が白くなっていることには気づいていました。
 でも、前の年までは、何も感じませんでした。

 「彼は自然に逆らわず、ありのままに老いを受け入れているのだな」
 その程度に思っていました。


 でも、その年は違いました。
 「よっ、いつもありがとう!」
 個展会場で僕を迎えた彼の髪は、シルバーに光り輝き、長い髪がサラサラと揺れていたのです。

 カ、カ、カッコいい~!!

 その時、僕は決意しました。
 「毛染めは止めた」 と!


 先日、新聞を読んでいたら、こんな見出しを見つけました。
 『白髪増えていく自分が楽しみ』

 40歳過ぎの女性たちの間で、ひそかに白髪染めを止める人が増えているとの記事でした。
 40代で白髪染めを止めたナレーターの近藤サトさん(50歳) は、こんな風にコメントしています。

 <PTAに行く機会もなくなった。潔く老いを受け止めようと白髪染めを卒業した>
 <60歳の時に 『いつまでも若いね』 って言われるより、『いい年の取り方をしているね』 って言われたい>
 <(白髪が増えることは) 老化ではなく 「人としての成熟」 と捉えるよう提案し、これから白い部分が増えていく自分の写真を見るのが 「楽しみ」 >


 さあ、毛染め症候群のみなさん、いかがですか?
 僕らと同じ 「白髪ロン毛同盟」 に加わりませんか?

 まずは一度、勇気をふるって、お試しを!
 気が楽になり、老いることが楽しくなりますよ。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:56Comments(0)つれづれ

2018年09月23日

後期講座 開講のお知らせ


 2009年4月、NHK文化センター前橋教室に開講した 「野外温泉講座」。
 全国で最初に開講したカルチャースクールの温泉講座です。
 僕は、この講座の講師をしています。

 おかげさまで、今年で10周年を迎えました。
 開講以来、講座のスタイルは変わっていません。
 毎月第4火曜日(12月は第3火曜日) に、JR高崎駅と前橋駅からバスに乗車し、群馬県内および隣県の名湯・秘湯をめぐります。

 高崎駅からはNHKの担当者が同乗し、僕は前橋駅から乗り込みます。
 車内では温泉の講義をしたり、雑談をしながら温泉地を訪ねます。
 温泉地では周辺の観光や散策などをした後、旅館やホテルで温泉に入り、みんなで会食を楽しみます。


 現在、同講座では、今年度後期講座の受講者を募集しています。
 まだ多少、席に空きがありますので、ご興味がある方は、お問い合わせください。
 なお、後期講座では下記の温泉地を予定しています。

 10月  尾瀬戸倉温泉 (片品村)
 11月  尻焼温泉 (中之条町)
 12月  まつだい芝峠温泉 (新潟県)
 1月  老神温泉 (沼田市)
 2月  湯宿温泉 (みなかみ町)
 3月  松代温泉 (長野県)
 ※都合により温泉地が変更される場合があります。

 ●問合・申込/NHK文化センター前橋教室 TEL.027-221-1211
  


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(0)講座・教室

2018年09月21日

三途の川を渡った弟


 「弟が行って来たらしいんですよ」
 「さっそく、行かれたんですね」
 「でも、小さい川なんですってね」
 「ええ、あれでも一応、一級河川なんですけどね」
 「簡単に、またぐことができたといいます」
 「そんなに小さい川ではありませんけどね。たぶん、弟さんが行かれたのは、かなり上流の方だったんじゃないですか」

 何の話をしているのかといえば、拙著 『民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の中に出てくる 「三途の川」 についてであります。
 ご存じ、三途の川とは、死者があの世に行く時に渡るといわれている想像上の川の名前です。
 ところが全国には3ヶ所、“三途川” という名の川があり、その1つが群馬県にあります。
 しかも一級河川は、群馬だけ。
 日本を代表する 「三途の川」 だったのであります。
 ※(詳しくは、拙著をお読みください)


 たまたま仕事先で出会った初老の紳士。
 すでに拙著を読んだということで、話は本の中の “謎学” で盛り上がりました。
 そして、「三途の川」 に話題が触れたときのことです。
 冒頭の会話が始まりました。

 当然ですが、僕は、本を読んだその人の弟さんが、興味本位で県内に流れる三途の川を見に行ってきた話だと思って聞いていました。
 でも、だんだん話が、かみ合わなくなってきたのです。
 で、僕が怪訝(けげん) な顔をしていると……

 「ああ、申し訳ありません。弟が行って来たのは、本当の “三途の川” なんです」

 なーんだ、最初に言ってくださいよ!
 てっきり僕は弟さんが川を見に行って、川幅の狭いところを見つけて、またいで渡ったという話だと思ってましたよ。

 て、いうか……、ええええええぇぇぇぇぇーーーー!!!!!
 本当の “三途の川” って、何よ?


