2025年04月18日
思い出と希望の詩人
昔、といっても20歳の頃だから、半世紀近くも大昔の話です。
当時、僕は東京のとある私鉄沿線の街に暮らしていました。
そして、同じ沿線の街にある小さな書店で働いていました。
60代の老夫婦が営む書店には、通いで来る50代の経理のおじさんと、住み込みの10代の男子がいました。
僕は、配達だけを任されたアルバイトでした。
店がヒマになると、決まって主人 (社長) は、僕を向かいの喫茶店に誘いました。
「小暮君、ちょっと一服しよう」
そして、決まって主人は、生まれ故郷の話をしてくれました。
長崎です。
「小暮君は歌を歌っているんだよね」
「はい」
「じゃあ、さだまさしを知っているだろ?」
「もちろんです」
「彼は天才だね。長崎の誇りだよ」
と毎回、必ず、さだまさしの自慢をするのでした。
もちろん僕も10代の頃には、グレープ (さだまさしのいたグループ名) のレコードを聴いていました。
ソロになってからも、何枚かは買って聴いた記憶があります。
特にデビュー曲の 『精霊流し』 には、衝撃を受けました。
「なんだ、この歌詞は!」
と、今までの歌謡曲にもフォークソングにもなかった、まるで一編の小説を読んでいるような物語性に、文学を感じたことは言うまでもありません。
その後も、さだまさしさんは、数々のヒットを飛ばしました。
さらなる衝撃は、山口百恵さんに書いた 『秋桜』 でした。
秋桜と書いて、「コスモス」 と読ませたのです。
詩の内容も、嫁ぐ日の娘と母の心情を歌うという、やはり従来の歌謡曲やフォークソングにはなかったドラマに仕立て上げてありました。
そんな才能豊かな、さだまさしさんですから、小説を発表した時も驚く人はいなかったと思います。
2002年に発表した初小説の 『精霊流し』 が、いきなりベストセラーになりました。
むべなるかな、であります。
その後も彼は、シンガーソングライターと小説家の二足の草鞋を履き続けています。
いつか読んでみたいと思いつつ、20年以上の歳月が流れてしまいました。
最近、新聞記事で、さだまさしさんについての書評を読みました。
その中で、 『解夏』 を挙げていました。
解夏(げげ)とは、夏が終わること。
陰暦の7月15日、季語は秋。
さださんらしいタイトルです。
表題作 『解夏』 を含む4編の小説集です。
もちろん、映画にもなった表題作も胸を打つのですが、他の3篇も秀作です。
僕的には最後の 「サクラサク」 に涙腺をやられてしまいました。
日に日に記憶が遠ざかる父親と家族を連れて、父親の幼児期の記憶をたどるエリートサラリーマンの話です。
認知症の介護に携わった者だけに分かる、辛くやるせない心情描写が胸に迫ります。
解説を作家の重松清氏が書いています。
<このひとは思い出と希望の詩人だ。ずっと思っていた。さだまさし氏のことである。>
から始まる解説文も一読の価値があります。
うららかな春の宵に、ページをめくってみたらいかがでしょうか。
2025年04月17日
普通な人大賞
なぜだか昨日は、不意にA君のことを思い出しました。
命日でもあるまいに……
A君は、幼なじみで小中学校の同級生でした。
A君の 「A」 は、名前の頭文字ではありません。
ABCの 「A」 なんです。
誰も面と向かっては言いませんでしたが、陰ではみんな、彼のことを 「A君」 と呼んでいました。
中学3年生の頃だったと思います。
仲間内で盛り上がったテーマがありました。
それは、「ふつう」 について。
「一番、普通な人って誰だろうね?」
誰かが言った一言から始まりました。
みんなで、「普通な人」 の定義を考えました。
器量も人並み、体形も中肉中背。
頭も良からず悪からず。
性格も明るすぎず、暗すぎず。
日本全国、どこにでもいそうな中学生 “少年A” 探しが始まりました。
その結果、満場一致で、A君が選ばれました。
「第1回 どこにでもいそうな普通な人大賞は、A君に決定しました!」
以来、誰もが彼のことを陰で、「A君」 と呼ぶようになりました。
本人は、知るよしもないのですが……
あれから40年ほど経ったある日のこと。
同級生からA君の死去が知らされました。
まだ50代でした。
僕は大人になった彼を知りません。
ただ友人らの話を総合すると、A君はその後、高校、大学と普通に進み、地方銀行に就職したといいます。
結婚をして、子どももいて、何不自由ない普通の生活をしていたようです。
でも突然、病魔が彼を襲いました。
残念ですが、彼は寿命だけが、普通ではなかったのですね。
短命でした。
今になって思います。
生前に彼に会っておけば良かったと……
そして、元気なうちに 「普通な人大賞」 の賞状を授与しておけば良かったと……
そんなことを昨日、だらだらと思い描いていました。
楽しかった遠い遠い日々をめぐりなから……
缶けりをした、あの空き地は、もうないんでしょうね。
2025年04月16日
【緊急開催】 特別口演 in 玉村八幡宮
突然ですが、急きょ、玉村八幡宮にて街頭紙芝居の口演を開催することになりました。
たった1日、しかも、午後1時からのたった1回だけのスペシャル口演です。
えっ、なんでまた急に!?
と、思われるでしょうね。
はい、今週になって突然、決まりました。
勘のいい読者なら、きっと、察しがついているでしょうね。
そうです!
もしかすると、もしかすることが、現実に起きたのであります。
(当ブログ2025年4月13日 「石の上にも五年」 参照)
ということで、報道関係や一般への告知は間に合いませんでした。
このブログを見た人で、当日、会場に来られる人は、ぜひ、ご参加ください。
求む、急募!
