2023年04月07日
貧乏でも子どもは育つ
僕のオヤジは大正生まれで、8人兄弟姉妹でした。
僕は戦後の昭和生まれで、2人兄弟です。
すでに “団塊の世代” をピークに、少子化は始まっていたことになります。
昨年 (2022年)、我が国の出生数が80万人を割り、ますます人口減少に拍車がかかっています。
出生率 (1人の女性が生涯に出産する子どもの平均) は、1.39人。
世界で215位という少子化大国になっています。
これに対して岸田政権は、「異次元の少子化対策」 を発表。
各地の自治体でも、あの手この手と 「子育て支援策」 を打ち出しています。
たとえば、ある自治体では、高校生までの医療費の無料化、中学生の給食費の無料化など……
でも、これって、結局は金のバラマキですよね?
お金は無いより、あったほうがいいけれど、根本的な解決策にはならないように思います。
だって昭和の、今より貧しかった時代のほうが、出生率が高かったわけでしょう?
お金があれば出生率が上がるという発想って、間違ってませんかね?
ちょっと、昭和の時代と令和の今を比べてみましょう。
僕らの子どもの頃は、商売をしている家を除けば、一家で働いているのはお父さんだけでした。
ほとんどのお母さんは、専業主婦でした。
僕のオフクロも専業主婦でした。
だからって、決して裕福だったわけじゃありません。
時々、封筒貼りや造花づくりのような内職をしている姿を見かけましたもの。
それに比べ、今は夫婦共働きは、当たり前の世の中です。
昔より、経済的には裕福になっているはずです。
なのに少子化が、進んでいます。
だからお金の問題じゃないと思うんです。
一方で、気になるのが未成年の自殺数です。
年々上がり、ついに日本は世界ワースト1の自殺大国のレッテルを貼られてしまいました。
いかがです?
豊かになっても出生率が上がらず、せっかく生まれてきた子どもたちが、自ら死を選ぶ国って、おかしいと思いませんか?
この国は、何がどう変わってしまったんでしょうね?
専門家ではないので、僕に真相は分かりません。
ただ、なんとなくですが、“夢のない国” を感じるんです。
“心の貧困化” が進んでいるような気がします。
『あしたのジョー』 や 『巨人の星』 が流行った時代には、貧しさの中にも “夢を見る力” がありました。
誰もが、「いつか」 を夢見ていたし、「なんとかなる」 というお気楽な雰囲気もありました。
お金 “が” ないのではなく、お金 “は” なかった時代。
でも、お金以外の豊かなものが、身の回りにはたくさんあったんですよね。
自然とか、人情とか……
今度の日曜日は、統一地方選の投票日です。
子どもたちの未来を真剣に考えている人に、一票を投じたいと思います。
2023年04月06日
アルハラ or ノミニケ
「アルハラ」 って、ご存知ですか?
“アルコールハラスメント” の略だといいます。
いわゆる、お酒を呑みたくないのに、または、呑めないのに、強制的に会社の上司が部下を呑み会に誘うことです。
昭和~平成前期の昔は、そんなの当たり前だったんですけどね。
時代は変わったようです。
コロナ禍に大手飲料メーカーが行った、呑み会に関するアンケートによれば、収束後に復活させたいことの1位は 「花見」 だったといいます。
一方、「ないままでいい」 の1位は 「取引先との接待」、2位が 「会社の呑み会」 だったといいます。
今の時代からすれば、1位も2位も昭和の悪しき慣習の名残だとも言えます。
さてさて、僕の場合、ほんの数年ではありますが、その昔、勤め人をした経験があります。
当然、会社の忘年会や新年会、新入社員の歓迎会など、強制的な呑み会を経験しています。
また、酒の好きな上司でしたから週一の頻度で夜の街へと、くり出していました。
当時、これらの慣習のことは、「ノミ(呑み)ュニケーション」 と呼ばれ、上司にとっては大切な部下とのコミュニケーションの場だったのです。
まあ、僕の場合、根っからの酒好きですからね。
上司のおごりで、タダで酒が呑めるのですから、苦痛に感じることはありませんでした。
苦痛どころか、“ノミュニケーション” の言葉通り、酒が潤滑油となり、会社では言えないことが言え、呑み会の席で出たアイデアが、そのまま採用されたことも多々ありました。
その後、僕はフリーになりましたが、編集や出版などの打ち合わせを、あえて “呑み屋” でやることがあります。
構成や制作などの緻密さを求められる会議は、しらふのほうが良いですが、発想が求められる企画モノの場合は、断然、酒の力を借ります。
酒呑みには、“お酒の神様” が付いているんですね。
楽しく、おいしく酒を呑むと、神様が降臨してくださるのです。
「いいね、その発想!」
「ええ、今、降りてきました」
という具合です。
まあ、すべて吞兵衛の勝手で都合のいい解釈ではあります。
でも、お酒の呑めない人や、嫌な上司や苦手な取引先との呑み会に行きたくない人の気持ちは、よーく分かります。
いっくら酒の好きな僕だって、くだらない人間たちからの誘いは断りますもの。
アルハラなのか?
ノミニケなのか?
それって、たぶん、、相手しだいで変わるんじゃないですかね。
2023年04月03日
146万の知的財産
子どもの頃から僕は、親や先生から 「落ち着きがない」 「ジッとしていない」 「集中力に欠ける」 と言われて育ちました。
大人になってからは、休むと死んでしまうことから 「マグロの回遊」 なんて、揶揄されたこともあります。
また家族からは、常に家の中をウロウロと歩き回っている姿から 「動物園のクマ」 なんて言われました。
とにかく、動いていないと気が済まない性分なのです。
そんな僕とは、真逆の人たちがいます。
いわゆる “ひきこもり” をされている人たちです。
内閣府は先日、自宅にいる15~64歳のひきこもりの人は、全国に146万人との推計値を発表しました。
“ひきこもり” の定義とは?
