2024年12月11日
「アチョー!」 の一撃
決して平凡ではないけれど、あまり起伏のない人生だと思います。
たぶん、嫌なことから逃げて、好きなことだけをして生きてきたからだと思います。
と、彼らに会って、つくづく思いました。
昨晩、高校の同級生4人が、居酒屋に集まりました。
ひょんなきっかけから一人と再会し、彼を通じて、また一人と再会。
「だったらKを誘って、4人で会おうよ」
ということになったのです。
みなさん、立派な大人(ジジイ)になっていました。
でも、みんな、まだ現役です。
誰からともなく、高校卒業後の人生の報告をしだしました。
会社を何回も変わった人、離婚をして再婚をした人、大病をして会社を辞めた人……
僕にしてみれば、想像を絶する波瀾万丈の人生です。
「みんな、凄いな~。よく、いじけずに生きてきたな~」 って。
僕だったら、そんな目に遭ったら、やり直せないかもしれません。
「ジュンはどうなのよ? 勤めって、したことないの?」
そう言われて、高校以後の人生を簡単に話しました。
そして、話しながら思ったんです。
「俺の人生って、紆余曲折はしているけど、彼らのように悩み苦しんではないな。みんな偉いな~」 と。
僕の生き方が、一番不真面目に思えました。
K君とは高校卒業以来、一度も会っていませんから48年ぶりの再会です。
彼と、二人っきりになった時でした。
「あの時は、ごめん」
突然、僕に謝ったのです。
「?」
「ほら、俺がブルース・リーの真似をしていてさ」
「!」
忘れていた遠い記憶が、よみがえって来ました。
体育の授業中のことです。
K君がブルース・リーの真似をして、「アチャー!」 と叫びながら回し蹴りをした足が、僕の顔面に当たってしまったのです。
「本当に悪かった」
「いやいや、全然、痛くなかったし」
「でも、出血がすごかったよな」
「ああ」
思い出しました。
唇が切れて、すごい出血で、僕は保健室の先生に連れられて、救急病院へ運ばれたのでした。
「3針縫った」
「3針!?」
「たぶん……」
「ごめん」
そういった彼の目が、昔のK君のままだったので、笑ってしまいました。
つられて彼も笑いました。
「呑もうか」
「おお」
そう言って、僕らは席に戻りました。
今でも、あの若き日の 「アチョー!」 という怪鳥音が聞こえます。
青春でした。
2024年12月10日
須賀りす 「作品展示販売&読み語りの会」
ただただ、感心します。
あの華奢な体躯で、このバイタリティーは、いったい、どこからやって来るのでしょうか?
長年、絵本や紙芝居の共作者として、お世話になっている画家の須賀りすさんが、今年3回目の個展を開きます。
年3回って、凄くありませんか!?
まだ彼女の作品を観たことがない人は、ぜひ、この機会に一度、その果てしない情熱に触れてみてください。
アクリル画の小サイズ作品のほか、オリジナルグッズ (てぬぐい、トートバッグ、ポストカードなど) の販売もします。
須賀りす 作品展示販売会
●会期/2024年12月12日(木)~18日(水) 12:00~17:00
●会場/多目的スペース 「わをん」 (前橋市上小出町3-20-10)
●入場/無料 (読み語りの会は有料)
●問合/わをん TEL.080-5051-9354
※留守電になった場合はメッセージを残してください。
<同時開催> 読み語りの会
●日時/2024年12月14日(土) 16:00~ 15日(日) 15:00~
●会場/多目的スペース 「わをん」
●入場/500円 (飲み物・お菓子付き)
●演目/太宰治・作 『葉桜と魔笛』 (約40分)
●出演/須賀りす
※会場には駐車場がありませんので、近隣のパーキングをご利用ください。
または、お問い合わせください。
2024年12月09日
まだバナナが高級だったころ
「結構毛だらけ、猫灰だらけ、寺のまわりは墓だらけ!」
威勢のいい口上と、軽妙な話術。
バチンバチンと机を棒でたたく音が境内に、鳴り響きました。
一昨日と昨日の2日間、伊勢崎市と玉村町の神社境内にて、「昭和レトロ縁日」 と銘打ったイベントが開催されました。
これは、3年前から定期的に開いている街頭紙芝居のスペシャルバージョンです。
ゲストにチンドン屋など大道芸人らを招き、昔懐かしい “昭和の縁日” が再現されました。
今回のスペシャルゲストは、“日本一のバナナ売り芸人” 「楽し家舘助」 師匠!
みなさんは、「バナナのたたき売り」 って知っていますか?
昭和30年代には、決まって縁日と言えば出ていた定番中の定番の大道芸です。
僕は子どもの頃、見ていました。
ただし、その頃は、バナナは高級品で、庶民には高根の花。
年に一度の遠足か、風邪を引いた時くらいにしか、口にしたことはありません。
そんなバナナが、縁日では房で売られていました。
今の価格で、ウン千円~ウン万円だったと思います。
だから、親に連れられ見ていても、「買ってほしい」 なんてことは、口が裂けても言えなかったのです。
高度成長期以降、台湾バナナから価格の安いフィリピンバナナが輸入されるようになり、庶民の口にも入るようになりました。
するとバナナは、主役の座から降ろされ、珍しくもありがたくもない果物になってしまいました。
そんな波乱万丈なバナナに、令和の現代にスポットライトを当て続けているのが、舘助(かんすけ)師匠であります。
会場は2日間とも超満員。
各回とも、立ち見客で人の壁ができました。
「え~、500円から、400円! 300円!」
「ハイ!」
「売った!」
言葉も返さない無人精算機での買い物が主流となりつつある令和の時代に、この売り手と買い手の駆け引きは、なんとも温かい光景であります。
「おい、ちょっと待て! こっちへ来い!」
帰ろうとした客は、師匠に呼び止められます。
「お前、いくつだ?」
「15歳です」
「中学生か?」
「はい」
「だったら学生割引がきく」
そう言って、百円玉を返します。
これが人情です!
