温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2023年06月09日

吉井三山と羊太夫


 高崎市吉井町には、「吉井三山」 と呼ばれる山があります。
 牛伏山(うしぶせやま)、八束山(やつかやま)、朝日岳(あさひだけ)。
 すべて標高は500メートルにも満たない低山です。

 牛が伏せたような山容から、その名が付いた牛伏山には、こんな伝説があります。
 昔、山頂の松の木に天狗が住んでいました。
 天狗は町の娘に恋をしました。
 天狗は若者に姿を変え、牛に乗って毎日、娘に会いに行きました。
 しかし娘の心は動かず、あきらめきれない天狗は、娘の姿を山に変えてしまいました。

 その山が 「多胡美人」 と呼ばれる朝日岳だといいます。


 多胡とは、上野国多胡郡(こうづけのくにたごのこおり) のこと。
 吉井町の旧地名です。

 多胡といえば、『昔を語る 多胡の古碑』。
 群馬県民なら誰でも知っている 「上毛かるた」 の 「む」 の札です。
 日本三古碑の一つですが、この碑に 「羊」 という文字が書かれていることから 「羊太夫(ひつじだゆう)」 の伝説が生まれました。


 昔、奈良に都があった頃のこと。 
 八束山には城があり、藤原羊太夫宗勝という城主がいました。
 彼は文武両道にすぐれた若者で、領民からも慕われていました。

 ある日、その徳をうわさに聞いた長者から一頭の馬を献上されました。
 この馬が 「権田の栗毛」 といわれる上野国一の名馬でした。
 ところが、この馬、ただの名馬ではありません。

 一日で奈良の都を往復してしまうという駿馬だったのであります。
 (この続きは、各自でお調べください)



 ということで今週、僕は高崎市吉井町の吉井公民館にて、約2時間にわたる講演を行ってきました。
 演題は、「ぐんま謎学の旅 ~民話と伝説の舞台~」。

 さらに、副題が続きます。
 “民話や伝説は何を伝えようとしているのか?”
 “99%の嘘と1%の真”
 “舞台がある限り、謎は解ける!”


 僕は数年前から群馬県内の公民館をまわり、その土地にまつわる民話や伝説の話をしています。
 ただ物語の話をするだけなら本の朗読と変わりませんので、「なぜ?」 「どうして?」 「何を伝えようとしているのか?」 といった謎にせまり、その謎を会場のみなさんと一緒に解く講演を続けています。

 来月は、高崎市の北部の町へ行きます。
 どんな民話や伝説が眠っているのでしょうか?

 みなさんと一緒に解き明かしたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:49Comments(0)講演・セミナー

2023年06月08日

猿ヶ京温泉 「千の谷」②


 猿ヶ京温泉 「源泉湯の宿 千の谷」 に泊まって来ました。
 一般社団法人みなかみ町観光協会の定時社員総会が開催され、僕は 「みなかみ温泉大使」 として出席しました。

 コロナ禍で3年間開催が中止になっていたため、こうやって関係者と顔を合わせるのは、本当に久しぶりです。
 僕はコロナ前年の総会を欠席しているため、5年ぶりに再会した人たちもいました。


 まずは来賓の紹介があり、司会者から名前が呼ばれ、僕もごあいさつしました。
 特筆すべきは、配られた資料の中に、先日掲載された朝日新聞の記事コピーがあったことです。
 (当ブログの2023年6月2日 「今日の朝日新聞 あ~湯~Happy」 参照)

 主催者側の気の利いた配慮に、感謝であります。


 総会というと、事業報告やら決算報告といって堅苦しい内容がメインとなりますが、この総会では終了後に講演会などのイベントが用意されています。
 過去には僕も、講演をさせていただきました。

 今回は旅行会社とリサーチ会社によるインバウンド戦略やキャップ調査の発表がされました。
 これが実に興味深い内容でした。

 例えば、みなかみ町を訪れる外国人観光客と日本人観光客の、みなかみ町に求めているものの違い。
 外国人は自然やスポーツであるのに対して、日本人は圧倒的に温泉です。
 認知度調査では、関東圏在住者の約6割が 「知っている」 と答えているものの、実際に来訪している人は3割程度にとどまっていることなど。
 一番興味深かったのは、リピーター率が他の群馬県内の温泉地より高いということです。

 まあ、僕が思うに、みなかみ町は草津温泉、伊香保温泉といった1温泉地での登録ではなく、「みなかみ18湯」 というチーム技という有利さもありますけどね。
 結局、行きつくところ観光戦略としては、「“オールみなかみ” で頑張りましょう!」 ということになりました。


 当然僕も 「みなかみ18湯」 の名付け親として、また 「みなかみ温泉大使」 として今後も尽力いたします。
 観光協会員のみなさん、町民のみなさん、今後ともよろしくお願いいたします。


 総会の後は、懇親会、二次会にも顔を出させていただき、美酒に酔いしれてきました。
 ありがとうございました。
   


Posted by 小暮 淳 at 10:41Comments(0)温泉地・旅館

2023年06月06日

どーなってんの? ~お詫びと困惑~


 ブログ読者の皆さまへ

 このたびは、多大なるご心配をおかけして、大変申し訳なく思っています。
 親しい人からは、「大丈夫ですか?」 「何かの呪いでは?」 とのメールをいただきましたが、メカオンチでネットオンチの僕には、依然、原因も対処法も分かりません。

 えっ、何のことかって?
 昨日のブログのことですよ!
 同じブログが4回も掲載されているんです。

 まったく意味が分かりません。


 昨日の一日を再現すると……

 いつものようにパソコンを立ち上げて、サイトへログインしました。
 そして、いつものように記事を書いて、投稿しました。
 そこまでは、いつもと同じです。

 異変が起きたのは、その次からです。
 「投稿」 をクリックすると、いつもの完了画面ではなく、次のような表示が出ました。

 ≪現在サイトが混雑しており、ページが表示されにくい状態です。時間を置いて再度アクセスしてください。≫

 ということなので、再度投稿しましたが、やはり同じ画面が出ます。
 それを繰り返すこと、4回。
 しかし、一向に同じ表示です。


 僕も出かける用事があり、それ以上のアクセスはあきらめてました。
 ところが!
 ブログを開いてみると……

 なななんと、アクセスした4回ともアップされているではないですか!