<半年以上、家族以外とほとんど会話をしないなどの人>
とのこと。
調査によれば、現在の状態になった理由について、2割の人が新型コロナウイルスを原因に挙げていて、「学校になじめない」 「人間関係がうまくいかなかった」 と答えています。
なぜ、こんなにも、ひきこもりの人が増えたのか?
現代社会のひずみなのか?
僕は専門家でもないので、まったく分かりません。
しかも、根っからジッとしていられない性格ですから、ひきこもること自体が苦痛でしかありません。
そんな僕からしたら、「うらやましい!」 のひと言です。
だって、何時間も何日も、さらに何年もひきこもれるなんて、それって、才能ですよ!
もし僕に、ひきこもりの技術があったら、ライターなんかにならず、迷わず小説家になりましたって!
落ち着きがないために、仕方なく、取材で飛び回るライターという職業を選んだのですからね。
あ~あ、うらやましい……。
ひきこもれたなら、とっくに芥川賞か直木賞くらいは取れていたのになぁ~(嘘)
いずれにせよ、君たちには、凡人には持ち合わせていない “集中力” という才能があるのです。
その才能を、世のため人のために使わない手はありませんって!
文学でもいいし、芸術でもいい、手先が器用ならば職人になればいい。
石の上にも三年、いや、“部屋の中にも十年” こもれば、何かしらの作品を生み出せます。
君たちは、我が国が誇る “知的財産” なのだよ!
「ああ、もったいない」
これが僕の率直な感想です。
2023年03月27日
趣味と実益
質問です。
あなたは今の仕事を、なぜ選びましたか?
①好きだから ②得意だから ③たまたま ④仕方なく
僕の場合、ライターという職業にたどり着いたのは、①~④すべてだったんです。
家庭の事情で “仕方なく” 勤めた会社が、“たまたま” 出版関係でした。
でも、子どもの頃から文章を書くことは “好きだった” ので、取材を続けるうちに “得意なこと” になりました。
どんな理由で仕事を選び、どんな職業に就くかは人それぞれでしょうが、一つだけハッキリしていることがあります。
それは、“嫌いなこと” “苦手なこと” は、はなから選択肢には入っていないということです。
スポーツが苦手な人はアスリートにはならないし、動物が嫌いな人が飼育員になることはありません。
“仕方なく” “たまたま” だった人も、多かれ少なかれ、どちらかと言えば “好き” な世界を選んでいるのだと思います。
「好きこそものの上手なれ」
といいますが、趣味が仕事にできる人は、稀です。
「小暮さんは、いいですね。好きなことが仕事で」
と言う人がいますが、誤解です。
前述のように、“仕方なく” “たまたま” 選んだ仕事が、“好きなこと” で “得意になれた” だけです。
だから、仕事を趣味にしてしまった僕は、仕事以外に趣味を持っている人が、大変うらやましく思います。
温泉へ行っても、山を歩いても、酒を呑んでも……
みんな仕事になってしまうわけですからね。
今、僕が一番欲しいものは、仕事にならない趣味です(笑)。
さて、僕のようなフリーランスは別として、一般の勤め人には定年退職があります。
いわば、強制的に仕事を取り上げられてしまうわけです。
僕と同世代の人たちは、再雇用を選んだ予備軍も含め、現実問題として抱えています。
フリーランスからすれば、潤沢な資金があり、悠々自適の生活が送れて、うらやましい限りなのですが、どうも彼らの本音は違うようです。
「何をして過ごそうか?」
と、有り余る時間の訪れに、おびえているようです。
だから僕は提案します。
もう、“仕方なく” 働く必要がないのなら、“たまたま” の選択もやめ、“好きなこと” と “得意なこと” に専念した人生を送ったらいかがですか?
好きなことは、趣味となり、人生に潤いを与えてくれます。
得意なことは、実益を生み、身を助け、人を助けます。
そこまで考えて、ため息が出ました。
やっぱり、うらやまし~い!
でも、僕は宣言します。
生涯現役を貫くぞ!
(負け惜しみかもしれないけど)
2023年03月26日
満開の桜の樹の下で
離れて暮らす長女から、メールが届きました。
2葉の写真が添付されていました。
1葉目には、満開の桜の樹の下で、少し緊張気味の少年が立っています。
ネクタイをして、胸には真っ赤なコサージュを付けています。
そして手には、青いファイルのようなものを持っています。
マウスをクリックして、拡大してみました。
“卒業証書”
うっかりしていました。
もう、そんなに大きくなったのですね。
決して忘れていたわけではないのですが、日々の雑多に追われ、今日という日を失念していました。
卒業式だったのですね。
長女は17年前、高校を卒業と同時に家を出て、数年後に結婚。
その後、男児を出産。
まだ乳飲み子だった頃は、実家にも頻繁に連れてきましたが、孫が成長するにしたがい顔を合わせるのは、盆と正月と冠婚葬祭の時ぐらいになってしまいました。
今年の正月は会えなかったので、最後に長女一家に会ったのは、いつだったのか……
2葉目の写真には、孫を挟んで長女夫婦が写っていました。
やはり同じ、満開の桜の樹の下です。
やっぱり僕も人の親なんですね。
中心に映っている孫よりも、娘に目が留まってしまいます。
あどけない目元は、僕の後ろを追って、ヨチヨチ歩きをしていた子どもの頃のままですが、そこに写っているのは、どこからどう見ても、立派に子どもを育てている自信に満ちた母親の顔でした。
婿の顔にも、見入ってしまいました。
初めて我が家に来て、「娘さんをください」 と言ったときの、ひ弱な青年とは似ても似つかない貫禄がありました。
父親の顔です。
K (孫の名)、卒業おめでとう!
いよいよ、来月からは中学生だね。
何部に入るのかな?
どんな将来の夢を抱くのかな?