売り手と買い手のキャッチボールこそが、昭和の醍醐味なんですね。
積まれたバナナの山は、見る見るうちに売りさばかれていきました。
その光景は、高度成長にわく昭和の商店街を見ているよう。
懐かしさはノスタルジーじゃないんですね。
このワクワク、ドキドキ感は、まるでテーマパークです。
これからも僕らは、“昭和” というテーマパークを探し続けていきたいと思います。
勘助師匠、大変お疲れさまでした。
また群馬に、バナナを売りに来てくださいね!
2024年12月06日
「塩」 の字が付く温泉地
まったくもって、時の過ぎるのは早いものです。
1カ月なんて、あっという間であります。
もう来週は、オンエア日なんですね。
今年4月から毎月、僕はエフエム群馬のニュース番組で、温泉の話をしています。
毎回、時季に応じたテーマを決めて、群馬県内の温泉を紹介をしています。
さて、今月のテーマは?
日中は小春日和が続いていますが、それでも朝夕は、だいぶ冷え込んできました。
寒くなると恋しくなるのが、温泉です。
でも、せっかく温泉で温まっても、湯冷めをしたのでは元も子もありません。
ということで、今回は湯冷めをしにくい、体が温まる温泉について、お話しします。
温泉の中には、「あたまりの湯」 「熱の湯」 なんて呼ばれている泉質があります。
塩化物泉 (食塩泉) です。
読んで字のごとく、塩分を多く含んでいる温泉です。
塩分を含んでいる温泉は、殺菌力があり、昔から切り傷や皮膚病に効能があるといわれています。
また、もう一つの特徴として、保温効果があります。
塩分効果により、入浴中は深部体温が上昇し、発汗作用を高めます。
しかし入浴後は、肌に付いた塩分が毛穴をふさぐため、逆に発汗を防いでくれるからです。
そのため長時間、湯冷めをしない温泉といわれています。
でも、どの温泉が 「塩化物泉」 だか分かりませんよね?
ご安心ください!
ちゃんと名前に 「塩」 の字が付く温泉地が、県内にはいくつもあります。
また、現在の温泉地名に 「塩」 の字が付いていなくても、旧名を知れば分かります。
そんな昔は 「塩」 の字が付いていた温泉地トリビアも、紹介します。
題して、『冬にあたたまる “塩” の付く温泉』。
お聴き逃しなく!
■放送日 12月11日(水) 18:37 頃~
■放送局 FM GUNMA (86.3MHz)
■番組名 『news ONE』 月~水 18:00~18:55
■出演者 岡部哲彦 (アナウンサー)、小暮 淳 (温泉ライター)
2024年12月05日
昭和レトロ縁日 in 伊勢崎&玉村
神社紙芝居がスケールアップ!
昭和の縁日がやって来るよ~!!
伊勢崎市と玉村町の神社で、定期的に開催している街頭紙芝居。
12月は今年最後のスペシャルイベントです。
街頭紙芝居のほか、昭和の大道芸 「バナナのたたき売り」 が登場!
さらに、「ちんどん屋」 が境内を練り歩きます。
会場には、射的、くじ引き、型抜き遊びなどの昭和の縁日を再現!
焼きまんじゅうや神社コロッケなども出店します。
さーさ、お立合い!
昭和を知っている人も知らない人も、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、お子様も赤ちゃんも、みんな一緒に集まれ~!
昭和って、とっても楽しい時代だったんだぞ―――ッ!
伊勢崎会場
●日時 2024年12月7日(土) 10時~15時
街頭紙芝居/10:00~10:30 13:30~14:00
バナナのたたき売り/10:30~11:10 14:20~15:00
ちんどん屋演奏・練り歩き/11:00~11:40 13:30~14:00
※屋外開催 (悪天候時は室内)
●会場 伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
●入場 無料 ※投げ銭制 (ペイペイ可)
●問合 上毛だがしや楽校 TEL.090-8109-0480 (石原)
玉村会場
●日時 2024年12月8日(日) 10時~15時
街頭紙芝居/10:00~10:30 14:10~14:40
バナナのたたき売り/10:30~11:10 13:00~13:40
ちんどん演奏・練り歩き/11:10~11:40 13:40~14:10
※屋外開催 (悪天候時は室内)
●会場 玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
●入場 無料 ※投げ銭制 (ペイペイ可)
●問合 上毛だがしや楽校 TEL.090-8109-0480 (石原)
☆小暮は両日とも在社いたします。
2024年12月03日
流行語は 「ちょこみ」
今年の流行語大賞が発表されました。
年間大賞は、「ふてほど」。
えっ、なんのこと?
と思えば、TBS系ドラマ 『不適切にもほどがある!』 のことでした。
僕も観てましたけどね、「ふてほど」 と言うとは知りませんでした。
ドラマ関係者でも 「ふてほど」 とは言わないそうです。
これもまたSNS上の若者言葉なんでしょうか?