たった1回だけの演目は?
それは、会場に来た人だけのお楽しみです。
みんな~、待ってるよ~!
緊急開催! 『玉村かみしばい』
●日時 2025年4月19日(土)
13時~ (約20分) ※1回口演のみ
●会場 玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
※雨天など悪天候時は屋内開催
●入場 投げ銭制 ※ペイペイ可
●協力 玉村町教育委員会
●問合 壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
2025年04月15日
ブルーチーズとサザンとオンザロックと
「春眠暁を覚えず」
なんて言いますけど、僕の場合、一年中です。
だって、宵っ張りなんだもん!
これって、職業病かもしれませんね。
とにかく一日が、スロースターターなんです。
宵っ張りのくせして、睡眠時間の確保には厳格です。
目覚まし時計は、床に就いた時間から8~9時間後にセットします。
だもの目覚めるのは当然、昼近くになっちゃったりします。
そんな生活が、何十年と続いています。
「今日は、ここまで!」
と自分に言い聞かせて、仕事モードからプライベートモードに切り替えるのは、だいたい夜9時頃です。
まずは、缶ビールを一本!
まあ、観るでもなく、つけっぱなしのテレビの前で、ダラダラと……
次は軽く、ウイスキーの水割りです。
つまみは、適当です。
帰りに買ってきたスーパーの半額総菜だったり、乾きものだったり。
2杯呑んだら、いよいよ、本番です。
喉も潤ったところで、日本酒を冷でチビチビと、やり始めます。
相棒は、小説だったり、エッセイだったり。
テレビは切って、BGMはピアノ音楽にします。
小一時間も経つと、ちょっと睡魔が襲ってきます。
「さ、そろそろ寝るか」
と、歯を磨くと、まるで、それが合図のように、スイッチが入ります。
「そうそう、ブルーチーズが、あるじゃない!」
って。
青カビのチーズは、僕の大好物です。
ちょっと高いから、量は食べません。
数かけらを小皿に乗せて、いよいよ、締めのナイトキャップの始まりです。
もちろん、お相手はオンザロック!
あの、カラカラ音が、大好きなんですね。
いかにも 「呑んでるぜ~」 感が、たまりません。
実は僕、ウィスキーを呑むと、サザンオールスターズの曲を聴きたくなるヘキがあるんです。
「でも、どうしようかな~。明日は早いし」
と言うときは、我慢するんですけどね。
でも通常ならば、禁断症状が出る前に、YouTubeにアクセスします。
PVもいいけど、やっぱサザンはライブです。
すると……
あっという間に、2時間ぐらい経ってしまうんですね。
ああ、また、やっちゃった!
って、毎度、あわてて布団の中に、もぐりこむのが常であります。
それでも、しばらくは頭の中には、サザンが流れています。
♪ ジャンヌ・ダルクによろしく~
2025年04月14日
人の噂も千七十五日
昨日は雨の中、朝から町内の 「堀払い」 に参加してきました。
いわゆるドブ掃除です。
年に一回、小雨決行で行われます。
全町民、一世帯一人参加ですからね、そりゃ~、にぎやかです。
長靴はいて、スコップを手に、ゾロゾロと集まってきます。
昔と違って、今はドブ川ではなく、側溝ですから清掃作業もラクです。
ものの30分で解散となりました。
で、こんだけの数の町民と顔を合わせる機会なんて、この日と納涼祭ぐらいしかありません。
だから毎年、誰かしらに声をかけられます。
今年も同年配の男性が近づいて来て、
「小暮さん、観たよ!」
「観たって?」
「ほら、さんまさんの番組」
ドッヒャー!
いったい、いつの話ですか!?
僕が、明石家さんまさんの番組 『ホンマでっか!TV』 に出演したのって、おととしですよ。
そう言えば先日も、自治会費を班長宅に届けたら、
「ラジオ、聴いたわよ! 安住さんの」
と、3年以上前の話をされました。
この町って、時が止まっているのでしょうか?
ま、それだけ町内では、ウワサが温存され続けているということなんでしょうね。
“人の噂も七十五日” と言いますが、とんでもない!
千日経ったって、消えはしませんって。
だもの、犯罪になんて手を染めたら絶対に、この町には住んでいられないということです。
あ~、良かった!
悪いことでテレビに出たんじゃなくて……(ホッ)
2025年04月13日
石の上にも五年
昨日は昼間から美酒に酔いしれました。
集まったのは、紙芝居師の石原之壽(いしはらのことぶき)君と画家でイラストレーターの栗原俊文君と僕です。
3人の共通は、紙芝居の制作と口演活動をしているメンバーであること。
なぜ、その3人が昼間っから酒を酌み交わしたのか?
理由は、3つありました。
まず1つ目は、先月、伊勢崎市内の4会場で開催をした紙芝居 『国定忠治』 の口演が、無事に終わったことの打ち上げ会です。
作文と口演を石原君が、作画を栗原君が、監修を僕が担当しました。
2つ目は、先週放送されたテレビ東京 『youは何しに日本へ?』 に、石原君が出演した祝賀会です。
テレビの中で披露した紙芝居は、玉村町を舞台にした 『五料のカッパと妙義のカッパ』 でした。
作・脚本が僕で、作画を栗原君が担当しました。
まあ、この2つの出来事だけでも、十分に美酒を浴びるほど吞めるのですが、なななんと! 直前になって一昨日の午後に、ビッグニュースが飛び込んで来ました~!
あ、あ、あの! 日本テレビの人気番組からのオファーです!
