2014年09月17日
鎌田温泉 「梅田屋旅館」③
<何ィ俺は素面(しらふ)だァ この野郎人生を 何だと思ってやんでぇ 人生なんて全て 成り行きだァな>
また、会えました!
ふすまいっぱいに描かれた落書き(?)です。
誰が描いたって?
こんな素敵な言葉を吐くのは、立川談志師匠に決まっているじゃありませんか!
昨晩は、群馬県片品村の鎌田温泉 「梅田屋旅館」 のご厚意により、泊めていただき、村内の施設を取材してきました。
創業は明治44(1911)年。
尾瀬や日光の行き帰りに投宿する料理旅館として、明治・大正・昭和・平成の旅人をもてなしてきた街道屈指の老舗です。
「お帰りなさい。お疲れになったでしょう」
と夕刻、迎えてくれた4代目女将の星野由紀枝さん。
女将さんとは、もう、何回も雑誌や新聞の取材でお世話になっています。
「小暮さんのお仕事も、大変なお仕事ですね」
なーんて、ちゃんとねぎらい、もてなしてくださるのです。
「いえいえ、女将さんの仕事のほうが苦労が多いと思いますよ」
とかなんとか雑談を交わした後、部屋で旅装を解いて、まずは一風呂!
実はこの日だけで、梅田屋の湯に入るのは3度目なのです。
すでに午前中、露天風呂の 「三郎の湯」 と、半十六角形風呂の 「美人蕉(ひめばしょう)」 の湯は撮影のために入浴しています。
ので、一日の終わりは、大浴場の 「水芭蕉の湯」 に、仕事を忘れてのんびりと浸かりました。
夕食は、広間 「武尊(ほたか)」 でいただきました。
ここと隣の広間 「白根」 にある12枚のふすまに、師匠の “お言葉” が描かれているのです。
※(談志師匠と梅田屋の関係については、当ブログの2011年11月24日 「師匠が愛した温泉」 を参照)
イワナのあらい、キノコのホイル焼き、ニジマスの唐揚げなど、5代目主人であり、板長を務める星野修一さんが腕をふるってくれた山里の料理に、酒が進みます。
「こちらが、師匠が必ず召し上がった大好物のすいとんです」
グツグツと煮えたすいとんは、あっさりとした味噌味で、これまた酒に良く合います。
「『おい、家でも作りたいから、作り方を教えろ!』 とまで言われました」
ですって。
師匠が他界して、早や3年になろうとしています。
今年も命日には、ファンが訪ねて来ることでしょうね。
Posted by 小暮 淳 at 19:29│Comments(0)
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