2013年11月15日
鳩ノ湯温泉 「三鳩樓」
群馬県東吾妻町には、2つの温泉郷と5つの温泉地があります。
吾妻渓谷温泉郷の、川中温泉と松の湯温泉。
浅間隠温泉郷の、鳩ノ湯温泉と薬師温泉と温川温泉。
5つの温泉地すべてが、たった1軒で源泉を守っている一軒宿です。
2日間、僕は浅間隠(あさまかくし)温泉郷に滞在して、3つの温泉旅館を取材してきました。
まず最初に訪ねたのは、江戸時代より奥上州の湯治場として栄えた鳩ノ湯温泉「三鳩樓(さんきゅうろう)」。
※(鳩ノ湯温泉の由来については、当ブログの2011年5月4日 『いで湯伝説④「鳩」』 を参照)
三鳩樓を訪ねるのは、確か4回目です。
最初に訪ねた晩に、ご主人の轟徳三さんから聞いた 「あまりに歴史が古過ぎて、自分が何代目だかは不明」 と言った言葉が、実に印象的でした。
で、今回、僕はあらためて、お訊きました。
「う~ん、分からねーなー」
「そこをなんとか! だいたいで、いいんですけど」
と、ねばったところ、やっと、
「たぶん、14~15代目だと思うよ」
とのこと。
なんだか、そのあいまいなところが、やけに説得力を感じたのであります。
だって、創業は江戸時代ですものね。
ちゃんとした家系図でもないかぎり、“たぶん” というのが本当の話だと思います。
過去に、新聞や雑誌、ラジオ、テレビでも書いたり話したりしましたが、ここの温泉は色が変る珍しい湯なんです。
名づけて、「万華鏡の湯」。
(もちろん、僕が勝手に命名しました)
季節や天候により日々色を変え、時間の経過とともに色を変えます。
一番顕著なのは、真冬の2月頃とか。
「いつもは、にごっているけどブルーになったり、透き通ることもある」
ただし、
「オレも無色透明な湯は、まだ1度しか見たことがないけどな」
と、ご主人が言うほど、透き通ることは滅多にないようです。
で、僕が過去に訪れたときは、たいがい黄褐色や茶褐色でした。
そういえば1度だけ、夜は茶褐色だった湯が、翌朝には鮮やかなカーキ色に色を変えていたことがありました。
さて、今回の色は?
露天風呂、内風呂ともに、モスグリーン(深緑色) に見えました。
でも湯舟に浸かり、手で湯をすくってみると、黄色や茶色の湯花が漂っているのが分かります。
相変わらず、不思議な湯であります。
「人参持っていくか? ヤーコンもあるぞ」
と、土の付いた野菜をドッサリ!
「ヤーコンですか? どうやって食べるんですか?」
と訊けば、帳場の奥から女将さんが出てきて、
「キンピラにするのが美味しいわね」
と。
ありがとうございます。
取材して、お土産までいただいてしまって。
と、思ったら・・・
「おい、取材費置いていけよ。オレは来週からドイツへ行くんだからさ。餞別がわりだ」
と冗談を言って、笑う主人。
東吾妻町観光協会長として、本家本元のロマンチック街道を視察に行って来るんだとか。
お忙しい人であります。
お気をつけて、行って来てくださいね。
ご主人が帰る頃には、原稿をお見せできると思います。
Posted by 小暮 淳 at 18:26│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
鳩の湯温泉の露天風呂ですが、冬季は入れないんですよね。
その冬季とはいつからいつまでなのでしょうか?
その冬季とはいつからいつまでなのでしょうか?
Posted by ありこ at 2021年01月27日 22:49
ありこさんへ
のようですね。
僕は、いつも夏場が多いので、知りませんでした。
HPを見てみましたが、冬季閉鎖としか書かれていませんでした。
そもそも源泉の温度が低いので、暖かくならないと無理でしょうね。
ぜひ、問い合わせてみてください。
PS.湯は断然、内風呂のほうがいいですよ。
のようですね。
僕は、いつも夏場が多いので、知りませんでした。
HPを見てみましたが、冬季閉鎖としか書かれていませんでした。
そもそも源泉の温度が低いので、暖かくならないと無理でしょうね。
ぜひ、問い合わせてみてください。
PS.湯は断然、内風呂のほうがいいですよ。
Posted by 小暮 淳 at 2021年01月28日 10:32