「なんで?」
「あの番組と紙芝居って、関係ある?」
との疑問に、某番組のディレクターは……
「ああ、なるほど!」
「そういうことね」
実は、これまた3人で作った紙芝居の内容に、ヒントがありました。
もしかしたら、もしかしますよ~!
決定次第、発表します。
“神社かみしばい” と銘打った街頭紙芝居の興行が、伊勢崎市の神社で始まったのは、コロナ禍の2020年1月でした。
僕は、翌年から脚本を担当しています。
その翌年には、栗原君も作画で参加しました。
あれから5年。
石原君は地元の新聞だけではなく、全国放送のテレビ番組にも引っ張りだこです。
たかが紙芝居?
昭和の遺産?
時代遅れ?
いえいえ、きっと、素朴で温かい紙芝居の世界が、令和の時代には新鮮で画期的に映るのかもしれませんね。
石の上にも5年。
やっと、認知されるようになりました。
街頭紙芝居、バンザーイ! \(^o^)/
2025年04月12日
どこかで誰かが ~取材こぼれ話~
「先生、お久しぶりです。ちいきしんぶんの 『取材こぼれ話』、読んでますよ」
高崎市の某公民館職員から電話をいただきました。
「ちいきしんぶん」 とは、高崎市内に配布されているフリーペーパーです。
「取材こぼれ話」 とは、僕が連載しているコラムのサブタイトルです。
メインタイトルは、『ちょこっと小耳に』 であります。
某公民館では過去に、2回の講演をしています。
9年前と6年前です。
講演のテーマは、1回目が温泉、2回目が民話でした。
「そろそろ、またうちで講演をしてくださいませんか?」
というのが、電話をいただいた理由でした。
もちろん、快諾しました。
「で、テーマは?」
過去に温泉と民話の話はしています。
地酒かな? それとも牧水ネタかな?
と思いきや、職員いわく、
「はい、ぜひ、『取材こぼれ話』 でお願いします!」
と、即答されてしまいました。
「こぼれ話ですか?」
「だって、先生らしくて、楽しいじゃないですか!?」
ということで、自分史上初のテーマでの講演の開催が決定してしまいました。
まさに、縁は異なものであります。
そして、どこで誰が見ているか分かりません。
昨年5月、ちいきしんぶんの社長から突然、「何か書いてよ」 と無茶ぶりされて、スタートしたコラムです。
副題の 「小暮淳の取材こぼれ話」 のとおり、過去の取材で出合ったエピ―ソードを1話完結、面白おかしく、つれづれなるままにしたためているだけです。
おかげさまで、すでに16回の連載を迎えています。
「えっ、いいんでか? そんなテキトーな話で」
「はい、みなさん、聴きたいと思いますよ。私も楽しみです」
とかなんとか、おだれられて、木のてっぺんまで登ってしまいましたとさ。
それにしても人生って、面白いですね。
何か新しいことを始めると、勝手にコロコロと転がり始めるのですね。
さて、何を話しましょうか?
取材エピソードなら、断捨離するほどありますぞ!
今から僕も楽しみです。
2025年04月11日
のん兵衛の神様
僕は取材が、大好きです。
取材がしたいがために、ライターになったと言っても過言ではありません。
資料を調べたり、読んだりすることも好きですが、それ以上に取材にはワクワク、ドキドキ感があるのです。
取材は、筋書きのないドラマです。
それは必ずしも、良いことばかりではありません。
当日、アポ先にドタキャンされることもあるし、悪天候に見舞われることもあります。
また期待外れのコメントしか取れず、出直し、または企画段階からやり直しなんていうこともあります。
でも、ちゃんと、取材には “取材の神様” がいるんですね。
時々、思いもよらぬサプライズを起こしてくれます。
先日もサプライズが起きました。
テレビ番組のロケハンに行った帰り道です。
「ロケハン」 とは、ロケーションハンティングの略で、本番前に現地へ行き、撮影場所の下見と関係者との打ち合わせをすることです。
まあ、取材と同じです。
で、僕らはロケハンを済ませ、帰路に着きました。
「僕ら」 とは、僕と番組のディレクターと放送作家の3人です。
うち、僕と放送作家のTさんは、のん兵衛です。
すでに、昼食時にはビールを2瓶、呑んでます。
さらに、前橋に戻ったら 「呑みに行きましょう」 という口約束が交わされていました。
若手ディレクターの I 君も毎度のことなので、承知しています。
「いつもの場所で降ろしてね」
と言えば、
「今日も呑みに行くんですか!」
と笑い飛ばしてくれます。
帰路の街道筋には、造り酒屋があります。
そのことをTさんに告げると、
「寄りましょう! ママにお土産を買っていきましょう」
ということになりました。
ところが……
酒蔵の駐車場に着いて、車から降りて入り口へ向かって歩き出すと、前方には 「本日定休日」 の文字が!
「残念でしたね」 「定休日だって」 「あきらめて帰りましょう」
と、車に乗り込もうとした時でした。
「いいですよ~! どうぞ~!」 の声。
振り向くと、庭木の陰から男性の姿が……
見覚えのある顔でした。
「あれ、○○さん!」
「小暮さん?」
そこにいたのは、僕が 「ぐんまの地酒大使」 でお世話になっている酒造組合の会長であり、蔵元の社長でした。
「今日は月に一度の定休日なんです。店は開けられませんので、どうぞ、裏からお入りください」
ということになりました。
「ラッキー! 」 「これで酒を買って帰れますね」
なんてTさんと話していたら、まさかのサプライズが!
