2014年04月30日
銃後の夜
伊勢崎市のライブハウス 『S』。
マスターの I 君は、僕の中学時代の同級生です。
友人の中でも彼は、とっても稀有な人生を送っている人の一人です。
だって彼は、元国家公務員ですからね。
今から6年前、24年間勤めた役所を突然、辞めてしまいました。
「今までオレは、自分にウソをついて生きてきた。これからは、本当にやりたかったことだけをして生きていく」
と退職金をつぎ込んで、自宅兼ライブハウスを建てて、オーナー兼マスターになりました。
先日、そんな彼から久しぶりにメールが届きました。
<トンデモ企画 『銃後の夜』 のお知らせです。(オザキではありません)>
とのイベントの案内です。
続いて、こんな内容が・・・
<いよいよ、戦争の足音が近付いてきました。
戦争反対!と言えない風潮になりそうです。
来る4月29日(昭和の日) は、19時から軍歌喫茶となります。>
う~ん、実に彼らしいギャグ精神であります。
誤解のないように言っておきますが、彼は右でも左でもありません。
ただのロッカーです。
<昭和軍歌を当時録音のSP盤で味わいます。>
とのこと。
これは、面白そうじゃありませんか!
ということで、昨晩は旧友の店へ。
店内には、ポツンとマスターの I 君が一人。
「お客さんが来るか心配だよ」
と、苦笑い。
ところが開けてみると、テーブル席は満席の大盛況!
すべて中年のオジサンとオバサンばかりです。
ステージで I 君が、SP盤に針を落とします。
すると、シャリシャリという雑音とともに、大音響で流れる軍歌。
♪兵隊さんのおかげです。兵隊さん、ありがとう♪
♪みんな兵士だ、弾丸だ~!♪
国策とはいえ、当時の異常な社会風潮が伝わってきます。
そして聴いている誰もが思ったこと、それは、まさに今の北朝鮮そのものだということ。
こんな時代が、日本にもあったのですね。
そして、二度とこの時代に戻らないことを切に望むばかりです。
おい、I 君!
こんだけ楽しんで、ドリンク付き300円は安過ぎるぞ!
えっ、儲けるつもりはないって?
「オレ、楽しく生きていきたいんだ」
6年前に疲れとともに吐いた彼の本音が、よみがえってきました。
Posted by 小暮 淳 at 11:58│Comments(0)
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