何でもかんでも縮めてしまうんですね。
「あけおめことよろ」 (あけましておめでとう。今年もよろしく) とか。
元祖は 「キムタク」 (木村拓哉) ですかね?
当時、意味の分からない年配者は 「キムチとたくあん」 のことだと思っていたとか?
言葉は生き物だと、つくづく感心します。
で、個人的な今年の流行語を発表します。
「ちょこみ」 です!
高崎市民の皆さ~ん、こんにちは~!
月2回配布されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 は、ご覧になってますか?
僕は、今年5月からコラムの不定期連載を始めました。
タイトルは、『ちょこっと小耳に』。
こんなサブタイトルが付いています。
<小暮淳の取材こぼれ話>
そーなんです!
長いライター人生を振り返ると、取材の目的以外で発生した面白エピソードが、たくさんあるんですね。
それらのネタは、ラジオや講演で話すことはあっても、一度も活字にはなっていません。
未使用のまま廃材として、捨て去られていました。
「これは、もったいない!」
ということで、ドラマのスピンオフのように、脇に追いやられたエピソードたちを、まとめたのが 『ちょこっと小耳に』 です。
おかげさまで読者には好評のようで、講演会などでも 「読んでます」 と声をかけていただいています。
また昨日なんかは、行きつけの薬局の薬剤師さんから 「11月1日号の話は本当なんですか? 笑っちゃいました」 と声をかけていただきました。
11月1日号では、「島の不文律」 と題して、取材で訪れた離島で目撃した、目を疑うような衝撃の出来事について書きました。
ということで、今年の流行語は 『ちょこっと小耳に』 → 「ちょこみ」 であります。
不定期連載という割には掲載頻度が高く、今週号 (12月6日) で早くも第10回を数えます。
さて、今回のこぼれ話は?
高崎市外の人でも、「ちいきしんぶん」 のHPからバックナンバーが読めますので、ぜひ、検索してみてください。
2024年12月02日
入れたモノは出せ!
これも歳を重ねた者の役回りなんでしょうか?
若い人から相談を受けることが多くなりました。
若い人といっても40~50代ですが、みなさん、仕事に家庭に人生に、迷いに迷っている様子。
何を、そんなに迷っているのかと聞けば、みなさん、一様に悩まなくていいことに悩んでいます。
一言でいえば、“情報過多” です。
自分に必要な情報だけ取り入れていれば、迷うことはないのですが、これが令和の現代は、ありとあらゆる情報が、自分の意志とは関係なく飛び込んで来ます。
すべては、目と耳からの情報なんですね。
「見る」 と 「聞く」 です。
スマホを見る、テレビや映画を観る、本や雑誌を読む、ラジオや音楽を聴く……
これらは、すべて脳にインプット (入力) されます。
情報量が多過ぎて、脳は、どれが正しい情報なのか、分からなくなっています。
中にはフェイク (うそ) 情報もあり、脳の情報処理能力は追いつきません。
しまいには、その情報量に押しつぶされてしまい、自分は何をすべきなのかまで、見失ってしまいます。
だから僕は、こう助言します。
「すべて吐き出せ!」 と。
目と耳から入れた情報を、今度は口と手を使ってアウトプット (出力) するのです。
「話す」 「書く(描く)」 です。
体全体を使って、踊ったり、演じたりするのもいいですね。
アウトプットするということは、入った情報を脳が選択をして、必要なものだけを自分の言葉 (表現) として選び、他者へと伝えます。
これにより、情報過多を回避することができるのです。
さあ、みなさん、頭の中の雑多な情報を一度、整理しましょう。
年末の大掃除です。
「ああ、自分は、これが好きだったんだ!」 「本当は、こんなことがやりたかったんだ!」 と、思わぬ発見があるかもしれませんよ。
悩むのは、それからです。
2024年12月01日
えっ、禁酒禁湯!?
ああ、イヤだ! イヤだ! 情けない・・・
「歳は重ねてみるものだ」
なんて、言っていたのにね。
歳は重ねてもいいけど、体の経年劣化だけは、あらがえません。
ズキン、ズキン、ズキン……
突然、心臓の鼓動とシンクロしながら前歯が痛み出しました。
指で触れると激痛が走り、歯茎も腫れ上がっています。
食事も咀嚼(そしゃく)することができず、水分と流動食のみ(酒と豆腐)。
夜中には、何度も激痛で目が覚めてしまいました。
ダメだ! 限界だ!
ということで昨日、朝イチで歯医者へ駆け込みました。
レントゲン撮影の後、医者から説明を受けました。
「根っこは折れていませんね。ただ、付け根のあたりが、だいぶ炎症を起こしています。薬を出しておきますので、様子を見てください」
とのこと。
「あ、それから体を温めないでくださいね」
血流が良くなり、痛みが激しくなるらしいです。
そして、医者は笑いながら、こんなことを言いました。
「できれば風呂と酒は、しばらく避けたほうがいいんですが、まあ、小暮さんの場合、仕事柄難しいですかね?」
えっ、先生は、僕の仕事を知っているんですか?
あっ、そうだった!