 聞けば、いわゆる 「黄泉(よみ) がえり」 というやつでした。
 病気だか事故だかは分かりませんが、その人の弟さんは生死をさまよい、一度、三途の川をまたいで渡り、引き返してきたというのです。
 で、弟さんは、
 「兄ちゃん、三途の川って、小っちゃい川だったよ」
 と言ったそうです。


 あの世にも、この世にも三途の川は存在するのですね。
 まだまだ渡る気には、なれませんが……。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:07Comments(2)著書関連

2018年09月18日

キャラメル作戦


 「介護には、知恵と工夫が必要である」
 と、誰かが言ってました。

 と、懲りずに今回もテレビドラマ 『遺留捜査』 の糸村風に始めてみました(最終回、見逃した!)。


 介護歴、約10年。
 それはオヤジの認知症の歴史でもあります。

 最初は物忘れから始まり、人の名前や時間や曜日、季節が分からなくなり、やがて食事をしたことさえ忘れ、記憶は1分と待たなくなりました。
 いえいえ、現在のオヤジには、まったく“上書き保存” という機能がなく、一切の記憶は書き込めません。
 食事の途中で食事をしていることを忘れ、トイレへ行った帰りに、またトイレに行こうとします。

 今居る所がどこなのか、一緒いる人が誰なのか、完全に記憶の中で “迷子” になっています。
 だから1秒たりとも目が放せません。


 ふだんは目をつむって、イスに座っていますが、突然、立ち上がるときがあります。
 トイレへ行きたいとの意思表示であることが多いのですが、意味もなく立ち上がることもあります。
 でも、オヤジは歩けませんから、そのまま倒れます。
 もちろん、打ち所が悪ければ、ケガをします。
 (実際、頭を打って出血し、救急車で運ばれたこともあります)
 だから片時も、目を放せないのです。

 現在、週末の3日間は、我が家でオヤジの面倒を看ています。
 僕は同じ部屋に居て、本を読んだり、ラジオを聴きながら四六時中、オヤジを監視しています。


 それでも、部屋を出なくてはならないことが多々あります。
 トイレくらいならば数十秒でもどれますが、問題は、その他の雑用です。

 仕事場で資料を探したり、パソコンでメールチェックをしたり……
 隣保班長をしているので、回覧板や広報を配ったり……
 そして欠かせないのが、愛犬マロ君の散歩です。

 数年前までなら、オヤジも一緒に連れて歩いたのですが、今は無理です。
 だからといって、オヤジをイスに縛り付けるわけにもいきません。
 (そうしたい気持ちは山々なのですが、今のご時世、虐待になりかねません)


 でも、“人間は考える葦(あし)”であります。
 僕ら(アニキと僕) には、知恵があるのです。

 「オレは洗濯物を干したり、コンビニへ行くときは、オヤジの口にキャラメルを入れて行くよ」
 「キャラメル?」
 「オヤジは、キャラメルが好きだろう」
 「それも森永じゃないとダメだけどね」
 「キャラメルをなめている間は、オヤジの意識はキャラメルに集中しているんだよ」
 「そうか、その手があったね。10分くらいは、部屋を空けられそうだ」

 さっそく僕は、アニキから教わった “キャラメル作戦” を実行しました。
 これが大成功!
 キャラメルが口の中にある間は、オヤジはイスにジーーーーッとしています。

 ただ、キャラメルは口の中で溶けやすいことに気づきました。
 だったら、飴玉のほうがいい。それも、できるだけ大きな飴玉がいい。
 これが、またまた大成功!
 より時間が稼げるのであります。


 兄弟、二人三脚の介護人生であります。
 兄の知恵と弟の工夫により、なんとか今日までしのいでまいりました。
 はてさて、いつまで続くのやら……


 

 
   


Posted by 小暮 淳 at 11:21Comments(2)つれづれ

2018年09月17日

そして今日の毎日新聞


 今日(17日) の毎日新聞、群馬版に拙著 『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の紹介記事が掲載されました。
 しかも、カラー6段という破格の扱いです。


 嬉しさの半面、ちょっぴり怖くなってきました。
 いったい、どうしちゃったんでしょうか?
 だって、かつて僕の著書が、こんなにもマスコミに取り上げられたことなんてありませんよ。
 先々週の日経新聞から始まり、先週のタカタイ(高崎タイムス)、昨日の上毛新聞、そして今日の毎日新聞です。

 しかも本のテーマは、民話と伝説です。
 温泉のほうが、よっぽどポピュラーだと思うんですけどね。
 理由は、分かりません。
 マスコミ的には、取り上げやすいテーマなんでしょうか?

 いずれにせよ、著書が話題になるということは、著者としては大変喜ばしいことであります。

 ライターは、読まれてナンボの商売ですからね。
 ぜひ、書店で手にとって、読んでやってくださいな!


 まだ介護中につき、取り急ぎ報告までとさせていただきます。
 
 
    


Posted by 小暮 淳 at 13:43Comments(0)著書関連

2018年09月16日

今日の上毛新聞 「読書面」


 今日(16日) の上毛新聞読書面に、拙著新刊 『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の書評が掲載されました。

 新聞の書評欄に載るというのは、著者としては目標であり、ステイタスでもあります。
 書店などでは、この書評を参考にして、販売戦略を立てたりしていますから、やっぱり気になる紙面なのであります。


 <実際に現地を訪れて取材した内容を独自の視点で考察し、持論を展開している。>
 <河童や天狗など空想上の動物に関する伝説も多数収録し、読み応え十分だ。>
 <上毛かるたにまつわる謎も丹念に調査している。>
 <県民でも知らない情報の数々に驚き、思わず読み込んでしまう1冊。>
 と、評価していただきました。

 ぜひ、購入の際の参考にしてください。


 週末は、親の介護中につき、取り急ぎ報告まで!