何も力になってやれないダメ祖父だけど、陰ながらKの人生を応援しています。
長女のメールによれば、孫は声変わりもして、身長も娘をもうすぐ越すぐらいだといいます。
そして最後は、こう締めくくられていました。
≪じぃじと温泉に行きたいって、何年も言ってるから行ってあげてね≫
ふと、死んだオヤジの顔が浮かびました。
まだ元気だった頃、僕と息子と3人で温泉施設に行ったことがありました。
その時、息子に背中を洗ってもらっているオヤジが、「ああ、しあわせだ」 と何度も何度も言っていたことを……
時は、めぐっているんですね。
ついに、僕が孫に背中を洗ってもらう番が来たようです。
満開の桜の樹の下の3人が、ピカピカに輝いていて、ただただ愛おしくて、いつまでも写真を眺めていました。
2023年03月23日
スマホ ・ ラーメン ・ オオタニサン
「巨人・大鵬・玉子焼き」
といえば昭和の時代、高度成長期の日本人が好きなものを挙げた流行語です。
プロ野球の巨人軍 (ジャイアンツ)、力士の大鵬、そして当時は、まだ高かった卵を贅沢に使った玉子焼き。
子どもから大人まで、国民みんなが大好きでした。
令和の現代、これに替わる3つって、何でしょうね?
まず、ツイッターやユーチューブなどSNS関連ですかね。
アナログ人間の僕は、まだガラケーですが、周りはみんなスマホです。
気が付けば、子どもから年寄りまで、スマホだらけ。
食べ物は、やっぱりラーメンです。
寿司、焼き肉、カレーライスなんかも候補に挙がりそうです。
そして、ヒーローならば絶対に、この人!
“大谷翔平”
なんで、あんなにカッコいいんですかね?
一挙手一投足が、すべて絵になるスーパースターなんて、今まで見たことがありません。
そういえば、今回のワールド・ベースボール・クラシック (WBC) の観客席で、「妻より大谷」 「妻より翔平」 というプラカードを掲げていた人が話題になりました。
思わず笑ってしまいましたが、人を虜にするということは、こういう事なんですね。
熱狂心というのは、「好き」 や 「愛している」 といった平易な言葉では、表現できないということ。
自分の一番大切なものと比較してこそ、伝わるのです。
そういう野球オンチの僕も今回は、オオタニサンの魅力に骨抜きにされました。
なんで今回は、こんなにも夢中になって、野球を観ているんだろう?
と自問自答した結果、野球を観ているのではなく、大谷翔平を観ていることに気づきました。
ヘルメットを脱ぎ捨てて、全力で走る姿。
塁に出ると、ベンチを鼓舞するように雄たけびを上げるパフォーマンス。
そして、優勝が決まった瞬間には、グローブと帽子を放り投げて、チームメイトに駆け寄る姿には、60歳過ぎたオッサンでも胸がキュンとしました。
テレビのコメンテーターが、「同じ時代を生きてて良かった」 と言ってましたが、決して大げさではないと思います。
こんなスーパースターが日本にはいるんだ!
と喜んでみたものの、一抹のさみしさも……
オオタニサンは、日本にはいません。
日本の宝は、世界の宝となって、手の届かないところへ行ってしまったという寂莫感。
それでも日本のために世界と戦ってくれた大谷翔平に感謝!
そして、共に戦った侍ジャパンの全メンバーに、心よりお礼を申し上げます。
感動と幸福な時間を、ありがとうございました。
(今日からは野球嫌いの以前の僕に戻ります)
2023年03月18日
潜在意識は告げる
また、リアルで不思議な夢を見ました。
場所は、スーパーマーケットの駐車場。
一台の軽自動車が暴走して、突っ込んできました。
駐車してあるクルマに、次々と衝突していきます。
さらに、バックと前進を繰り返し、見るからに故意的に暴走しています。
そこで、僕は正義感まる出しに、その軽自動車の前に立ちふさがりました。
クルマを止め、運転席の犯人を引きずり出すと、周囲にいた数人の男性客とともに、取り押さえました。
やがてパトカーが来て、警察官に犯人を引き渡しました。
たぶん、ニュースやドラマで見たことのある場面を組み合わせて作ったストーリーなんでしょうね。
それにしても、夢の中の僕は、勇気がありました。
現実ならば、110番通報をするだけかもしれません。
さて、これは何を暗示しているのでしょうか?
夢占いによれば、「知らない人を逮捕する夢」 は吉夢だそうです。
気分が充実していて、非常にポジティブな状態。
心に迷いやあせりがなく、進むべき方向がはっきりと見えているとき。
目標へ向かって、しっかり前進していることを暗示しているとのことでした。
ここまでだと、良いことづくめなのですが、実は、僕の夢には続きがあります。
このあと、なぜか僕は警察官となって、犯人を護送しているのです。
「えっ、一般市民が犯人を取り押さえただけじゃなかったの?」
と、夢の中の僕でさえ、戸惑っています。
「警察官になる夢」 は、正義感が強くなっている証拠。
身近に社会的ルールを守らない人がいると感じているのかもしれません。
ただし同時に、自分の強引な面が、他人から信頼や信用を失う出来事が起こる暗示ともいえます。
知らないうちに、自分の言動が威圧的になっている可能性があります。
相手の立場や状況を踏まえた思いやりのある態度をとるように心がけたほうが良いようです。
“唯我独尊”
確かに若い時は、自分を信じるあまり、周りの人たちを振り回したことが多々ありました。
歳を重ねるうちに、だいぶ和らいだと思っていたんですけどね。
もしかすると、知らず知らずのうちに 「俺が俺が」 という傲慢さが現れてきているのかもしれません。
反省!
夢のお告げに従い、もっと謙虚に生きていくよう心がけたいと思います。
2023年03月17日
まだ田中実に会っていない
ギネス世界記録には、面白い保持者がいるものです。
先日、セルビアという国のイベント会場に、大勢の女性が集まりました。
その数、256人。
驚くべきことに、彼女らの名前は全員 「ミリツァ・ヨブァノビッチ」 さん。
イベントは、「同姓同名の最大の集まり」 ということで、ギネス世界記録に認定されました。
あれ?
