2015年08月06日
磯部温泉 「旭館」
アツイ!
たぶん、前橋より暑い!
車から降りた瞬間、気のせいじゃなく、体が感じたのです。
案の定、最初に訪ねた某施設の屋外の日陰に掛かった寒暖計の温度は、38℃を差していました。
そんな酷暑の中、昨日は昼過ぎから磯部温泉(群馬県安中市) に入り、温泉街を取材しながら歩き回りました。
「たまりませんね、この暑さ! 汗が一向に止まりません」
と言うと、同行のカメラマン氏が、
「確か、駅前に食堂があったと思います。生ビールを飲みましょう!」
とナイスな提案。足取りも軽く、温泉街を抜けて磯部駅を目指しました。
ところが、ガーーーーン!
「準備中」 の札が出ています。
もうダメです。取材続行は不可能です。
僕らは、街中取材を断念して、熱中症防止策という名目により、早めに宿に入ることにしました。
創業は明治43年(1910)、百年以上の歴史を持つ、磯部温泉屈指の老舗旅館 「旭館」。
宿前の駐車場には、初代群馬県令、楫取素彦(かとりもとひこ) 別邸跡の碑が立っています。
明治時代、ここ磯部温泉は別荘が林立する避暑地として大変にぎわっていたといいます。
その跡地に建てられたのが 「旭館」 だったということです。
「暑かったでしょう。とにかく上がって、上がって~」
と、気さくに迎えてくれた3代目女将の宮川雪江さん。
生まれも育ちも磯部温泉という生粋の “いそべっ子” であります。
これは取材が楽しみです。温泉街の歴史やら女将でなければ知りえない秘話が聞けるかもしれません。
「お忙しいでしょうけど、どこかで時間を取ってください」
と取材を申し込めば、
「私はいつでも結構ですけど、とりあえず部屋で休んでから、ゆっくり温泉入ってください」
と、心の底までジーンとしみるような言葉をかけてくださいました。
では、お言葉に甘えて、ということで、まずはクーラーの効いた部屋で、キーンと冷えたビールを1杯!
ほどよく汗が引っ込んだところで浴衣に着替えて、露天風呂へ。
いやいや、何が気に入ったって、湯の国群馬広しと言えども、温泉に浸かりながら酒が飲める宿は、いくつもありませんって!
そう、ここ 「旭館」 は、県内でも稀少な、湯舟で枡酒(ますざけ) が飲める、のん兵衛御用達の温泉宿なのであります。
「小暮さん、いいですね。その角度、はい、止めて。もう1枚いきます」
カメラマン氏の指示にしたがいながら、その都度、枡の縁に盛られた塩をペロッとなめ、中の日本酒をキューッと胃の中へ流し込みます。
ぺロ、キュー。ぺロ、キュー。
その度に、全身に幸福感が染み渡るのであります。
ぺロ、キュー。ぺロ、キュー。
結局、女将さんへの取材は、夜になって、ほろ酔いの中で行われました。
(いつものことですが…)
Posted by 小暮 淳 at 21:00│Comments(0)
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