温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2023年03月30日

新作 『五料のカッパ』 近日公開!


 <玉村町五料のカッパは、利根川で人を引きずり込んで悪さをしていた。ある日、馬の尻に飛びつき、いたずらをしようとしたところ、馬がたまげて飛び跳ねたため、カッパは振り落とされ、その拍子に頭の上の皿の水がこぼれてしまった。カッパは皿の水をこぼすと神通力がなくなってしまうため、たちまち人間に捕まってしまった。>
 (『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 より)


 「どこかで、誰かが、見ている。そのためには、アクションを起こす」

 そう、心に命じて生きてきました。
 仕事も遊びも、分け隔てなく。


 2年前からお手伝いをしている伊勢崎神社での街頭紙芝居。
 すでに、伊勢崎市を舞台にした2作のオリジナル紙芝居を発表しました。

 すると、お隣の玉村町からも声がかかり、今月、玉村八幡宮にて第1回の口演を開催することができました。
 すると、すると……
 どこかで、誰かが見ていました!


 このたび、玉村町教育委員会の協力を得まして、第2回 「玉村かみしばい」 の開催が決定しました。
 会場は、重田家住宅 (国登録有形文化財) です。

 近くには、五料という場所があり、古くからカッパ伝説があります。
 だったらと、『五料のカッパ』 という紙芝居に仕上げました。


 文/小暮淳 (フリーライター)
 画/栗原俊文 (デザイナー、イラストレーター)
 演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社 座長)

 栗原氏は紙芝居初作画となりますが、彼の名前に見覚えはありませんか?
 そうです!
 僕の著書 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 の表紙画を担当した作家であります。
 前橋や高崎で原画展を開催したので、彼の絵を見たことがある人は大勢いると思います。

 ぜひ、迫力ある紙芝居で、魑魅魍魎たる “栗原ワールド” を体験しに来てください。
 乞う、ご期待!



      「玉村かみしばい」 第2回口演
 
 ●日時  2023年5月5日(金・こどもの日)
        11時、12時、13時、14時
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  重田家住宅 (群馬県佐波郡玉村町小泉)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●協力  玉村町教育委員会
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(0)神社かみしばい

2023年03月22日

「街頭紙芝居の町」 構想


 「ブログ、見ました!」
 「驚きました!」

 会場で、数人の読者から声をかけていただきました。
 昨日、開催した 「玉村かみしばい」 でのことです。


 先日書いたブログが、波紋を広げています。
 ※(3月20日 「“紙芝居王国ぐんま” の復活」 参照)

 戦前 (昭和11年) のデータによれば、「全国の街頭紙芝居業者数」 の1位は東京都、2位は大阪府。
 人口比で圧倒的な二都府に続いて、3番目が群馬県だったという事実!

 なぜ、群馬に街頭紙芝居師が多かったのか?


 新たな “謎学の旅” に出ることになった僕は、仲間と新たな挑戦を始めました。
 毎月恒例の伊勢崎神社 (伊勢崎市) で開催している 「神社かみしばい」 に続いて、今月から玉村八幡宮 (佐波郡玉村町) で 「玉村かみしばい」 の公演を始めました。

 昨日が、その初お披露目日でした。


 4回の上演時間には、たくさんの来場者がありました。
 歴史と由緒ある大きな神社だけあり、一般の参拝者も途切れることなくやって来ます。

 以前から玉村町は、「街頭紙芝居体験」 を催すなど、紙芝居には力を入れている町です。
 今回も積極的に僕らにアプローチをしてくださり、晴れて開催に漕ぎつきました。
 その熱心さは、会場にいて伝わってきました。

 町長をはじめ、副町長や教育委員会の方々、また介護施設や子ども食堂に携わる町民が、こぞって会場にみえました。
 そして我々スタッフに、おにぎりや焼きまんじゅうの差し入れまでしてくださいました。
 ありがとうございました。


 そこで出た話題が、「紙芝居の町」 構想です。
 もちろん、かつて群馬県が全国3位の紙芝居県だった話にもおよびました。

 「まず玉村町から復活させましょう!」
 と町長も大の乗り気であります。

 「だったら、玉村の民話を片端から紙芝居にしますよ!」
 と意気投合。
 どこまで実現できるかは未定ですが、“やれることは、やってみる” のが、僕の信条です。


 ということで、次回は国登録有形文化財の 「小泉重田家」 で5月に開催を予定しています。
 カッパ伝説をもとに制作した、新作のご当地紙芝居の上演をします。
 詳細は、近日公開いたします。

 また、伊勢崎市、玉村町に続いて、「街頭紙芝居の町」 に名乗り出たい自治体があれば、ご連絡ください。
 ご当地紙芝居を制作して、上演いたします。

 ぜひ、群馬を “日本一の街頭紙芝居の町” にしましょう!
   


Posted by 小暮 淳 at 13:36Comments(2)神社かみしばい

2023年03月20日

“紙芝居王国ぐんま” の復活


 興味深いデータを見つけました。

 石川幸弘・著 『紙芝居文化史 ~資料で読み解く紙芝居の歴史~』 (萌文書林) という本の中に、昭和11(1936)年 「日本劇画教育協会」 調査による、「全国の街頭紙芝居業者数」 の一覧があります。

 当時の業者数は約1万人。
 都道府県別に見ると、もちろんダントツは東京都で1,587人。
 2番目に多いのも、納得の大阪府930人。

 そこまでは、誰でも予想が付きますよね。
 では、3番目に多いのは、どこだったと思いますか?

