2014年09月21日
紅雲愚連隊
♪ぼ、ぼ、ぼくらは 紅雲愚連隊
勇気りんりん るりの色♪
昨晩、オヤジの卒寿を祝う乾杯をし、両親を寝かし付けた後、僕はこっそりと実家を抜け出しました。
バッグには、日本酒のビンを忍ばせて・・・
目指すは、秘密のアジトです。
アジトとは?
実家と同じ町内にある、旧友の家。
小学校から遊んでいるK君のアトリエです。
そう、K君は画家なんです。
「よっ、日本酒を持ってきたぞ!」
「おお、サンキュー! とりあえずSが来るまで、ここでやってましょう」
と、さすがK君。
中庭のテーブルの上に、クーラーボックスから缶ビールを2本取り出しました。
S君とは、同じ町内に実家がある同級生です。
職業はカメラマン。
ちなみに、僕らが生まれ育った町とは、前橋市の紅雲町(こううんちょう) です。
「べにぐも」 ではありませんよ。
S君が来て、メンバーが全員揃いました。
「われら、紅雲愚連隊! カンパ~イ!」
と、あれから50年近く経った今でも、僕ら悪ガキは集まって、夜遊びを繰り返しているのです。
「やっぱ俺たち3人は、浮いてたな」
とK君が、今年の6月に開催された中学校の同窓会話を始めました。
「そりゃ、そーでしょう。みなさん、ちゃーんと立派な職業に就いておられましたからね」
と僕。
画家とカメラマンとライター、ですもの。
よりによって、紅雲町に住んでいた幼なじみ3人が、仲良くアウトローの人生を歩んでしまいました。
「しっかしさ、俺たちって、いっつも金がなくて、貧乏だな」
「だな、自慢じゃないけど、俺、貯金ないし」
「なに言ってんだい、俺なんて、貯金はもちろんないが、借金ならあるぞ」
ついに、いつもの貧乏自慢が始まりました。
この日だって、飲み屋に行く金がなくて、全員持ち寄りで飲むことになったのです。
さすがに、屋外は夜になると冷えます。
河岸をアトリエの中に替えて、焼酎、ウイスキー、日本酒と、思い思いの好きな酒を飲みながら、密談は続きます。
「ジュンの最初の本は、俺が作ったんだよな」
そうなんです。17年前、K君がプロデュースして 『上毛カルテ』(上毛新聞社) というエッセイを出版したのでした。
今は、S君が僕の温泉本の表紙やグラビアの写真を撮ってくれています。
本のこと、絵のこと、写真のこと・・・
昔と変わらず悪ガキたちは、大人になっても夢を食べて生きているのです。
「そうだ、ジュン。また、あの島へ行こう!」
「行こう行こう! 今度はSも一緒に行こうよ」
「みんなで、夕陽を見ながら海で酒を飲もう!」
気が付けば、すでに午前様であります。
死ぬまで、こうやって3人で仲良く夢を見て暮らしていこうな。
頼むぜ、紅雲愚連隊の同志たちよ!
Posted by 小暮 淳 at 20:48│Comments(0)
│酔眼日記