   


Posted by 小暮 淳 at 10:45Comments(0)著書関連

2018年09月14日

表紙のイラスト


 今日は、高崎市内の公民館で講演を行ってきました。

 一般の企業や団体が主催の場合は、講師の著書販売とサイン会を行いますが、公共の施設での開催では、物販が禁止されています。
 ので、当日は著書の宣伝は、口頭やチラシの配布のみとなります。

 でも毎回、サインを求められるのが常です。
 聴講者らは、事前に購入した僕の著書を持って、会場に来られます。
 講演の終了後や休憩時間に、それとなく 「サインをいただけますか?」 と声をかけてくださいます。

 今日もサインを求められました。
 「はい、いいですよ」
 と僕も快諾。
 温泉をテーマにした講演ですから、ほとんどの場合、僕の温泉に関する著書を差し出します。
 ところが!
 その男性から手渡された本は、先月発売されたばかりの 『民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) だったのです。
 「もう、買われたのですか?」
 「はい、先生のファンですから」
 とは、ライター冥利に尽きるご返答であります。

 うれしいですね!
 温泉の講演なのに……
 と、思っていたら別の女性が、
 「私もお願いします」
 と、本を差し出しました。

 なんと!
 7年前に出版した 『ぐんまの里山てくてく歩き』(上毛新聞社) でした。
 「こんな古い本を今でも、お持ちなんですね?」
 「ええ、この本を見て、山歩きを楽しんでいます」
 とは、ライター冥利も尽き過ぎて、言葉を失ってしまいました。

 ありがとうございます。


 そんな折、今日、高崎市内に配布される上毛新聞に折り込まれるフリーペーパー 「タカタイ(高崎タイムス)」 に、『民話と伝説の舞台』 を紹介する記事が大きく掲載されました。
 その写真のサイズのデカイこと!
 通常の書籍紹介記事の4倍はあります。

 「どうして、こんなに写真が大きいんでしょうね?」
 著書の出版元の編集長と話しました。
 「たぶん、表紙のイラストを読者に見せたかったんですよ」
 とのこと。
 納得です!

 すでに本を見られた読者は、そのイラストに魅せられたはずです。
 カッパや天狗、巨人にオオカミ、ムジナ、タヌキ……、そして浦島太郎。
 民話や伝説の世界から飛び出した魑魅魍魎な主人公たちが、おどろおどろしくも生き生きと描かれています。

 作画は、デザイナーの栗原俊文氏であります。
 いつか、温泉以外の本を書いたら、「絶対に彼に装画を描いてもらおう」 と思っていました。
 その願いが叶ったのが、この本です。

 「カッパが怖い!」 「巨人の足と手が不気味!」 「浦島太郎がリアル!」
 などなど、独特な彼の絵への評価が、今、話題となっています。
 まだ、ご覧になっていない方は、ぜひ、書店にて手に取ってみてください。

 その不思議な世界に、引き込まれるはずです。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:29Comments(0)著書関連

2018年09月13日

還暦ライブ ~あれから33年~


 1978年、僕は 『扉の向こうで』(キャンディミュージック) というレコードアルバムを発表しました。
 当時、東京の音楽学校に通っていた仲間たちと自費製作したオムニバス版です。

 今となっては、とても聴けた代物ではありませんが、青春の1ページとして、大切に保存されています。


 その後、僕は東京と群馬のライブハウスを行き来しながら、ソロ活動を続けていました。
 そして1985年に、念願の全曲オリジナルソングを収録した 『はじめての旅』 というカセットアルバムを発表しました。
 その時、アルバムのプロデュースおよび編曲を手がけてくれたのが、同級生の酒井寛氏でした。
 現在は、僕の著書の表紙やグラビア写真などを撮影してくれているカメラマンでもあります。

 その年に前橋市で開催されたアルバム発売記念コンサートを最後に、僕はソロ活動を休止して来ました。
 現在は、酒井氏らとバンドを組み、温泉地をまわる演奏活動を行っています。
 この活動も、かれこれ20年になります。


 あれから33年……
 還暦を迎えたというのが、節目となったようです。
 もちろん自分にとっての人生の節目ではあるのですが、もう1つ、音楽活動の節目にしたいという思いもありました。

 念じていれば、願いというものは叶うようで、心ある人たちが周りで動いてくださいました。
 33年前のソロ時代の曲を歌わせていただけることになりました。
 
 懐かしくもあり、恥ずかしくもあり。
 でも、ただただ感謝の思いでいっぱいです。


 当日は、僕が所属するフリーランスのクリエイター集団 「プロジェクトK」 の総会との同時開催となります。
 総会の終了後、会場である伊香保温泉 「和心の宿 オーモリ」 さんのご厚意により、開催させていただきます。

 観覧を希望される方は、入場無料ですが、宿泊・日帰りに限らず、宿までご連絡・ご予約ください。



      「小暮淳・酒井寛 還暦ライブ」

 ●日時  2018年9月28日(金) 20:30~
 ●会場  伊香保温泉 「和心の宿 オーモリ」 パーティルーム山桜
 ●料金  無料 (ドリンク別)
 ●申込  オーモリ TEL.0279-72-2611
   