店内に入ると、いきなり社長は冷蔵ショーケースの中から4合瓶を取り出し、テーブルに猪口を並べ出すではありませんか!
それも3つ……
うん?
「彼は運転手だから吞めません」
と言おうと思った矢先、1つは社長の目の前に置かれました。
「さあ、どうぞ! 遠慮なく」
それからは、ご想像の通りです。
酒盛りが始まってしまいました。
まったくもって、取材は筋書きのないドラマです。
取材に神様がいるように、酒にも 「のん兵衛の神様」 がいるようです。
2025年04月10日
まだヒメオドリコソウを見ていない
春です。
散歩の季節がやって来ました。
愛犬のマロ君がいた頃は、毎日、散歩をしていたんですけどね。
最近は、ヒザを痛めたこともあり、めっきり少なくなりました。
それでも週に1回は、呑み屋に行くためにバス停までは歩いています。
徒歩約20分。
冬は北風が強くて、寒くて、難儀なのですが、散歩が楽しい絶好の季節になりました。
というのも我が家のまわりは、お花畑なのです。
バス停までの道のりも、住宅街を抜け、鎮守の森を通り、小川の土手を上り、田畑の中を歩きます。
今は桜が見頃です。
満開を過ぎ、桜吹雪が舞い、川面には花いかだを浮かべています。
と思えば、土手沿いの道を菜の花が、まっ黄色に染め上げています。
ピンクとイエローのコントラストが美しい!
そして所々に、紫色の群生を見かけます。
中国原産のショカッサイ(諸葛采)です。
日本では、ムラサキハナナ(紫花菜)と呼ばれています。
大根の花に似ていることから別名、ハナダイコンとも。
田畑の畔には、すでにタンポポが満開です。
ほとんどが西洋タンポポですが、この辺りには花の白いシロバナタンポポも見かけます。
赤紫の花をつけるホトケノザ、小さく青い花が可憐なオオイヌノフグリなどは、春を彩るの野花の主役です。
あっ、トウダイグサだ!
僕は、トウダイグサ(燈台草)の不思議なデザインが大好きです。
トウダイグサって、知っていますか?
燈台といっても、海の灯台ではありませんよ。
昔の照明に使った燭台のことです。
茎の上部がお皿のように平たくて、花のまわりの包葉が黄緑色に色づく様子が、ロウソクを立てた燭台に似ているんです。
本当に不思議な形をしています。
道の端にしゃがみこんで、ズーッと眺めていられます。
あわや、バスに乗り遅れそうになってしまいました。
「雑草という草はない」
と言ったのは、植物学者の牧野富太郎博士でしたっけ?
名言ですよね。
だって、小さな草花の一つ一つには、すべて名前が付いているんですから!
で、バスに乗ってから思いました。
「そういえば、今年はまだヒメオドリコソウを見ていないな」 と……
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)は、僕が春の野花で一番好きな花です。
ヨーロッパ原産の越年草ですが、とにかく、その姿が可愛いんです。
この子たちは、必ず群生して咲きます。
その姿が、まるで踊り子たちが並んで踊っているようなんですね。
(ネーミングの発想が素晴らしい!)
茎頭の包葉が紫紅色に染まった様子が、まさに “姫” と呼ぶにふさわしい。
あまりに可愛いので、昔、写真に撮り、今でも額装して家に飾ってあります。
野花の恋人、ヒメオドリコソウに、いつ会えるのでしょうか?
散歩が楽しい春です。
2025年04月09日
いつから大蛇みこしを担ぐようになったのか?
いよいよ1カ月後に迫りました!
12年に一度だけ老神温泉街を渡御 (とぎょ) する全長108メートル、総重量2トン、担ぎ手200人の 「大蛇まつり」 です。
僕は、老神温泉大使として毎年、例大祭に出席しています。
でも、今年はギネス登録もされているスーパージャンボウルトラ巨大みこしが登場する記念すべき年です。
大使として神事に参加するだけではなく、このハレの日を、しっかりと記録に残し、みなさんに伝えようと思います。
そう!
僕には、もう一つ、群馬テレビ 『ぐんま!トリビア図鑑』 のスーパーバイザー (監修人) という顔があるのです。
ということで、当日!
5月9日(金)、15時~の 「大蛇みこし出発式」 と 「大蛇みこし特別渡御」 を現地から僕がリーポートすることになりました!
でもね、ただ現地をリポートするだけなら誰でもできるし、ニュース番組で放送すればいいだけです。
『ぐんま!トリビア図鑑』 ですよ!
そんなことは、しません。
ちゃ~んと、謎の解明に挑みます。
<「今年80歳になる私のおばあちゃんは、昔は赤城様の祭りでヘビのみこしなんて担がなかったと言っています」 と、温泉街で働く20代の女性。また 「祭りにヘビが登場したのは、昭和30年代になってから」 と教えてくれたのは、初老の男性だった。>
(拙著 『民話と伝説の舞台』 より)
昔はヘビなんて担いでなかった!?
えっ、昭和30年代に始まった新しい祭りなの!?
そもそも伝説の 「日光と赤城の神戦」 は、日光がヘビで赤城がムカデだったはずです。
いつどこで、神様が入れ替わっちゃったの?
そのヒントは、祭りのパンフレットにありました。
今年の 「大蛇まつり」 は第61回です。
61年前の昭和39(1964)年に、なぜ突然、ヘビのみこしを担ぎだしたのか?
