2013年12月05日
我が青春のマーチン
今日は、僕が所属するオヤジバンド 「KUWAバン」 の練習日でした。
平日の昼間に行うのが習わし。
フリーランスで仕事をしているメンバーならではの特権です。
でも、練習をするのは、年に数えるほどしかありません。
ライブが決まり、新曲をレパートリーに加える時ぐらいです。
で、今月、某温泉旅館でのライブが決まったものですから、あわてて練習をしたというわけです。
懐かしのフォーク&GS(グループサウンズ) のコピーバンドなので、お座敷に呼ばれることが多いのであります。
実は僕、もう1つ 「ジュン&クァパラダイス」 というバンドもやっています。
こちらはオリジナルご当地ソングのみを演奏するバンドなので、市町村のイベントやお祭り専門です。
着物姿の踊り子たちが、僕の歌に合わせて踊っています。
でも最近は、お声がかからないので、活動休止状態です。
いつから、こんなバンド遊びをしているのかと言えば、まだ15年くらいのもの。
40歳を過ぎてからです。
当時、「KUWAバン」 のリーダーに誘われて、イヤイヤながら始めた記憶があります。
実は僕、長年、“音楽恐怖症” をわずらっていたのです。
10代からシンガーソングライターを目指して、東京へ出て行き、ストリートやライブハウスで歌っていた僕にとって、音楽は思い出したくもない、ツライ過去だったのであります。
だからギターを弾いたり、歌を歌うことに、強烈な抵抗がありました。
「遊びで音楽なんてできない!」
そんな思いだったんでしょうね。。
事実、あれほど大切にしていたギターだって、一度も触れずに、押入れの奥に封印したままでした。
マーチンHD-28 (ヘリーンボーン・カスタム)
今から35年前、20歳の時に45万円で手に入れたあこがれのギターです。
もちろん、売れない歌手に、そんな大金はありません。
ローンを組んで、アルバイトをしながら何年もかけて返済をした “相棒” であります。
20代の後半。
結婚をして、子どもが産まれて、音楽も捨て、仕事もせずに、途方に暮れていた時期がありました。
ただただ、後ろばかりを振り返り、自分の無能さを責めていた日々。
僕は、ある日、このギターを売ることにしました。
働くより、手っ取り早く、現金を手に入れようとしたのです。
その時、猛反対をしたのは、家内でした。
「本当に、いいの? 本当に、いいの?」
と、ギターを売りに行こうとした僕を引き止めました。
「こんなモノがあるから、いつまで経っても、オレは前を向いて歩き出せないんだよ」
そう言って、家内を振り払おうとした時です。
彼女が、言いました。
「私は、音楽をやっているあなたと結婚したんだからね。今はダメでも、いつかきっとまた、やりたくなる時がくるから、その時まで大切にしまっておこうよ」
あれから25年以上が経ちました。
相変わらず、マーチンは押入れの中です。
たまに取り出して、陰干しをしていますが、このギターを弾く気持ちには、まだなれません。
現在、バンド活動で使用しているギターは、40歳を過ぎてから買った安物です。
いつか、あのマーチンをもう一度、弾く日が来るのでしょうか・・・
あまりにも思い入れが深過ぎて、いまだに軽い気持ちで弾くことができません。
でもいつか、もう一度・・・
昔のように・・・
Posted by 小暮 淳 at 21:03│Comments(2)
│ライブ・イベント
この記事へのコメント
楽器は弾かれるために作られました
弾いてなんぼでっせ
また、音もでなくなりまっせ
そして、売っても二束三文でっせ
なにかのご縁で出会ったのですから
大事にしてください。
弾いてなんぼでっせ
また、音もでなくなりまっせ
そして、売っても二束三文でっせ
なにかのご縁で出会ったのですから
大事にしてください。
Posted by 野兎 at 2013年12月05日 22:07
野兎さんへ
ありがとうございます。
重々承知しているのですが……
一時は、他人に預けて、弾いてもらっていたこともありました。
たぶん、もう少しで心の傷が癒えると思うのですが……
ありがとうございます。
重々承知しているのですが……
一時は、他人に預けて、弾いてもらっていたこともありました。
たぶん、もう少しで心の傷が癒えると思うのですが……
Posted by 小暮 at 2013年12月06日 10:45