2015年10月31日
小さな講演会
僕は10年ほど前から、温泉をテーマに講演活動を行っています。
主催者は企業や団体、自治体、学生のサークルなど、さまざまです。
形態も一般の講演会から研修会、セミナー、教室と色々。
会場の規模も、何百人と収容できる会館やホテルから町の公民館まで千差万別。
大きな会場では、ステージの壇上からマイクを使って話しますが、公民館や会議室などでは、黒板やホワイトボードを使ってナマ声で話すこともあります。
今日は、そんな小さな講演会に呼ばれて、温泉の話をしてきました。
会場は、前橋市粕川町(旧・勢多郡粕川村) の「込皆戸集会所」。
「込皆戸」 って、読めますか?
「こみがいと」 と読むんですって。まず、読めませんよね。
でも、そのあたりからローカル色たっぷりで、ワクワクしちゃいました。
今回は公民館より、さらに小さい “集会所” です。
これまた、最近は見かけなくなったローカルな施設であります。
行ってみて、さらに感動!
神社の境内に、ひっそりと建っていました。
聞けば、元は野菜の収集所だったとか。
ますます、ワクワクしちゃいました。
今日の講演は、「いきいき健康教室」 という高齢者のいきがいと健康を目的とした事業の一環で、会場には地域のお年寄りたち約30人が集まりました。
「あれれ、いつもより年齢層がかなり高いぞ。ちゃんと話を聞いてくれるだろうか」 と始まる前までは一抹の不安がありましたが、さにあらん。みなさん、熱心に耳を傾けてくださいました。
講演が終わっても、お年寄りたちは帰られずに、全員で何やらガサゴソと準備を始め出しました。
「先生もこちらへどうぞ。一緒にお茶を飲みましょう」
と、誘われるままに輪の中へ。
どこに用意してあったのだか、果物やお菓子がズラ~リとテーブルに並んでいます。
「みなさん、教室の後のこれが楽しみで、やって来られるんですよ」
と、主催者。
「あたしはさ、関節が痛くてしょうがないのよ。どこか、いい温泉を教えてくれないかねぇ」
なーんてね、みなさん気さくに話しかけてくるわけです。
なんか、忘れかけていた風景なんですね。
古き良き日本の地域社会の縮図を見ているようで、とても和んでしまいました。
どうして僕は、講演活動を続けているのか?
その答えを、おぼろげながら見つけたような気がします。
一人でも多くの人に、温泉の素晴らしさを知って欲しい。
そして1軒でも多くの温泉に足を運んで欲しい。
ひいては、それが消えゆく温泉を1つでも減らすことにつながるかもしれない。
だって知らなかったら、行きたくても行けないですものね。
だから僕は、一人でも多くの人に、1軒でも多くの温泉の話をしたいのです。
これからも自称 “群馬の温泉大使” として、東奔西走しながら温泉の魅力を伝えていきたいと思います。
たとえ、どんなに小さな会場でも……。
Posted by 小暮 淳 at 22:43│Comments(0)
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