2014年04月25日
赤岩温泉 「誠法館」③
“温泉ファンが最後に訪れる群馬の秘湯”
それは赤岩温泉だと思います。
だって、「赤岩温泉に行った」 「誠法館に泊まってきた」 という人に、いまだ僕は会ったことがありません。
「泊まって、酒を飲みながら取材をしてください」
昨年、赤岩温泉の一軒宿 『誠法館』 の2代目主人、冨沢房一さんから連絡をいただきました。
ところが、ご主人が体調をくずしてしまったため、その約束はかないませんでした。
「申し訳ない。だったら本ができたら、ぜひ、泊まりに来てください。一緒に完成を祝いながら飲み明かしましょう」
と誘われ、昨晩は、ご主人のお言葉に甘えて、新刊本を届けがてら泊まってきてしまいました。
赤岩温泉は、知る人ぞ知る群馬の秘湯です。
国道17号沿い、猿ヶ京温泉と湯宿温泉の間にある小さな湯治場。
樹齢100年以上を超える木々に囲まれた一軒宿です。
「歳には勝てませんよ。腰も痛めてしまってね。こっちは、辞めてしまったんです」
と、銃を構えるしぐさをしました。
ご主人は、この界隈では名だたる猟師だったのです。
「いゃ~、昔は猟師仲間と浴びるほど飲みましたよ。4人で6升飲んだことがあったな~!」
そう言って笑いながら、コップ酒をあおりました。
もちろん、僕は徳利(とっくり) に猪口(ちょこ) です。
なのに、ご主人は、「猪口で、ちょこちょこ飲めねえよ」 と、豪快にコップに酒を注いでいます。
「ちょっと待っててくんない。ちょっこし、魚を焼いてくるから」
と、部屋から姿を消したご主人。
なんでも、この日のために一昨日、朝早くから日本海に船を出して、魚を釣ってきてくださったというのです。
猟師を辞めて、今度は漁師になったようですよ(笑)
メバルの塩焼き、だなんて、なんて贅沢なんでしょうか!
「小さくってゴメンな。あんまり釣れなかったんだ」
と言うけど、いやいや、どうしてどうして大したものですよ。
15~20cmは、ありますもの。
しかもメバルは、高級魚ですぞ!
「えっ、このタラもですかーーッ!」
と、二度びっくり!
鍋の中に、キノコや野菜と一緒に煮られている白身魚・・・
このタラまでもが、ご主人の手により釣られたものだといいます。
いやはや、なんとも素晴らしい!
これぞ、最上級の “お・も・て・な・し” であります。
「ごちそう」 とは、大切な人をもてなすために、駆けずり回っておいしい物を探すことから 「ご馳走」 の字が当てられたといいます。
まさに、これは、ご主人の愛情がたっぷりこもった 「ご馳走」 であります。
いい酒に出合い、いい味に出合い、いい人に会う
もちろん、いい湯にも、たっぷり浸かってきました。
ご主人、女将さん、ありがとうございました。
これからも群馬の温泉宿を応援していきますので、いつまでも湯と宿を守り続けてくださいね。
Posted by 小暮 淳 at 15:50│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
泊まった ことはないです。
師匠様の本で確認しました、今、現代人に足りない栄養がもらえる雰囲気の湯治場ですね。
今後の栄養にいたしました。必ず活かしていきたい。
師匠様の本で確認しました、今、現代人に足りない栄養がもらえる雰囲気の湯治場ですね。
今後の栄養にいたしました。必ず活かしていきたい。
Posted by ぴー at 2014年04月25日 16:28
ぴーさんへ
群馬には、まだまだ知られていない温泉が、たくさんあります。
これからも1つでも多くの温泉宿を取材して、紹介していきたいと思います。
ぴーさんも、心の栄養補給に、出かけてくださいね。
群馬には、まだまだ知られていない温泉が、たくさんあります。
これからも1つでも多くの温泉宿を取材して、紹介していきたいと思います。
ぴーさんも、心の栄養補給に、出かけてくださいね。
Posted by 小暮 淳 at 2014年04月26日 13:02