 なんと!
 群馬県だったのです。
 726人もの街頭紙芝居師がいました。

 群馬県は全国屈指の “紙芝居王国” だったのです。


 娯楽の少なかった戦後、さらに街頭紙芝居師は増えます。
 昭和30年代には、約5万人もいたといいます。
 が、その後、高度経済成長の波に乗り、テレビの普及とともに子どもたちは屋外から屋内で遊ぶようになり、街頭紙芝居師の数も次第に減少していきました。

 時はめぐり、時代は令和へ。
 現在、プロの街頭紙芝居師は全国に数えるほどしかいません。


 でも、群馬県にはいます!

 石原之壽(いしはらのことぶき) 君です。
 彼は 「壽ちんどん宣伝社」 の座長であり、僕の高校時代の同級生でもあります。
 現在、彼は茨城県に在住しながら全国を飛び回っていますが、活動の拠点は故郷に置いています。

 彼の地元、伊勢崎市で開催している 「神社かみしばい」 の活動も4年目に入りました。
 僕も微力ながら、ご当地民話紙芝居の制作を手伝っています。


 そんな彼の地道な活動は、メディアにも紹介され、県内の自治体から視察に訪れるようになりました。
 まさに “紙芝居王国ぐんま” の復活が始まったのであります。

 そして、いよいよ明日、街頭紙芝居は伊勢崎の地を離れ、お隣の玉村町で初お披露目をします。
 玉村町を舞台にしたオリジナルヒーローが活躍する、ご当地紙芝居を上演しますので、お越しください。

 スタッフ一同、お待ちしております。

 

        「玉村かみしばい」 第1回口演
 
 ●日時  2023年3月21日(火・春分の日)
        10時、11時、12時、13時
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(0)神社かみしばい

2023年03月11日

春だ! 紙芝居だ! in 玉村八幡宮


 いや~、めっきり春めいてまいりました!
 春は、絶好の街頭紙芝居の季節です。

 今月は、なんと! 2カ所の神社で紙芝居を上演します。


 毎月恒例の伊勢崎神社 (伊勢崎市) で上演している 「神社かみしばい」 は、18日(土)、19日(日) の両日開催します。
 ※(詳しくは当ブログの2023年3月7日 「神社かみしばい 3月口演」 参照)

 そして今回、初開催となるのが、玉村八幡宮 (群馬県佐波郡玉村町) での 「玉村かみしばい」 です。

 玉村八幡宮は鎌倉時代初め、鎌倉幕府初代将軍の源頼朝公が上野奉行の安達藤九郎盛長公に命じ、鎌倉・鶴岡八幡宮の御分霊を勧請(かんじょう)なされたと伝わる由緒ある神社であります。
 その荘厳な佇まいは、見る者を圧倒します。
 正面の 「随神門」、御神前の 「神楽殿」、「拝殿」 「幣殿」 は町の重要文化財に。
 また 、英霊を祀った 「国魂神社」 は国の登録有形文化財に、「本殿」 は国の重要文化財に登録・指定されています。


 そんな立派な神社の境内で、紙芝居ができるなんて!
 主催者冥利に尽きるというものです。

 当日は、絵本作家・野村たかあき先生の作・画による 『焼きまんじゅうろう旅すがた』 3部作を上演いたします。
 第1作 「おきりとおこみの巻」、第2作 「宿場につめてぇ風が吹く」、第3作 「上州のおっかさんの巻」。
 ちなみに第2作の舞台は、玉村宿 (現・玉村町) です。

 縁もちまして、玉村宿の街道筋に鎮座されます八幡宮の境内にて、演じさせていただくことになりました。


 僕も当日はスタッフとして、一日在社いたします。
 会場では僕の著書販売のほか、 画家・須賀りすさんのイラストやグッズ、昔なつかしい駄菓子屋コーナーも併設されます。

 ぜひ、家族や友だちと誘い合わせのうえ、お越しください。
 お待ちしていま~す!



     「玉村かみしばい」 第1回口演
 
 ●日時  2023年3月21日(火・春分の日)
        10時、11時、12時、13時
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 12:56Comments(0)神社かみしばい

2023年03月07日

「神社かみしばい」 3月口演


 ♪ 雪が解けて 川になって 流れていきます
   土筆の子が はずかしげに 顔を出します
   もうすぐ春ですね
   ちょっと神社に行きませんか? ♪


 春が来ました!
 だいぶ暖かくなりましたね。

 春と言えば、神社です!
 そう、「神社かみしばい」 の季節です。


 おかげさまで、僕らの興行も3年目を迎えました。
 先月の2月口演では、新作紙芝居 『女堀と桜姫』 を披露することができました。

 「女堀」 とは、今から約800年前に掘られた農業用水路の跡です。
 伊勢崎市に残る 「赤堀花しょうぶ園」 は、国の史跡に指定されています。
 僕らは、この 「女堀」 に伝わる民話を紙芝居にしました。

 今後は、市内各所で上演する予定です。


 ぜひ、お越しください。



     「神社かみしばい」 3月口演
 
 ●日時  2023年3月18日(土)、19日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は19日のみ在社いたします。
   会場では著書の販売をいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:34Comments(0)神社かみしばい

2023年02月20日

今日の上毛新聞 「紙芝居に鳴り物 チンドンと共演」


 “4月上旬の陽気”
 という天気予報は、大外れ!
 時折、小雨がパラつく中、伊勢崎神社にて 「神社かみしばい」 が開催されました。


 「絶好の紙芝居日和だと思ったのにね」
 と僕らは、会場の設営をしながら口々に、グチをこぼしていました。

 僕らとは、興行主で上演者の壽ちんどん宣伝社座長、石原之壽(いしはらのことぶき)君。
 作画担当の画家、須賀りすさん。
 そして、作文担当の僕であります。


 昨日は新作紙芝居の初上演日でした。
 しかも、新作披露のお祝いにと、アマチュアチンドングループ 「高崎チンドン倶楽部」 の面々も駆けつけてくれたのであります。

 午前10時30分
 景気づけにと、チンドン演奏が始まりました。

 すると、どうしたことでしょう!
 あちらからゾロゾロ、こちらからゾロゾロと、まるで “ハーメルンの笛” のようにジンタの響きにに誘われて、人々が境内にやって来ました。