 「いかん、いかん、これは、いかん!」
 と、あわててサイトに戻り、「記事一覧」 を呼び出し、「削除」 の作業に入りました。

 ところが!
 またしても、同じ表示です。

 ≪現在サイトが混雑しており、ページが表示されにくい状態です。時間を置いて再度アクセスしてください。≫


 「はは~ん、今度は、だまされないぞ! そう表示しておいて、実は削除されているんだよな」
 と思い、ブログをチェックしてみると……

 1つも削除されていません。
 これを何度繰り返しても、現在の状態であります。


 ということで、今日現在、このような、お見苦しい画面になっております。
 謹んでお詫びを申し上げます。
 僕も困っています。

 グンブロさ~ん、どうにかしてくださ~い!!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:17Comments(2)つれづれ

2023年06月05日

草津温泉 「新潟屋旅館」


 温泉好きは、いい宿を知っています。
 週末、草津温泉の 「新潟屋旅館」 に泊まって来ました。


 僕は今までに、群馬県内の温泉地を取材した本を9冊出版しています。
 ということは、主だった温泉地からマニアックな秘湯の宿まで、ほぼほぼ網羅しているのですが、草津温泉に関する本は出版していません。
 それは、なぜか?

 答えは簡単です。
 宿泊施設が多過ぎるからです。

 基本、温泉地の全宿を取材します。
 ので、もし草津温泉を従来の取材・編集方式で出版すると、上・中・下の3巻で収まりきるのか?
 取材期間は、いったい何年かかるのか?
 そんな出版社と著者の勝手な都合から、予定は未定となっています。


 でも、天下の草津温泉ですからね。
 著書は出版していなくても、新聞や雑誌の取材やカルチャセンターの温泉講座などでは、たびたび訪れています。
 ですから、一般の観光客よりかは詳しいと思います。

 でも、今までに訪れているのは、やっぱり名の通った有名旅館ばかりなんですね。
 ですから正直、「新潟屋旅館」 の名前を告げられた時は、お恥ずかしい話、知りませんでした。


 そんな路地裏にある小さな名旅館を指名して、僕を草津温泉まで呼び出してくれたのは、温泉フォンの集まり 「M会」 の面々です。
 彼ら彼女ら5人は全員、温泉ソムリエの資格を持っています。
 年齢は30~60代と幅広く、在住も群馬、埼玉、東京、神奈川と様々です。
 フェイスブックでつながり、年に何回かオフ会を開いているとのこと。
 今回、僕はゲスト枠で呼んでいただきました。
 (僕は温泉ソムリエの資格は持っていません)


 午後3時、宿に集合。
 まずは、内風呂で汗を流しました。

 小さいながら、よくできた浴槽でした。
 湯口から湯尻までの “湯の道” が、一本の筋となって流れています。
 「美しい!」
 とさえ、思いました。

 源泉は、名湯 「湯畑源泉」。
 となれば、熱い!
 ガツンと羽交い絞めされて、キーンと脳天に突き上げるようなマッチョな感覚が、刺激的です。
 強度の酸性泉ですから、ものの2~3分で手の指先がシワシワになりました。


 「カンパーイ!」
 午後4時前。
 夕食の前の “0次会” がスタートしました。

 早々、テンションマックスで濃厚な温泉談議が始まりました。
 最初は彼ら彼女らの熱いトークを感心しながら聞いていましたが、やがて僕も参戦。
 すると今度は、質問攻めにあいます。
 それを返すと、次の質問と、温泉問答が止まりません。

 彼ら彼女らの温泉愛は尽きることがなく、延々と続き、夕食をまたぎ、二次会へ。
 気が付けば、午前様でした。


 特筆すべきは、宿の料理がおいしかったこと!
 あのリーズナブルな料金で、この料理はスゴイ!
 夕げの膳は、数えたら18品もありましからね。

 湯よし、宿よし、料理よし。

 さらに、ご主人と女将さんの人柄の好さにも癒されました。
 大変お世話になりました。


 そして、M会のみなさん、ありがとうございました。
 たいへん楽しい夜でした。
 また、呼んでくださいね。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:42Comments(0)温泉地・旅館

2023年06月05日

草津温泉 「新潟屋旅館」


 温泉好きは、いい宿を知っています。
 週末、草津温泉の 「新潟屋旅館」 に泊まって来ました。


 僕は今までに、群馬県内の温泉地を取材した本を9冊出版しています。
 ということは、主だった温泉地からマニアックな秘湯の宿まで、ほぼほぼ網羅しているのですが、草津温泉に関する本は出版していません。
 それは、なぜか?

 答えは簡単です。
 宿泊施設が多過ぎるからです。

 基本、温泉地の全宿を取材します。
 ので、もし草津温泉を従来の取材・編集方式で出版すると、上・中・下の3巻で収まりきるのか?
 取材期間は、いったい何年かかるのか?
 そんな出版社と著者の勝手な都合から、予定は未定となっています。


 でも、天下の草津温泉ですからね。
 著書は出版していなくても、新聞や雑誌の取材やカルチャセンターの温泉講座などでは、たびたび訪れています。
 ですから、一般の観光客よりかは詳しいと思います。

 でも、今までに訪れているのは、やっぱり名の通った有名旅館ばかりなんですね。
 ですから正直、「新潟屋旅館」 の名前を告げられた時は、お恥ずかしい話、知りませんでした。


 そんな路地裏にある小さな名旅館を指名して、僕を草津温泉まで呼び出してくれたのは、温泉フォンの集まり 「M会」 の面々です。
 彼ら彼女ら5人は全員、温泉ソムリエの資格を持っています。
 年齢は30~60代と幅広く、在住も群馬、埼玉、東京、神奈川と様々です。
 フェイスブックでつながり、年に何回かオフ会を開いているとのこと。
 今回、僕はゲスト枠で呼んでいただきました。
 (僕は温泉ソムリエの資格は持っていません)


 午後3時、宿に集合。
 まずは、内風呂で汗を流しました。

 小さいながら、よくできた浴槽でした。
 湯口から湯尻までの “湯の道” が、一本の筋となって流れています。
 「美しい!」
 とさえ、思いました。

 源泉は、名湯 「湯畑源泉」。
 となれば、熱い!
 ガツンと羽交い絞めされて、キーンと脳天に突き上げるようなマッチョな感覚が、刺激的です。
 強度の酸性泉ですから、ものの2~3分で手の指先がシワシワになりました。


