2010年07月17日
川原湯温泉のゆくえ②
もうすでに新聞報道されたので、知っている人もいるかもしれませんが、またまた残念なニュースが飛び込んで来ました。
215年の歴史を持つ川原湯温泉の老舗旅館「高田屋」が、11月より営業を休止するとのこと。昨年9月に民主党が政権交代をして、ダム建設中止の方針を打ち出して以来、これで2軒目です。今年の3月には、「柏屋」が宿泊営業を休止しました。
高田屋の7代目社長、豊田明美さんは、僕の中学の後輩です。
大人になってから酒の席で出会い、またJR等の仕事で、たびたび取材でもお会いしています。
柏屋のご主人、豊田幹雄さんにも、いろいろお世話になりました。
雑誌の取材だけでなく、昨年の11月にはNHKの温泉講座で受講生らとお邪魔したばかりです。
立て続けに、懇意にしていただいていた宿が営業を休止してしまった事実に、ただただ驚いています。
2005年くらいまでは、売り上げものびていたようなのですが、近年はダム工事の進捗にともない、周辺一帯が工事現場化してしまい、見学客は増えても宿泊客は減少の一途をたどり、赤字経営がつづいているとのことです。
ピーク時には22軒あった旅館も、これで、わずか5軒になってしまいました。
川原湯温泉といえば、古くから文人墨客らが大勢訪れている名湯です。
大正時代には、かの若山牧水も滞在しています。投宿した旅館は、川原湯温泉で一番古い老舗宿「養寿館」。
牧水は、かなり気に入ったようで3回も訪れています。そして吾妻渓谷の美しさに感銘し、次のように書いています。
「私はどうかこの渓谷の林がいつまでもいつまでもこの寂びと深みとを湛えて永久に茂っていてくれることを心から祈るものである」と……
ダム建設話が、この自然豊かな温泉地に襲いかかったのは、昭和27年のこと。
それから長い長い、住民たち闘いの日々が始まりました。
そして、牧水の願いもむなしく、自然は破壊され、今は「養寿館」も姿を消しました。
群馬の名湯、川原湯温泉の再建を心より祈っております。
幹雄さん、明美さん、そして川原湯温泉のみなさん、お辛いでしょうが、どうかどうか頑張ってください。
215年の歴史を持つ川原湯温泉の老舗旅館「高田屋」が、11月より営業を休止するとのこと。昨年9月に民主党が政権交代をして、ダム建設中止の方針を打ち出して以来、これで2軒目です。今年の3月には、「柏屋」が宿泊営業を休止しました。
高田屋の7代目社長、豊田明美さんは、僕の中学の後輩です。
大人になってから酒の席で出会い、またJR等の仕事で、たびたび取材でもお会いしています。
柏屋のご主人、豊田幹雄さんにも、いろいろお世話になりました。
雑誌の取材だけでなく、昨年の11月にはNHKの温泉講座で受講生らとお邪魔したばかりです。
立て続けに、懇意にしていただいていた宿が営業を休止してしまった事実に、ただただ驚いています。
2005年くらいまでは、売り上げものびていたようなのですが、近年はダム工事の進捗にともない、周辺一帯が工事現場化してしまい、見学客は増えても宿泊客は減少の一途をたどり、赤字経営がつづいているとのことです。
ピーク時には22軒あった旅館も、これで、わずか5軒になってしまいました。
川原湯温泉といえば、古くから文人墨客らが大勢訪れている名湯です。
大正時代には、かの若山牧水も滞在しています。投宿した旅館は、川原湯温泉で一番古い老舗宿「養寿館」。
牧水は、かなり気に入ったようで3回も訪れています。そして吾妻渓谷の美しさに感銘し、次のように書いています。
「私はどうかこの渓谷の林がいつまでもいつまでもこの寂びと深みとを湛えて永久に茂っていてくれることを心から祈るものである」と……
ダム建設話が、この自然豊かな温泉地に襲いかかったのは、昭和27年のこと。
それから長い長い、住民たち闘いの日々が始まりました。
そして、牧水の願いもむなしく、自然は破壊され、今は「養寿館」も姿を消しました。
群馬の名湯、川原湯温泉の再建を心より祈っております。
幹雄さん、明美さん、そして川原湯温泉のみなさん、お辛いでしょうが、どうかどうか頑張ってください。
Posted by 小暮 淳 at 14:46│Comments(0)
│温泉地・旅館