 あれよあれよのうちに、用意した客席は満員御礼となりました。


 『女堀と桜姫』
 これが、新作紙芝居゛のタイトルです。

 「女堀」は、国指定史跡の用水路遺構。
 現在の伊勢崎市にある 「赤堀花しょうぶ園」 などが、その跡地です。
 未完だったという、この謎の遺跡に伝わる伝説をもとに紙芝居を作りました。


 さて、一夜明けて!
 今日の上毛新聞社会面に、大きくカラーで写真と記事が掲載されました。
 「紙芝居に鳴り物 チンドンと共演」
 と見出しが付いています。

 僕は裏方なので、写真には写っていませんが、制作者として記事の中には名前を連ねました。
 取材をしてくださった記者さん、ありがとうございました。
 こうやって報道してくださると、今後の活動の励みになります。


 今年も1年間、頑張りますので、みなさん、応援してくださいね。
 そして、まだ紙芝居を見たことがないという、あ・な・た!
 ぜひ一度、昭和の街角文化に触れてみてください。

 お待ちしております。


 ※次回の「神社かみしばい」 は、3月18日・19日です。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:43Comments(2)神社かみしばい

2023年02月12日

「神社かみしばい」 2月口演


 あれは確か、オフクロが亡くなった直後のことだから、令和元年の5月だったと思います。
 高校の同級生だった石原之壽(いしはらのことぶき)君から連絡があり、久しぶりに会うことになりました。

 彼は定年後、チンドン屋や紙芝居の興行をする会社を立ち上げていました。
 「故郷の群馬で紙芝居の口演をする場所を探しているんだけど、ジュン、どこか、いいところない?」
 との相談に、僕は即答しました。
 「だったら伊勢崎神社に頼んでみたら?」

 伊勢崎神社の宮司もまた、僕らの同級生なのです。


 話はトントン拍子に進み、翌年の1月から石原君単独による 「神社かみしばい」 が始まりました。
 ところが2020年2月からコロナが蔓延。
 屋外とはいえ、客が集まらないとの相談を受けました。

 「せっかく群馬でやっているのだから、地元の民話を題材にしたオリジナルの紙芝居が欲しい」
 との依頼が、彼から僕のもとに寄せられたのは、その年の夏のことでした。
 「だったら神社のある伊勢崎市の民話にしよう!」

 ということで誕生したのがオリジナル紙芝居の第1作 『いせさき宮子の浦島太郎』 でした。


 そして今年、第2作が完成!
 いよいよ今月、初披露されることになりました。

 タイトルは、『女堀と桜姫』。
 伊勢崎市の名所 、赤堀花しょうぶ園に伝わる平安時代の話です。
 ※(物語については当ブログの2023年2月6日 「新作紙芝居 『女堀と桜姫』」 参照)


 そして、19日はスペシャル公演!
 高崎チンドン倶楽部による演奏 (11:30~、12:30~) があります。

 ぜひ、みなさんで、お誘いあわせの上、暖かい格好で、お出かけください。
 スタッフ一同、お待ちしております。



     「神社かみしばい」 2月口演
      ~新作紙芝居初披露~
 
 ●日時  2023年2月18日(土)、19日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は19日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:14Comments(0)神社かみしばい

2023年02月06日

新作紙芝居 『女堀と桜姫』


 平安時代末期のこと。
 上野国 (群馬県) は 「平将門の乱」 が起こるなど、律令国家が乱れていました。
 さらに浅間山の大噴火が県内全域を襲い、その降灰により水田のほとんどは復旧されることなく放棄され、上野国は荒廃していました。

 ある時、いずこともなく若い女を大将にした軍勢が攻めてきて、たちまちのうちに荒れくれた野武士を倒して、この地に住み着きました。
 若い女の大将の名は、桜姫。
 たちまちのうちに、このあたりを治めるようになりました。

 桜姫は人々が飢えに苦しんでいるのを知ると、この荒れ果てた野山を田畑にして、食物を作りたいと考えました。
 それには、水がいります。
 しかし、このあたりには水をたたえている沼もなければ、小さな川さえありません。

 <いっそのこと、利根川から水を引いたらどうだろうか>

 そう考えた桜姫は、数人の女の家来を集めると、こう言いました。
 「この地をこれから末永く治めていくには、どうしても水が必要です。途方もない計画ですが、この村に利根川の水を引いてきましょう!」

 そして、桜姫と数千人の女たちによる一大プロジェクトが開始されました。


 2年前から伊勢崎神社 (伊勢崎市) で毎月開催している 「神社かみしばい」。
 ご当地民話を題材にした、創作紙芝居を上演しています。
 第1弾の 『いせさき宮子の浦島太郎』 は、伊勢崎市宮子に伝わる竜宮伝説でした。

 いよいよ、今月から第2弾の新作紙芝居が登場します!
 『女堀と桜姫』 です。


 「女堀」 は赤城山南麓、標高約100メートルの等高線に沿う形で、前橋市上泉町から伊勢崎市国定町までの東西約13㎞、幅15~30m、深さ3~4mにわたって築かれた未完の用水路跡で、国指定史跡になっています。
 誰が、いつ、何のために掘ったかは謎とされていますが、僕らは伝説を基に紙芝居に仕上げました。

