2016年07月13日
伊香保温泉 「景風流の宿 かのうや」
「景風流」 と書いて、「ケーブル」 と読みます。
なんてシャレているんでしょうね。
一見、なんのことだか分かりませんが、宿に行ってみれば一目瞭然です。
駐車場からフロントまで、自家用のケーブルカーに乗って行く宿なのです。
伊香保では、もちろん。県内でも、ここだけ。
全国でも、大変珍しい温泉宿であります。
僕は昨日、20数年ぶりに 「かのうや」 を訪ねました。
当時、僕は雑誌の編集をしていて、毎年、会社の忘年会場が、ここの宿だったのです。
ケーブルカーは、すでにありました。
「そうでしたか、それはありがとうございました。当時は、まだ温泉街が賑やかな時代でしたからね。今は団体客を受けていないんですよ」
と5代目主人の大塚隆平さん。
聞けば、主人は僕と同世代。
ケーブルカーが設置されたのは平成元年で、ちょうど、その年に先代の後を継いで旅館に入ったといいます。
思えば、僕が会社に入社したのが前年の昭和63年ですから、ケーブルカーが設置されて、すぐに忘年会で泊まっているわけであります。
そんな思い出話をからめながら、じっくりと 「かのうや」 の歴史を聞いてまいりました。
創業は明治22年(1889)、120年以上の歴史がある老舗旅館であります。
でも僕が、そう言うと、ご主人は、
「いえいえ、うちなんて伊香保では、ひよっ子ですよ」
と笑います。
そうなんですね。伊香保には十数代目を数える老舗旅館が、まだまだありますからね。
でもね、120年以上もの歴史があっても、ひよっ子だなんて、伊香保って、知れば知るほど奥深い温泉なのであります。
ご主人の歴史話や源泉、温泉街にまつわる裏話を聞いていると、ますます興味が湧いてきて、徹底的に伊香保を調べてやろう!という気になりましたよ。
取材を終えれば、あとは温泉三昧が待っているだけです。
もちろん、湯上がりのビールと地酒も、もれなく付いていますけどね。
Posted by 小暮 淳 at 21:23│Comments(0)
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