Posted by 小暮 淳 at 12:27Comments(0)ライブ・イベント

2018年09月11日

ナシと共に去りぬ


 あの息をするのも苦しいような猛暑がウソのようであります。
 ひと雨ごとに朝夕は、めっきり涼しくなりました。

 まるで今年の夏は、人生を模しているようでした。
 “明けない夜はない”
 どんなに苦しい日々も、いつかは終わり、希望の朝が訪れるのだと……。

 きっと日本国中で、誰もがジッと猛暑を耐えていたと思います。


 「もし、エアコンがない時代に、今年のような暑さが来てたら、どうしていたんだろうね?」
 素朴な疑問です。
 さる人が言いました。
 「仕事も学校も休んで、みんな一日中、木陰で休んでいるよ」
 また別の人は、
 「避暑地に疎開だね。どうしても仕事を休めないお父さんだけ都会に残って、家族を山へ逃がすんだよ」

 でも、こんな意見も出ました。
 「暑くなったからエアコンが開発されたんだ」
 ごもっともです。
 確かに昔は、扇風機だけで夏をやり過ごすせていましたものね。


 さて、あの猛暑の夏は、こりごりですが、ちょっぴり淋しさも感じています。
 それは、ガリガリ君の「梨」 が食べられなくなってしまったことです。

 ハマりました!

 外出する時は、車でも自転車でも、気合を入れて家を出ましたが、必ず、まずはコンビニに直行!
 アイス売り場に駆け寄り、ガリガリ君を探します。
 ソーダ味では、ダメなんです。
 「梨」 です!

 口に含んだときのシャリシャリ感が、たまりません。
 そして、あの本物かと思えるほどのジューシーな “梨の味”。
 「よーし、暑さに負けずに、今日も一日がんばるぞ!」 って、気力がみなぎるのであります。

 と、と、ところが!
 いつの間にか、近所のコンビニからガリガリ君の 「梨」 が消えていました。
 こうなったら探し出してやれ!とばかりに数軒のコンビニを回りましたが、ありません。

 「あの…、ガリガリ君のナシ味は?」
 店員さんに尋ねると、
 「はい、あれは夏限定の商品ですから」
 と、つれない返事。

 ショック!


 来年の夏まで待つしかないのですね。
 でも、ガリガリ君の「梨」 は食べたいのですが、あの猛暑は、もう、こりごりなのであります。

 夏と共に去った、ナシ味の氷菓が、やけに恋しい今日この頃であります。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:14Comments(0)つれづれ

2018年09月10日

壊れたタイムマシーン


 「痴呆とは、壊れたタイムマシーンに乗って、記憶の中をさまよっている旅人である」
 と、誰かが言ってました。

 と、またまたテレビドラマ 『遺留捜査』 の糸村風に始めてみました。


 今では “認知症” と言われてますが、その昔は 「痴呆(ちほう)」 とか 「耄碌(もうろく)」 なんて呼ばれていました。
 または 「ボケ」 です。
 オヤジがボケ出したのは、かれこれ10年前です。
 少しずつ、少しずつ時間を重ねながら、記憶を失ってきました。

 「理想的な認知症ですね」
 なんて、医者からは言われています。
 確かに、穏やかな老衰下降をたどっています。
 大声を上げたり、暴力をふるうこともありません。

 ただただ毎日、日に日に残り少なくなる記憶の中をさまよい続けているだけであります。


 「ちょっと横になりたいな」
 と言うので、
 「どうしたんだい? 疲れたんかい?」
 と訊けば、
 「ああ、80(歳) を過ぎると、体がしんどいよ」
 と、とぼけたことを言います。
 「なに言ってるんだい! とっくに90歳を過ぎてますよ!」
 思わず、ツッコミを入れたくなります。
 本人は、まだボケる前の80代のつもりでいるんですね。

 と思えば、
 「お腹が空いたな」
 「まだ夕方ですよ」
 「そうですか、じゃあ、夕飯まで散歩に出かけてきます」
 と、立ち上がろうとします。
 「散歩へ行くって、歩けないでしょう?」
 オヤジは、数年前から自力歩行ができません。
 外出の時は車イスでの移動です。

 さらには、
 「もう寝るかな」
 と言うので、
 「まだ早いですよ。もう少し起きていてください」
 と、さとすと、
 「じゃあ、テレビも見るかな」
 とリモコンを探すしぐさをしますが、オヤジは、ほとんど目が見えません。
 目が見えないことも忘れてしまっているのです。

 すべては、残されているわずかな記憶の中で生きています。


 「あなたには息子さんがいますか?」
 「はい、2人います」
 「名前は、なんといいますか?」
 「……」
 2人いることは分かるのですが、名前は思い出せないようです。

 「私が、その息子ですよ」
 と言った途端、とても驚いたようなリアクションをしました。
 そして、こんなことを言いました。

 「私の息子は、こんな年寄りではありません」

 ショック!


