2015年03月04日
Coming Song
連日、連夜、胸が苦しくなるような凄惨な殺害事件が報道されています。
被害者も未成年。加害者も未成年。
殺害された少年にいたっては、まだあどなさの残る中学1年生です。
その殺害方法が、残虐極まりない。
狂っている!
このところ、常軌を逸した少年犯罪が多発しているのは、いったいどういうことなのか?
大人には計り知れない子どもだけの世界があるにしても、少なくとも僕の少年時代とは何かが違う。
ゆがみ方だろうか?
ゲームやSNSの存在を否定できない。
それだけが原因ではないにしろ、それらのツールに依存し過ぎたために、他人とのコミュニケーションの取り方が下手になっていることは確かだろう。
殺害された少年は、みんなから 「カミソン」 とアダ名で呼ばれ、親しまれていました。
カミソン、カミソン、カミソン、カミソン・・・
“Coming Song”
僕には、そう聞こえるのです。
「ねえ、みんな、おいでよ! いっしょに歌おうよ!」
それは、孤独な世界に生きている少年たちの叫び声のようでもあります。
その叫び声を、もっともっと大人たちが意識的に聞かない限り、同じような事件が繰り返されそうで怖いのです。
上村君のご冥福を心よりお祈りいたします
2015年03月02日
旅立て、R!② 心には道がある
「寝ないで、このまま行くのか?」
「ああ、友だちとガストで4時まで時間をつぶす」
そう、ひと言だけ告げると、息子は大きなバッグを抱えて家を出ていきました。
先週末のことです。
平日の昼は朝から夕方まで工場で働いて、夜は深夜までスポーツクラブでバイト。
その合い間に休日は、警備員のパートをしながら、なんとか渡航費を捻出したようです。
親に甲斐性がないと、子どもはちゃんと自立してくれるようです。
今回の旅行も、親から一銭の援助もなく、自力で出かけて行きました。
「今度は、どこへ行くんだ? またアジアか?」
「いや、ヨーロッパ」
「どこだよ?」
「ドイツとか、いろいろ」
「日本人、狙われているから気をつけろよ」
「ああ、分かってる」
父と息子の会話なんて、そんなものです。
結局、ドイツ以外の国名は、聞き出せませんでした。
「じゃあ、行って来る」
「気をつけてな」
息子を見送った後、僕は父としてではなく、男として嫉妬している自分に気づきました。
だって、2つのバイトをこなして、深夜に帰って来て、そのまま寝ずに外国へ出かけて行くんですよ。
まず、そのタフな行動力に感心します。
若さって、なんて素晴らしいんでしょう!
とてもじゃないけど、今の僕には到底マネができません。
そんな時代が、僕にもありましたっけね。
でも、もうはるか遠い昔のことです。
今では、1泊2日の温泉取材でも疲れがたまるようになりましたもの。
ただただ、うらやましいばかりです。
R (息子の名前) よ!
若さという自由を、存分に感じておいで。
♪旅立てジャック 自由には地図がない
旅立てジャック 靴には羽がない
だけどジャック 心には道がある♪
(『旅立てジャック』 by 吉田拓郎)
2015年03月01日
花咲温泉 「ペンション 尾瀬ほたか」
ご主人の戸丸俊一さんに、お会いするのは2回目です。
昨年の秋、取材で訪れた時に 「ここで炭火を囲んで酒を飲むのがウマイんですよ。ぜひ、今度は泊まりで来てください」 と、ご主人手作りの囲炉裏を自慢されたのでした。
のん兵衛同士の会話は、そのまま約束となり、その約束を果たすために昨晩は、片品村の花咲温泉 「ペンション 尾瀬ほたか」 に泊まってきました。
いや~、前回の秋景色とは一変、1階が雪で埋まるほどの銀世界でありました。
ま、取材の方は前回、しっかり話を聞かせていただいていますから、あせることはありません。
旅装を解いたら、まずは、温泉にゆっくり入ることにしました。
花咲温泉には3本の源泉が湧いています。
1本は、日帰り温泉の 「花咲の湯」 が使用。
もうもう1本は、旧チロリン村と呼ばれる民宿村が使用。
そして3本目が、数軒のペンションに引かれている「オグナの湯」源泉であります。
泉温が約30度と低いため加温していますが、肌にやさしいアルカリ性の単純温泉は、ツルツルのスベスベになると評判です。
十分、温まってから夕食会場のダイニングへ。
湯上がりに、キンキンに冷えたビール!
暖かい部屋で、雪を見ながらの食事とは、なんて贅沢なことでしょうか!
ここの名物は、「オイルフォンデュ」。
新鮮な肉や野菜を油で揚げながら食します。
そのほかにも、ワカサギのフライやニジマスのホイル焼きなど、山の幸が10品以上も出ました。
「オレが大食漢だからね。余る分にはいいけど、足りないのは張り合いがないものね」
ですって。
そして、「酒は別腹でしょう。火を起こしておきますから、後でまた来てください」 と、いよいよ囲炉裏端での宴の約束を果たす時がきたのであります。
チリチリチリ、チリチリチリ……
炭が赤々と燃えながら、心地よい音を奏でています。
炭火の横には、見慣れない徳利が灰の中に埋もれています。
「焼き徳利というんですよ。知り合いの陶芸家に頼んで、特注で作ってもらいました」
良く見ると、徳利の底が角のように尖っています。
これを灰に突き刺して、酒を熱燗にするわけです。
「カンパイ、良く来てくださいました」
「いえいえ、こちらこそ、わがまま言いまして」
とか何とか言いながら、のん兵衛同士の宴が始まったのであります。
もちろん、肴は肉や野菜を炭火で焼きながら・・・
それはそれは楽しい、長い長い雪の夜でした。