似たような話を以前、聞いたことがあります。
そうそう、日本でもありましたよね。
昨年10月、渋谷区の会場に178人の 「タナカ ヒロカズ」 さんが集まり、「同姓同名の最大の集まり」 として、ギネスに認定されたというニュースです。
でも、この記録は、数カ月で破られてしまったということです。
で、僕は思いました。
日本ならば、「タナカ カズヒロ」 さんより、もっと多い同姓同名の人たちがいるのでは? と……
この人たちが集まれば、必ずや記録を日本へ奪回できます。
ということで、「同姓同名全国ランキング」 なるものを調べてみました。
すると!
1位は 「田中実」 で約5,300人いるそうです。
ちなみに2位は 「佐藤清」 約4,900人、3位は 「佐藤正」 約4,800人、4位は 「佐藤進」 約4,700人、5位は 「高橋清」 約4,600人でした。
やっぱり多い名字の人が、上位を占めています。
10位までは全員、田中、佐藤、高橋、鈴木でした。
では、女性は?
上位3人は、「佐藤和子」 「佐藤幸子」 「鈴木和子」 でした。
なんだか、男性も女性も昭和を感じる名前ですね。
それも、戦後間もなくの頃の高度経済成長期の昭和です。
だって僕ら世代ですらクラスメートに、田中実君も佐藤和子さんもいませんでした。
いずれ昭和ネームからキラキラネームへと変わっていくのかもしれませんね。
僕は、いまだかつて 「田中実」 さんにも 「佐藤和子」 さんにも、お会いしたことがありません。
みなさんの周りには、いらっしゃいますか?
2023年03月15日
野球オンチのにわか観戦
まだテレビが一家に一台だった昔。
テレビ番組のチャンネル権は、世帯主のものでした。
まあ、だいたいの家庭では、テレビ正面の特等席には、お父さんが座っていました。
ご多分にもれず、我が家もオヤジが座っていました。
しかも、オヤジは大の野球好き。
それも巨人フォンで、長嶋茂雄命という、もう絵に描いたような典型的な “昭和のおやじ” だったのであります。
当然、毎晩、ゴールデンタイムのテレビ番組は、野球放送となります。
令和の今ならば、見たい番組は別の部屋のテレビで観るか、録画をして後で観ればいいだけのことですが、当時には考えられないことです。
一台のテレビを、家族全員で観るのが当たり前。
しかも、子どもにはチャンネル権はありません。
「ちょっとだけ、マンガ観せてよ」
と言いたいのですが、“昭和のおやじ” の権力は絶対的なものですから、僕もアニキも何も言えません。
こっそり、オフクロに言ったことがありました。
「かーちゃんから話してくれないかな? ちっとだけでいいんだ。チャンネル替えていいか訊いてくれよ」
すると、ピシャリと返されました。
「お父さんが買ったテレビです」
きっと、僕の野球嫌いは、そんな環境で育ったからだと思います。
「あんなスポーツのどこが面白いんだろう?」
と思ったのはアニキも同じだったようです。
中学生になり、アニキはテニス部に、僕は卓球部に入りました。
時はめぐり、令和5年3月。
第5回ワールド・ベースボール・クラシック (WBC) が開幕中です。
日本代表の 「侍ジャパン」 は、1次リーグB組を4連勝で1位通過と、快進撃を続けています。
テレビでも呑み屋でも、話題はWBC一色。
野球オンチの僕の耳にも、否応なしに情報が入ってきます。
ついつい引き込まれて、野球通の人たちの話を聞き入ってしまいます。
やっぱ、今年の 「侍ジャパン」 は役者がそろっているからなんでしょうね。
大谷翔平、ダルビッシュ有、佐々木朗希、村上宗隆という選手の名前ば、野球ファンでなくとも知っています。
知っている選手がいるということは、野球オンチでも観戦しやすくなります。
で、気が付いたら、まったく野球に興味のない僕も、テレビの前に釘付けになっていました。
(プロ野球も高校野球も観ない僕にとっては、初体験なのです)
もちろん、酒を呑みながらなのですが、気づいたことがありました。
「野球は、日本酒に合う!」
ということ。
走り続けるサッカーやラグビーと違い、先攻と後攻があり、攻撃と守備が入れ替わるという “節目” があるのがいい。
さらに、投手と打者のかけ引きの “間” が、日本酒を口に運ぶスピードと合っています。
(サッカーだと、目を離した瞬間に点が入っていることがありますから)
何より吞兵衛にありがたいのは、チェンジの際にコマーシャルが入ること。
安心してトイレへも行けます。
さて、いよいよ明日は準々決勝です。
オータニさん! 村神様! たっちゃん!
お酒を美味しくしてくださいな。
2023年03月14日
情けないハナシ
「奥歯が無いから、前歯に負担がかかっているんですよ」
「あ゛い゛」
「根っこが残っているか、レントゲン写真を撮りますね」
「あ゛い゛」
立て続けに、2本の差し歯が抜けました。
ともに上の前歯です。
以前は、すべて自前の歯が揃っていることが自慢だったんですけどね。
ところが還暦を過ぎてから、次々と歯が抜けて、差し歯のオンパレードになってしまいました。
確実に、老化の波が押し寄せています。
「残っていますね。大丈夫そうですよ」
「よ゛がっだ」
「もう一度、芯を入れなおして、新しく作り直しましょう」
「よ゛ろ゛じぐお゛ね゛がい゛じま゛ず」
「では、型を取りますね」
「あ゛い゛」
なんとか、再生可能なようでホッとしました。
ところが、型を取り終わった後、歯科医は、こんなことを言いました。
「今回は、なんとかなりましたが、これ以上進むと、入れ歯になりますよ」
ぎっ、ぎきぎぎぇーーーー!
いっ、いいい入れ歯ーーー!
まさか、我が人生に “入れ歯” という文字が登場するとは、思いもよりませんでした。
「入れ歯」 = 「老人」
いやだ!いやだ!いやだ~!