その謎を解くには、その前年の昭和38年に理由がありました。
老神温泉に起きた、ある史実がきっかけだったのです。
それは……
自称・謎学ハンターの僕は、昨日、現地を訪れ、貴重な資料の数々を手に入れました。
祭りの当日、大蛇みこしの前で、そのトリビアなる謎を解明します。
ぜひ、遊びに来てください。
第61回 老神温泉 赤城神社例祭
「大蛇まつり」
●日時/2025年5月9日(金)、10日(土)
●神事/両日10:00~
☆108メートルのギネス認定大蛇みこしは、9日のみの特別渡御となります。
●大蛇みこし出発式 9日(金) 15:00~15:30
●大蛇みこし特別渡御 9日(金) 15:30~18:00
●主催/老神温泉観光協会 大蛇まつり実行委員会 TEL.0278-56-3013
※詳しくは協会のHPをご覧ください。
2025年04月07日
人生のターニングポイント
きっかけは逆転の発想でした。
60歳を過ぎてからは体力的に無理がきかなくなりました。
50代までは1日に3本の仕事を入れても、平気の平左だったのにね。
今はダメです。
1日に1本です。
打ち合わせにしても、取材にしても、原稿書きにしても、テレビロケやラジオ出演、講演にしても、午前か午後の一本のみのスケジュール管理になりました。
だって、疲れちゃうんだもの~!
それと、すぐにお酒が呑みたくなってしまいます。
「ああ、若い頃は、もっともっと気力と体力があったのになぁ~」
と、我ながら老いを実感しております。
“人間は考える葦である”
と言ったのは、誰でしたっけ?
肉体は老いて怠惰な生活を望むようになりましたが、まだ知力なら健全です。
よって、肉体を使わない仕事ならば、まだまだ可能だということです。
で、僕は考えました。
インプット作業には限界があるけれど、アウトプット作業のみなら年齢に関係なくできるということです。
苦渋の末に誕生したのが、昨年5月から高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に連載中の 『ちょこっと小耳に』 というコラムです。
これには副題が付いています。
「小暮淳の取材こぼれ話」。
ね、これならば取材もいらないし、肉体を酷使することもなく、今までの経験だけで文章を書き続けられます。
しかも、ネタがある限り半永久的に可能です。
おかげさまで好評のようで、編集室には読者からのメールやお手紙が届いています。
みなさん毎回、楽しみにしてくださっているようで、筆者冥利に尽きます。
連載は1話完結です。
しかも、原稿用紙2枚程度のコラムですから、活字が苦手な人でもサクッと読める量です。
毎回、長年の取材や執筆、講演活動での出来事を、面白おかしく掲載しています。
早いもので、先週の最新号で第16話となりました。
今回のテーマは 「人生のターニングポイント」。
38年前に、雑誌記者になった時のエピソードを書かせていただきました。
雑誌社の面接の日、本人も予期しなかったミラクルサプライズが発生します。
もし、あの出来事がなかったら、今の僕の人生はなかったかもしれません。
『ちょこっと小耳に』 は、「ちいきしんぶん」 のHPから閲覧することができます。
興味のある方は、ご覧ください。
2025年04月06日
消えたサクラ
昨日、両親の七回忌法要を無事に済ませました。
オヤジが2019年2月に逝くと、後を追うようにオフクロは同年5月に逝きました。
生前、オヤジは寝たきりのオフクロに対して、「俺より先に死んだら許さない!」 なんて、ボケながらも相変わらず亭主関白ぶりを発揮していましたからね。
昭和一桁生まれのオフクロは、我慢していたと思います。
だってオフクロは、オヤジの葬儀に参列する体力は、すでになかったのですから。
こらえて、こらえて、令和元年を1日だけ迎えてから逝きました。
お坊さんが帰った後、東京から来ていた姪っ子が言いました。
「叔父さん、散歩しない?」
「いいね、懐かしい」
実家のまわりを歩くのは、本当に久しぶりです。
たぶん、両親の介護以来です。
「桜が満開じゃないの? 行ってみようよ」
姪っ子が近くの寺院の名を告げると、義姉が、
「驚くよ~、スゴいことになっているから」
スゴいこと?
するとアニキまでもが、
「行ってみるといい。近所ではブーイングの嵐だ」
ブーイング?
いったい、この数年で何があったというのだろうか?
兄夫婦が言ったことは、本当でした。
僕も姪っ子も山門の前で、ただただ立ちすくむばかり。
「何これ、センス悪い~!」
姪っ子の言葉に、二の句を継げません。
開いた口が塞がらないとは、まさに、この状態です。
ないのです!
参道の桜並木が!
一本残らず!
僕が小学校に入学した春にくぐった桜並木……
息子や娘と遊んだ桜並木……
オフクロの車イスを押して通り抜けた桜並木……
オヤジの手を引いて見上げた桜並木……
すべて伐採され、跡地にはセンスの悪い巨大オブジェが置かれ、和洋折衷の庭園もどきが造られ、残りのスペースは駐車場になっていました。
まるでキツネにつままれたように二人は、しばし立ち尽くしていました。
これが七回忌という時の流れなんですね。
懐かしかった風景とともに、大切な思い出までもが消えてなくなってしまいました。
最後に、ここの桜を見たのは、いつだったろうか?
