2010年08月23日
温人
僕は、Oさんのことを 「温人」 と呼んでいます。
まさしく人生の恩人でもあるのですが、僕の温泉を世に出してくれた人だからです。
そのOさんが職場を離れるというので、今日、最後のあいさつに行ってきました。
Oさんとの出会いは、ちょうど10年前。2000年の秋のことでした。
知り合いの印刷会社を通して、「新しい雑誌の編集長を探しいてる」との話があり、営業の彼は「小暮さんを推薦しておいたからさ」と、その会社名を告げました。
後日、連絡があり、話を聞きに伺うと、Oさんが部長の肩書きで面接(?) の場に、同席していたのです。
話はまとまり、翌年の春より、雑誌を創刊することになりました。
その雑誌が、月刊「Deli-J」です。
ところが3年経ったある日、僕は短気を起こして、突然、編集長の座を降りてしまいました。
誰もが「大人気ない」と言いましたが、Oさんだけは違いました。
「私が守ってあげるべきだった。大変、後悔している。申し訳なかった」と、涙まで浮かべてくださったのです。
僕が編集室を去ったあとも、Oさんは時々、飲み会の席にこっそりと僕を呼んでくれました。
元スタッフの送別会や結婚祝会などにも、すべて僕を招待してくれたのです。
やがて僕は、別の雑誌(ライバル誌)の編集長になりました。
それでもOさんは、僕との交流を止めません。スタッフからは「ライバル誌の編集長が、うちの編集室を出入りするのは、おかしいです!」と詰め寄られても、Oさんは「いいじゃないか、小暮さんは別だよ」と言い放ちました。
そのライバル雑誌が、突然休刊となった日。
Oさんから電話がありました。「今晩、呑み行かない?」と……
「戻っては来ないよね?」
「ええ」
「……」
「申し訳ありません。気までつかっていただいて」
「じゃあ、連載してよ。小暮さんの得意なやつ、温泉とか」
飲み屋で交わされた会話が、2ヶ月後には 『源泉巡礼記』 というタイトルのエッセイとして連載がスタートしました。
人の縁とは不思議なものです。
いやいや、Oさんという情の深い人物との出会いが、僕を育ててくれたのです。
ただただ、感謝しております。
定年退職後は、親族の仕事を手伝うとか。
第2の人生に心よりエールを贈ります。
フレー、フレー、大橋部長!
大変お世話になりました。
ありがとうございました。
まさしく人生の恩人でもあるのですが、僕の温泉を世に出してくれた人だからです。
そのOさんが職場を離れるというので、今日、最後のあいさつに行ってきました。
Oさんとの出会いは、ちょうど10年前。2000年の秋のことでした。
知り合いの印刷会社を通して、「新しい雑誌の編集長を探しいてる」との話があり、営業の彼は「小暮さんを推薦しておいたからさ」と、その会社名を告げました。
後日、連絡があり、話を聞きに伺うと、Oさんが部長の肩書きで面接(?) の場に、同席していたのです。
話はまとまり、翌年の春より、雑誌を創刊することになりました。
その雑誌が、月刊「Deli-J」です。
ところが3年経ったある日、僕は短気を起こして、突然、編集長の座を降りてしまいました。
誰もが「大人気ない」と言いましたが、Oさんだけは違いました。
「私が守ってあげるべきだった。大変、後悔している。申し訳なかった」と、涙まで浮かべてくださったのです。
僕が編集室を去ったあとも、Oさんは時々、飲み会の席にこっそりと僕を呼んでくれました。
元スタッフの送別会や結婚祝会などにも、すべて僕を招待してくれたのです。
やがて僕は、別の雑誌(ライバル誌)の編集長になりました。
それでもOさんは、僕との交流を止めません。スタッフからは「ライバル誌の編集長が、うちの編集室を出入りするのは、おかしいです!」と詰め寄られても、Oさんは「いいじゃないか、小暮さんは別だよ」と言い放ちました。
そのライバル雑誌が、突然休刊となった日。
Oさんから電話がありました。「今晩、呑み行かない?」と……
「戻っては来ないよね?」
「ええ」
「……」
「申し訳ありません。気までつかっていただいて」
「じゃあ、連載してよ。小暮さんの得意なやつ、温泉とか」
飲み屋で交わされた会話が、2ヶ月後には 『源泉巡礼記』 というタイトルのエッセイとして連載がスタートしました。
人の縁とは不思議なものです。
いやいや、Oさんという情の深い人物との出会いが、僕を育ててくれたのです。
ただただ、感謝しております。
定年退職後は、親族の仕事を手伝うとか。
第2の人生に心よりエールを贈ります。
フレー、フレー、大橋部長!
大変お世話になりました。
ありがとうございました。
Posted by 小暮 淳 at 18:37│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
付き人の件は、了解いたしました。
私にも恩人がおりました(過去形)。惜しい方でした(涙)。いつまでもあると思うな親、金、恩人かもしれないですね。4年前に恩人。昨年には父を亡くしました。お金はーはぁーもともと縁はございませんので期待はしていません。人の温もりの恋しい季節となりましたね。
私にも恩人がおりました(過去形)。惜しい方でした(涙)。いつまでもあると思うな親、金、恩人かもしれないですね。4年前に恩人。昨年には父を亡くしました。お金はーはぁーもともと縁はございませんので期待はしていません。人の温もりの恋しい季節となりましたね。
Posted by さゆり at 2010年09月23日 20:35
さゆりさんへ
人生には、幾度となくターニングポイントがあります。
そして、必ずや、恩人となるべき人がキーマンとして存在するのですね。
僕も、人に出会い、人に助けられて、生きてきました。
だから今、僕は温泉を取材する場合、湯と宿を訪ねるだけではなく、必ず人と会い、人に触れるようにしています。
湯が体をあたため、人が心をあたためてくれるところ、それが温泉です。
人生には、幾度となくターニングポイントがあります。
そして、必ずや、恩人となるべき人がキーマンとして存在するのですね。
僕も、人に出会い、人に助けられて、生きてきました。
だから今、僕は温泉を取材する場合、湯と宿を訪ねるだけではなく、必ず人と会い、人に触れるようにしています。
湯が体をあたため、人が心をあたためてくれるところ、それが温泉です。
Posted by 小暮 at 2010年09月24日 08:42