2015年12月19日
霧積温泉 「金湯館」⑥
「群馬で一番の秘湯は、どこですか?」
そう問われたら、迷うことなく 「金湯館」 と答えるでしょうね。
霧積温泉は、群馬と長野の県境にある鼻曲山(1,655m) の登山口にあります。
標高1,180メートル。
車道のできる昭和45年以前は、信越本線の横川駅から徒歩で3時間以上もかかったといいます。
今は車で行けるようになったといえ、その道程は、かなり険しい山道であります。
横川を過ぎてから国道18号を分岐して、碓氷峠を越える旧道へ。
さらに旧道から分かれ、右手に霧積湖を眺めつつ走ると、やがて道幅は次第に狭くなり、対向車とのすれ違いが不可能なほどの細道に。
約20分のスリリングなドライブを楽しんだ後、林道の終点であり、鼻曲山の登山口である、旧きりづみ館前の駐車場に着きます。
夏場なら、ここから “ホイホイ坂” と呼ばれる登山道を約1km(約30分) 歩くのですが、今は冬!
電話をして、宿の人に迎えに来てもらうことにしました。
「お久しぶりです」
「また、お世話になります」
4WD車で迎えに来てくれたのは、霧積温泉の一軒宿、金湯館の4代目若主人の佐藤淳さんです。
ここからは一般車両は通行禁止の、さらに険しい悪路の山道を上ります。
右へ左へ、ガードレールもない、つづら折りの道を約10分ほど揺られます。
「初めて来られた方は、みなさん想像以上の秘湯だと驚かれますね」
「でしょうね。僕は何度来ても、毎回驚きますよ(笑)」
「はい、着きました。まずは、部屋でくつろいでください」
「ありがとうございます。あとで、お時間をとってください。また近況を少し聞かせていただきたいものですから」
「分かりました。今日はヒマですから、いつでもいいですよ。都合の良い時間に、声をかけてください」
「よろしくお願いします。では、また後ほど」
そう言って、車外へ降りると、もう、そこは極寒の秘境の地!
聞けば、すでにマイナス2℃!
思いっきり、身震いをしてしまいました。
眼下には、冬枯れた木立の間に、赤い屋根の建物が寄り添うように並んでいます。
足元に注意をしながら、崖を下って、谷底へ。
「いらっしゃいませ」
赤々と揺れるストーブの炎とともに迎えてくれたのは、3代目女将のみどりさん。
「お久しぶりです」
僕が女将さんに、お会いするのは2年ぶりです。
前回は、昨年出版した 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) の取材でした。
その本が、フロントで売られていました。
昨晩、泊まった部屋は 「ききょう」 の間。
僕の一番好きな部屋です。
だって、窓を開ければ、目の前に水車が回っているからです。
ギギギギー
時おり、鈍い音を立てて、高さ3mもある大きな水車が回り出します。
見れば、水車へ水を送る木製の樋からしみ出す水が凍って、氷柱のカーテンを作り出しています。
何はともあれ、この冷え切った体を温めなければ・・・
と、湯屋へ向かったのでありました。
Posted by 小暮 淳 at 22:08│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
ご無沙汰しております(((^^;)
昨日、金湯館に日帰り入浴で行きました
二年前に泊まりで行って以来でした
霧積館が更地になったは残念です(涙)
モダンな温泉が好きだったのに(;´д`)
昼飯で山菜うどんを食べて来ました♪
サービスで焼き饅頭を頂きましたよ(笑)
昨日、金湯館に日帰り入浴で行きました
二年前に泊まりで行って以来でした
霧積館が更地になったは残念です(涙)
モダンな温泉が好きだったのに(;´д`)
昼飯で山菜うどんを食べて来ました♪
サービスで焼き饅頭を頂きましたよ(笑)
Posted by うえちゃん at 2016年03月27日 09:42
うえちゃんへ
お久しぶりです。
日帰りで霧積まで行って来たとは、すごい!
もしかして、ホイホイ坂を歩いて登ったのですか?
うえちゃんのような人がいる限り、“源泉一軒宿”は不滅なのです。
お久しぶりです。
日帰りで霧積まで行って来たとは、すごい!
もしかして、ホイホイ坂を歩いて登ったのですか?
うえちゃんのような人がいる限り、“源泉一軒宿”は不滅なのです。
Posted by 小暮 淳
at 2016年03月28日 00:31