 オヤジは今日も、壊れたタイムマシーンに乗って、記憶の中を旅しています。
 二度と現在(今) に帰って来ることはありません。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:05Comments(0)つれづれ

2018年09月08日

今日の日経新聞②


 <浦島太郎 群馬が舞台?>
 <県内の伝説 集めて書籍に>

 昨年8月に掲載された <群馬の温泉大使 魅力発信> の記事に続いて、2度目の紙面登場です!
 今日の日本経済新聞の北関東面に、大きく掲載されました。
 新刊 『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の記事です。


 「浦島太郎は海のない群馬の出身だった?」
 そんなミステリアスな書き出しで始まっています。

 著者である僕の紹介、出版までの経緯、そして県内に伝わる浦島太郎伝説やカッパ伝説にも触れています。


 記事を読んで、興味を持たれた方は、ぜひ、書店へ!

   


Posted by 小暮 淳 at 11:22Comments(0)著書関連

2018年09月07日

酒蔵てくてく歩き


 「えっ、公共交通機関だけで行くっていっても、かなり便の悪い所もあるでしょう?」
 と、ちっと驚いたような顔をした放送作家のT氏。
 神奈川県在住の彼は、さらに言葉を続けました。
 「だって東京や埼玉だって、不便な所はあるんだから、まして群馬ならなおさらだ!」

 某テレビ局の暑気払いの酒宴でのこと。
 なんのことかと言えば、僕が今年から酒蔵をめぐる記事の連載を始めたという話をしたからでした。


 “趣味と実益を兼ねる” 
 これが、僕がフリーのライターになった一番の理由です。

 温泉が好きだから、温泉に入り、記事を書く。
 山が好きだから、山を歩いて、記事を書く。
 そして、それ以上に酒が好きだから、必ず取材では酒を飲み、そのことを包み隠さず記事に書く。
 という仕事をしてきました。

 でもあるとき、はたと気づいたのであります。
 だったら、酒を訪ねて、酒を飲み、記事を書いてもいいのではないか……と。

 でも、そうなるとクルマの運転はできない。
 カメラマンに運転させれば、いいか?
 いや、彼も僕に負けず劣らずの酒好きである。
 そんな酷なことは、口が裂けても言えない。

 だったらやっぱ、あの手しかないじゃないか~!!

 ということで、またしても奥の手を使うことになりました。
 それは、“公共交通機関で行く” シリーズです。

 かつて僕は、高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 紙上で、この “公共交通機関で行く” を冠にした 「里山をゆく」 と 「ぶらり水紀行」 という紀行エッセイを連載したことがありました。
 そして、このシリーズは、のちに 『電車とバスで行く ぐんまの里山てくてく歩き』(上毛新聞社) というタイトルに改題され、書籍として出版された経緯があります。

 今回も、この取材方法を利用することにしました。


 群馬県内の酒蔵を訪ね、取材をしながら酒を飲む。
 近くに温泉があれば、一浴して、酒を飲む。
 そして夜、電車とバスに揺られて高崎市内にもどり、昼間取材した酒が置かれている居酒屋を訪ねる。

 おかげさまで、このシリーズも3話目となりました。
 昨日は、JR上越線の最寄り駅から片道40分歩いて、酒蔵を訪ね、近くの温泉で汗を流してきました。
 もちろん、夜の居酒屋での取材も、しっかりこなしてきました。


 ということで、冒頭の放送作家氏からの問いの答えは、「最寄の駅、またはバス停から、ひたすら歩く」 であります。
 でも、こんな過酷な取材ができるのも、体が動くうちですね。

 ※次回、「公共交通機関で行く 群馬の地酒 ほろ酔い街渡(ガイド)」 の掲載は、「ちいきしんぶん」 9月21日号の予定です。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(0)取材百景

2018年09月05日

『民話と伝説の舞台』 好評発売中!


 最新刊 『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) が出版されて、そろそろ1ヶ月になります。
 おかげさまで前評判が良く、県内の主要書店の店頭には、ほぼ出揃いました。

 大きな書店では、破格の扱いをしてくださっているところが多く、入口やレジ前の特設ブースに、ドーンと多面平積みされています。
 さらに販売に積極的な店では、ポスターやポップまでディスプレーされ、その光景を見ていると、なんだか鳴り物入りの新人作家になったような気分になります。


 この1ヶ月の間には、いくつかのプレスやメディアから取材を受けました。
 うれしいですね。
 それだけ注目されているということですから。
 著者としても、インタビューのされがいがあります。


 昨日、某新聞社系のフリーペーパーから記事掲載の連絡がありました。
 担当の若い女性編集者は、
 「面白い本ですね。身近なところに知らない民話や伝説があり、ワクワクしながら読みました」
 開口一番そういうと、自分の住んでいる地名を告げました。

 「倉賀野(高崎市) にお住まいですか!? だったら “ムジナ” ですね」
 僕は著書の中に出てくる 『倉賀野のムジナ』 という話に触れました。
 「ええ、昔話に出てくるお寺もお豆腐屋さんも近所なんです。それが、今でもあるんですから驚きました」
 「ホロリとさせらる話ですよね」
 「はい、でも私は、クスッと笑っちゃいましたけど」


 ホロリとくるか、クスッと笑うかは、読み手の感受性によるものですから、人それぞれでしょう。
 でも、何百年の昔に作られた話なのに、ちゃんと、そこには舞台が残されているんです。

 民話や伝説は、9割が作り話です。
 でも残りの1割に、先人たちが後世の人に伝え残したいと思った “真実” が隠されています。
 それを探すのが、“謎学の旅” なのです。


 興味のある人は、ぜひ、書店で手にとってご覧ください。
 また県外にお住まいで、購入を希望される人は、発行元へお問い合わせください。
 ●ちいきしんぶん TEL.027-370-2262
    


Posted by 小暮 淳 at 12:11Comments(0)著書関連

2018年09月03日

一番いい温泉は、どこですか?