 「カンパーイ!」
 午後4時前。
 夕食の前の “0次会” がスタートしました。

 早々、テンションマックスで濃厚な温泉談議が始まりました。
 最初は彼ら彼女らの熱いトークを感心しながら聞いていましたが、やがて僕も参戦。
 すると今度は、質問攻めにあいます。
 それを返すと、次の質問と、温泉問答が止まりません。

 彼ら彼女らの温泉愛は尽きることがなく、延々と続き、夕食をまたぎ、二次会へ。
 気が付けば、午前様でした。


 特筆すべきは、宿の料理がおいしかったこと!
 あのリーズナブルな料金で、この料理はスゴイ!
 夕げの膳は、数えたら18品もありましからね。

 湯よし、宿よし、料理よし。

 さらに、ご主人と女将さんの人柄の好さにも癒されました。
 大変お世話になりました。


 そして、M会のみなさん、ありがとうございました。
 たいへん楽しい夜でした。
 また、呼んでくださいね。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:39Comments(0)温泉地・旅館

2023年06月05日

草津温泉 「新潟屋旅館」


 温泉好きは、いい宿を知っています。
 週末、草津温泉の 「新潟屋旅館」 に泊まって来ました。


 僕は今までに、群馬県内の温泉地を取材した本を9冊出版しています。
 ということは、主だった温泉地からマニアックな秘湯の宿まで、ほぼほぼ網羅しているのですが、草津温泉に関する本は出版していません。
 それは、なぜか?

 答えは簡単です。
 宿泊施設が多過ぎるからです。

 基本、温泉地の全宿を取材します。
 ので、もし草津温泉を従来の取材・編集方式で出版すると、上・中・下の3巻で収まりきるのか?
 取材期間は、いったい何年かかるのか?
 そんな出版社と著者の勝手な都合から、予定は未定となっています。


 でも、天下の草津温泉ですからね。
 著書は出版していなくても、新聞や雑誌の取材やカルチャセンターの温泉講座などでは、たびたび訪れています。
 ですから、一般の観光客よりかは詳しいと思います。

 でも、今までに訪れているのは、やっぱり名の通った有名旅館ばかりなんですね。
 ですから正直、「新潟屋旅館」 の名前を告げられた時は、お恥ずかしい話、知りませんでした。


 そんな路地裏にある小さな名旅館を指名して、僕を草津温泉まで呼び出してくれたのは、温泉フォンの集まり 「M会」 の面々です。
 彼ら彼女ら5人は全員、温泉ソムリエの資格を持っています。
 年齢は30~60代と幅広く、在住も群馬、埼玉、東京、神奈川と様々です。
 フェイスブックでつながり、年に何回かオフ会を開いているとのこと。
 今回、僕はゲスト枠で呼んでいただきました。
 (僕は温泉ソムリエの資格は持っていません)


 午後3時、宿に集合。
 まずは、内風呂で汗を流しました。

 小さいながら、よくできた浴槽でした。
 湯口から湯尻までの “湯の道” が、一本の筋となって流れています。
 「美しい!」
 とさえ、思いました。

 源泉は、名湯 「湯畑源泉」。
 となれば、熱い!
 ガツンと羽交い絞めされて、キーンと脳天に突き上げるようなマッチョな感覚が、刺激的です。
 強度の酸性泉ですから、ものの2~3分で手の指先がシワシワになりました。


 「カンパーイ!」
 午後4時前。
 夕食の前の “0次会” がスタートしました。

 早々、テンションマックスで濃厚な温泉談議が始まりました。
 最初は彼ら彼女らの熱いトークを感心しながら聞いていましたが、やがて僕も参戦。
 すると今度は、質問攻めにあいます。
 それを返すと、次の質問と、温泉問答が止まりません。

 彼ら彼女らの温泉愛は尽きることがなく、延々と続き、夕食をまたぎ、二次会へ。
 気が付けば、午前様でした。


 特筆すべきは、宿の料理がおいしかったこと!
 あのリーズナブルな料金で、この料理はスゴイ!
 夕げの膳は、数えたら18品もありましからね。

 湯よし、宿よし、料理よし。

 さらに、ご主人と女将さんの人柄の好さにも癒されました。
 大変お世話になりました。


 そして、M会のみなさん、ありがとうございました。
 たいへん楽しい夜でした。
 また、呼んでくださいね。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:39Comments(0)温泉地・旅館

2023年06月05日

草津温泉 「新潟屋旅館」


 温泉好きは、いい宿を知っています。
 週末、草津温泉の 「新潟屋旅館」 に泊まって来ました。


 僕は今までに、群馬県内の温泉地を取材した本を9冊出版しています。
 ということは、主だった温泉地からマニアックな秘湯の宿まで、ほぼほぼ網羅しているのですが、草津温泉に関する本は出版していません。
 それは、なぜか?

 答えは簡単です。
 宿泊施設が多過ぎるからです。

 基本、温泉地の全宿を取材します。
 ので、もし草津温泉を従来の取材・編集方式で出版すると、上・中・下の3巻で収まりきるのか?
 取材期間は、いったい何年かかるのか?
 そんな出版社と著者の勝手な都合から、予定は未定となっています。


 でも、天下の草津温泉ですからね。
 著書は出版していなくても、新聞や雑誌の取材やカルチャセンターの温泉講座などでは、たびたび訪れています。
 ですから、一般の観光客よりかは詳しいと思います。

 でも、今までに訪れているのは、やっぱり名の通った有名旅館ばかりなんですね。
 ですから正直、「新潟屋旅館」 の名前を告げられた時は、お恥ずかしい話、知りませんでした。


 そんな路地裏にある小さな名旅館を指名して、僕を草津温泉まで呼び出してくれたのは、温泉フォンの集まり 「M会」 の面々です。
 彼ら彼女ら5人は全員、温泉ソムリエの資格を持っています。
 年齢は30~60代と幅広く、在住も群馬、埼玉、東京、神奈川と様々です。
 フェイスブックでつながり、年に何回かオフ会を開いているとのこと。
 今回、僕はゲスト枠で呼んでいただきました。
 (僕は温泉ソムリエの資格は持っていません)


