2012年05月28日
「ありがとう」 と言える温泉
先日、取材中にハッとさせられたことがありました。
それは、温泉旅館の女将が言った言葉です。
「こちらがお金をいただいているのに、お客さんの方から 『ありがとう』 って言っていただいたとき、ああ、この仕事をしていて良かったと嬉しくなります」
いつの世からでしょうか?
お金を払う人が、もらう人より偉くなってしまったのは・・・
「お客様は神様です」 なんて、三波春夫が言ったころからでしょうかね。
日本が高度経済成長の波に乗り、豊かになり出したころです。
「それ以前の客は違ったよ」 と言った温泉旅館の主人がいました。
昔の客は “泊めていただく”、
今の客は “泊まってやる” なんだそうです。
「温泉が、ありがたかった時代の話ですよ」
と笑った主人。
でも、似たような話を、このところ取材先で、いっぱい拾ってきました。
「温泉があるだけで、人が来たからね」
「廊下でもいいから泊めてくれっていう客が大勢いたよ」
「今じゃ、風呂が小さいの、料理がまずいの、サービスが悪いの・・・帰った後までネットに悪口を書かれる始末です」
そんなときに出合った、客が言う 「ありがとう」 の言葉。
とっても、新鮮でした。
本来、物々交換であれば、その対価は同等です。
売るモノやサービスと、支払う金額は対等なのですから、どちらの人間が偉いなんてことはありません。
互いが満足できれば、どちらからも 「ありがとう」 の言葉が出ていいはずです。
モノを売ってくれて、「ありがとう」。
サービスをしてくれて、「ありがとう」。
そして、いい湯を守ってくれて、「ありがとう」。
お金を払う人の 「ありがとう」 が、もっともっと増えると、
この国は、もう少し住みやすくなるかもしれませんね。
Posted by 小暮 淳 at 18:31│Comments(2)
│温泉雑話
この記事へのコメント
ほんと、そのとおりですぜ!コグレさ~ん!!
Posted by おしるこちゃん at 2012年06月07日 16:29
おしるこちゃんへ
おしるこちゃん! お久しぶりです。
お元気でしたか?
お金を払って 「ありがとう」 の輪を、もっともっと広げましょう!
おしるこちゃん! お久しぶりです。
お元気でしたか?
お金を払って 「ありがとう」 の輪を、もっともっと広げましょう!
Posted by 小暮 at 2012年06月07日 22:22