 文/小暮淳 (フリーライター)
 画/須賀りす (画家・イラストレーター)
 演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社 座長)


 今月19日(日) に初上演いたします。
 当日は 「高崎ちんどん倶楽部」 が、お祝いの演奏をしてくださる予定です。

 詳しくは後日、紹介します。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:30Comments(0)神社かみしばい

2023年01月23日

うわさの同級生コンビ


 今年も始まりました!
 毎月恒例の 「神社かみしばい」。

 昨日、伊勢崎神社にて、令和5年の幕開けを告げる新春スペシャル口演が開催されました。
 新春を飾るにふさわしく、おめでたい獅子頭が笛の音に合わせて、華麗に舞い踊りました。
 ご来社された方々には、お慶びと御礼を申し上げます。


 この 「神社かみしばい」 も3年目に入りました。
 さっかけは、興行主の石原之壽(いしはらのことぶき)君に、民話紙芝居の創作を依頼されたことでした。
 石原君と僕は、高校の同級生です。

 ということで、2年前の第1回口演の時から、地元では、ちょっとした “うわさ” になっていました。

 「あのジュンとダルマ (石原君の当時のあだ名) が、なんだか面白そうなことを始めたぞ!」
 フェイスブック等でつながっている同級生の間で、情報が駆けめぐったといいます。

 高校を卒業してから45年が過ぎています。
 ほとんどの同級生が、卒業以来、会ったことがありません。
 そんな彼ら (男子校でした) が、“うわさ” を聞きつけて、会場にやって来るようになりました。

 この2年間で、その数は10人以上になります。


 「ジュン、久しぶり!」
 と声をかけられても、すぐには誰だか分かりません。
 しかもコロナ禍で、マスクを着用しています。
 「俺だよ、俺!」
 と、マスクを取った顔の中に、面影を探します。

 「おおおおおーーー!」
 と、感動の再会を何度となくしてきました。


 「ジュンもダルマも、変わらねーな」
 「そんなことはないだろう? 俺は白髪で、ダルマは坊主だぜ!」
 「外見じゃ、ねーよ! やっていることがさ」
 ごもっともで……

 思い返せば、予せん会などの学校行事で、ステージに上がっていたのは、やっぱり僕と石原君でした。
 そんな旧友同士が、45年ぶりにタッグを組んだのです。
 であれば、音信不通だった同級生たちだって、物珍しさにやって来ます。


 昨日は、I 君が顔を出しました。
 彼と僕は、高校の3年間、同じクラスでした。
 2年前に、真っ先に駆けつけてくれた同級生の一人です。

 「ジュン、相変わらず、ご活躍だね」
 「えっ、何が?」
 「S (同級生) からメールが届いたぜ」
 と差し出したスマホには、僕が高崎のフリーペーパーに連載している記事が写っていました。
 「Sは高崎市に住んでるの?」
 「ああ、ジュンに会いたいってさ。今度、連れてくるよ」

 そう言って I 君は、会場で販売している僕の本を手に取りました。
 「今日は、これを買っていくよ」
 彼は、来るたびに、必ず僕の本を買っていってくれるのです。
 「また、同級生に自慢するんだ」
 I 君は、うれしそうに帰っていきました。


 アクションを起こせば、誰かが見ていてくれます。
 その誰かが、また誰かを連れ来てくれます。
 時には、大きな時間の流れを超えて、懐かしい人たちがやって来てくれます。

 雨にも風にも日照りにも負けず、今年も一年間頑張り通したいと思います。
 よろしくお願いいたします。


 ※次回2月口演は2月19日(日)。新作紙芝居の初上演となります。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:17Comments(0)神社かみしばい

2023年01月15日

「玉村かみしばい」 開催決定!


 “アクションを起こす”

 若い頃から、そう自分に言い聞かせて生きてきました。
 人生で、二者択一の選択を迫られる場面では、必ず “動き” を伴う手段を選びました。

 成功するも失敗するも、確率は2分の1。
 だったら、やらずに後悔するくらいなら、やって後悔したほうが、その後の人生の糧(かて)になると思うからです。

 2年前に高校の同級生から誘われて始めた、伊勢崎市で毎月開催している 「神社かみしばい」。
 迷うことなく、“アクションを起こす” という理由から制作と運営の協力を引き受けました。


 アクションは、一朝一夕には伝わりません。
 コツコツ、コツコツと続けることに、意味があります。
 そして、忘れてはならないのが、「どこかで誰かが見ている」 ということ。

 みなさんは、覚えていますか?
 昨年の6月、突然、2人の首長が街頭紙芝居の会場に現れた話を?
 ※(当ブログの2022年6月20日 「2つの舞台と2人の首長」 参照)

 視察に来られたのは、伊勢崎市の市長と、隣接する玉村町の町長でした。


 あれから半年。
 玉村町からオファーが来ました!
 「玉村町でも紙芝居をやってほしい」 と。

 ということで、下記の場所と日時で、第1回 「玉村かみしばい」 を開催することになりました。
 もちろん、玉村町にまつわる伝説や民話をもとにした創作紙芝居の上演を予定しています。

 尚、開催時間については、まだ暫定的なものです。
 詳細が決まり次第、追ってご報告いたします。


 玉村町のみなさ~ん、紙芝居がやって来ますよ~!
 楽しみに待っていてくださいね!