 加齢のせいだけじゃなく、夏バテの後遺症も多分にあるのだと思いますが、極度の脱力感に見舞われてしまいました。
 なんのことかと言えば、僕が10年前からライフワークとして行っている講演活動のことです。

 今日は高崎市の公民館で、地域の高齢者を対象に生涯教育の一貫として行われたセミナーの講師として、2時間の講話をしてきました。
 猛暑も去り、暑からず涼しからず、絶好のセミナー日和です。

 しかも受講者の集まりも良く、当初、公民館側が予定していた人数以上の来場者があり、急きょ、資料を増刷したというハプニングが起きるほどでした。
 満員の会場で温泉の話ができるということは、“温泉ライター” としては、この上ない至福のひと時であります。


 いつもは永く感じる2時間という講話も、あっという間に終わっていました。
 ところが気が付けば、全身に汗がビッショリ!
 それだけ熱のこもったスピーチだっということだったのかもしれません。

 聴講者たちの反応も良く、誰ひとり居眠りをしている人はなく、熱心にメモを取っている姿も見られました。
 たぶん、あまりの熱心さに、ついつい僕も力が入ってしまったんでしょうね。
 2時間でも、話し足りないぐらいでした。
 「まだ、これを話してない」 「あれも話さなくっちゃ」 と、セミナーが終わるのが惜しいと思えるほどでした。


 その双方の情熱が、伝わり合ったのでしょうね。
 質疑応答の時間でも、次々と手が上りました。
 「ほかに、ありませんか? 無いようでしたら、これで閉講いたします」
 と司会者が終了を告げた後も、退室する僕を何人もの受講者が追いかけてきて、口々にお礼と感想を述べてくださいました。

 そして、必ず最後に、こう言うのです。
 「一番いい温泉は、どこですか?」


 これには毎度、困惑してしまいます。
 マイクを握っている講話中ならば、“いい温泉” の定義についてや見分け方について話すのですが、個別の立ち話であります。
 即答しなくてはなりません。
 「僕の好きな温泉でいいですか?」
 と話のほこ先を少し変え、多少でも期待に応えようと、温泉地名と旅館名を伝えました。

 すると、また違う人が僕を呼び止めます。
 「一番いい温泉を教えてください」
 さっきと同じ温泉を答えたのでは、特定の温泉旅館ばかり “えこひいき” をしてしまうことになりかねません。
 ということで、また別の温泉地と旅館の名を告げました。

 ま、それだけ群馬には “いい温泉” が、たくさんあるということです。


 フーーーーッ!
 と、公民館を出た僕は、駐車場で大きなため息をついていました。

 途端、ドッと疲労が襲ってきました。
 でも、不快な疲れではありません。
 全力疾走した後のような心地良さのある疲れです。

 ええ、決してこれは、加齢から来る脱力感などではありませんぞ!
 でも10年前は、感じなかったな~!


    


Posted by 小暮 淳 at 19:38Comments(0)講演・セミナー

2018年09月01日

すってんころりん


 ♪ ピーポー ピーポー ピーポー

 ケータイに出た途端、中からサイレンの音が聴こえてきました。

 「あっ、ジュン! すぐに来てくれ! オヤジが転んでケガをした」
 慌てふためく、アニキの声。
 「今、救急車が来たから……。頼んだよ」
 そう言って、切れてしまいました。


 実家で留守番をすること、わずか1時間。
 病院にいるアニキから電話がありました。
 「もう終わったから、迎えに来てくれ」
 とは、なんとも、あっけらかんとしています。

 指定された病院に駆けつけると、すでに正面玄関にアニキが立っていました。
 かたわらには、車イスに乗ったオヤジの姿が。
 頭を包帯で、グルグル巻きにされています。
 訊けば、「3針縫った」 とのことです。


 なんでも、アニキがちょっと目を放したすきに、徘徊を始めたようです。
 徘徊といっても、部屋の中だけですけどね。
 それでもオヤジは、ほとんど目が見えませんから、何かに、けっつまづいて、すってんころりん!
 テーブルの角にでも、頭を打ち付けたようです。

 「ドーンと音がしてさ、行ってみたら、オヤジがひっくり返っていたんだよ。それだけならいつものことなんだけど、びっくりするくらい血が飛び散っているんだもの。動転して、救急車を呼んじゃったよ」
 と、アニキも大騒ぎしたことを済まなそうに言いました。


 今年になって、これで2度目の救急車騒ぎであります。
 前回は、あまりに寝たまま起きないので、脳梗塞ではないかと、搬送されました。
 ※(当ブログ2018年3月9日「眠り翁」参照)