老いは、知らず知らずのうちに、忍び寄って来るのですね。
みなさ~ん、歯は大切にしましょうね。
ハナシのハナシでした。
2023年03月09日
温泉という名の銭湯
その昔、まだ僕が温泉本を出版していない頃。
JR東日本が発行している 『駅からさんぽ 両毛線』 という冊子の取材で、両毛線沿線の銭湯をすべてめぐったことがありました。
新前橋駅 (群馬県)~栃木駅 (栃木県) まで、当時、営業していた全駅の全銭湯を調べ上げ、何カ月もかけて入浴してきました。
当然、取材ですから風呂に入るだけではなく、経営者に苦労話なども聞いて書きました。
その後、僕は温泉へと惹かれ、平成21(2009)年に初の温泉本 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社)、翌年に 『群馬の小さな温泉』(同) を出版しました。
すると時を同じくして抜井諒一さんが、『群馬伝統 銭湯大全』(クレインダンス) を出版しました。
抜井さんはWebサイト 「めっかった群馬」 の編集長で、当時 (平成22年2月現在) 群馬県内に29軒あった銭湯を、すべて取材して、一冊の本にまとめました。
“温泉” と “銭湯”
似て非なる、非して似ている2つの伝統文化。
その本を書いた2人の対談を企画した新聞社があり、初めて抜井さんとお会いしました。
僕よりは、かなりお若い方でしたが、並々ならぬ銭湯愛にあふれていました。
2時間以上にわたる対談でしたが、温泉と銭湯に共通していたのは、日本人の “湯” へのこだわり。
まさに、そこには柔道や剣道、茶道や華道に相通ずる 「湯の道」 があったのです。
と、いうこで、今話題の映画 『湯道』 を観てきました。
湯の道と書いて、「ゆどう」 と読みます。
監督は、「HERO」 や 「プリンセス トヨトミ」、「本能寺ホテル」 などの鈴木雅之。
企画・脚本は、「おくりびと」 でアカデミー賞外国映画賞を受賞した小山薫堂。
そして主演は、生田斗真と濱田岳。
その他、小日向文世、吉田鋼太郎、柄本明ら豪華キャストが脇を飾ります。
ストーリーは、亡き父が残した実家の銭湯 「まるきん温泉」 に突然帰ってきた長男と、跡を継いだ次男とのマンション建て替えをめぐるドタバタ劇。
そこに下町人情たっぷりのお節介な面々が加わり、さまざまな人間模様が繰り広げられます。
まだ観ていない人のために、内容の解説はここまでにしますが、特筆すべきは、とにかくリアル!
僕は完全に、現存する銭湯でのロケだと思っていたのですが、すべて一から作り上げたセットだったんですね (観終わってから知りました)。
でもね、確かに違和感はあったんです。
まず、風呂場のデザイン。
浴槽が洗い場の中央にありました。
ということは、設定は関西?
(関東では、ふつう浴槽は奥にあります)
それとタイル絵の富士山。
こちらは、関東の定番です。
(東西折衷のようです)
極めつきは、屋号の 「まるきん温泉」 です。
(関東ならば、「○○湯」 ですもの)
銭湯のことを “温泉” と名乗るのは、完全に関西です。
まあ、映画の楽しみ方は、いろいろです。
温泉ファンも銭湯ファンも、また両方好きな方も、みんなが楽しめミュージカル仕立てのエンターテインメントお風呂ムービーです。
ぜひ、ご覧ください。
2023年03月08日
死に急ぐ子どもたち
<これまで以上に自殺リスクが高い状態が続く可能性が高い>
そう、さる大学教授が発表したのは、2年前のことでした。
何についてのコメントかといえば、コロナ禍で急増した18歳以下の子どもたちの自殺についてです。
※(当ブログの2021年2月20日 「コロナに惑う子どもたち」 参照)
その推測は、残念ながら的中してしまいました。
昨年、2022年に自殺した小中高生は暫定値で512人となり、初めて500人を超え、過去最多となる見通しであることが、文部科学省などのまとめで判明しました。
年々、右肩上がりに子どもたちの自殺が増えています。
我が国を憂うことは多々ありますが、“世界一の自殺国” というレッテルだけは、受け止めることができません。
いったい、いつから日本という国は、こんなにも子どもたちにとって、生きづらい国になってしまったのでしょうか?
先日、さらにショッキングな新聞記事を目にしました。
コロナ禍直前の2020年1月、自民党の参議院議員がSNSで 「あなたのために政治ができることを教えてください」 と質問したところ、20~30代の若者から 「苦しまずに自殺する権利を法制化してほしい」 という要望が殺到したといいます。
「死ねなかった子どもたちは、大人になっても死ぬことを考えている」 ということですか?
子どもや若者が死にたくなる国に、未来はあるのでしょうか?
きっと毎日の中に、ワクワクやドキドキが、無くなってしまったんでしょうね。
生きていることを楽しめなくなってしまっているようです。
原因は?
分かりません。
でも、世の中が便利になりすぎたことも無関係ではないように思います。
便利になったぶん、人と人が手をかけてコミュニケーションを取らなくなったということです。
例えば、家電製品の普及により、手料理を囲んだ一家だんらんの食事から、レトルトや冷凍食品を温めて一人で食事をすることが増えました。
通信機器の普及により、人と人が直接会う機会が大幅に減りました。
何日も前から約束をして、待ち合わせの場所で友人や恋人に、やっと会えた時のワクワク感やドキドキ感は、今はもうありません。
自殺は、孤独の成れの果て……?
もう、“便利” をやめません?
不便を楽しめれば、もっと人は人に興味を抱くと思うのです。
震災の時、日本人は、あんなにも不便な環境に対して、手を差し伸べることができたじゃないですか?
全体的に子どもたちの数が減っている少子化の世の中で、子どもたちの自殺が過去最多だなんて……
悲しすぎます。
政治家のみなさん!
もっと本気を出してください!
さもないと、この国は滅びますよ。
2023年03月06日
承認欲求テロ
「やっぱり起きた」
「毒物じゃなくて良かった」
そう思った人は、多かったのではないでしょうか?