     「玉村かみしばい」 第1回口演
 
 ●日時  2023年3月21日(火・春分の日)
        10時、11時、12時、13時 (予定) 
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 11:30Comments(4)神社かみしばい

2023年01月11日

「神社かみしばい」 新春スペシャル公演



 「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」
 と、座長が申しております。


 早いもので、毎月開催している 「神社かみしばい」 も丸2年が経ち、今月から3年目に入りました。
 新年第一回目となる1月口演は 「新春スペシャル公演」 と銘打ち、おめでたくもにぎやかに、獅子頭舞いが登場いたします。

 新しい年のスタートに、景気をつけましょう!
 スタッフ一同、ご来社をお待ちしております。


 演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社 座長)
 文/小暮 淳 (フリーライター)
 画/須賀りす (画家・イラストレーター)


 
   「神社かみしばい」 令和5年新春スペシャル公演
 
 ●日時  2023年1月21日(土)、22日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮・須賀は22日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:59Comments(0)神社かみしばい

2022年12月12日

納演 ~紙芝居から見つめた十二ヵ月~


 1年12ヵ月×1日4回=48口演

 昨日、今年最後の口演を無事、納めることができました。
 今年も1年間、「神社かみしばい」 に御来社いただき、ありがとうございました。


 僕は、この2年間で96回の口演を共にしたことになります。

 きっかけは3年前の夏のこと。
 高崎市で開催された僕の講演会に、興行主で同級生の石原之壽(いしはらのことぶき)君が現れ、聴講したのが事の始まりでした。
 講演のテーマは、「ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台」。
 群馬県内に伝わる民話や伝説の話を、たっぷり2時間にわたり講話しました。

 講演終了後、僕に駆け寄るなり彼は、こう言いました。
 「地元の民話を紙芝居にしたい。ついては、ジュンに物語を書いてほしい」


 話はトントン拍子で進み、作画は共通の友人である画家の須賀りすさんに依頼し、めでたく昨年1月にお披露目となりました。

 街頭紙芝居の会場に選んだのは、由緒ある伊勢崎神社。
 なんと、ここの宮司も僕らの同級生なのです。
 陳情に伺うと、2つ返事で快諾をいただき、月に1回、境内を貸していただくことになりました。


 あれから丸2年……
 雨の日も風の日も、照りつける猛暑日も、僕ら3人は口演を続けてきました。

 「なんでもコツコツと」
 「そう、継続こそ力なり」
 を合言葉に続けていると、それなりに良い事は起こるものです。

 新聞やテレビが取材に来ることも、たびたびありました。
 そして、なによりも最大のサプライズは、前橋市在住の絵本作家・野村たかあき先生が僕らの活動に賛同してくださり、「焼きまんじゅうろう」 という群馬のニューヒーローを産み出し、紙芝居として提供してくださったことです。
 「焼きまんじゅうろう」 は、すでにシリーズ3作目を数えます。

 そして満を持して、我々もデビュー作の 『いせさき宮子の浦島太郎』 に続く、ご当地紙芝居の第2弾を現在、制作中であります。
 来年早々には、お披露目となりますので、ご期待ください。


 今年も一年間、大変お世話になりました。
 ご来社いただいた方々には、心より御礼申し上げます。
 ありがとうございました。

 来年1月は、新春スペシャル口演となります。
 おめでたい獅子舞いが登場しますので、初詣がてら友人知人、ご家族連れでお越しください。

 “福” を用意して、お待ちしております。 



    「神社かみしばい」 令和5年新春スペシャル口演
 
 ●日時  2023年1月21日(土)、22日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は22日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:31Comments(0)神社かみしばい

2022年12月07日

「神社かみしばい」 12月口演


 大人には懐かしく、子どもには新しい、昭和の娯楽 「街頭紙芝居」。
 飴をなめながら、笑いながら、ハラハラ、ドキドキ、ワクワクしながら……

 いよいよ今年も残り1ヵ月を切りました。
 2022年最後の 「神社かみしばい」 を開催します。
 お誘いあわせの上、暖かい格好でお越しください。

 お待ちしております。



    「神社かみしばい」 12月口演
 
 ●日時  2022年12月10日(土)、11日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は11日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:36Comments(0)神社かみしばい

2022年11月15日

「神社かみしばい」 11月口演


 月日が経つのは、本当に早いものです。
 コロナだ! コロナだ!と騒いでいても、月日はめぐってきます。
 そして、そこには確かな足跡と新たな歴史が刻まれていくのです。

 2021年1月。
 そんなコロナ禍に、僕らが旗揚げした 「神社かみしばい」。
 僕らとは、興行主 「壽ちんどん宣伝社」 の座長、石原之壽(いしはらのことぶき)くんと画家の須賀りすさん、僕の3人です。

 石原君は、高校の同級生。
 須賀さんは、過去に僕と絵本を作ったパートナーです。
 そして石原君と須賀さんは、ともに同じアマチュアちんどん倶楽部の座員でした。

 そんな3人でコロナ禍に始めたのが、地元の民話を題材にした紙芝居の制作および上演でした。
 第1弾の 『いせさき宮子の浦島太郎』 は、地元の人にも知られていない民話であり、その物語の意表さがメディアの目に留まり、新聞やテレビでも話題になりました。


 そんな僕らの活動に、賛同して作品を提供してくださったのが、前橋市在住の絵本作家・野村たかあき先生でした。
 群馬のニューヒーロー、「焼きまんじゅうろう」 を主人公にした痛快時代活劇は、現在、シリーズ3作を上演中です。

 ただ今、来年の口演2周年を迎えるにあたり、新作の民話紙芝居を制作しています。
 近々、お披露目となります。
 良い子のみなさん、昔良い子だった大人のみなさん、首を長~くして待っていてくださいね!