目の見えないオヤジの手を引いて、舞い散る桜の花びらを見上げたのが最後だったと思う。
「見えるかい?」
「ああ、見える」
「きれいだね」
「ああ、きれいだね」
(2016年4月3日 「見えないサクラ」 参照)
今回ばかりは僕も、記憶の中の桜を追いかけました。
2025年04月04日
アンチ露天風呂派なれど
温泉ファンの間では、露天風呂の存在に対して、賛否両論があります。
理由は、そもそも露天風呂という浴槽では、良質な湯を提供できないからです。
屋外にあり、外気にさらされているため、様々な障害を受けます。
まず一番は、湯が冷めやすいということ。
真冬の露天風呂は、氷点下にさらされます。
湯をいくら注いでも冷めてしまいます。
また春は花びら、夏は虫、秋は落ち葉、冬は砂ぼこりが入り込みます。
これらの除去、清掃の作業は重労働です。
なによりも湯が汚れます。
そのため余儀なく、循環ろ過装置を使用することになります。
当然、加温も続けるため、燃料代はバカになりません。
よって、冬季は露天風呂を閉鎖している旅館が多いのです。
僕も基本、アンチ露天風呂派です。
正しくは、内風呂派ということになります。
あくまでも鮮度に、こだわっての理由です。
ただし、湯量が豊富で、源泉の温度が高く、歴史と文化がある露天風呂ならば、その限りではありません。
ということで、毎月、僕がゲスト出演しているエフエム群馬 「news ONE」 の4月のテーマは、露天風呂です。
「一度は入りたい絶景の露天風呂」 と題して、群馬県内の知る人ぞ知る温泉旅館の大露天風呂についてお話しします。
ご期待ください。
■放送日 4月9日(水) 18:37 頃~
■放送局 FM GUNMA (86.3MHz)
■番組名 『news ONE』 月~水 18:00~18:55
■出演者 岡部哲彦 (アナウンサー)、小暮 淳 (温泉ライター)
2025年04月03日
youは紙芝居しに群馬へ
我らが 「上毛だがしや楽校」 校長であり、「壽ちんどん倶楽部」 座長の石原之壽(いしはらのことぶき)君に、弟子入りが来た!?
そんな、まことしやかなウワサが広まっていましたが、どうもデマではなかったようです。
来週月曜日に放送のテレビ東京 『youは何しに日本へ?』 の予告タイトルを見てビックリ!
【実は日本発祥! 紙芝居はスゴい】
<チリで図書館の司書をしている男性。実は日本発祥の紙芝居が大好きで、実際にやっているのを見たいという。そこで、キャリア10年を誇る紙芝居の読み手の実演を見て感動。自分も母国の子どもたちに日本の紙芝居を読んであげたいと、古本の町・神保町で探してみると、感動の名作との出会いが…。> (番組HPより)
おお~、ウワサは本当だったのですね。
ロケ地は我々のホームグランド、伊勢崎神社 (群馬県伊勢崎市) だとか!
もちろん、読み手は石原之壽君です。
では、演目は?
どうも、僕が手掛けた紙芝居のようですよ。
さて、実際は?
オンエアが楽しみです。
YOUは何しに日本へ?
「孤独のグルメ」 名店ハシゴ&日本発祥 “紙芝居” の旅
●放送局/テレビ東京 (地デジ7ch)
●番組名/YOUは何しに日本へ?
●放送日/2025年4月7日(月) 18:25~20:00
●M C/バナナマン
2025年04月02日
ネコバスに乗って
基本、僕には休日がありません。
というのも、出かける用事がなくても連載を何本か抱えているので、目の前から仕事が消えることがないからです。
自宅に居れば、何かしら資料を読んだり、原稿を書いています。
でもね、それも、朝目覚めたときの気分で変わります。
「あ~、今日は何もしたくない」
と思えば、映画を観に行ったり、一日中、読書をして過ごします。
まあ、これが僕の休日の過ごし方です。
と、もう一つ、あります。
午後からの飲酒です。
「今日は、とことん呑もう!」
と決めた日は、昼飯を食べずに、午後の2時過ぎには家を出て、歩き出します。
目指すはバス停です。
昨日は一日、あいにくの雨模様。
それでも苦にはなりません。
「今日は何もしなくていいんだ」
と思えば、足取りも軽くなります。
(さすがにスキップまではしませんが……)
歩くこと約20分。
最寄りのバス停に着きました。
行きつけの呑み屋に行くときは、毎回、市内循環バスを利用します。
右回りと左回り、それぞれ1時間に1本ずつありますから便利です。
しかも、どこからどこまで乗っても100円均一というリーズナブル運賃です。
これを利用しない手はありません。
バス停には10分ほど早く着いてしまいました。
バスを待つ人は、誰もいません。
僕だけが一人、ポツンと傘をさして立っています。
「あれ、この光景、見たことあるなぁ~。なんだっけ?」
あっ、思い出した!
アニメ映画 『となりのトトロ』 です。
バス停で、お父さんの帰りを待つサツキとメイです。
そこへトトロもやって来るのでした。
だったら僕は、トトロか!?
確か、トトロはサツキからお父さんの傘を貸してもらうんですよね。
トトロがポ~ンと跳び上がると、頭上の木の枝から雨粒がボタボタボタ――ッて落ちてくるのです。
と思ったら僕も、軽くポンと跳びはねていました。
でも、雨粒は落ちてきませんでした。
やがてバスがやって来ましたが、残念なことに現れたのはネコバスではなく、いつもの青い循環バスでした。
残念至極!
