2016年05月19日
伊香保温泉 「あかりの宿 おかべ」
伊香保で一番小さい旅館、「おかべ」。
客室は、わずか4部屋。
一度、泊まってみたいと思っていました。
ご主人の岡部克己さんに、お会いするのは2度目。
1回目は、もう10年近く前だったと思います。
お会いした記憶はあるのに、いつ、どこで、だったかは思い出せません。
ただ、強烈に覚えていることは、手渡された名刺のデザイン!
ニつ折りの名刺は、表紙が格子窓になっていて、裏には障子紙を模した半透明の和紙が貼られていました。
「確か、コンテストで賞をとられた名刺だとか?」
「ええ、そうです、そうです。もう、だいぶ昔ですね」
聞けば、群馬名刺コンテストで最優秀賞を受賞したのは平成17年だったとか。
ん~、やっぱり10年ぶりくらいの再会だったのであります。
宿は、温泉街を走る県道から北へ、「かみなり坂」 と呼ばれる急坂を保科美術館方面へ向かって下ります。
「塚越屋七兵衛」 「香雲館」 といった老舗旅館の前を通り過ぎると、右手に小さな木造の旅館が見えてきます。
名刺に描かれていた格子戸を開けると、出迎えてくれたのは、なんとも落ち着きのある囲炉裏の間と、噂どおりの美人の女将さん。
もう、これだけど、ふんわり、ほっこりと旅装が解かれていくのでした。
4室ある部屋は、それぞれコンセプトが異なり、まったくデザインも違います。
和室あり、和洋室あり。
毎回、同じ部屋を予約する人もいれば、違う部屋に泊まるリピーターもいるとのこと。
少なくとも4回は泊まらないと、「おかべ」 の魅力は分らないということです。
で、今回は「夕星(ゆうづつ)」 の間に泊めていただくことに。
ベッドにソファー、それに座卓の置かれた和洋折衷の空間は、旅なれた者が一番くつろげると感じる造りです。
実際、常連客のほとんどは、大きな旅館やホテルを行き尽くした人たちだそうですよ。
小さい宿だからこそ、できることって多いんですよね。
ひと風呂浴びた後、囲炉裏の間で、脱サラして旅館を始めた波瀾万丈なご主人の一代記を、たっぷりと聞かせていただきました。
なぜサラリーマンだった男が、老舗旅館のひしめく有名温泉街で、突然、旅館業を始めたのか?
いずれ書物にして、みなさんにもお伝えします。
Posted by 小暮 淳 at 13:01│Comments(0)
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