去年、フジテレビの 『ホンマでっか!?TV』 に出演した時も、「テレビ、観ましたよ」 と声をかけてきたのは、ここの看護師でした。
「分かりました。仕事以外での温泉と酒は、しばらくやめます」
と、ウソをついてきました。
ああ、それにしても、一難去って、また一難であります。
やっと、ヒザの具合が良くなってきたのにね。
今度は、歯です。
加齢による肉体の劣化だけは、避けて通れません。
でも、肉体は劣化しても、人生の劣化だけは阻止します。
never give up!
2024年11月30日
四万温泉が1位! なんで?
<きっかけは、この年 (2000年) の4月に群馬県が実施した 『ぐんま温泉紀行』 だった。ペア2000組を県内19カ所の温泉旅館に優待する企画で、県内および首都圏から5万通を超える応募があり、このうち 「泊まりたい温泉」 として四万温泉がトップとなったのである。常に国内旅行の人気投票で第1位となっていた草津温泉がダントツになると予想されていただけに、誰もが結果に驚いた。>
( 『あなたにも教えたい四万温泉』 より)
このとき僕は、“四万温泉の逆襲” が始まったと感じました。
そして、この本を書きました。
あれから約四半世紀。
その後、着実に知名度を上げてきた四万温泉。
コロナ禍、「かるたでは知っているけど、行ったことがなかった」 群馬県民たちが一挙に押し寄せ、知名度とともに好感度も上昇しました。
そして今回、その証左ともいえるランキングが発表されました。
地元紙の上毛新聞が、「お薦めの温泉」 についてアンケートを行ったところ、県内部門で2位に大差をつけて四万温泉が最多の票を集めたと、発表しました。
以下が、上位5位までの温泉地です。
1.四万温泉 (中之条町)
2.草津温泉 (草津町)
3.万座温泉 (嬬恋村)
4.伊香保温泉 (渋川市)
5.磯部温泉 (安中市)
四万温泉を選んだ理由について、投票者からは、こんな声が寄せられていました。
「温泉から眺める自然の景色が良い」 「ちょうど良い泉質」 「四万ブルーの奥四万湖がきれい」 「コンパクトな温泉街は情緒がある」……
では、半世紀前のアンケートでは、どんな意見が多かったのでしょうか?
<中之条町の 「ツインプラザ」 において 「外から見た四万、内から見た四万」 というテーマでシンポジウムが開かれ、私もパネリストとして出席した。この時、参加者からは 「開発せずに、このままの自然を大切にしてほしい」 「看板の設置は景観を損ねないように」 「不便が四万の良さ」 「地元の人ととのふれあいがある」 など、さまざまな意見が出された。また来場者から寄せられたアンケートで一番多かった声が、「何もない良さ」 だった。>
( 『あなたにも教えたい四万温泉』 より)
いかがですか?
大温泉地にはない、素朴な湯治場風情が残っている四万温泉が、現代人の癒やしとなっているようですね。
著書は、こんな 「まえがき」 から始まります。
<四万には、コンビニがありません。四万には、信号機がありません。四万には、歓楽施設がありません。でもここには、青く澄んだ川の流れと、こんこんと湧き出す豊潤な温泉、そして何百年もの間、湯とともに暮らしてきた素朴な人たちが生きています。>
そして帯に、僕は直筆で、こう書きました。
<何もないとは、なんて素敵なことだろう>
まだの人は、一度、四万温泉を訪れてみてください。
「上毛かるた」 の札の意味が、分かると思います。
2024年11月29日
9→7大温泉地へ、なぜ?
群馬県は2028年の 「温泉文化」 のユネスコ無形文化遺産登録に向け、来年1月6日~2月4日、7大温泉地をめぐってもらう企画 『ぐんま温泉街道』 を展開します。
報道によれば、こんな内容です。
●期間中、県内温泉各地で有料のプレミアムイベントが開かれる。
●県内100カ所程度の温泉旅館や入浴施設を1回ずつ楽しめるデジタルチケットを販売する。
●チケット購入者が自由に乗り降りできる専用バス 「湯めぐりバス」 を万座温泉と老神温泉間で特別運行する。
と、まあ、こんな内容です。
詳細は、特別サイトでお調べください。
では、“7大温泉地” とは?
発表によれば、草津、伊香保、水上、四万、磯部、老神、万座でした。
えっ、いつから7大温泉地になったんですか?
というのも、以前は確か、群馬県の主要温泉地は9カ所だったはず。
そう、あと2つは、どこへ行ってしまったの?
みなさんは、知っていますか?
あと2つとは、やぶ塚温泉 (太田市) と川原湯温泉 (長野原町) です。
さみしい限りですが、落選は仕方ないのかもしれません。
やぶ塚は、コロナ以降、大型旅館の廃業がありました。
川原湯は、ダム建設による移転により、旅館の数が減少してしまいました。
もはや、両温泉地とも 「大」 とは呼べません。
ユネスコ遺産登録に向けて、群馬県の温泉地が活気を得て、にぎわうことは大変よろこばしいのですが、温泉ファンとしては複雑な思いです。
陽の当たる温泉地と、陰になる温泉地……
明暗が分かれてしまうことに、一抹の不安を抱いています。
2024年11月28日
鬼も笑う2つの特典
今年も、だいぶ押し迫ってきました。
来週は、もう師走です。
そろそろ、今年の総決算をする時期になりました。
と、思っていたら、“鬼が笑い” 出しました。
「来年の事を言えば鬼が笑う」
なんて言いますが、僕的には大歓迎であります。
ここに来て、立て続けにバタバタと、講演の依頼が飛び込んで来ました。
それも、あまり今までにはなかった依頼先です。
1つは、博物館。
もう1つは、文化センターです。
どちらも大きな会場なので、今からとっても楽しみです。
どちらもの依頼も、お受けしたのですが、日程やテーマなどは、まだ未定です。
これからの打ち合わせで決めるのですが、問題はテーマです。
依頼は受けたけど、さて、講演内容は?
