2011年07月13日
ファイナル取材、ついに完了!
長い長い取材活動でした。
昨年の10月、四万温泉協会事務局を訪ね、出版会議に参加してから丸9ヵ月が経ちました。
打ち合わせを重ね、本格的に取材を始めたのが12月の中旬。
あれから毎月毎月、四万温泉を訪ね、泊り込み、人と会い、資料を集め、長い長い取材活動を続けてきました。
出動回数18回、延べ日数36日間。
本の出版の仕事を着手するたび、「この仕事には、終わりがあるのだろうか……」と、毎回不安にかられます。
でも、終わりのない旅はないのですね。
昨日、ついに最後の取材を完了しました!(よくやった! ←自分でほめる)
四万温泉にある37軒の宿(旅館・ホテル・民宿) の全風呂 + 6つの外湯(共同湯) +43本の源泉を、すべて制覇しました。
で、なんだか今は、達成感より、脱力感に見舞われています。
しばらくボーっとして暮らしたいのは山々なのですが、ライターはこれからが勝負です。
8月15日の完全入稿(すべての原稿が入り、デザイナーのもとからデータとなって印刷所へ入る)まで、あと約1ヶ月間。
僕は、受験生のように「必達目標」をかかげて、ねじり鉢巻にて、連日連夜、原稿書きに明け暮れる毎日と闘わなくてはなりません。
今日の脱力感なんて、つかの間の休息なのであります。
だから今日くらいは、のんべんダラリと過ごさせてください。
と、いうことで、昨日は昼からディレクター兼カメラマンのK氏とともに、最後の取材に四万温泉へ入りました。
「やったー!」
37軒目の宿の取材を終えて、ガッツポーズの僕。
「じゃあ、とりあえず祝杯を挙げますか?」とK氏。
いいですねー、そー来なくっちゃ!とばかり、酒屋へ直行。
缶ビールを抱えて、清流・四万川のほとりへ。
「S君も呼んであげましょうよ」と、ケータイにて連絡を。
そうです、今日もひと足先に現地入りして、グラビアカメラマンのS君が、四万川に腰まで浸かって、水中写真を撮っているのです。
すぐに、渓流釣り用の腰まである長靴を履いたS君が川から上がって来ました。
「カンパーイ!」
うーーーっ、たまんないっすねぇ。
平日の真っ昼間、仕事を終えた充足感に包まれながら、山深い温泉地の渓流のほとり。
3人の怪しいオヤジたちは、豪快にビールをあおったのでありました。
その晩。
S君は、最後の仕事へ出かけました。
肝心要の表紙撮影です。
彼のすごいところは、川の中だろうが、夜の温泉街だろうが、何度でも出かけて、納得いく写真が取れるまで通い撮り続けることです。
いえいえ、納得のいった写真が撮れて、ディレクターが「これで行きましょう」と言っても、「もっといい写真が取れるかもしれない」からと、夜となく、朝となく、光の加減で表情を微妙に変える被写体を撮影しに、何度でも出かけて行くのです。
彼のような人を、本当の “プロカメラマン” って言うんでしょうね。
で、酒を飲んでいるK氏を宿に置いて、僕もS君の撮影現場へ同行しました。
ちょうど温泉街は、夕食を終えた宿泊客らが浴衣姿で夕涼みにそぞろ歩いています。
また、地元の商店主たちは一日の仕事を終えて、タオルと桶を抱えて共同湯へと出かけて行きます。
「なに、撮ってるの?」
橋の上で撮影をしていると、浴衣姿の女性が数名、見物にやって来ました。
これこれしかじか、本の表紙を撮っているのだと説明すると、その中の1人が、
「えっ、小暮淳さんですか?」 と言ったのです。
これには、ビックリ!
「はい、そうですけど……」 と返事をするやいなや、「いつも読んでます~」 と握手をするわ、写メを撮るわ、大変なことになってしまいました。
他の女性は、僕のことなど知らないようで、「誰? 有名人?」と訊いています。
最初の女性が説明を始めると、途端に態度が変わり、次々と握手を求めだし、1人ずつ一緒に写真を撮るように要求され、ますます大変なことに……。
浴衣姿の熟女たちに、体中を触られ、もみくちゃにされました(恐るべし、熟女パワー!)。
「ははははっー、これは凄い! 淳ちゃん、いまや芸能人並みの人気だねぇ」
とS君は、撮影を続けながら、その騒ぎを傍観していました。
宿に帰ってからは、K氏に事の顛末を報告し、そのネタで盛り上がったことは、言うまでもありません。
それにしても、どーして僕の読者って、オヤジとオバサンばっかりなのよ?
まっ、いいか。
あのオバサンたち、今度出る本は全員買ってくれるって言ってたものな。
Posted by 小暮 淳 at 18:23│Comments(2)
│取材百景
この記事へのコメント
取材完了おめでとうございます。
これからがまだ大変かと思いますが、本の出来上がりを楽しみにしています。
これからがまだ大変かと思いますが、本の出来上がりを楽しみにしています。
Posted by bakushow at 2011年07月14日 09:03
bakushow さんへ
いつもいつも遠い九州からの応援、ありがとうございます。
ディレクターK氏の最高傑作になること間違いなしです。
乞う、ご期待!
いつもいつも遠い九州からの応援、ありがとうございます。
ディレクターK氏の最高傑作になること間違いなしです。
乞う、ご期待!
Posted by 小暮 at 2011年07月14日 14:44