 今月の 「神社かみしばい」 の日程は、下記のとおりです。
 たくさんの方のお越しを、お待ちしています



    「神社かみしばい」 11月口演
 
 ●日時  2022年11月19日(土)、20日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は20日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:32Comments(2)神社かみしばい

2022年10月05日

「神社かみしばい」 10月口演


 やっと朝晩が涼しくなり、秋のさわやかな空気を感じるようになりました。
 寒くなく、熱くなく、天高く、絶好の “街頭紙芝居日和” の到来です!

 早いもので、僕が街頭紙芝居のお手伝いをするようになって、2年目の秋を迎えました。
 初回が2021年1月ですから、今月で22回目の口演となります。


 高校時代の同級生から 「地元を舞台にした民話の紙芝居を作りたい」 と相談されたのが始まりでした。
 以来、彼の故郷、伊勢崎市での月一口演が、いつしか僕のライフワークになりました。
 会場のセッティングや観客への飴玉配り、後片付け……
 その合間に、自分の著書などを販売しています。

 この口演を通じて、学んだことがあります。
 それは、「子どもの笑顔は地域の宝だ!」 ということ。
 知っていたようで、実は気づいていなかったことだと知らされました。


 口演主の石原之壽(いしはらのことぶき) 君は、現在、茨城県土浦市に住んでいます。
 地元では、ちんどん屋の興行のかたわら、「つちうら駄菓子屋楽校」 の校長も務め、地域の子どもたちに昭和の遊びを教えています。

 そんな、子どもが大好きな彼が演じる街頭紙芝居は、毎回、子どもたちの笑い声が絶えません。
 何より僕が驚いたのは、彼は紙芝居を演じるだけでなく、子どもたちに紙芝居を作らせてしまうこと。

 「おっちゃん、はい、これ」
 「わたしも作って来たよ」
 と、常連になった子どもたちは、自分で考えた創作紙芝居やクイズを画用紙に描いて、持ってくるのです。

 「よーし、今日は○○ちゃんが作ってくれた紙芝居をやりましょう!」
 「これは、××くんが作ったクイズです。分かるかな~?」


 その光景を、僕は毎回、感心しながら見ています。  
 彼は、「子どもと友だちになれるんだ」 と。

 【子どもたちの笑顔と元気は宝】
 そう唱え続ける同級生の活動のお手伝いを、今後も微力ながら続けていきたいと思います。



     「神社かみしばい」 10月口演
 
 ●日時  2022年10月8日(土)、9日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は9日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:24Comments(2)神社かみしばい

2022年09月20日

紙芝居ファン垂涎の書


 “絵と喋りのアナログ芸”

 う~ん!
 この言葉に、思わず唸ってしまいました。
 まさに、「紙芝居」 を言い表しています。

 なんでもかんでもデジタルで、ネット社会と化した令和の時代。
 だからこそ、なんでしょうね。
 昭和の香り漂うアナログの世界が、静かなブームとなっています。


 満を持してか、熱烈なファンらの要望からか、垂涎の紙芝居本が出版されました!

 『現代紙芝居読本 ~お代は観てのお帰りに~』
 現代紙芝居研究会・著 ライティング工房・発行
 頒布価格 800円


 僕は2年前、高校の同級生と再会したことが、きっかけで、紙芝居を上演する活動を行うようになりました。
 同級生の名前は、石原之壽(いしはらのことぶき)。
 プロの紙芝居師です。

 出身は群馬ですが、現在は茨城県土浦市在住。
 「壽ちんどん宣伝社」 の座長を務めるかたわら、「つちうら駄菓子屋楽校」 の校長として、地元の子どもたちに紙芝居をはじめとする昭和の遊びを教えています。

 そんな彼と意気投合して始めたのが、昨年1月から毎月開催している 「神社かみしばい」 です。
 「ふるさと群馬のために、何かできないだろうか?」
 との思いから、民話を題材にした紙芝居や創作紙芝居を作り、上演しています。


 『現代紙芝居読本』 の中に、こんな一文があります。

 <一般的に区分されてきたのが、「街頭紙芝居」 と 「教育紙芝居」、あるいは 「手描き紙芝居」 と 「印刷紙芝居」 の区分です。>

 そして本書では、紙芝居の歴史を分かりやすく解説しています。
 明治時代には、すでに “絵と喋り” の芸があったようですが、庶民に広まったのは戦後の街頭紙芝居でした。
 飴屋や駄菓子屋が、お菓子を売る際に、人寄せとして紙芝居を始めたのが原点だといいます。
 やがて高度経済成長期となり、テレビの普及とともに街頭紙芝居も姿を消しました。
 わずかに残ったのが、小学校で教材として使われた 「教育紙芝居」 でした。
 それも、今は無くなってしまいました。

 現在、残っているのは幼稚園や保育所で読まれている 「幼児紙芝居」 くらいかもしれません。


 本書では、そんな歴史から進化する現代の紙芝居まで、事細かに記されています。
 もちろん、石原之壽くんも 「現代紙芝居のプレーヤーたち」 の章で、全国21人の紙芝居師の一人として、その活動が紹介されています。


 興味を持たれた方は、ぜひ、ご一読ください。
 ただし、一般書店では販売されていません。
 毎月開催している 「神社かみしばい」 (伊勢崎市) の会場か、もしくは下記まで問い合わせを。

 ●壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480 (石原)
   


Posted by 小暮 淳 at 12:31Comments(0)神社かみしばい

2022年09月13日

「神社かみしばい」 9月口演


 ≪生まれは関東、上州でやんす。大利根の清き流れに産湯をつかい、からっ風に育てられ、義理と人情のためならば、ガブッと焼きまんじゅうを頬張って、悪を憎んで、弱きを助け、西東。姓は 「焼き」、名は 「まんじゅうろう」。あま辛みそダレの股旅野郎とは、おいらのことよ!≫