 午後3時、宿に集合。
 まずは、内風呂で汗を流しました。

 小さいながら、よくできた浴槽でした。
 湯口から湯尻までの “湯の道” が、一本の筋となって流れています。
 「美しい!」
 とさえ、思いました。

 源泉は、名湯 「湯畑源泉」。
 となれば、熱い!
 ガツンと羽交い絞めされて、キーンと脳天に突き上げるようなマッチョな感覚が、刺激的です。
 強度の酸性泉ですから、ものの2~3分で手の指先がシワシワになりました。


 「カンパーイ!」
 午後4時前。
 夕食の前の “0次会” がスタートしました。

 早々、テンションマックスで濃厚な温泉談議が始まりました。
 最初は彼ら彼女らの熱いトークを感心しながら聞いていましたが、やがて僕も参戦。
 すると今度は、質問攻めにあいます。
 それを返すと、次の質問と、温泉問答が止まりません。

 彼ら彼女らの温泉愛は尽きることがなく、延々と続き、夕食をまたぎ、二次会へ。
 気が付けば、午前様でした。


 特筆すべきは、宿の料理がおいしかったこと!
 あのリーズナブルな料金で、この料理はスゴイ!
 夕げの膳は、数えたら18品もありましからね。

 湯よし、宿よし、料理よし。

 さらに、ご主人と女将さんの人柄の好さにも癒されました。
 大変お世話になりました。


 そして、M会のみなさん、ありがとうございました。
 たいへん楽しい夜でした。
 また、呼んでくださいね。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:38Comments(0)温泉地・旅館

2023年06月03日

「神社かみしばい」 6月口演


 昭和懐かしい街頭紙芝居。
 毎月1回、伊勢崎神社で開催している 「神社かみしばい」 に、友情参加するようになって2年半が経ちました。

 主催者の壽ちんどん宣伝社の座長・石原之壽(いしはらのことぶき)君から、「地元の民話や伝説を紙芝居にしたい」 との要望があり、僕らは仲間に声がけをしてオリジナル紙芝居を作りました。
 現在、下記の7作品を上演しています。


 『いせさき宮子の浦島太郎』
 文/小暮淳 画/須賀りす (画家・イラストレーター)

 『女堀と桜姫』
 文/小暮淳 画/須賀りす (画家・イラストレーター)

 『五料のカッパと妙義のカッパ』
 文/小暮淳 画/栗原俊文 (イラストレーター・デザイナー)

 『ぼく、だーれ?』
 さく/こぐれじゅん え/いいづかゆうこ (イラストレーター)

 『焼きまんじゅうろう 旅すがた』 1~3巻
 作・画/野村たかあき (絵本作家)


 ぜひ、お出かけください!



    「神社かみしばい」 6月口演
 
 ●日時  2023年6月10日(土)、11日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は11日のみ在社いたします。
   会場では著書や作品の販売をいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:42Comments(0)神社かみしばい

2023年06月02日

今日の朝日新聞 「あ~湯~Happy」


 構想8年、制作2年……
 あとは印刷して、販売するだけ……

 でも僕らには、先立つモノがありません。


 何のことかと言えば、『ぐんま温泉かるた』 であります。
 “僕ら” とは、NPO法人 「湯治乃邑(くに)」。
 僕は、この貧乏法人の代表理事を務めています。

 “先立つモノ” とは、お金以外の何ものでもありません。
 ない袖は振れませんので、集めるしかありません。
 ということで、今年4月からクラウドファンディングで制作費の支援を募っています。


 でも実現への道のりは、はるか遠く、いばらの道が続いています。
 クラウドファンディング開始から約2か月が経ちましたが、目標額には到底届きそうもない苦戦をしいられています。
 残り、あと21日……

 ところが!
 ここにきて、マスコミが動き出しました。
 新聞やラジオから取材や出演依頼が入り出しのです。

 そして、ついに、援護射撃が始まりました!


 今日 (6月2日) の朝日新聞群馬版に、でかでかと記事が掲載されました。
 コーナータイトルと大中小3つの見出しが躍っています。

 ≪あ~湯~Happy≫
 ≪温泉の魅力 かるたで知って≫
 ≪ユネスコ登録の機運 後押し≫
 ≪NPO法人が制作費募る≫


 そして大きく、かるたの読み札と絵札が4枚も掲載されました。
 「き」 の札と、「く」 の札です。

 「き」 金銀名湯 伊香保温泉
 「く」 群馬は湯の国 温泉パラダイス


 そして丁寧な取材をしてくれた記者さんは、最後に僕が言った言葉を正確に伝えてくれています。
 「群馬は全国屈指の 『温泉県』 であり、『かるた県』 なのに、温泉かるたがないのを残念に思っていた。温泉かるたで県内の温泉地を元気づけ、ユネスコ登録の機運も後押ししたい」

 記者さん、ありがとうございます。
 僕らも元気をもらいました。

 NEVER GIVE UP!


 ※詳細はクラウドファンディングのサイト 「キャンプファイヤー」 にて。
   「ぐんま温泉かるた」 で検索!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:09Comments(2)湯治乃邑

2023年06月01日

そこにA I はあるんか?


 彼は駐車場に停めた車から降りてくると、鞄の中から電子タバコを取り出し、おもむろに口にくわえました。

 「ははあ、会社の車だから車内は禁煙なんだな」
 と思いながら、彼に近づきました。


 でも様子が変です。
 彼がくわえている電子タバコのような小さな機械からは、コードのようなものがのびていて、もう片方の手に握られたスマホへとつながっています。
 「えっ、もしかして、それって?」

 驚く僕に、彼は応えました。
 「ええ、アルコール検知器です。もう、やってられませんよ!」
 と、憤懣やるかたない表情をみせました。


 聞けば、彼は営業マンです。
 始業時と終業時の1日2回、どこに居ようとアルコール検査を行い、会社に報告しなければならないとのことです。

 「ていうことは、二日酔いもできないってこと?」
 「もちろんです。夜10時以降は酒を呑みません。それ以上呑むと翌朝、機械が感知してしまうんです」
 「もし、感知しちゃったらどうなるの?」
 「その日は、強制的に休まされます」
 「えええーーっ、それって欠勤ってこと?」
 「もちろんです」