現在、僕の講演内容は、大きく分けて2つ。
著書のある 「温泉」 と 「民話」 です。
でも依頼主の希望によっては、「地酒」 や 「介護」 をテーマに話をしたこともあります。
マニアックなところでは、「歌人・若山牧水」 「テレビ出演の裏話」 なんていうテーマもありました。
まあ、大方は 「温泉」 か 「民話」 なんですけどね。
で、「温泉」 と 「民話」 をテーマにした講演では、それぞれ特典 (サプライズ) を用意しています。
「温泉」 では、講演の最後に、カラオケに合わせて、オリジナルの温泉ソングを歌います。
「民話」 では、地元民話のオリジナル紙芝居を口演します。
毎回、このサプライズに大変よろこんでいただいています。
さて、来年は、どんな町のどんな人たちと触れ合えるのでしょうか?
鬼さんと一緒に、笑いながら新しい年を迎えたいと思います。
2024年11月27日
ちょっとバスに乗って
“バスに乗れば、見慣れた町が知らない町になる”
このところ、バス乗車にハマっています。
といっても、遠出をしているわけではありません。
いわゆるコミュニティバスといわれる市内を循環するバスです。
全国、どこの街にもあるのでしようが、僕が暮らす前橋市には 「マイバス」 というコミュニティバスが走っています。
たぶん、「マエバシ」 → 「マイバス」 をかけているんでしょうね。
(実際、ネイティブ前橋っ子は、「マイバシ」 と発音します)
市内を走る 「マイバス」 は、JR前橋駅を起点に東西南北の4つの循環路線があり、さらに、すべての循環路線に 「右回り」 と 「左回り」 があります。
だから、とっても便利なんです。
僕が暮らしている地域には、「東循環」 が走っています。
1時間に 「右回り」 と 「左回り」 が1本ずつと、決して多くはないのですが、一度利用すると、その便利さと快適さ、面白さにハマってしまいます。
まあ、利用するきっかけは、ヒザの関節を痛めて治療中ということからでした。
多少の歩行はできますが、長距離の自転車はこげないし、車では飲酒ができません。
ということで、バスでの移動手段を日々の生活に取り入れました。
たとえば、たびたびブログにも登場する酒処 「H」。
最寄りのバス停は、東循環の最北にあります。
そして我が家から一番近いバス停は、東循環の最南にあります。
ので、「右回り」 に乗っても 「左回り」 に乗っても、乗車時間はほぼ同じなんです。
と、このことに気づいた日から、僕の “バス旅” は始まりました。
コミュニティバスを利用したことある人なら知っていると思いますが、とにかく料金が安い!
どこから乗って、どこで降りても料金は一律。
で、なんと、「マイバス」 は100円なんです!
今時、100円で旅ができるなんて、これを利用しない手はありません。
これまた “コミュニティバスあるある” なんですが、一般の路面バスでは絶対に通らない住宅街や抜け道のような小路を通るということ。
「おいおい、ここを無理やり曲がるかね~」 「うぉ~、マニアックな所を入るな~」
と、ちょっとしたスリルとドキドキ感が楽しめます。
またアナウンスも、いかしています。
「マイバス」 では、子どもの声なんです。
「次は○○センター前。お降りの方は、停車ボタンを押してください」
これがバス停によって、男の子だったり、女の子だったり。
声質も、低学年だったり、高学年だっり、いろいろで飽きません。
なによりも子どもの声って、癒されますよね。
たぶん、市内の小学生に録音させたのでしょうね。
グッドアイディアです。
そして、なによりも僕が感心したのは、そのアナウンスの付加情報です。
「○○医院にお越しの方は、こちらでお降りください」
なかには、「××食堂へ行かれる方は、こちらが便利です」
なんて、気の利いたアナウンスもあったりして。
「へ~、知らなかった~」
と感心しきりです。
思えば、見慣れた風景って、実は自分の生活圏の中にしか存在しないんですよね。
しかも、知っているつもりの景色でも、日々、自動車でスーッと通り過ぎているだけだったりします。
でもバスから見える風景は違います。
ゆっくりと走り、時々停車し、ふだん利用しない生活路にまで入って行きます。
僕は毎回、後部座席に乗ります。
なぜかって、高い位置から見える街並みって、見知った風景でも、いつもと違って見えますもの。
それと、人間観察。
これが一番楽しみです。
実は僕、ちょっぴり偏見を持っていました。
利用する人は、年寄りばかりだろう……と。
でも、違いました。
学生もいれば、親子連れ、ビジネスマン風の人もいます。
それと車イスの方も利用します。
そんな時、運転手さんは素早く運転席から降りて、最前列の座席を折りたたみ、スペースを確保してから、乗降口にスロープの板を渡します。
その手際の良さに、プロの仕事を感じました。
いかがです?
車社会の世の中だからこそ、たまには、いつも通る同じ街をバスに乗って移動してみませんか?