 群馬のニューヒーロー、「焼きまんじゅうろう」。
 昨年9月に彗星のごとく街頭紙芝居に登場するや、あれよあれよのうちに人気者になりました。

 1作目の 「焼きまんじゅうろう 旅すがた~おきりとおこみの巻」 で紙芝居デビュー。
 2作目の 「焼きまんじゅうろう 旅すが~宿場につめてぇ風が吹く」 が大当たり!
 この玉村宿 (現・玉村町) を舞台にした紙芝居は、「焼きまんじゅうろう旅姿~玉村宿の決闘」 と演題を変え、今年の5月には落語となり、県立土屋文明記念文学館にて上演されました。


 そして、紙芝居登場1周年を迎えた今月。
 早くも第3作が披露されることになりました。
 タイトルは、「焼きまんじゅうろう 旅すがた~上州のおっかさんの巻」 。
 作・画は、もちろん絵本作家の野村たかあき先生です。

 またしても 「どどめ一家」 が、詐欺をはたらき、やりたい放題。
 そこへ、にっくき悪党どもを懲らしめに現れた焼きまんじゅうろう。
 必殺技 「あまから剣法 みそダレ返し」 が冴えわたる。

 そして、あの、決めゼリフが!
 「目に染みたか、身に染みたか、心に染みたか」

 会場では、みなさんもぜひ一緒に、ご唱和ください。

 「目に染みたか、身に染みたか、心に染みたか」


 たくさんの方のおいでを、お待ちしています。



     「神社かみしばい」 9月口演
 
 ●日時  2022年9月17日(土)、18日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は18日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:59Comments(0)神社かみしばい

2022年08月15日

やはり街頭に置け紙芝居


 「オンラインで、お願いできますか?」

 長引くコロナ禍、相変わらず、このようなメールが多く寄せられます。
 仕事の打ち合わせやイベント出演の依頼です。

 申し訳ない話、僕は生粋の “昭和人間” であります。
 仕事柄、仕方なくパソコンは使用していますが、携帯電話は、いまだガラケーです。

 当然ですが、急に非接触を求められるコロナ禍になったからといって、オンラインの環境は整ってはいません。
 ので、すべて丁重にお断りしています。

 ただし無観客でも、会場やスタジオから生配信するオンライン講演だけは、2回ほどお受けしました。
 無観客といえども現場には、主催者やスタッフが数名いるわけですからね。
 いつも通り、マイクを使った講演ができるわけです。


 最近、つくづく時代の未来化が進んでいると実感します。
 コロナ禍がそれに、一気に加速をつけています。

 便利になることは、良いことです。
 だから僕は、あらがいません。
 できることはするけれど、できないことはしないだけです。


 昨日は、月に一度の 「神社かみしばい」 の開催日でした。
 「神社かみしばい」 とは、2年前から僕と仲間が神社の境内で上演している街頭紙芝居のことです。
 ※(詳しくは当ブログのカテゴリー 「神社かみしばい」 参照)

 台風一過の昨日は、絶好の “紙芝居日和” でした。
 4回の口演は、満員御礼とはなりませんでしたが、全回、ほどほどにお客さんが入り、楽しい一日となりました。


 盆休み中ということもあり、市外や県外から来たお客さんが多かったようです。
 その中の一人に、東北から来られた方がいました。
 口演終了後、その方が主催者である紙芝居師の石原之壽(いしはらのことぶき)くんに言いました。

 「オンラインでも出演してもらえますか?」


 僕は隣で、2人の会話を聞いていました。
 石原くんは、
 「できないことはありませんが……」
 と、歯切れの悪い返事です。

 結局、名刺交換をして、後日、連絡を取り合うことになったようです。


 なんでも、かんでも、オンライン?
 ビジネスならば、それも、いいでしょう。
 “拙速をたっとぶ” こともあるでしょうから。

 でも、紙芝居は娯楽です。
 しかも、会場の雰囲気までもを楽しむ総合娯楽です。
 「できないことはない」
 と彼が言ったのは、その辺の不安が頭をよぎったからかもしれません。


 『手に取るな やはり野に置け蓮華草』

 この言葉になぞるなら、街頭で演じるからこそ、“街頭紙芝居” なのであります。

 街の雰囲気や観客の笑い声……
 駄菓子をほおばり、おもちゃで遊ぶ子どもたちの笑顔…… 

 たぶん、これらはオンラインでは、届けられないと思います。


 昭和~平成~令和と、世の中は便利になりました。
 でも、ちょっと足を止めて、“今” を見つめてみませんか?

 「これ以上、便利にならなくてもいいよ」

 そんな時代の本音が聞こえてきませんか?
    


Posted by 小暮 淳 at 11:06Comments(0)神社かみしばい

2022年08月09日

「神社かみしばい」 8月口演


 テレビの力って、スゴイですよね。

 ていうか、なんだか最近、やたらとテレビで群馬ネタの露出が多いと思いませんか?
 「秘密のケンミンSHOW」 とか 「オモウマい店」 とか、群馬のB級グルメが紹介されています。

 もしかして今、時代は群馬熱?