 恐るべし、令和!
 バスやタクシーの運転手ならばいざ知らず、一介の営業マンまでもが徹底した管理下に置かれているのですね。
 確かに、安全安心の世の中を維持するためには有効な手段だとは思いますが、窮屈ではあります。

 「スマホの位置情報でも管理されています。もう、やってられませんよ!」
 いつしか彼の憤懣は、絶望感へと変わっていました。


 昭和をこよなく愛し、組織に属さずフリーランスで生きてきた僕には、到底、理解も納得もできませんが、これが “令和” という未来なのですね。
 なんだが人間が機械に使われているようで、息苦しい世の中になりました。

 と嘆いていたら先日、新聞の片隅に、さらなる近未来に警鐘を鳴らす記事を見つけました。
 こんな見出しが躍っていました。

 ≪A I 「人類存亡の危機」 米団体が声明≫

 声明を発表したのは、米非営利団体 「センター・フォー・A I ・セーフティー」。
 「高度な人工知能 (A I ) によって人類が絶滅するリスクの軽減は、パンデミックや核戦争など、世界の優先事項であるべきだ」
 と警告しています。

 また別の非営利団体 「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート」 も、少なくとも半年間、先端A I の研究開発を止めるよう求める声明を発表したといいます。


 まるで子どもの頃に見たSF映画のような世界です。
 人間が作った機械によって、人類自らが滅亡するなんて!
 まさに核兵器と同等の危機と言えるかもしれませんね。

 どうかA I 様、僕が生きている間は、なるべく進化しないでくださいね。
 神様、神様はA I の進化をご存知なのですか?

 どうか人類に、ご加護を!


 そこにA I はあるんか?
   


Posted by 小暮 淳 at 12:14Comments(2)つれづれ

2023年05月31日

バックパッカーのバイブル


 ちょうど30年前の今頃。
 インド北部の小さな町の安宿の小汚いベッドの上で、僕は一日中、日本から持ってきた文庫本を読んでいました。

 『バーボン・ストリート』 (新潮文庫)

 著者は、作家の沢木耕太郎氏です。
 そして彼は、僕をインドへと導いてくれた人でもありました。


 『深夜特急』
 その書名を聞いて、胸の奥がジーンと熱くなる人も多いと思います。
 1986~94年に出版 (全6巻) された旅文学の傑作といわれる紀行エッセイです。

 沢木氏が、まだルポライターだった頃。
 ある日突然、仕事を投げ出し、机の中の小銭までももかき集めて旅に出ます。
 香港に渡り、陸路で2万キロをバスを乗り継ぎ、ロンドンを目指す長い長い旅。


 当時、何者になるかもわからず、フリーターをしていた20代の僕は、この壮絶なロマンあふれる旅にあこがれ、むさぼるように読みました。
 あの頃は、そんな若者がウジャウジャいました。

 そんな僕らにとって 『深夜特急』 は、“バックパッカーのバイブル” とまで言われました。


 出版から約40年が経った今。
 当時の僕らと同じく 『深夜特急』 にあこがれて、旅に出た男がいました。
 俳優の斎藤工さんです。
 自らが監督を務めて映画も撮る、個性あふれる色気のある魅力的な俳優さんです。
 そんな彼が現在、毎晩、ラジオで 『深夜特急』 の朗読をしています。

 毎晩のことのなので、聴き逃してしまう日もありますが、僕は今、この番組を聴きながらウイスキーを呑むのが日課となりました。
 えっ、日本酒じゃないのかって?

 やっぱ、『深夜特急』 には洋酒が合うんですよ!


 青春時代にバックパッカーにあこがれた人も、そうでなかった人も、そして今まさにあこがれている若者も、まだ聴いてない人は、深夜に音の旅に出かけてみてください。

 さあ、今夜も深夜特急は発車しますよ!



  『朗読・斎藤工 深夜特急 オン・ザ・ロード』
 TBSラジオ 毎週月~金 23:30~23:55放送
 ※4~9月、全6巻朗読中!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:25Comments(0)読書志向

2023年05月30日

アナログの力


 僕は、現金派です。
 だから財布は、いまでも昭和チックな二つ折りの革財布です。

 現金のほかには、数枚の銀行カードとポイントカード、健康保険証……
 それと名刺が数枚、くらいです。


 その中に、気が付けば必ず入っている一枚の小さな紙切れがあります。
 外食チェーン 「かつや」 の100円割引券です。

 なぜ、切れることがないのでしょうか?


 利用している人は、知ってますよね!
 この割引券、エンドレスなんです。
 500円以上の食事をすると、必ず会計時に一枚くれるのです。
 だから、次に行った時に100円割引券を出しても、その場で、また一枚もらえます。

 ゆえに、財布の中には一年中、この割引券が入っています。
 これって、すごくありませんか?


 そもそも、安い店なんです。
 「カツ丼(梅)」 が、520円(税込み572円) で食べられるのに、さらに100円引き!
 さらに、それがエンドレスです。
 だったら、次は奮発して600円台のメニューにしちゃおうか!ってなりますよね。

 この感覚って、絶対に男性を虜にしますって!
 しかも、一人で昼食をとる外回り中の男性ならば、財布の中の割引券を見るたびに、誘惑されるはずです。

 これって、完全なるサブミナル効果ですよ!
 常に潜在意識の中に、カツ丼が描かれていますもの。


 ポイントをためるデジタル時代に、あえて紙切れを手渡すアナログ戦略。
 「ポイントをためるなんて面倒くさいことは、できるか!」
 という昭和気質の殿方には、単純明快でお得なシステムだということです。


 なんて書いていたら、トンカツが食べたくなってきました。
 これまた、サブミナル効果なんですね。
 「かつや」 の戦略にハマりました。

 今日のランチは、ちょっと奮発してカツカレーにしようかな!?
 だって、100円引きだもんね。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:28Comments(0)つれづれ

2023年05月29日

今日は何の日?④


 今日は5月29日です。
 何の日か、ご存知ですか?

