2014年10月18日
お隣さんとお向かいさん
「おはようございます。今日はジュンちゃんなのね」
と、ブロック塀越しに隣の家の娘さんが声をかけてきました。
娘さんといっても、60歳を過ぎています。
「ええ、昨日から泊り込んでいます」
と、あいさつから立ち話に・・・
お隣さんちには年寄りはいませんが、嫁ぎ先には90歳を超える義母がいるとのこと。
「小暮さんちはさ、2人だから大変よね」
「でも、アニキと交替で看ていますから」
なんて会話をしたのでした。
しばらしくて、お向かいの娘さんが出てきて、家の前の掃除を始めました。
娘さんといっても、60歳を過ぎています。
「おはようございます。お兄さんは東京にお帰りですか?」
「ええ、今週は僕の当番なんです」
アニキは家族が東京にいるのです。
「エライわね。親孝行だこと」
なんていうお向かいさんちには、100歳になる実母がいて、娘さんが看ているのです。
「誰もが通る道ですから。これだけは仕方ありませんよ」
と、またまた立ち話が始まってしまいました。
お隣さんもお向かいさんも、僕が子どもの頃に大変世話になった近所の “おねえさん” です。
確か、お隣さんは僕より10歳年上で、お向かいさんは7歳上でアニキの同級生です。
みんな、この町が好きで、戻ってきているんですね。
僕の実家は、前橋市の旧市街地にあります。
町内は過疎化が進んで、空き地や駐車場ばかりです。
若い人たちは、結婚を機に郊外へ出て行きました。
「この町は年金を払う人より、もらう人たちばかりですよ」
と、ぼやいたのは町内の郵便局員でした。
「お金があれば施設に入るんだけどね。年金しかないからね」
と、足の不自由なオフクロが、済まなそうに言います。
「いいって、気にするなって。オレもアニキも仕事の息抜きに来ているんだからさ」
なんて見え見えのウソを言う僕。
でも、実際は、どっちが幸せな人生なんでしょうかね?
至れり尽くせりの施設で死ぬまで過ごすのと、息子に怒鳴られながら暮らすのと……。
先日、アニキにしかられたオヤジが吐いた言葉。
「もういい、生きていたくない。屋上から飛び降りて死んでやる!」
ですって。
おいおい、じいさん、そんなことされたらオレとアニキは世間からなんて言われると思うんだよ。
その歳まで生きてきたんだもの、最後くらい息子たちに愛される父親として、一生を終わりましょうよ。
Posted by 小暮 淳 at 20:00│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
うちの姑も、「もう、死にたい」っと朝食時にワタシに吐きました。
87歳です。
このお年頃の方は、、、そうなんですね。
どうぞ、とも言いずらい話題で困ります。
87歳です。
このお年頃の方は、、、そうなんですね。
どうぞ、とも言いずらい話題で困ります。
Posted by ぴー at 2014年10月19日 14:16
ぴーさんへ
うちのオフクロと同い年ですね。
オフクロは 「死にたい」 とは言わないのですが、「デイサービスに行きたくない」 と、幼稚園児のようにダダをこねます。
つくづく、老人の介護は子育てより難しいと実感している今日この頃です。
うちのオフクロと同い年ですね。
オフクロは 「死にたい」 とは言わないのですが、「デイサービスに行きたくない」 と、幼稚園児のようにダダをこねます。
つくづく、老人の介護は子育てより難しいと実感している今日この頃です。
Posted by 小暮 淳 at 2014年10月19日 19:54