ま、今日は休みです。
子どものように妄想してみるのも、いいものです。
ネコバスは来なかったけど、ネコバスに乗った気分にはなれました。
「夢だけど、夢じゃなかった」
サツキとメイの声が聞こえたような気がしました。
2025年04月01日
花見に現れるサムライ
今日はあいにくの雨模様ですが、花見のシーズンを迎えました。
この季節になると僕は、恐ろしい落武者の話を思い出します。
折しも、今日は朝からどのテレビ局も、中居氏の性暴力問題で持ちきりです。
きっと昭和の時代には、当たり前のように暗黙裡に行われていたのかもしれませんね。
まだセクハラなんて言葉もなかった時代のこと。
日本全国、どこの公園でも花見会は行われていました。
もちろん、僕が勤めていた雑誌社でも毎年の恒例行事でした。
場所取り、食材とカラオケの用意は、新入社員の仕事です。
宴が始まれば、すべてが無礼講になり、羽目を外す者が続出します。
女子の体を触りまくる上司、パンツいっちょになって踊る同僚、隠し芸を披露する取引先……
今だったらパワハラ、セクハラで完全アウトの行事ですが、これが昭和から引きずってきた悪しき慣習だったのであります。
当時、得意先の担当者に、僕と同世代の “ド変態野郎” がいました。
この男、取材先にも付いてきて、所かまわず全裸になる “ヘキ” がありました。
旅館やホテルに着いたら、まず全裸。
食事のときも、まず全裸。
酒を呑めば、さらにエスカレートをして、女性に下半身を見せびらかします。
(他人に見せるほど、立派なモノでもないのにね)
たとえば、こんなことも……
接待でスナックへ連れて行った時のこと。
「こんばんは~」
と僕。
「あら、コーさん(僕のことです)」
とママ。
「今日は大切な取引先を連れてきたからね。ママ、頼んだよ」
「えっ? お連れさんは?」
彼は、なかなか店の中に入って来ません。
数分後、入り口の扉が開いて、
「ジャ~ン!」
と両手を上げながら、なななんと! 全裸の彼が店に飛び込んで来ました。
ま、こんな調子の “ド変態野郎” ですから、毎回、ハラハラドキドキの接待仕事でありました。
これは、彼の会社の業者会に呼ばれた時のこと。
やはり同じ下請け会社の人と同席したことがありました。
開口一番、こう言いました。
「ド変態でしょう!?」
「おたくでもですか?」
「そりゃあ、もう、やりたい放題ですよ」
と、こんなド変態野郎の武勇伝を話してくれました。
花見会場でのこと。
ブルーシートの上で、車座になっての宴会の真っ最中。
突然、あちらこちらから 「キャー!」 「キャー!」 と若い女性の悲鳴が上がり出したといいます。
見ると、そこには……
座っている女性の頭に、下半身を露出しながらイチモツを乗せている “ド変態野郎” の姿があったといいます。
端から女性の頭にイチモツを乗せていき、その都度、こう叫んだそうです。
「ちょんまげ~!」
筋金入りのド変態であります。
清く正しい令和の花見会場では、絶対に見られない悪しき昭和の光景であります。
2025年03月31日
ハメマラは忘れた頃にやって来る
ハメマラとは?
「ハ」=歯
「メ」=目
「マラ」=男性の生殖器
加齢とともに男性は、この順番で老化が進行するという隠語です。
御多分に漏れず、僕も50代から衰えが顕著になりました。
ただ僕の場合は、ちょっと順序が違って、メマラハの順で悪化しています。
特に60歳を過ぎてからは 「ハ」 の老化が止まりません。
一般的に50代で3本、60代で6本の歯を失うといわれます。
まさに、その勢いで僕の歯も消えて行きました。
ということで、かつて自前の歯があったところは、すべて差し歯になっています。
でも、差し歯って、思わぬ時に、突然、ポロリと抜け落ちるんですよね。
それでもコロナ禍は良かった。
みんなマスクをしていましたもの。
1本ぐらい歯が抜け落ちていても、マスクをしていれば問題ありません。
でも、今は違います。
特に前歯の場合、目立つんです。
先日の講演を前に、またしてもピンチが訪れました。
前歯の差し歯が、グラつき始めたのです。
「ヤバい! なんとか耐え忍んでくれ!」
と、数日前から前歯をいたわりながら、なるべく咀嚼(そしゃく)のいらない柔らかい食事をしていました。
が、前日の午後。
悲劇は突然、前触れもなく訪れました。
車の運転中に 「クシュン!」 と、くしゃみをした瞬間、ポンと抜け落ちてしまいました。
さあ、大変です。
明日は人前に立ち、講話をしなければなりません。
タイムリミットは、すでに24時間を切っています。
このままでは、“歯無しの話” になってしまいます。
結論から言えば、間に合いました。
すぐに、係りつけの歯科医院に電話をして、事情を話し、その足で医院に向かい、急きょ、治療してもらうことができたのです。
というのも、この医院の先生と看護師さんは、いつも僕が出演するテレビやラジオを観たり聴いたりしてくださっているのです。
以前にも無理なお願いを何度も聞いていただきました。
今回も、事なきを得ることができました。
ありがとうございます。
感謝、感激、雨あられ!
持つべきものは、係りつけ医であります。
みなさ~ん!
特に中高年のみなさ~ん!
ハメマラは、突然、忘れた頃にやって来ますから、ご注意くださいね。
2025年03月30日
榛東村と言えば、やっぱガラメキでしょ!
「耳飾り館」 って、知っていますか?
群馬県北群馬郡榛東村にある博物館です。
「耳飾り館」 とは、村内の茅野遺跡から発見された縄文時代の耳飾りをはじめ、各国の耳飾りの展示や耳飾りに関する情報を収集した、世界初、世界唯一の耳飾り専門館です。
昨日、このミュージアムで歴史講座が開催され、僕は講師として90分間の講義をしてきました。
えっ、耳飾りの?