 当の本人は、何が起きたのかも覚えていない様子。
 「じーさん、どこか痛いところあるかい?」
 と訊けば、
 「いーや」
 と応えるだけです。


 「大したことなくて、良かったじゃないか?」
 「ああ、いつまで、続くのかね」
 「しばらく入院してくれると、助かったのにね?」
 「まったくだ」
 「いよいよ、一時もオヤジから目を放せなくなったね?」
 「いつまで、続くのかね」

 僕ら兄弟は、2人して頭を抱えてしまいました。

 人騒がせな爺さんであります。
   


Posted by 小暮 淳 at 17:37Comments(0)つれづれ

2018年08月31日

急げ! 中高年


 同世代の知人女性から、こんなメールが届きました。
 <限りある時間を迷いなく使いながら、新作に向かっているなんて。失礼かと思いつつ、案じてもいます。>

 一瞬、ドキッとしました。
 まるで、あたかも僕が生き急いでいるかの内容です。
 いえ、事実、生き急いでいるのかもしれません。
 だから僕は、“見透かされた” と思い、戸惑ったのです。


 2009年から今年までの10年間で、僕は11冊の著書を出版しました。
 我ながら、忙し過ぎる10年間だったと思います。
 まるで何かに、とりつかれて、あやつられているようでもあります。
 きっと、そんな僕を長年、見てきた知人だからこそ、発した言葉だったのだと思います。

 だから素直に、
 <はい、生き急いでいます。>
 と返信しました。


 たぶん、両親の介護をしているからだと思います。
 オフクロは、体が不自由です。
 オヤジは、頭が不自由です。
 せっかく長生きしても、両親とも “志し半ば” で要介護の生活となり、いまだに続いています。

 僕は作家ではありません。
 ライターです。
 だから机の上だけで、文章は書けません。
 常に、現場を訪ねる体力が必要とされます。

 「人生百年時代」 といわれますが、いったいいつまで、この体は動くのでしょうか?
 そして、この頭は考えてくれるのでしょうか?
 あと20年? 15年だろうか?
 その間に、僕は本を何冊書き上げることができるのでしょうか?


 急げ! 中高年!!
 僕らには、時間がないんだ!
 やりたい事は明日に回さず、今日のうちに始めよう!

 急げ! 急げ! 急ぐんだ!
  


Posted by 小暮 淳 at 12:33Comments(0)執筆余談

2018年08月29日

万座温泉 「日進館」


 標高1,800メートル、通年車で行ける日本最高所の温泉。
 硫黄の含有濃度、日本一。
 標高1,000メートル以上の高地温泉で、唯一の酸性硫黄泉。
 などなど、万座温泉は、われら群馬県民が世界に誇る宝の温泉であります。


 僕が講師を務めるNHK文化センターのカルチャースクール 「名湯・秘湯めぐり講座」 も、今年で10年目を迎えました。
 人気の万座温泉(群馬県吾妻郡嬬恋村) は、季節を替え、宿を替えて、過去に3回、講座で訪れています。
 昨日、訪ねた 「日進館」 は、8年ぶり2回目となります。
 前回は、極寒の1月でした。
 吹雪の露天風呂で、首から上が雪ダルマになりながら湯に入った記憶があります。

 今回は夏。
 残暑厳しい下界を逃げ出して、雲上の別天地へ!
 なんと、気温は18℃です。

 「す、涼しい!」
 バスから降りた受講生たちは、みんな、標高の高さに驚いていました。


 万座温泉といえば、乳白色のにごり湯です。
 しかも硫黄濃度が濃いため、どこにいてもゆで卵が腐ったような独特のにおいにつつまれています。
 でも、その白濁の度合は、源泉によって微妙に異なります。

 「日進館」 は、明治6年創業の老舗旅館です。
 また 「苦湯」 という万座最古の源泉を保有する宿としても、コアな温泉ファンには知られています。
 “日本一の木造建築風呂”を誇る大湯殿 「長寿の湯」 の中に、その苦湯風呂があります。

 が、熱い!
 「先生、5秒しか沈めませんでしたよ」
 「私は足だけでした」
 と受講生らは、完敗の様子。

 「では講師が、お手本を見せましょう」
 と、淡いエメラルドグリーン色した半透明な湯に、そろりそろりと足を入れました。
 「あ、あ、熱い!」
 でも、歳はとっても男の子であります。
 講師のプライドにかけても、エーーーイッ!と肩まで沈みましたが、早々に湯舟から飛び出てしまいました。

 「先生、こちらの湯が、ちょうど良いですよ」
 と呼ばれ、半露天の 「姥湯」 へ。
 白濁の度合は、この湯が一番濃いようです。
 湯は熱からずぬるからず、ちょうどいい!

 その後、源泉の異なる6つの湯を堪能しました。


 「では、カンパイ!」
 「やっぱ、湯上がりのビールは最高ですね」
 「しかも天然クーラーの中で飲むとは、贅沢です」

 午後は、天空の露天風呂を満喫するとして、しばし、高原の風を感じながら食膳を囲み、団らんの時を楽しみました。


 受講生のみなさん、次回は県外へ遠出をしますよ。
 残暑の厳しいおり、お体には十分気をつけてくださいね。
 また来月、元気に会いましょう!
  