報道されている一連の飲食店での迷惑行為のことです。
回転寿司店での動画で有名になったことから 「すしテロ」 なんて呼ばれています。
迷惑行為は回転寿司店のみならず、牛丼チェーンなどでも起きています。
たぶん、昔から飲食店で迷惑行為 (いたずら) をするヤカラはいたんでしょな。
昭和の時代だって、“悪ガキ” はいました。
今のように防犯カメラなど、なかった時代です。
ある意味、やり放題だったのかもしれません。
でもね、何かが違うんです。
そう、コソコソやっていましたよ。
店主に気づかれないように、陰でコソコソとね。
気づかれなければ、証拠がありません。
“誰かのいたずら” で処理されていたはずです。
ところが一連の “すしテロ” は違います。
自らの様子を収めた動画をSNS上にアップしているんです。
「はい、私が犯人です」
と顔をさらしていることに、違和感があります。
彼らの多くは、動画で顔をさらしているのです。
捕まることを想定しているのでしょうか?
いえいえ、彼らの狙いは迷惑行為そのものにはありません。
目立てば、いいだけなんですね。
心理背景にあるのは、“承認欲求” です。
「いいね」 やフォロワーが欲しいだけ。
そこで思考は止まっています。
だから顔を出したら捕まる、という意識がありません。
困ったものです。
僕が子どもの頃は、「お天道さまが見ている」 と言われて育ちました。
親や大人の目から隠れても、必ず、神様が見ているということです。
だから他人が見てようが、見ていなかろうが、悪いことはしてはいけないと学んだのです。
それが、なんと、他人の見てないところの動画を世界中にバラまいているのですから、神様も手の施しようがありません。
これから先、人類は、どうなっちゃうんでしょうかね?
A I カメラ搭載のロボットで、監視しますか?
きっと、そのロボットに、いたずらするバカ者が出てきますよ。
承認欲求って、何なんでしょうね?
やっかいな時代になったものです。
2023年02月28日
バリかた太麺 VS 濃厚こってりソース
突然ですが、焼きそばは好きですか?
ひと口に、焼きそばと言っても、いろいろあります。
子どものおやつのような駄菓子屋風から町中華、高級中国料理店まで……
今日、僕がここで言う “焼きそば” とは、駄菓子屋風から町中華までの、いわゆるB級グルメの焼きそばのことです。
値段的には、ワンコイン (税別500円) 前後とします。
僕は、前橋生まれの前橋育ちですからね。
焼きそばと言えば、前橋っ子御用達の “あくざわの焼きそば” と決まっています。
たびたび、このブログでも紹介していますから、読者様ならご存じですよね。
※(当ブログの2020年5月23日 「やきそば日和」 参照)
一度は絶滅した味を、ファンだった客が復活させたことで、ひと時、地方メディアでは話題となりました。
屋号も、そのまま引き継ぎ 「あくざわ亭」 であります。
水を使わないバリバリにかたい太麺 (アゴが疲れます)。
メニューは、キャベツと豚肉と玉子が入った 「肉玉」 1種類のみ。
好き嫌いがありそうですが、前橋っ子には唯一無二のソウルフードなのであります。
月一は、通っています。
が!
最近、僕の “焼きそば愛” にライバルが登場しました。
それは、「築地 銀だこ」 です。
「えっ、たこ焼きじゃないか!?」
ですって!
何をおっしゃるうさぎさん!
店舗限定ではありますが、銀だこには、ソース焼きそばがメニューにあるんですよ!
僕は1年ほど前からハマってしまい、いまだに、たこ焼きは食べていません。
ひと言でいえば、甘口こってりソースが、たっぷりかかった濃厚な味。
麺は中太で、もちもちしたやわらか系。
「あくざわ亭」 とは、対極をなす味です。
だからでしょうか、時々、浮気をするように通っています。
ただし、こちらも好き嫌いが分かれそうです。
とにかく、味が濃いんです。
だから正直、途中で飽きてしまいます。
ので!
僕は、100円プラスしてワンランク上の 「お好み焼きそば」 を注文しています。
これには、焼きそばの上に、マヨネーズがかかった焼き玉子がトッピングされます。
後半、これを麺にくるんで食べると、“味変” が楽しめます。
「あくざわ亭」 と 「築地 銀だこ」 を月一ずつ交互に食するのが、僕のフードワークとなっています。
で、気づきました。
確か 「築地 銀だこ」 って、群馬が発祥地ですよね。
現在のみどり市、旧笠懸町のスーパーマーケットの中だったと思います。
ほ~ら、やっぱりソウルフードだったんだ!
どうりで、群馬県民の口に合うはずです。
あなたは、どんな焼きそばが、好きですか?
2023年02月26日
大人の通知表
今年もやって来ました!
“ため息のシーズン”
そう、確定申告です。
フリーランスおよび個人事業主のみなさんは、もう、お済みですか?
僕は昨日、終わりました。
「ああ」 と今年も小さなため息を一つ……
確定申告って、いわば、“大人の通知表” なんですよね。
年に一度、働いてきた成果が問われます。
「それなりに頑張ったんだけど……」
と思いながらも、電卓を打つ顔は、ひきつっていきます。
「えっ、こんなもんだっけ?」
と、伝票や通帳をひっかき回しても、ないモノは出てきません。
はい、終了!
結果、昨年度の収支決算は例年通りで、可もなし不可もなし。
ということは、まったく進歩がなかったということです。
「維持できたということは、コロナ禍のわりには、頑張ったんじゃないの」
と、自分で自分に声をかけながら通知表を渡しました。
ただ今回、支出に大きな変化がありました。
それは、光熱費です。
グーンと下がりました。
なんで?
電気もガスも値上がりしているご時世なのに?
答えは簡単でした。
昨年春まで同居していた末娘が、独り立ちして出て行ったのでした。
年頃のお嬢さまは、エアコンは付けっぱなし、ドライヤーはかけっぱなし、シャワーは流しっぱなしでしたからね。
彼女が居なくなったら、途端に請求額が下がって驚きました。
と同時に、さみしさもありますけど。
学生たちが通知表を胸に、新しい世界に旅立って行くように、僕も新たな年に期待を寄せています。
ため息のシーズンは、卒業です。
春よ、来い!
