2013年11月16日
温川温泉 「白雲荘」③
温川温泉の一軒宿 「白雲荘」 は、浅間隠温泉郷の中で、一番小さな温泉宿です。
前回訪ねたのは、昨年の12月ですから、ほぼ1年ぶりの再会となります。
再会したのは、6代目女将の葉木沢愛子さんと、3代目オーナーの唐沢貴子さん。
2人のご厚意により、泊めていただき、じっくりと取材をしてきました。
「白雲荘」 といえば8年前、初めて泊まった晩に、摩訶不思議な体験をした宿です。
真夜中、目が覚めると僕の枕元に、黄金に輝く6体の観音菩薩像が現れました。
それが、何を意味するのか分かりませんでしたが、その年を機に、僕は温泉取材にのめり込んで行きました。
※(不思議な体験の詳細は、当ブログ2010年11月1日「温川温泉 白雲荘」 参照)
今回が、ちょうど6回目の訪問になります。
そして、来年出版予定の温泉シリーズ本が6冊目。
はたして、また観音菩薩像は、現れるのでしょうか?
とにもかくにも、宿に着いたら、まずは風呂です。
が、その前に、番頭さんが瓶ビールを部屋まで持ってきてくださったので、1本だけノドを潤してから、露天風呂へ向かいました。
と、いっても、ここの露天風呂は、完全なる屋外です。
宿を出で、温川の清流沿いに2~3分歩くと、「目の湯」 と書かれた湯小屋があります。
江戸時代中期、囲炉裏や炊事の煙に悩まされた村の女房どもが、この湯で丹念に目を洗ったところ、たちまちに治ったことから 「目の湯」 と呼ばれるようになったといいます。
実際、目薬の成分であるホウ酸が含まれているため、今でもペットボトルに源泉をくんで帰る人がいるそうです。
「その節は大変ありがとうございました」
と、湯小屋の前にある休憩所(日帰り入浴客の受付所) に立ち寄ると、オーナーの唐沢さんが出てきました。
「あの後、新聞を持ってやって来る人が、大勢いらっしゃいました」
新聞とは朝日新聞のことで、僕は今年の3月まで 『湯守の女房』 という記事を連載していたのです。
で、その時、唐沢さんにねだられて、色紙にサインをしました。
「ごめんなさーい! あの時、小暮さんには 『壁には貼るな』 って言われたんですけど、貼っちゃいました!」
と指さす先には・・・
ギエーーーーーッ!!!!!!!
まさしく、ヘタクソな字で書かれた僕のサインが、他の訪れた有名人たちと一緒に飾られているではありませんか~!
しかも、あの時、唐沢さんと一緒に撮った写真までが貼られています。
でもね、許しちゃいます。
だって、美人に 「ごめんなさーい」 なんて言われれば、男なら誰だって許しちゃいますよ。
かなり面はゆい気持ちには、なりましたけどね。
せせらぎの音を聴きながら、のんびり、ゆったりと、紅葉に映える山並みを眺めながら温泉に浸かっていると、これが仕事だということを、ついつい忘れてしまいます。
しばらく沈んでいると、体中に泡の粒が付きだしました。
昔から泡の出る温泉は、骨の髄まで温まるといわれています。
これは、また湯上がりのビールが旨そうですぞ!
Posted by 小暮 淳 at 21:13│Comments(0)
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