きっと、知らなかった、たくさんの発見があると思います。
2024年11月26日
「今のこども」 として
先日、群馬県小中高生新聞感想文コンクールの最優秀賞と優秀賞の発表があり、地元紙に各部門 (小学校低学年の部、小学校中学年の部、小学校高学年の部、中学校の部、高校の部) の作品が掲載されました。
どの部門の作文も、よく書かれていて、感心しきりです。
「新聞離れ」 がいわれるようになって久しいですが、いえいえ、みなさん熟読玩味しています。
もしかしたら、大人たちのほうが新聞離れしているのでは? と思うくらいです。
ただね、取り上げているテーマに無理があるのでは? という作品もありました。
認知症やいじめ、米不足、空き家問題、フードロスなど、親や先生に選んでもらったテーマを背伸びして書いているような。
そんななか、「おっ、この子の視点はすごい!」 と思った作品がありました。
優秀賞を受賞した前橋市の小学校5年生の女の子の作文です。
『これって本当? 記事への疑問』 と題し、新聞で読んだ記事に対して 「今の子ども」 として独自の意見を述べています。
<ある学校で、水道の蛇口から水を、じか飲みすることができない子どもがいて、先生が驚いたという記事がありました。ふだんから水筒で水を飲むことになれたその子どもは、水道の蛇口からどうやって水を飲んでいいのか方法が分からない、という内容でした。>
結局、その子どもは、先生からもらっさたコップを使い、水を飲んだといいます。
このことについて新聞記事は、<昔と今は変わった> <時代の変化やコロナの影響> <昔の子どもならできたことが、今の子どもにはできない> という世代間のギャップとしてまとめられていたそうです。
これに対して、彼女の視点は違いました。
<水を飲むときにコップがなければ(手で)水をすくって飲んだり、蛇口を上向きにして直接水を飲むことは自然のことだと思っていました。>
と、「今の子ども」 でも水が飲めることを告げています。
蛇口から水が飲めないのは、世代の違いではなく、経験の有無だと。
さらに彼女は、こんなエピソードにも触れています。
<小さい時から外で遊ぶ経験が少ない子どもが、親からボールを渡されて公園で 「自由に遊んでいいよ」 といわれたところ、なにもできずに 「どうすればいいの?」 と聞き返したそうです。>
これも世代の違いではなく、経験の有る、無し、だと言い切ります。
「○○がないと○○できない」 「指示がないと動けない」 子どもたちが増えていることは事実のようです。
でも、それは、大人が子どもに体験させないから?
昔の子どもできたことは、「今の子ども」 もできるはず。
「今の子ども」 は、経験の場がないだけ。
最後に彼女は、新聞に対して、チクリと苦言を申します。
<わたしは、「今の子ども」 として新聞の記事にあと1つ、個人ごとの経験のちがいについてふれてくれればよかったのにな、と思いました。>
あっぱれ!
2024年11月25日
ギプスは若さのバロメーター
先週、ヒザに3回目の注射を打ちました。
3週間前、左脚に痛みを感じて、整形外科医院を受診しました。
すると 「変形性膝関節症」 と診断され、その日以来、毎週通院しています。
「その後、いかがですか?」
「ええ、だいぶいいです。ヒザを曲げるのも、伸ばすのも痛みはありません」
先生の問診に答えました。
「歩くのは? 階段の上り下りは、いかがですか?」
「はい、ゆっくりですが歩けます。階段もなんとか左足をかばいながら上っています。下りのほうが、ちょっと怖いですけど……」
「痛みは?」
「時々、ヒザの内側が」
すると先生は、MRI で撮ったパソコンの画面を見ながら、ていねいに説明してくれました。
ヒザの軟骨が、すり減っていること。
じん帯が、伸びてしまっていること。
そして、こんなことを言いました。
「本当はね、ギプスをしたほうがいいんですけどね」
「?」
「でも、年齢を考えると……」
ええええ―――っ!!!
年齢?
どど、どういうことですか~!?
「ギプスをしたほうが治りは早いんですよ。でも小暮さんの年齢だと外した時に、筋肉のもどりが悪いんです」
ぎぇぎぇぎぇ―――っ!!!
そ、そ、それって、老人ということですか~?
ガックシ……
悲しいかな、ギプスをできない体になっていたんですね。
ああ、20代に事故で骨折した時の、あのギプスが懐かしい。
カンバック、ギプス!
ギプスは “若さのバロメーター” であることを知りました。
ということで、現在は、運動治療を続けています。
いわゆるリハビリです。
イスに座って、足をゆっくり水平に伸ばし、ゆっくりと下ろします。
イーチ、ニー、サーン………キュー、ジューウ
と片足ずつ、10回。
これを朝昼晩、3セット行います。
ちっくしょー!
ギプスなんかに頼るもんか!
自力で治してみせるぞ!
我が闘病生活は始まったばかり。
がんばります!
2024年11月24日
キーワードは世代を超えて
<つくづく、歳は重ねてみるものだ>
と以前、書きました。
(2024年11月18 日 「磯部温泉 小島屋旅館➄」 参照)
あの時同様、また親子ほど歳の離れた青年 (?) が、遠方より僕を訪ねて来てくれました。
しかも 「小暮さんと吞みたいから」 と、車ではなく、わざわざ新幹線と在来線を乗り継いで、前橋くんだりまで。
その情熱と熱意に、ただただ脱帽です。
彼は、僕の読者でもあり、温泉マニアです。
過去には、僕が講師を務めるイベントにも参加したことがあるといいます。
「あのとき、本にサインをいただきました」
と言われ、そういえば……と、おぼろげながら彼の顔を思い出しました。
では、そんな彼が、なぜ、公の場ではなく、個人的に僕に会いに来たのか?