2023年02月25日
半日寝太郎
「そりゃ~、ジュンちゃん、寝すぎだよ!」
「小暮さんは若いんだね。寝るのも体力がいるからね」
睡眠時間の話になると、みんなに驚かれます。
みなさんは、一日に何時間寝ていますか?
僕の平均睡眠時間は、9時間です。
普通の人は、歳を重ねると睡眠時間が短くなるといいます。
「何時に寝ても、朝早く目が覚めてしまう」 なんて。
一般の人の平均睡眠時間は、6~7時間でしょうか?
中には、5時間とか短い人もいるようです。
僕も以前は、そのくらいでした。
ところが還暦を過ぎたあたりから、急に睡眠時間が足りなくなってしまったのです。
7時間寝ても、昼すぎには睡魔に襲われ、仮眠をとるようになりました。
だったらと、8時間に延長してみましたが、まだ体がだるい。
そして9時間にしたら、これがスッキリとした目覚めで、一日中快適に過ごせるようになりました。
確かに、寝すぎだと思います。
でも睡眠時間にも個人差があり、その人にとってベストなら、とやかく言われる筋合いはありません。
が!
先日、ついに “半日寝太郎” になってしまいました。
就寝したのは午前2時。
ところが、目が覚めたのは、なんと!午後の1時!
11時間の爆睡でした。
途中、朝方1回だけトイレに起きましたが、それはいつものこと。
それからまた、延々と眠り続けたのであります。
原因は?
はい、判明しました。
セットしたケータイのアラームが、マナーモードになっていたのです。
まったく、気づきませんでした。
その日の予定は、大丈夫だったのかって?
はい、おかげさまで、外出の予定はありませんでしたので、事なきを得ました。
(勤め人だったら、大あわてでしたね。ああ、フリーランスで良かった!)
ほぼ半日、眠り続けたわけですが、目覚めはパッチリ!
頭の中がスッキリしていて、午後の仕事もはかどりました。
「早起きは三文の徳」 といいますが、寝すぎも多少の徳がありました。
民話 『三年寝太郎』 は、3年間仕事もせずに、ただ眠り続けるぐうたら男の話です。
ただ彼は3年目に、パッと目を覚まし、日照りで干ばつが続く村に水を引き、村人たちを助けます。
寝太郎は、ただ無駄に寝ていたのではなかったのです。
ずーっと寝ながら、村を救う方法を考えていたのでした。
きっと、半日寝太郎の僕も、みなさんのお役に立つこと考えながら寝ているのだと思います。
夢も、たくさん見ました。
その中に、きっとヒントが隠されているはずです。
さあ、あっと驚く秘策が飛び出しますよ~!
なんて、都合のいい解釈ですかね。
ただの怠け者だったりして。
2023年02月24日
才能のゆくえ
夢を追いかけて、東京で暮らしていた20代の頃。
ある芸術の世界で、すでに名のある賞を受賞し、将来を有望視されていた友人が、突然、こんなことを言いました。
「故郷に帰って、就職をする」
誰もが耳を疑いました。
だって、仲間の誰よりも秀でた才能に恵まれていた彼が、なぜ志半ばで夢を捨ててしまうのか?
訳が分かりませんでした。
理由を聞けば、
「このままでは食っていけない。この先も食える保証がない」
とのことでした。
誰もが引き止めましたが、彼の決断は固く、去って行きました。
送別会の夜、酔った勢いで、僕が彼に投げかけた言葉は、
「その才能、使わないのなら俺にくれ!」
悔しいかな、彼の決断は 正しかったのかもしれません。
その後、彼ほどの才能がなかった僕らは、次々と挫折し、夢をあきらめて、東京を去って行きました。
青春のほろ苦い思い出です。
才能って、なんだ?
その後の人生で、僕を苦しめ続けたキーワードとなりました。
才能があるとか、ないとか言うけれど、それって、何なの?
ピカソやアインシュタインのような生まれながらの天才以外は、結局、努力のたまものでしかないのではないのだろうか?
なんてことを考えて生きていました。
才能のない者が、組織に属さず、フリーランスで生きていくには、どうしたらいいのか?
僕なりに考えて、導き出した答えが、次の2つのことでした。
①人のやらないことをする。
②数をこなす。
人のやらないことをやれば、注目されます。
注目されれば、チャンスが増えます。
“人十倍” を心がけること。
人一倍では、才能のある人には勝てません。
十倍の手間をかけて、やっと人より目立つことができます。
目立てば、チャンスが増えます。
結局、フリーランスで生きるとは、チャンスの確率を上げることなんですね。
僕は、そうやって今日まで生きてきました。
正しかったかどうかは分かりません。
でも、なんとか、こうやって生きているのだから間違いではなさそうです。
若きクリエーターのみなさん!
才能なんてなくても、信念と工夫があれば、なんとかやっていけますよ!
挫折なんかに、負けないでくださいね。
夢をあきらめないで!
2023年02月23日
死体の落とし物
たびたび夢の話で、恐縮です。
奇妙な夢を見たので、報告します。
僕は、深夜の住宅街を車で走っています。
キキキキーーーー!
前方、道路上の異物に気づき、思わず急ブレーキをかけました。
大きな塊が3つ、ゴロンと横たわっています。
その異物を確認するために、車から降りました。
近づいて見てみると、3つの塊は、人間でした。
死んでいます。
年の頃は20~30代の男女3人。
2人が男性で、1人は女性です。
僕は3つの死体の前で、思案しています。
本来ならば、すぐに110番通報するべきなのでが、なぜか “事件” “事故” の認識がありません。
「あっ、こんなところに落とし物が……」
そう解釈したようです。
それからの行動が、自分でも不可解なのです。
何を思ったのか、3つの死体を車に運び入れ、走り出しました。
向かっているのは、交番です。
僕は死体を拾得物として、届けようとしているのです。
そこで夢は覚めました。
さて、この夢が暗示しているものは?