 「こんにゃくの日」 なんですってね。
 「こ(5)んに(2)ゃく(9)」 の語呂合わせのようです。
 全国こんにゃく協同組合連合会と一般財団法人日本こんにゃく協会が、1989年に制定しました。


 “こんにゃく” と言えば、下仁田名産であります。
 われわれ群馬県人には、「上毛かるた」 の札でお馴染みです。

 『ねぎとこんにゃく 下仁田名産』


 僕は2018年に出版した 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の中で、「下仁田ネギのルーツを追って」 と題して、なぜ下仁田ネギは 「上毛かるた」 に描かれなかったのか? その謎解きをしました。

 でも僕は、それ以前の2014年に出版された 『下仁田ねぎの本』(上毛新聞社) という本の取材・編集をしています。
 この本の中で、すでに下仁田ねぎの歴史をたどり、由来となるルーツにたどり着いています。


 取材で印象的だったのは、下仁田町の人たちの 「ねぎ」 と 「こんにゃく」 に対するこだわりと愛情の深さでした。
 たとえば、料理!
 常に、ねぎとこんにゃくがメインなんであります。

 「すき焼き」 の主役が、ネギなんですね。
 あくまでも牛肉は脇役で、相棒をこんにゃく (しらたき) が務めます。

 また、こんにゃく尽くしのフルコースなんていうのも食べました。
 オードブルからメイン、デザートに至るまで、すべての食材がこんにゃくでした。
 味もさることながら、この徹底ぶりに感服いたしました。


 ということで、今夜はこんにゃくを肴に一杯やりたいと思います。
 やっぱり冷酒には、「刺身こんにゃく」 ですかね?


 ところで今日5月29日には、こんな記念日もありました。

 ●呉服の日 「ご(5)ふ(2)く(9)」
 ●幸福の日 「こ(5)うふ(2)く(9)」
 ●エスニックの日 「エス(5がSに似てるから)ニ(2)ック(9)」

 ちょっと苦しいこじつけもありますが、読めないこともありません。
 みなさんも探してみてください。

 今日は何の日?
   


Posted by 小暮 淳 at 11:40Comments(0)著書関連

2023年05月28日

第三の予言


 後にも先にも、たった一度だけ、手相を占ってもらったことがあります。
 20代でした。

 よく当たると評判の占い師が出した僕の未来は?

 ①一生、お金に縁がない
 ➁しかし、人に恵まれる
 でした。

 あれから40年……
 ズバリ! 占いは当たっています。
 それも怖いほどの的中率です。
 まるで暗示にかかったように、その後の人生は占いに導かれました。

 “お金はない” でも “お金で買えないものならある”
 それが、“人” だったのかもしれません。

 40年間を振り返ると、人生のターニングポイントには、いつも “人” がいました。
 そして、辛く、苦しいときにも、必ず “人” が窮地を救ってくれました。

 今思えば、お金があっても人に恵まれない人生よりかは、この人生で良かったとも思います。


 実は、占いには、3つ目の予言がありました。
 この予言が、いまだに謎であり、何のことを言っているのかが分かりません。
 第三の予言とは?

 ③信念をもって続けていることが、40歳を境に全国へと伝播する

 まったくもって、意味不明であります。


 まず、僕が若い頃から “信念を持っていること” とは何なのか?
 自分でも分かりません。
 そして何よりも、すでに40歳からは20年以上も経っていますが、全国レベルのことなんて何も起こっていません。

 そこで自分なりに、もう少し予言の意図に近づいてみることにしました。
 まず、40歳前から現在まで続けていることは、何か?

 フリーランスという生き方と、ライターという職業です。
 この2つに尽きます。

 趣味は?
 ありません。
 ただ長年、作曲をしたり、ときどきバンド活動はしています。
 でも、“信念” を持っているかを問われると、自信がありません。

 となると、予言の対象は、フリーライターという職業にありそうです。


 当たるも八卦当たらぬも八卦
 占いは、あくまでも人生の目安だということも分かっています。

 でも、3つのうち2つが当たっていると、3つめも期待してしまうではありませんか!


 予言者様、せめて僕が生きているうちに当ててくださいませ。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:59Comments(2)つれづれ

2023年05月27日

5類の恩恵


 「○○公民館でお世話になったNです。この春から××公民館の勤務になりました。また、こちらでも講演をお願いできますか?」
 「△△公民館の I と申します。□□公民館から先生のことを紹介されました。ぜひ、うちでも、講演をお願いしたいのですが?」


 新型コロナウイルス感染症の位置づけが、5類に引き下げられました。
 これにより日本列島に、コロナ禍前の活気が戻りつつあります。
 今年のゴールデンウィークは、どこの観光地も、数年ぶりににぎわったようです。

 5類の恩恵は、僕にも兆しがあります。
 コロナ禍で中止になっていた、講演やセミナーの依頼が入るようになりました。

 また、各地の読者に会いに行けるんですね!
 著者として、ライターとして、こんなにうれしいことはありません。


 県外からの依頼は別として、県内で初めての会場の場合は、極力、打ち合わせを兼ねて、事前下見に出かけるようにしています。
 昨日は、高崎市南部のY公民館に行ってきました。

 「先生の噂は、かねがね聞いていまして、ぜひ、コロナが明けたら、うちでもお願いしたいと思っていました」
 と担当者。
 「で、講演のテーマは、温泉でよろしいですか?」

 最近は、2回、3回と呼ばれる公民館も多く、テーマは温泉に限らず、民話だったり、地酒だったりしますが、Y公民館では、初めての講演になります。
 よって、当然、県内数カ所の温泉大使を務める温泉ライターとしての依頼だと思い、そう訊ねました。

 ところが……

 「温泉の話もいいんですけど、できれば民話で、お願いできますでしょうか?」
 聞けば、自身が拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の読者とのことでした。
 「あの本の中にも、Y町の伝説がありますよね。ぜひ、地元の人も知らない民話や伝説の話をしていただけたらと思います」

 Y町は、西上州の中でも民話の宝庫であります。
 著書に取り上げていない話が、まだまだあります。

 「Y町には面白い話が、たくさんあるんですよ。分かりました、民話と伝説でお受けいたします」


 ということで、打ち合わせ終了。
 その後、会場となる講堂に案内してもらい、演台やホワイトボードの位置、当日に必要な物などの確認をさせていただきました。

 来月、ここで2時間の講話をさせていただけるのですね。
 想像するだけで、ワクワクしてきました。

 何を話そうか?
 あれも、これも、話したいことばかりです。
 2時間で収まるだろうか?

 そんなことを考えているときが、一番楽しいのであります。


 これもすべて、5類に引き下げられたおかげです。
 感謝、感謝!