彼を、そこまで突き動かしたものは?
酒を酌み交わしながら、雑談から徐々に核心に触れて行きました。
そして最終的に彼の口から出た言葉は、「本を出したい」 とのこと。
しかも、広く浅い全国版の本でではなく、僕のように単一県の温泉地を徹底して網羅した本を出版したいというのです。
正直、驚きました。
無謀だとも思いました。
だって、彼が書こうとしている県は、僕が書いた群馬県よりも温泉地数が多いのです。
いや、多いなんていうレベルではありません。
倍はあります。
僕は現在、群馬県の温泉に関する本を9冊、出版しています。
それでも群馬県内の全温泉地の全宿は、網羅しきれていません。
10年以上もかかって、これが現状です。
酒の力もあり、もしかしたら彼には、だいぶ厳しいことを言ってしまったかもしれません。
苦言を浴びせたかもしれません。
それは、“本を世に出す” ということは、生半可な気持ちでは成し遂げられないからです。
それでも、自分の人生をかけて、夢を叶えたいというのなら……
との前提で、話をしました。
これからが、彼のイバラの道です。
でも、好きなことなら、できるはず。
たった一度の人生です。
心に迷いがないなら、チャレンジする価値はあると思います。
夜も深まった頃、ほろ酔い気分で、駅で彼を見送りました。
T君、がんばれ!
キーワードは 「温泉」。
このキーワードは、世代を超えて人と人を結び付けてくれるようです。
温泉の神様に、感謝!
2024年11月23日
今日の読売新聞 「温泉と伝説 密接な関係」
今年2月からスタートした読売新聞群馬版での不定期連載。
今日 (11月23日) の読売新聞に、4回目のエッセイが掲載されました。
今回のテーマは 「温泉と伝説」。
なんで温泉ライターの僕が、民話や伝説に興味を持ち、著書まで出版したのか?
その出合いと、温泉との密接な関係について書かせていただきました。
実は民話や伝説には、先人たちの知恵が、いっぱい詰まっているんですね。
妖怪や化け物が登場する怖い話もありますが、温泉の伝説には、現代人が学ぶべきことが多々あります。
エッセイでは、「なおし湯」 や 「上がり湯」 「仕上げ湯」 、また2つ以上の泉質の異なる温泉に入る 「合わせ湯」 を紹介しました。
何気なく、観光目的で訪ねている温泉地や入っている温泉には、たくさんの伝説や民話が隠れています。
ぜひ、今度、温泉地へ行ったら、ちょっと地元の人に聞いてみてください。
きっと、その温泉が、何倍にも好きになると思いますよ。
新聞離れが加速しているといいます。
それでも 「されど新聞」 です。
まだまだ、たくさんの人が読んでいます。
だって、講演会場では 「新聞、読んでますよ」 と声をかけてくれる人が、結構いますもの。
中には、新聞の切り抜きを持参して、会場に来る人もいます。
そんなとき僕は、「ああ、ライターという仕事をしていて、良かったなぁ~」 と、つくづく思います。
次回の掲載は、いつでしょうか?
年内かな? 年明けかな?
さて、何について書きましょうか?
楽しみにしていてください。
2024年11月22日
魔法の言葉
新聞に、こんな四コマ漫画がありました。
バッターボックスに立つ選手。
空振り!
「スランプなんだよな」
次も空振り!
「スランプなんだよな」
するとチームメイトが、こう言います。
「野球始めてからズーッとじゃないか!?」
「うん」 と言って、うなだれる選手。
チームメイトが叫びます。
「そういうの、スランプって言わないの!」
もう、おかしくて、おかしくて、その日は、思い出しては笑っていました。
“スランプ” とは、「不振」 「不調」 のこと。
いい時もあるけど、悪い時もある。
人は、そんなとき、スランプという言葉を使います。
これって、人生に当てはめてみると、さらに笑えます。
やる事、なす事、すべてが、うまくいかない人。
就く仕事、就く仕事、長続きせず、転職をくり返している人。
起業したけど、会社をつぶしてしまった人。
みんな、“スランプ” のせいにしてしまえば、いいんです。
「才能がないんじゃない」 「根性がないんじゃない」
ただ、スランプなだけ。
そう思えば、気が楽になります。
だって、スランプだという自覚がある人は、好調の時が来ることを信じている人です。
これ、まさに自尊心です。
では、その時は、いつ来るのか?
人生は、最後の最後まで分かりませんって!
いつ、なんどき転機が訪れるのか分からないのです。
今、スランプに陥っているみなさ~ん!
思いっきり、バットを振りましょう!
だって、バットを振らなければ、ボールには当たらないんですよ!
振り続けていれば、いつか、人生の逆転満塁ホームランを打つかもしれません。
2024年11月21日
第2回 「出前講座」 開催
群馬県立歴史博物館 「友の会」 運営委員からのお知らせです。
僕は運営委員もしていますが、時々、講師としても登場します。
昨年度からスタートした 「出前講座」 も、その一つ。
前回、昨年11月に開催した 『温泉ライターに学ぶ四万温泉あれこれ』 では、高崎と前橋からバスを出し、車中では僕が講話をし、現地では四万温泉協会事務局長が案内をしました。
宿では、入浴と昼食を楽しみ、温泉街の散策をして、色づく秋の一日を満喫しました。
さて、「出前講座」 は、今年度も開催いたします。
開催日は、来年2月初旬 (土曜日)。
場所は、群馬県北部の秘湯の温泉宿。
と、情報を出し惜しみしているのは、昨日の運営委員会議で決定したばかりだからです。
でも、すでに旅館と観光協会、バス会社には連絡済みですので、これより広報作業に入ります。
詳細の発表は、来月中旬の予定です。
参加費は1万円程度で、バス代、昼食・入浴代が含まれています。
さらに特典として、僕の著書が進呈されます。
募集告知は、「友の会」 会報および新聞、ブログにて行います。
お楽しみに!
