2015年03月16日
ブレない男
ブレずに生きるということが、どんなに難しいことか……。
僕には、身にしみて分かります。
先週、10年ぶりに、さる友人と再会しました。
彼は、ミュージシャン。
年齢は、僕と同世代。
昔のバンドメンバーです。
彼は、今もソロで音楽活動を続けています。
それは風の便りで知っていました。
当然、音楽だけでは生活できません。
だからライブハウスの雇われマスターをしています。
そう、風の便りで聞いていました。
でも、なぜか10年もの間、僕らは連絡も取らず、互いに会おうともしませんでした。
本当に、ひょんなことでした。
「えっ、Mちゃんのこと知ってるの~!?」
と驚く僕に、
「だったら、これから行きませんか?」
と飲み屋の客に誘われて、酒の力も借りて、旧友に会いに出かけたのであります。
店は、場末のさびれた長屋にありました。
ひと昔も、ふた昔も前に消え失せたような小汚いライブハウス。
扉を開けると、大音量の音楽とタバコの煙が充満していました。
薄暗い店内で目を凝らすと・・・
あの頃と変わらない、ストレートの長い髪を揺らしながら歩き回る彼の姿がありました。
「いらっしゃい……、あれ、ジュンちゃん?」
「ああ、Mちゃん、久しぶり!」
気が付くと2人は、握手をして、思いっきりハグをしていました。
そして彼は、たむろしている常連客一人一人に、僕を紹介してくれました。
「ジュンちゃんの活躍は知っているよ。温泉ライターやってるんだろ。時々、テレビで見るもの」
そう言って彼は、バーボンのグラスを僕の目の前に置きました。
「Mちゃんこそ、すごい! またCDを出したんだってね。1曲、聴かせてよ」
僕のリクエストに、満面の笑みを浮かべて、彼はステージへ上がりました。
生ギター1本の弾き語り。
絶品のテクニックは、今も健在です。
ああ、スゴイ!
20年前に出会ったときも、10年前に別れたときも、そして今も・・・
彼は、まったく変わっていない。
そして、微動だとして生き方がブレていない。
「また来るよ」
「うん、待ってる。今日は、ありがとう。うれしかったよ」
僕らは、また握手をして、ハグをして別れました。
寒空の下、いやに頬がほてった僕がいました。
慣れないバーボンを飲んだせいかもしれません。
Posted by 小暮 淳 at 21:45│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
あれ!
お名前Sじゃ?
そっか、苗字じゃなくてね
お元気そうでなによりです
久々に野外ライブやります
4月19日 千本桜まつりに(笑)
14時ごろ出番かな
お暇でしたら♪
お名前Sじゃ?
そっか、苗字じゃなくてね
お元気そうでなによりです
久々に野外ライブやります
4月19日 千本桜まつりに(笑)
14時ごろ出番かな
お暇でしたら♪
Posted by 野兎 at 2015年03月17日 18:46
野兎さんへ
お久しぶりです。
Mちゃんは、やっぱりMちゃんでした。
ぜひ一度、訪ねてみてください。
お久しぶりです。
Mちゃんは、やっぱりMちゃんでした。
ぜひ一度、訪ねてみてください。
Posted by 小暮 淳 at 2015年03月17日 22:01