2010年08月27日
謎学の旅④ 「妖怪チャンコロリン」
3年前から某紙に 『民話と伝説の舞台』 という紀行エッセイを連載しています。
また、6年前から毎年、某協会の発行する 『群馬 伝説の風光』 という民話カレンダーの執筆をしています。
いつ頃なのか、気が付いたら、民話や伝説を集めて旅することが多くなっていました。
民話や伝説を分類すると、キツネやタヌキやムジナなどの「化かしモノ」、天狗やカッパや鬼などの「架空生物モノ」、そして湖の主や山の神などの「化身モノ」が多く、その他「悲恋モノ」「恩返しモノ」「親孝行モノ」などがあります。大きな男や怪力男が現れる「巨人モノ」なんていうのもありますね。
でも、僕が興味を抱くモノは、荒唐無稽ながら、ちゃんと“舞台”が存在する民話や伝説です。
「今も○○が残っている」なんて知ると、すぐに飛んで行ってしまいます。
なかには、舞台だけではなく、主人公そのものが、今も残っている話というのがあります。
「分福茶釜」なんか、その1つですが、妖怪でありながら、石にされて、そのまま墓石にされてしまった間抜けな妖怪の話をご存知ですか?
今から200年ほど前のこと。
中山道の宿場町で栄えた安中で、夜な夜な草木も眠る丑三つ時になると、「チャンコロリン、チャンコロリン」と音を立てて大きな石が街道を転がるため、人々は雨戸を閉ざし、恐ろしさに震えていました。
旅人も気味悪がって、安中宿に泊まらなくなってしまったため、安中藩の侍が、刀や槍、弓矢、鉄砲で立ち向かったのですが、一向に効果はありませんでした。
困り果てた町人たちは、大泉寺の和尚の法力にすがりました。
和尚が転がる石に向かって法を唱えると、さしもの妖怪も寺の台座の上で動かなくなったといいます。
その妖怪チャンコロリンが、今でも安中市の大泉寺に眠っています。
しかも、チャンコロリンの墓なのに、チャンコロリン自体が墓石にされているのです(笑っちゃいます)。
そして卒塔婆には、こんな文字が書かれていました。
「南無阿弥陀佛為ちゃんころりん石追善」(やっぱり笑っちゃいます)
24代目の住職いわく、
「当時は浅間の噴火や天明の大飢饉(ききん)の起こったころ。宿場がさびれるなか、この話が生まれたのではないか」とのことでした。
でも、石をよーく見ると、側面には鉄砲で撃たれたような穴が開いてます。
また裏側には、刀で切りつけられたような痕(あと)が、確かにあるのです。
妖怪チャンコロリンは、当時の人たちの願かけにより、人(石)身御供にされてしまったのかも、しれませんね。
謎学の旅はつづく。
また、6年前から毎年、某協会の発行する 『群馬 伝説の風光』 という民話カレンダーの執筆をしています。
いつ頃なのか、気が付いたら、民話や伝説を集めて旅することが多くなっていました。
民話や伝説を分類すると、キツネやタヌキやムジナなどの「化かしモノ」、天狗やカッパや鬼などの「架空生物モノ」、そして湖の主や山の神などの「化身モノ」が多く、その他「悲恋モノ」「恩返しモノ」「親孝行モノ」などがあります。大きな男や怪力男が現れる「巨人モノ」なんていうのもありますね。
でも、僕が興味を抱くモノは、荒唐無稽ながら、ちゃんと“舞台”が存在する民話や伝説です。
「今も○○が残っている」なんて知ると、すぐに飛んで行ってしまいます。
なかには、舞台だけではなく、主人公そのものが、今も残っている話というのがあります。
「分福茶釜」なんか、その1つですが、妖怪でありながら、石にされて、そのまま墓石にされてしまった間抜けな妖怪の話をご存知ですか?
今から200年ほど前のこと。
中山道の宿場町で栄えた安中で、夜な夜な草木も眠る丑三つ時になると、「チャンコロリン、チャンコロリン」と音を立てて大きな石が街道を転がるため、人々は雨戸を閉ざし、恐ろしさに震えていました。
旅人も気味悪がって、安中宿に泊まらなくなってしまったため、安中藩の侍が、刀や槍、弓矢、鉄砲で立ち向かったのですが、一向に効果はありませんでした。
困り果てた町人たちは、大泉寺の和尚の法力にすがりました。
和尚が転がる石に向かって法を唱えると、さしもの妖怪も寺の台座の上で動かなくなったといいます。
その妖怪チャンコロリンが、今でも安中市の大泉寺に眠っています。
しかも、チャンコロリンの墓なのに、チャンコロリン自体が墓石にされているのです(笑っちゃいます)。
そして卒塔婆には、こんな文字が書かれていました。
「南無阿弥陀佛為ちゃんころりん石追善」(やっぱり笑っちゃいます)
24代目の住職いわく、
「当時は浅間の噴火や天明の大飢饉(ききん)の起こったころ。宿場がさびれるなか、この話が生まれたのではないか」とのことでした。
でも、石をよーく見ると、側面には鉄砲で撃たれたような穴が開いてます。
また裏側には、刀で切りつけられたような痕(あと)が、確かにあるのです。
妖怪チャンコロリンは、当時の人たちの願かけにより、人(石)身御供にされてしまったのかも、しれませんね。
謎学の旅はつづく。
Posted by 小暮 淳 at 22:13│Comments(2)
│謎学の旅
この記事へのコメント
はじめまして、風子と申します。
いつも楽しく読ませていただいております。
「妖怪チャンコロリン」には参りました(笑)。
安中の大泉寺にそんな面白いものがあるとは!
まだまだ、知られざる伝説があるのですねー。
謎学もますます快調で、これからも楽しみです。
いつも楽しく読ませていただいております。
「妖怪チャンコロリン」には参りました(笑)。
安中の大泉寺にそんな面白いものがあるとは!
まだまだ、知られざる伝説があるのですねー。
謎学もますます快調で、これからも楽しみです。
Posted by 風子 at 2010年08月28日 16:48
風子さんへ
いつもありがとうございます。
僕も風子さんのブログは、拝見していますよ。
ぜひ、チャンコロリンに会ってきてくださいな。
もしかすると、運良く和尚の法力が200年ぶりに解けて、動き出す瞬間に立ち会えるかもしれませんよ。
そのときはカメラに収めて、ブログにアップしてくださいね。
いつもありがとうございます。
僕も風子さんのブログは、拝見していますよ。
ぜひ、チャンコロリンに会ってきてくださいな。
もしかすると、運良く和尚の法力が200年ぶりに解けて、動き出す瞬間に立ち会えるかもしれませんよ。
そのときはカメラに収めて、ブログにアップしてくださいね。
Posted by 小暮 at 2010年08月28日 22:41