2016年02月29日
若いって素晴らしい?
「テレビで見るより若いですね」
先日のライブ終了後、何人かの方から同じことを言われました。
「そうですか、ありがとうございます」
と、その時は言葉を返したものの、あとになって、
「これって、うれしいことなのかな?」
と疑問に思ってしまいました。
だって、“年齢より” とは言われてませんものね。
“テレビで見るより” とは、テレビのほうが実際より老けて映っている場合だってあるわけですから。
だから、決して 「小暮さんは若いですね」 と、ほめられたわけではありません。
歳を重ねると、年々、この手の話は増えるのであります。
さすがに若い人みたいに、初対面の人に 「いくつに見えますか?」 とは訊きませんけど、「あの人は若い」 とか 「若作りだ」 とか、自他共に気になるようです。
特に女性は顕著であります。
ま、男性だって 「老けてる」 と言われるよりは、「若い」 と言われたほうがうれしいようですが、僕は昔からちょっとひねくれていました。
そう、“老け願望” があったのです。
10代の頃からヒゲを生やしていたし、20代ではプロフィールの年齢を多くサバ読んでもいました。
きっと生意気だったんでしょうな。
大人の人たちからなめられたくないと、いきがっていたのかもしれません。
だから、いっつも “今” という時代がキライで、早く時間が過ぎないかと願望していました。
20代は30代にあこがれ、30代は40代にあこがれ、40代は50代にあこがれていました。
そして50代も後半となった今、60代にあこがれているかというと、これがピタッと止まってしまったのであります。
だからといって、40代や30代にもどりたいとは思いません。
理由は分かりませんが、50代は居心地が良いのかもしれませんね。
無茶もしました。いい目も見ました。酸いも甘いも苦いも辛いも、いろいろあって、たどり着いた年齢なんですね。
来た道を振り返ることはあっても、引き返したいとは思わないし、行く道に不安や期待はあるけれど、あせる気持ちはありません。
“年相応でありたい” と思うのです。
若くもなく、老いてもなく……。
でも、それって、一番むずかしい生き方なのかもしれませんね。
Posted by 小暮 淳 at 17:40│Comments(0)
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