2010年08月15日
謎学の旅③ 「おばけ坂の白い家」
お盆中なので、怪談話を1つ。
「おばけ坂」って、知ってますか?
ひと昔、いや、ふた昔前くらいに、テレビや雑誌などで全国的に有名になった「逆さ坂」のことです。
上り坂に見えるけれど、実は下り坂。または、その逆。ほとんどの場合、目の錯覚による地形のいたずらだったりするのですが、僕は以前、恐ろしい体験をしました。
僕が編集人を務める雑誌に、一通の読者ハガキが届きました。
「富士見村(現・前橋市)の“おばけ坂”を調べてほしい」とのこと。
でも少数精鋭の小さな編集室です。日々の仕事に追われてヒマなスタッフなんて、いません。
「こんなハガキ、来てるけど? 誰か調査してみる?」と僕。
すると、編集室最古参のお局様がすかさず、
「一番ヒマなのは編集長です。興味があるなら、編集長が行って来てください!」と、ピシャリ。
ということで、仕方なく、僕が出かけたわけです。
通称・赤城県道から農免道路を西へ入り、大きな牛舎が見えたら右へ曲がる……。
すると急に勾配のきつい上り坂が始まった。と思うと、今度は下り坂だ。
途端、異変が起きた!
前方は下り坂なのに、背中に強烈な重力を感じる。まるで後ろから、誰かに引っ張られているよう。
ためしに、クルマを一旦停めて、ギアをニュートラルに入れてみた。
すると、あらららら、クルマはバックして行くではありませんか!
今度は、クルマから降りて、持参したゴムボールを道に置いてみた。
やはり、コロコロと加速をつけて、坂道を上って行きます。
と、その時です。
急に、乗り物酔いに似た吐き気が、襲ってきました。
「これは、やばい! 帰ろう」
とクルマに乗り込もうとして、背筋がゾクッとしました。
クルマを停めた行き止まりの道の先に、白い家があるのです。 真新しい、しょう洒な家です。
なのに!
窓ガラスという窓ガラスが、すべて割られていたのです。
人の気配もありません。
不思議に思い、近づいて家を覗き込もうとした瞬間、激しい頭痛が僕を襲いました。そして、同時に急な悪寒です。
あわてて、クルマに乗り込んだことは、言うまでもありません。
その晩、僕は高熱を出して寝込みました。
後日、この出来事を雑誌に書いたところ、たくさんの読者からハガキや電話をいただきました。
「場所を詳しく教えて欲しい」という内容がほとんどですが、なかにはこんなメッセージもありました。
“あの白い家に近づいてはなりません”
謎学の旅はつづく。
「おばけ坂」って、知ってますか?
ひと昔、いや、ふた昔前くらいに、テレビや雑誌などで全国的に有名になった「逆さ坂」のことです。
上り坂に見えるけれど、実は下り坂。または、その逆。ほとんどの場合、目の錯覚による地形のいたずらだったりするのですが、僕は以前、恐ろしい体験をしました。
僕が編集人を務める雑誌に、一通の読者ハガキが届きました。
「富士見村(現・前橋市)の“おばけ坂”を調べてほしい」とのこと。
でも少数精鋭の小さな編集室です。日々の仕事に追われてヒマなスタッフなんて、いません。
「こんなハガキ、来てるけど? 誰か調査してみる?」と僕。
すると、編集室最古参のお局様がすかさず、
「一番ヒマなのは編集長です。興味があるなら、編集長が行って来てください!」と、ピシャリ。
ということで、仕方なく、僕が出かけたわけです。
通称・赤城県道から農免道路を西へ入り、大きな牛舎が見えたら右へ曲がる……。
すると急に勾配のきつい上り坂が始まった。と思うと、今度は下り坂だ。
途端、異変が起きた!
前方は下り坂なのに、背中に強烈な重力を感じる。まるで後ろから、誰かに引っ張られているよう。
ためしに、クルマを一旦停めて、ギアをニュートラルに入れてみた。
すると、あらららら、クルマはバックして行くではありませんか!
今度は、クルマから降りて、持参したゴムボールを道に置いてみた。
やはり、コロコロと加速をつけて、坂道を上って行きます。
と、その時です。
急に、乗り物酔いに似た吐き気が、襲ってきました。
「これは、やばい! 帰ろう」
とクルマに乗り込もうとして、背筋がゾクッとしました。
クルマを停めた行き止まりの道の先に、白い家があるのです。 真新しい、しょう洒な家です。
なのに!
窓ガラスという窓ガラスが、すべて割られていたのです。
人の気配もありません。
不思議に思い、近づいて家を覗き込もうとした瞬間、激しい頭痛が僕を襲いました。そして、同時に急な悪寒です。
あわてて、クルマに乗り込んだことは、言うまでもありません。
その晩、僕は高熱を出して寝込みました。
後日、この出来事を雑誌に書いたところ、たくさんの読者からハガキや電話をいただきました。
「場所を詳しく教えて欲しい」という内容がほとんどですが、なかにはこんなメッセージもありました。
“あの白い家に近づいてはなりません”
謎学の旅はつづく。
Posted by 小暮 淳 at 12:15│Comments(0)
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