2014年06月30日
鳴く蛾
昨日の夕方のこと。
いつものように愛犬のマロ君(チワワのオス) と、散歩に出かけました。
町内を一周して、我が家までもどって来たときです。
いつもなら、真っ先に玄関へ飛び込んで行くのですが、
「ウウウーーーッ」
と、うなったまま家の前の駐車場で動かなくなりました。
「どうした? マロ」
彼が見つめている、僕の車の下を覗き込むと・・・
ん? なんだ? この三角形の黒い物体は?
一瞬、枯葉のようにも見えましたが、蛾(が) のようであります。
それも、デカイ!
体長は約10センチ。
戦闘機のような二等辺三角形をしています。
何よりも不気味なのは、背面にドクロのような人面模様があります。
ここで20年近く暮らしていますが、こんなに大きくて、しかも気味の悪い模様を付けた蛾を見るのは初めてです。
(おい、とーちゃんよ。そいつ、生きているのかな? 死んでるのかな?)
とマロ君が話しかけてきます。
「どっちでもいいよ。さあ、家に入ろう」
と、リードを引っ張って、立ち去ろうとすると、
(あ、怖いんだな! いくじなし~!)
と、飼い主をからかってきました。
そこまで飼い犬に言われたら、ご主人様としては立つ瀬がありません。
「わかったよ、ちょっと待ってろ」
と、僕は細い木の枝を見つけてきて、その三角形の物体を突きました。
すると・・・
“キイキイキイ”
と、カミキリムシのような声を出して鳴くではありませんか!
「おい、マジかよ! いま、コイツさ、鳴いたよな?」
(ええ、ええ、確かに聞こえました。うわぁ~、驚いたな!)
と、マロ君も青ざめながら、後ずさりしています。
(そいつ、セミだよ)
「セミじゃないよ。どう見ても蛾だ」
(だって、蛾が鳴くかい? ちょっと、とーちゃん、もう一度、突っついてみてよ)
と言って、また僕をそそのかします。
「えっ、もう一度するの? わかったよ、ほれ!」
“キィキィキィー”
と、さっきよりも大きな声で鳴くではありませんか~!
もう、ダメです。
僕とマロ君は、一目散に玄関へと駆け込みました。
(あのさ、とーちゃん。あいつにシューしちゃえば?)
洗面所で、手足を拭いてあげていると、マロ君が言いました。
「シューって、なんだよ?」
(この間、ハチが出たときに、とーちゃんが買ってきたシューだよ)
「ああ、殺虫剤のことね」
(そーだよ、それで、アイツをやっつけてきなよ)
と、またしても僕をそそのかすのであります。
確かに、マロ君のいうとおりです。
あのままでは、気味が悪くて、車が乗れません。
やはり、これは退治したほうが良さそうです。
と、いうことで、ダブルジェットの最新式殺虫剤を手に、再度、駐車場へ向かいました。
まだ、います。
ドクロのようなお面が、憎憎しく、こちらをにらんでいます。
おのれ、お前の命も、それまでだ~!
エエエーーーーイ !!!!!
と、一気に噴射しました。
“チチチチチチチチ……”
戦闘機のような物体は、空高く飛び上がり、鳥のように羽をバタつかせながら消えていきました。
メンガタスズメ <面型雀>
調べてみると、大型のスズメガの一種だと分かりました。
「鳴く蛾」 として有名な蛾でした。
55年間生きてきて、あんな不気味な蛾を見たのは初めてです。
たぶん、次に出合ったら気絶してしまうかもしれません。
絶対に、1人のときには出合いたくない “生物” であります。
マロ君、一緒にいてくれて、ありがとう。
Posted by 小暮 淳 at 20:59│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
どこへ行ったのでしょうか…。怖い。
Posted by 優・寛の母さん at 2014年06月30日 22:59
優・寛の母さんへ
幼虫は、ナス科の植物を好んで食べるので、庭先やベランダのプランターで栽培されたプチトマトなんかも食い荒らすんですってよ。
私たちの身近にいる蛾なんですね。
でも、2度と出合いたくありません!
幼虫は、ナス科の植物を好んで食べるので、庭先やベランダのプランターで栽培されたプチトマトなんかも食い荒らすんですってよ。
私たちの身近にいる蛾なんですね。
でも、2度と出合いたくありません!
Posted by 小暮 淳 at 2014年07月01日 10:21