 少しずつでが、僕の日常もコロナ前に戻りつつあります。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:10Comments(0)講演・セミナー

2023年05月26日

殺生の選択


 あなたは、クモ (蜘蛛) を殺しますか?


 新聞の片隅に、気になる記事をみつけました。
 若い男性からの投稿です。

 男性は、彼女の部屋で小さなクモを見つけたといいます。
 当然のように、ティッシュで捕まえて退治して、ゴミ箱に捨てました。

 すると!

 突然、彼女が泣き出したといいます。
 理由を聞くと、部屋の中のクモに名前を付けて、「可愛がっていたのに」 と言ったそうです。


 みなさんは、どう思われますか?

 僕は、こう思います。
 男性の配慮が 、ちょっと欠けていたかなと。
 「あっ、クモがいる!」
 の一声があれば、
 「その子は私の友だちなの」
 との一言があり、殺生は回避できたと思います。


 こんなデータがあります。
 「部屋の中にクモがいたら、どうしますか?」
 ・放っておく 45%
 ・外に逃がす 31%
 ・退治する 24%

 僕は、放っておきます。
 だって、「クモは神仏の使い」 と言われて育ちましたからね。
 それと、人間にとっての害虫を食べてくれるとも聞きました。

 人間とクモは、昔から共存共栄の互助関係にあった生き物です。


 でもね、虫は好き嫌いの個人差がありまよね。
 嫌いな人は共存はできませんから、「外に逃がす」 か、もしくは 「退治する」 んでしょうね。

 基本、僕は “一寸の虫にも五分の魂” 派です。
 が、時と場合と相手に寄りけりです。
 危害を加える相手に対しては、戦います。

 屋内に限り、蚊とゴキブリだけは退治します。
 でも、それ以外の虫は外へ逃がします。
 ハエやハチも殺生は、いたしません。
 窓を開け放ち、部屋の外へ誘導します。


 えっ、蚊は殺して、ハエは逃がすのかって?
 ええ、だってハエは僕に危害を加えませんもの!

 ゴキブリ?
 あいつだけは、許しません。
 危害を加えても加えなくても、親の仇のように追い回します。


 結局、退治するか、しないかは、個人の好き嫌いなんですね。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:52Comments(2)つれづれ

2023年05月25日

ピアノはピアノ


 「そうだったんですね」
 会う早々、知人の男性に言われました。

 「えっ?」
 「ピアノですよ」
 数日前に書いたブログを読んでくれたようです。
 高校を卒業した春、僕がピアノ教室に通い出した話です。
 ※(当ブログの2023年5月21日 「もしもピアノが弾けたなら」 参照)


 と思ったら別の知人男性は、僕の顔を見るなり突然、
 「♪ もしも~ピアノが弾けたなら~♪」
 と歌い出しました。
 この人もまた、ブログを読んでくれていたようです。

 お二方とも60歳以上です。
 何か “ピアノ” というキーワードに思い出があるのでしょうか?


 前回のブログにも書きましたが、僕にとってピアノは、あこがれの存在だったのです。
 その思いは、今も変わりません。

 そんなピアノについて、以前から2つの疑問がありました。
 一つは、なぜピアノは黒いのか?
 もう一つは、なぜピアノは 「ピアノ」 と呼ぶのか?

 先日、そんな疑問が一気に解決しました。
 読売新聞夕刊の 『はじまり考』 というコラムてす。


 ピアノが日本に入ってきたのは、江戸後期。
 その時はまだ、木目調だっといいます。
 日本で最初に国産ピアノが造られたのは明治33(1900)年のこと。
 日本楽器製造 (現ヤマハ) が製作を始めました。

 <日本のメーカーが高い湿度の気候に耐えられるように黒い漆を塗ったところ、高級感と落ち着いた雰囲気が評判になり、世界で普及しました。>
 とのことです。


 コラムには、もう一つの疑問についても明記されています。

 <「ピアノ」 は、1700年頃にイタリアのメディチ家に仕えた楽器製作者・クリストフォリがつくった楽器が起源とされています。当時、似た楽器として 「チェンバロ」 がありましたが、音の強弱を表現するのには不向きでした。それを可能にしたのがピアノです。>

 弦をはじくチェンバロとは異なり、ピアノは弦をたたく仕組みなので、強い音 (フォルテ) と弱い音 (ピアノ) を調整できるようになりました。
 そしてクリストフォリは、この楽器に 「フォルテ、ピアノの出せるチェンバロ」 と名付けました。
 やがて、この長たらしい楽器名は次第に略され、「ピアノ」 と呼ばれるようになったといいます。

 ピアノは、弱い音が出せる鍵盤楽器という意味だったのですね。
 大変ためになりました。


 疑問は解けたけれど、僕のピアノへのあこがれは、いまだ悶々としています。
 いつか、ピアノのある生活を送るのが夢です。

 自分で弾くのはあきらめましたから、いつか、そばで、ピアノを弾いてくれる素敵な女性が現れることを夢見ています(男性でも可)。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:35Comments(2)つれづれ

2023年05月24日

スマホ畑にガラ花を


 「“G” とは、Generation (世代) のことです。つまり、世代が進むほど通信速度が速くなります」
 販売店の女性が、まるで老人を諭すように、分かりやすく懇切丁寧に説明してくれました。


 僕は昨日、携帯電話の3G回線サービスが近々終了するというので、機種変更に行ってきました。
 えっ、ついに、あのアマノジャクの小暮が、スマホに変えたって!?

 ブッブー!
 残念でした。
 しっかり、4G対応の “ガラケー” に変更してきました。


 「電話とメールしか使いませんので」
 「では、こちらですね」
 と店員が持ってきたのは、色も形もほぼ今までの機種と同じです。
 操作の仕方も、ほぼ同じ。

 迷うことはありません。
 即決でした。

 しかも僕は、以前届いていた 「当社指定機種を無料でご提供」 と書かれた限定クーポンを持参していましたから、機種代も無料、さらに機種変更時の事務手数料までもが無料だったのです。
 手ぶらで行って、手ぶらで帰ってきました。
 なのにポケットの中では、ピッカピカの “4Gガラケー” が揺れていました。
 めでたし、めでたし!

