2010年12月31日
年末読書考
先日、さるライター女史と会食したときのこと。
「趣味が、読書ってヘンですよね。本って、食事をしたり歯を磨いたりと同じで、ふつうに日常に組み込まれているものですよね」と、おっしゃっていました。
……確かに、そう言われてみれば、そんな気もします。
特に僕や彼女は文筆業ですから、“本を読む”という行為は日常の中で、当たり前のこととして行っています。
僕らにとって、読書は半分は仕事なのですから。
1つの文章を書くために、何冊もの本を読むことがあります。「楽しいか?」と問われれば、そんな楽しい作業ではありませんね。
その観点からすれば、「趣味=娯楽」ですから、読書は趣味ではなくなってしまいます。
悲しいかな、昔は僕にとって、読書は趣味だったのですよ。
10代、20代は間違いなく、読書が“趣味”でした。
温泉めぐりだって、山歩きだって、“趣味”だったんです。
ところが「好きなことは仕事にする」という、おかしな信念があるため、みーんな仕事にしてしまうのです。
イヤな癖であります。
結果、現在、「無趣味」となってしまいました。
いえいえ、興味がある事は、いつもあるんですよ。
でも、やがて、それも仕事にしてしまうんではないかと、声にして「趣味は○○です」って言えないのです。
例えば、「酒」です。
僕にとって、親友のような存在です。
趣味にしても良いのですが、イヤ~な予感がするんですね。
そう、頭の片隅のどこかで、『群馬の地酒を10倍うまく飲むコツ』 なんて本を書きたいなぁ~、なーんてね。
これはもう、職業病かもしれませんな。
ところで、読書です。
僕らフリーランスには、休日がありません。
土日も祝日も、盆休暇もなく、仕事があれば仕事、なければ毎日が日曜日です。
よって、読書は仕事のバロメーターとなります。
「最近、本を読んでないな」と思えば、仕事が忙しいのです。
逆に、仕事がなければ、朝から晩まで、何かしらの書物を読んでいることになります。
で、現在、僕のデスクの上には5冊の本が積まれています。
今か今かと、読まれる時を待ち望んでいるのです。
5冊のうち、温泉関係が3冊、小説が2冊。
温泉関係は、趣味でもありますが、半分以上は仕事と勉強のためです。
残りの2冊が、いわば僕の“趣味”です。
まったく仕事に関係ないジャンルを読んでいるときが、至福の時間です。
よって、ミステリーやサスペンスになりますかな。
大好きな冷酒をチビリチビリやりながら、ページをめくるときの快感ったらありまん。
さ、今日は、さすがの僕も、仕事の店じまいを済ませました。
これより、“趣味”の時間です。
大好きなミステリーのページをめくりながら、除夜の鐘を聴こうかと思います。
みなさん、今年1年、大変お世話になりました。
良いお年をお迎えください。
平成22年 大晦日 小暮 淳
Posted by 小暮 淳 at 14:26│Comments(0)
│つれづれ