 僕らも、この群馬熱にあやかっています。
 6月初旬、伊勢崎市の竜宮伝説が 「ナニコレ珍百景」 にて紹介されました。
 すると、口演会場に 「テレビを観ました」 という観客が県内外から、やって来るようになりました。

 僕らとは、紙芝居師の石原之壽くんと画家の須賀りすさんと僕です。
 3人で地元の民話を紙芝居にして、1年半前から毎月、伊勢崎神社の境内で街頭紙芝居を行っています。


 『いせさき宮子の浦島太郎』
 これが 「ナニコレ珍百景」 で放送された龍神宮という神社を舞台にした民話紙芝居です。

 なぜ、海なし県の群馬に浦島太郎伝説なのか?

 謎が謎を呼んで、テレビ放送以降、地元のメディアも取材に来ました。
 ついには、伊勢崎市長までもが視察に訪れました。


 依然、猛暑日が続いていますが、神社の境内には大きなケヤキの木があり、木陰は時おり涼風が吹きます。
 万全のコロナ対策にて、みなさんのお越しをお待ちしております。

 ぜひ一度、なつかしい昭和レトロな街頭紙芝居の世界を体感しに来てください。



     「神社かみしばい」 8月口演
 
 ●日時  2022年8月13日(土)、14日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は14日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:40Comments(0)神社かみしばい

2022年07月16日

飛び出すウンコちゃん


 わろーた! わろーた!
 のは後のことで、その時は笑いをこらえるのに必死でした。


 毎月恒例の 「神社かみしばい」 での出来事。
 僕は1年半から仲間とオリジナルの民話紙芝居を作って、神社の境内で上演しています。
 ※(当ブログ 「カテゴリー」 の 「神社かみしばい」 参照)

 今月もたくさんの老若男女でにぎわいました。
 ただ、前代未聞の珍事が起きたのです。


 その回も客の入りは、ほぼ満席。
 やや後方の席に、一人の年配男性が座りました。
 推定年齢60代。

 紙芝居の上演が始まっても、キョロキョロと周りを見渡したり、モジモジと体を動かしたりと、落ち着きがありません。
 ついには立ち上がり、僕がいる販売ブースへとやって来ました。


 境内には、荷台に紙芝居を載せた自転車の前にイスを並べた “観劇ブース” と、その周りで僕の著書や画家の作品を売る “販売ブース”、それと子供たちのために、クジ引きやおもちゃを売る “駄菓子屋コーナー” が設営されています。
 当然ですが、みなさん、上演後のお楽しみに立ち寄ります。
 子供だって、その辺はわきまえています。

 ところが!

 何を思ったか、このオッサンは突然、席を離れ、ツカツカと会場を歩き回り、まず僕のブースで絵本を買い、となりのブースでは、作家のイラスト入りの手拭いとマスクを買い出しました。
 「おいおい、おっさん、今は上演中だぜ!」
 と心の中では、つぶやいたのですが、お客さんには変わりありません。
 黙って、販売いたしました。


 ところが!
 そのオッサンは、さらなる暴挙に出たのです。

 席に戻ると、おもむろに買ったばかりのイラスト入りの手拭いを広げ、頭にほっかむりをしました。
 さらに、続けざまに、かわいいイラストの描かれたマスクをかけました。

 異様な風体。
 まさに、“変なおじさん” の出来上がりです。


 僕も笑いをこらえるのに必死でしたが、一番迷惑だったのは演者の紙芝居師でしょうね。
 子供ならまだしも、いい歳をしたオッサンが、ちょこまか会場を歩き回り、買い物をした挙句、その商品を我慢できずに開けてしまい、身に着けてしまったのです。

 と、ところが!
 オッサンの暴挙は、これで終わりではありませんでした。


 ほっかむりにイラスト入りマスク姿のオッサンは、またもや会場を徘徊しだしました。
 何を思ったのが、ツカツカと僕のいるブースに近寄り、無言で100円玉を渡してきました。

 「? 」
 意味が分かりません。
 僕のブースには、100円の商品なんてありませんからね。

 すると、隣の隣の無人のブースを指さします。
 《クジ引き 1回 100円》

 えっ、マジか?
 今、上演中だぜ!

 もし子供だったら、「紙芝居が終わってからにしようね」 と、なだめるところですが、相手は僕と同年配の筋金入りのオッサンです。
 しかたなく、隣の隣の “駄菓子屋コーナー” のブースへ連れて行き、クジ引きをさせました。

 すると見事、3等が大当たり!
 跳び上がって喜ぶオッサン。
 賞品を渡すと、満面の笑みをたたえながら席へと戻って行きました。


 読者のみなさんも、なんとなく察しがつきますよね?
 この後、どんな展開になるか?

 ええ、ええ、最低最悪の暴挙に出たのです!


 3等の賞品は、「飛び出すウンコちゃん」 です。
 当然、我慢ができないオッサンは、包装袋を破り、賞品を取り出し、会場の真ん中で、遊び出しました。

 「飛び出すウンコちゃん」 とは?
 棒の先に刺さっているウンコの形をしたスポンジでできた物体が、ボタンを押すとバネの力で飛び出すおもちゃです。

 ビヨ~ン、ビヨ~ン

 紐が付いているので、何度でも戻って来ます。


 もうダメです。
 こらえていた笑いにも限界があります。

 クスクス、クスクス、まわりからは笑い声が聞こえ始めました。

 紙芝居師も必死です。
 見ても、見ないふりをしながら口演を続けています。


 でも、僕には実に奇妙な光景に映りました。
 だって最前列では、小さな子供たちが行儀よく一列に並んで、真剣に紙芝居を見入っているのです。

 一方、後列では、ほっかむりにイラスト入りマスクをしたオッサンが、“ウンコちゃん鉄砲” を楽しそうに発射しているのです。
 これが、令和の正しい庶民の図なのでしょうか?


 平和な光景ではありますけど……
   


Posted by 小暮 淳 at 12:15Comments(2)神社かみしばい