いえいえ、もちろん温泉です。
先方が用意した演題は、「群馬県内の温泉の歴史と文化」。
ちょっと堅苦しいですよね。
だから僕が副題を付けました。
「群馬は温泉パラダイス」
これならば、いつもの調子で講義ができます。
前日が夏日だったのに、一転して、榛名山麓に位置する榛東村は、小雪が舞っていました。
まさに、“春遠からじ” であります。
講演や講義には、落語でいう 「まくら」 が大切です。
いわゆる導入部分。
僕は、いつも、この “まくら” にこだわっています。
温泉がテーマでも、民話がテーマでも、できるだけ会場のある地元に関係する事柄から話し出します。
そうすると聴講者の興味を引き、その後の本題へと話を導くのがスムーズになります。
榛東村といえば、やっぱり、幻の 「ガラメキ温泉」 です。
開口一番、僕は、この話題から入りました。
ガラメキ温泉とは、突如、姿を消した幻の温泉です。
敗戦の翌年、昭和21(1946)4月。
榛名山中にあったガラメキ温泉の2軒の旅館は、突然、役場から 「72時間以内の立ち退き」 を命じられます。
榛名山中にある旧日本軍の相馬ヶ原演習場を米軍が接収し、射撃訓練に土地を使用するという理由からです。
さて、敗戦によって、こつ然と姿を消したガラメキ温泉とは?
どんな温泉だったのか?
以前僕は、道なき道をかき分けて、片道1時間をかけて、たどり着いたことがあります。
そんな貴重な体験談を交えながら、講義をスタートさせました。
さて、次は、どの県のどの町(村)の人たちに会えるのでしょうか?
毎回、とっても楽しみです。
榛東村の皆さん、ご清聴ありがとうございました。
耳飾り館の職員の皆さん、大変お世話になりました。
また、お会いしましょう!
2025年03月28日
リサイクルブック
リサイクルブックって、知っていますか?
僕はときどき、利用しています。
今すぐ読みたい本がある時は、書店へ行きます。
小説やエッセイなどの文庫本を、まとめ買いするときは古本屋へ行きます。
そして仕事で必要な資料を探すときは、図書館へ行きます。
図書館へ行く目的は、ほかにもあるんです。
たまにですが、掘り出し物に出合えるからです。
そう、リサイクルブックです。
リサイクルブックとは、保存期間が経過して、不要になった図書のことです。
これらを無料で提供するサービスです。
たいがいは、図書館や図書室の入り口付近に置かれたワゴンに乗っています。
昨日も近所の公民館図書室へ資料を探しに行った帰りに、のぞき込んで来ました。
いやいや、“不要本” とは思えないくらいに、きれいな状態で置かれていました。
3段のワゴンに、上から海外文学、児童書、国内文学の順で並んでいます。
「お気に入りの作家の本はあるかな~?」
と、背表紙を端から目で追っているときの至福感といったらありません。
これって、本好きなら分かりますよね。
なんだか、待ち合わせ場所で恋人が来るのを待っているような気分です。
「来ない、来ない……、キターーーーーーッ!!!」
っていう感じで、心がときめきます。
で、あったんですよ!
お気に入りの作家の本が!
それも2冊。
どちらも汚れや破損はなく、ほぼ新品同様の状態です。
そして、未読の本でした。
定価にして、1,600円+1,900円=なんと! 3,500円ではありませんか!
これが無料なんです。
「本当にタダで、もらっちゃっていいのかな?」
と、ちょっとドキドキしましたが、棚には、ちゃんと、こう書かれています。
<ご自由にお持ちください>
知っていると得することって、あるんですね。
これが、ときどき図書館へ行く理由です。
市内の図書館や図書室をめぐるだけでも、かなりの数の本をゲットできそうです。
2025年03月27日
おかげさまで4,200話
昨日、ブログのサイトにログインすると、こんな文章が表記されました。
<記事投稿数が4,200件になりました!>
と、「!」 マーク付きです。
おおおお―――、よんせんにひゃく!
と、思わず僕も小躍りをしてしまいました。
このブログの開設は2010年2月ですから、丸15年が過ぎたことになります。
ざっと計算して、4,200件というのは、1.3日に1回のペースで投稿をしているということで、ほぼほぼ毎日、書いていることになります。
いや~、我ながら “ヒマな人生” を送っていると感心してしまいました。
が、思えば、こうやって、ほぼほぼ毎日、ブログをしたためられているのも、読者様があってのこと!
ひとえに感謝しています。
ところで、4,200話すべてのブログを読んでいる読者様っているのでしょうか?
まー、皆無だと思いますが、もしいたら自己申告してください。
深く深く御礼を申し上げたいと思います。
でも、なかなか4,200話の読破というのは難しいと思います。
そこで、このブログの賢い活用法をお教えします。
「カテゴリー」 の活用です。
全投稿の4,200話は、すべて35のカテゴリーに分類されています。
この中からお気に入りのカテゴリーを選んで、テーマごとにお読みください。
ちなみに、投稿数が多いベスト5は以下の通りです。
①つれづれ 1,203話
②温泉地・旅館 588話
③温泉雑話 308話
④著書関連 240話
➄執筆余談 232話
「つれづれ」 とは、日々の日常に起きた、感じた出来事を、徒然なるままにしたためています。
実は、このブログでは、僕が過去に新聞や雑誌、ウェブ等で連載した記事も公表しています。
下記の10カテゴリーです。
「島人たちの唄」 「ちょっとインドまで」 「源泉ひとりじめ」 「旅のめっけもん」 「一湯良談」 「温泉考座」 「湯守の女房」 「おやじの湯」 「西上州の薬湯」 「湯けむり浪漫」
また、幻の絵本 『誕生日の夜』 も全文を掲載しています。
いかがですか?
賢く活用して、有意義なブログライフをお過ごしください。
今後とも末永く、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
読者のみんな~! いつも、ありがとね!(桑田風)