まず 「死体」 の夢は、環境の変化や運気好転を意味します。
そんなに悪い夢ではないようです。
しかし 「死体を運ぶ」 となると、過去を引きずっていたり、現実逃避など “今の環境を変えたい” という願望の現れだといいます。
さらに、その死体が 「知らない人」 となると、これは完全なる “警告夢” だそうです。
運気は下降します。
なんだか、最悪の夢のようですが、夢の中で僕は、死体を死体としては扱っていません。
“落とし物” として見ています。
「落とし物」 の夢というのは、“吉夢” なんですね。
思いがけない幸運が舞い込む予兆です。
さらに、落とし物を 「届ける」 夢は、運気上昇!
気力、体力ともに向上を暗示しています。
ということは?
1つの夢で、真逆の暗示が出ていることになります。
“警告夢” と “吉夢”
“運気下降” と “運気上昇”
これは、どういうことでしょうか?
で、僕の出した答えは、こうです。
≪今の環境を変えれば、やがて運気は上昇して、思いがけない幸運が舞い込むでしょう≫
でも、環境を変えるって、かなり難しそうですね。
引っ越すのも大変だし……
せめて、仕事部屋の模様替えでもしましょうか?
春の訪れも近いことだし……
春よ、来い!
2023年02月21日
四畳半とサルマタケ
漫画家の松本零士さんが亡くなられました。
85歳でした。
松本零士さんといえば、『宇宙戦艦ヤマト』 や 『銀河鉄道999』 の作者として有名ですが、僕ら世代は、なんといっても漫画 『男おいどん』 (1971~73) です。
さらに古くは、四畳半シリーズの元祖 『元祖大四畳半大物語』 (1970~74) から夢中になって読んでました。
どちらも主人公は、田舎から上京してきた無芸大食で人畜無害のさえない男。
汚い四畳半一間に暮らし、“いつか” を夢見ながら悶々と生きている……
ただ、それだけの日常を描いた漫画なのですが、なぜか、あこがれていました。
「僕もいつか東京へ出て、四畳半のアパートに暮らすんだ!」
ってね。
キョーレツな印象として脳裏に残っているのが、“サルマタケ” の存在。
確か、『男おいどん』 だったと思いますが、押し入れに突っ込んだままのトランクス (パンツ) から、ある日突然、キノコが生えてきます。
主人公の大山昇太は、貧乏ゆえ、このキノコを食べるようになります。
これが、サルマタケです。
そこまでの貧乏はしないまでも、当時の若者は似たような暮らしをしていたと思います。
『神田川』 や 『赤ちょうちん』 などの “四畳半フォーク” といわれる歌がヒットした時代です。
ある意味、“貧乏は美徳” だったのであります。
さて、実は僕、松本零士さんには、何度もお会いしたことがあるんです。
いや、正しく表記するならば、たびたび見かけていたのです。
まさに僕は、その後、東京へ出て、四畳半のアパートに暮らしていました。
場所は、練馬区大泉学園。
そう!
ファンなら誰でも知ってますよね!
松本零士さんが暮らしていた町であります。
だから僕は、町の中で、何度も何度も見かけました。
どうして、分かったのかって?
だって、目立ちますもの!
必ず自転車に乗って、トレードマークのドクロが描かれた黒い帽子をかぶっていました。
当時は、すでにアニメもヒットして人気漫画家でしたが、ふつうに街の中に溶け込んで暮らしていましたよ。
でも、その風貌から、すぐに分かっちゃうんですね。
今回の訃報を聞いて、最初に思い浮かべたのは、40年以上も前の大泉学園の町でした。
たぶん、もう、僕の知っている風景なんて残っていないんでしょうけど……
今は駅前に、松本零士さんの作品のモニュメントが立っていると聞きます。
いつか、ふらりと上京して、わが青春の町と松本零士さんの思い出に触れてみたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
2023年02月09日
願いが叶う確率
♪ 思っている事と やっている事の
違う事へのいらだちだったのか
だから僕は自由さをとりもどそうと
自分を軽蔑して 自分を追い込んで ♪
(吉田拓郎 「まにあうかもしれない」 より)
動悸、息切れ、めまい、頭痛、肩こり、腰痛、耳鳴り、関節痛……
若い頃には一切無縁だった症状が、還暦を過ぎてから体のそこかしこに現れるようになりました。
「動悸、そんなのしょっちゅうだよ」
「耳鳴り? ああ、今も鳴ってるよ」
同世代の友人に話せば、似たような応えが返ってきます。
老化は “百害あって一利なし” なのか?
いえいえ、歳を重ねて良かったこともたくさんあります。
僕が感じている老いることの最大のメリットは、“願いが叶う確率がアップした” ということです。
当然のことかもしれませんが、生きている年月が長ければ長いほど、チャンスの到来も多くなります。
しかも若い頃に、叶うか叶わないか分からず無我夢中でバラまいてきた 「夢の種」 が、今になって思わぬきっかけで発芽することもあります。
そんなとき、「ああ、人生って無駄がないな~」 と、つくづく生きることの妙味を感じるのです。
冒頭の吉田拓郎さんの歌詞の中にある一節。
<思っている事と やっている事の 違う事へのいらだち>
誰もが若い頃に抱くジレンマです。
この歳になって振り返れば、経験も素地もないのですから、合致するわけがありません。
でも若さの魅力は、無知を承知で突っ走れるパワーです。
やがて知恵が付き、<思っている事と やっている事> のかけ引きをするようになります。
そして、合わない帳尻を無理やり合わせ、“できなかった事” の言い訳を考えるようになります。
それが!
ふと、最近、気づいたのです。
「あっ、今やっている事が、あの頃思っていたことに近づいてきた」
ってね。
そして、こんなことも思います。
「ああ、俺って、これがしたかったのかもしれない」
すべて、歳を重ねた今だから感じることです。
だから、もし、あの頃の自分に会えたなら、こう言ってあげたいのです。
「大丈夫、今やっていることが将来、必ず、やりたいことになるから」
ということは、今やっていることが70代、80代の “願いが叶う確率” を上げるということなんですね。
たとえ今は、思っている事と、やっている事が違っていたとしても……
コツコツと続けていきたいと思います。