Posted by 小暮 淳 at 12:20Comments(0)温泉地・旅館

2018年08月27日

書く力に励まされ


 「介護とは、愛憎のせめぎ合いである」
 と、誰かが言ってました。

 と、今回もテレビドラマ 『遺留捜査』 の糸村風に始めてみました。


 今年になって、友人や知人の親御さんの訃報が多く届くようになりました。
 僕の友人知人の親たちですから、もちろん高齢であります。
 でも年齢を訊くと、みんな僕の親よりは年下なんですね。

 しかも……
 「前の日まで元気だったのに、突然でした」
 とか
 「介護の間もなく、病院で亡くなりました」
 なんて聞くと、不謹慎ながら、つい、
 「でも良かったじゃないか。介護が続くより」
 と言葉を返してしまいます。

 本音を言えば、“うらやましく” もあります。


 僕のオフクロは91歳ですが、この10年の間に脳梗塞と脳出血をくり返し、現在は寝たきりで、リハビリ施設に入っています。
 来月94歳になるオヤジも認知症になって、かれこれ10年になります。
 でも頭以外は健康なので、デイサービスとショートステイを組み合わせながら、僕とアニキで交互に在宅介護をしています。

 僕もアニキも長引く介護生活に、少々疲れを感じていて、会えば 「夕べは寝られなかった」 とか 「オムツを何回取り替えた」 だの、愚痴の言い合いになりつつあります。
 親が長生きしてくれるのは、ありがたいことなのですが、その “ありがたみ” を、だんだんと感じられなくなりつつある今日この頃なのです。


 そんな折、今朝の新聞に、勇気づけられました。
 知人のジャーナリスト、木部克彦氏が、また本を出版したというのです。
 それもテーマは、「介護」
 共に84歳になる両親が、同時に認知症になってしまったといいます。
 その認知症両親の介護の日常をつづった日記が、このたび出版されました。

 『【群馬弁で介護日記】認知症、今日も元気だい』(言視舎) 1,620円


 木部さんといえば、かつて、『続・群馬の逆襲』(言視舎) という著書の中で、僕のことを “温泉バカ一代” と称して、書いてくださった人です。
 その時に取材を受けたのがきっかけとなり、酒を酌み交わす付き合いが始まりました。
 偶然にも、僕らは同じ歳なのです。

 その彼が、両親のダブル介護をしているとは、知りませんでした。
 彼は、新聞記事のインタビューで、こう答えています。

 「書くことで気持ちが整理されている面もある。今は序章でしかない。父と母が自分の存在価値を感じられるよう、やれるところまで実験していきたい」

 彼らしくもあり、ジャーナリストとしての生き方までが見えるようです。
 彼は、“実験” という言葉を使っていますが、まさしく介護は、誰もが迎える未知の世界なのです。

 僕も彼の生き方にならい、自分の 「書く力」 を信じながら両親の介護に誠心誠意努めようと思えたのであります。
   


Posted by 小暮 淳 at 14:06Comments(0)つれづれ

2018年08月24日

公民館めぐり


 現在、僕は年間20~30回、温泉をテーマに講演やセミナーを行っています。
 主催者は企業や団体、自治体とさまざまですが、一番多いのが公民館事業です。
 いわゆる地域住民や高齢者を対象にした生涯教育の一環として行われるセミナーです。

 一昨年までは、圧倒的に前橋市内の公民館からの依頼が多かったのですが、なぜか昨年からは高崎市の公民館から連鎖的に依頼が来るようになりました。

 県内で講演を行う場合、僕は可能な限り、打ち合わせを兼ねて、会場の下見に行きます。
 というのも、“公民館” といっても、その規模はさまざまなんです。
 何百人も収容できるホールを完備している立派な公民館から、僻地の集落にポツンと民家のように建っている集会所のような小さな公民館まであります。
 当日、あわてないためにも、会場の下見は欠かせません。


 今週は、来月開催される高崎市内の2つの公民館を訪ね、担当者と打ち合わせをしてきました。
 どちらも30~40人を対象とした中規模の公民館です。

 さる公民館を訪ねたときのことです。
 通された事務室のテーブルには、僕の本が並べられていました。
 「あれ、これは?」
 僕を喜ばすために、わざわざ用意したのでしょうか?

 「ええ、うちの図書室の蔵書です。先生の本は人気があるんですよ」
 なーんて館長に言われたら、もう、この話は断れません。

 と思えば、同席した事務員の女性が、
 「確か、山歩きの本も書かれていますよね?」
 よく、ご存知で!
 「あの本、大好きなんです。だって、必ず毎回、お酒を飲むんですもの」
 とは、かなり熟読されています。

 “ライター殺すに刃物はいらぬ 著書の話をすればいい”

 完全に 「ヨイショ攻め」 に会い、気分は上々!
 すっかり先方のペースに巻かれて、講師料のことなど完全に忘れてしまいました。


 でも、いいんです! これで。
 こうやって、1つ1つ公民館をめぐり、1人でも多くの人に温泉の話を聴いていただき、より温泉を身近に感じてもらうことが、ひいては温泉文化を守ることにつながるからです。

 コツコツ、コツコツ、これからも公民館めぐりを続けて行きたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:30Comments(0)講演・セミナー