2024年11月20日
本屋さんへ行こう!
東京都在住の読者 (60代男性) から、こんなことを言われました。
「私はネットでは本を買いません。小暮さんの本も、近くの書店に注文しています」
ありがたいお言葉ですが、彼は、こうも続けました。
「本屋さんを、これ以上、無くしたくないんです」
まさに令和の現在では、街の本屋さんは壊滅的な危機に見舞われています。
希少価値ゆえに、「リアル書店」 なんて呼ばれるほどです。
スマホでピッっと、ネットで便利に簡単に、探している本が手に入る時代です。
街の本屋さんは、駄菓子屋同様、昭和の産物なのでしょうか?
こんなデータがあります。
全国の書店数の推移です。
2003年には20,880店あった書店が、2023年には10,918店と減少しています。
なんと! 20年間で約半分になってしまったのです。
ちょっと計算してみてください。
すると、なななんと! 1日に1.3店のスピードで消滅していることになります。
これにより全国には 「無書店自治体」 というのが発生しています。
いわゆる書店が一軒もない市区町村のことです。
その数、なななんと! 27.9%!
3市区町村に1つは、無書店自治体なのです。
では、なぜ昭和の時代には考えられなかった現象が、平成から令和にかけて急速に進んでしまったのでしょうか?
答えは明確です。
書店で本が売れなくなったからです。
では、なぜ?
ネット販売が主流になったから?
どうも、それだけではないようです。
一番の理由は、「読書離れ」 です。
平成の世から 「活字離れ」 という言葉はありましたが、ついに 「読書離れ」 = 「長文離れ」 が始まってしまったのです。
あるリサーチによれば、「1カ月間に1冊も本を読まない人」 が6割を超えたといいます。
(当ブログの2024年9月20日 「長文を読めない令和人」 参照)
便利だけが原因ならば、ネット販売に移行するだけです。
でも、本自体が売れなくなっているのですから致命的な問題です。
“便利な社会” は、読書自体を “面倒くさいもの” に追いやってしまいました。
ただただ、悲しい現象です。
読んで残そう、紙の本。
みなさ~ん、本屋さんへ行きましょう!
2024年11月19日
自信のゆくえ
先日、知人男性 (50代) から、こんな相談を受けました。
「若い頃は根拠のない自信があったのですが、今は衰えの自覚や環境の変化で、以前のような根拠のない自信が感じられません」
う~ん、彼は、とっても真面目なのですね。
真面目がゆえに、そのことに気づいてしまったのです。
「根拠のない自信」
夢や野望を抱いたことのある人なら、誰しも一度は感じたことがあると思います。
僕もあります。
しかも僕の場合、若い頃だけでなく、40歳を過ぎても信じていました。
「根拠のない自信」 って、ある種の “まじない” なんですよね。
「自分はできる」 という暗示でもあります。
ところが、この暗示が、ある日突然、効かなくなる時がやって来ます。
僕は、こう解釈しています。
「根拠のない自信」 って、消耗品なんじゃないかと。
若いときは、“未知のエネルギー” に満ちあふれています。
簡単に言えば、残りの人生が多いということ。
残りの人生が多いということは、未知の部分が多いということで、大いに可能性を期待できます。
そして、そこには自分を信じる力 「信念」 が生まれます。
「30歳までには、なんとかなるだろう」
ところがダメだった場合、挫折を感じます。
同時に、根拠のない自信も消え失せます。
「いやいや、40歳までには、なんとかなるさ」
それでも、あきらめない人には、この 「根拠のない自信」 が、より所になります。
そして、40歳を迎えます。
僕の場合、それでも、あきらめ切れませんでした。
ところが、ある日、気が付いたら 「根拠のない自信」 が劣化して、ボロボロになっていました。
「根拠のない自信」 って、消耗品だったのですね。
耐久年数があったのです。
補充とメンテナンスを、おこたっていたことに、初めて気づきました。
本来なら加齢とともに、少しずつ 「根拠のある自信」 と交換するべきだったのです。
手応え、やりがい、達成感などです。
僕がメンテナンスを始めたのは、50代になってからでした。
遅いですよね。
遅いけど、気づかないよりはマシでした。
今でも僕の中に 「根拠のない自信」 はあります。
でも若い頃とは、ちょっと違います。
50代で一度、リセットして、再起動したので、以前よりクリアに将来を見すえることができるようになりました。
根拠はないけど、当てずっぽうではない。
自信よりは、確信に近いかもしれません。
いずれにせよ、「根拠のない自信」 にはメンテナンスが必要です。
迷い、悩んでいる人は、あきらめる前に一度、リセットすることを、おすすめします。
作詞家の秋元康氏は、こんなことを言っています。
<人は根拠のない自信を持つことが大事。根拠があったら、それが崩れた時に自信を失ってしまうから>