 (ちなみに、3Gから4Gに1世代アップするだけで、通信速度は10倍になるそうです)


 さて、では、なぜ僕は、かたくなにガラケーにこだわるのでしょうか?
 その答えは、一つです。
 根っからのマジョリティ (多数派) 嫌いだからです。

 電車に乗っても、病院の待合室でも、レストランへ行っても、どこもかしこも老若男女問わず、スマホ依存者の群れです。
 なんな光景を見るにつけ、ゾッとしている自分がいます。
 決して世の中が便利になることは否定しませんが、洗脳はよろしくありません。

 「自分は絶対に、スマホ信者にはなりたくない」
 異常な街中の光景を見るにつけ、そう、心に念じてきました。


 「4Gのサービスも、いずれ終わりがきますか?」
 「すぐは来ないでしょうけど、いずれ6Gが出てくればありえますね」
 「……」
 「大丈夫ですよ」

 大丈夫?
 店員は、そのあとになんて言おうとしたのでしょうか?
 「お客様が生きているうちは」
 ですかね?


 さあ、みなさん、荒涼としたスマホ畑に可憐なガラ花を咲かせましょう!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:44Comments(0)つれづれ

2023年05月23日

人間 VS カッパ


 「さて、孫兵衛さんは、無事にカッパの魔の手から逃げることができたのでしょうか? それとも、カッパに喰われてしまったのか? この続きは、次回のお楽しみ~!」

 紙芝居師の見事な口上に、会場はドッと沸きました。
 今月5日、佐波郡玉村町の国登録有形文化財 「重田家住宅」 で開催された街頭紙芝居での一場面です。


 僕らは2年前から群馬県内の民話や伝説を紙芝居にして、上演する活動を続けています。
 今回の玉村町を舞台にした 「ご当地紙芝居」 は、こんな話です。
 
     『五料のカッパと妙義のカッパ』
  文/小暮 淳 (フリーライター)
  画/栗原俊文 (イラストレーター、デザイナー)
  演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社・座長)


 孫兵衛さんという村人が、田んぼで一人、せっせと田植えをしていました。
 すると、見かけたことのない若者がやって来て、こう言いました。

 「おらにも田植えをやらせてくんろ」

 孫兵衛さんも忙しくて、猫の手も借りたいくらいだったので、
 「ありがてえ、さっそく手伝ってくんろ」
 と言って、その若者に田植えを手伝ってもらうことにしました。


 二人は、横にならんで、苗を植えていましたが、なんだか若者の様子がおかしいのです。
 時々、孫兵衛さんのすきを見ては、孫兵衛さんの尻のあたりに手を出しては、ひっこめるのです。
 孫兵衛さんも最初は「おかしなヤツだな」と思っていましたが、やがて、ハッと気づきました。

 <こいつは、カッパだな>

 なぜかというと、カッパは人間の内臓を好んで食べるからです。
 それも尻の穴から手を入れて、内臓を引っ張り出してしまうと聞いていました。

 <さあ、どうしよう?>
 孫兵衛さんは、カッパに食われては大変と、内心ビクビクしていました。


 さて、結末はいかに!?
 ぜひ、続きは、次回7月17日に玉村八幡宮で開催される街頭紙芝居にて、ご覧ください。

 ※(日時の詳細は、当ブログの2023年5月20日 「夏だ! まんじゅうろう祭り」 を参照)
  


Posted by 小暮 淳 at 12:22Comments(0)神社かみしばい

2023年05月21日

もしもピアノが弾けたなら


 「大学に行ったと思って、ピアノを買ってくれないかな?」

 高校を卒業した春。
 はなから大学受験を拒否し、フリーターの道を選んだ僕は、オヤジに “未来投資” というこじつけをして、ピアノの購入をねだりました。


 「何を今さら?」
 と思われるでしょうが、僕は、いたって大真面目でした。
 僕は中学時代からギターに目覚め、作曲の真似事をしていました。
 でも独学なので、譜面を書くことも読むこともできません。

 「これは基礎から音楽を学ばなくては」
 と思い、18歳にしてピアノ教室へ通うことにしました。


 僕はオヤジを説得して、電子ピアノを買ってもらいました。
 電子ピアノも、まだ当時は高額で、アップライトタイプの重厚なものでした。
 ただアコースティックのピアノと比べると、音量の調節もでき、ヘッドホーンで聴くことができるため、夜中の練習もできます。
 何よりも、下手クソな演奏を隣近所に聴かれないで済むのが、最大のメリットでした。

 ピアノ初心者の僕は、当然、「赤バイエル」 からの入門になります。
 それでも悪戦苦闘の日々でした。
 とにかく、指が動きません。
 日に日に、挫折感が高まっていきました。

 「なんで、もっと練習をしてこないのよ!」
 先生に怒られ、へこんで教室から帰るたびに、描いていた未来予想図が色あせていきました。


 ピアノ教室に通って、もうすぐ1年が経とうとする頃……
 レッスン後、先生から 「話がある」  と言われました。
 そして真顔で、こう言い放たれました。

 「小暮君、ピアノの才能ないよ!」
 ガーーーーーン!

 まあ、先生に言われるまでもなく、本人が一番知っているんですけどね。
 さらに先生は、言葉を続けます。
 「小暮君は、ピアノが弾きたいわけじゃないんでしょ? 作曲がしたいんでしょ? だったら音楽学校に行きなさい」

 先生の言葉が、僕の人生の新たな扉を開けてくれました。
 かくして僕は、1年遅れの19歳の春に、東京へと旅立って行ったのでした。


 そんなわけで、今でも僕はピアノに対して、並々ならぬコンプレックスを抱いています。
 とにかく、ビアノが弾ける人が羨ましくて仕方がありません。

 最近は、「街中ピアノ」 とか 「駅ピアノ」 と呼ばれるオープンスペースで、誰でも自由にピアノが弾ける場所が増えています。
 ピアノの音が聴こえてくると、ついつい足を止めてしまいます。

 みんな、上手なんですよね。
 学生さんが多いようですが、時にはネクタイ姿のサラリーマンが弾いていたりします。

 カッコイイーーー!!!
 僕も、こうなりたかった!
 と、嫉妬を超えた羨望で、聴きほれています。


 僕が尊敬する人の筆頭は、間違いなく “ピアノが弾ける人” であります。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:26Comments(2)つれづれ