2016年09月12日
岩倉さんでもいいですか?
「ちょっと、頼みたいことがあるんだけど……」
実家の台所で洗い物をしていると、リビングの奥のベッドからオフクロが僕を呼びました。
「甘いものと、しょっぱいものが食べたいのよ。チョコレートとおせんべいを買ってきてくれないかい?」
そう言って、千円札を2枚渡されました。
「2,000円もいらないよ」
「ふふふ、1,000円だよ」
手にとって、よーく見ると……
おおおっ、色もサイズも似ているが、野口英世ではない!
岩倉具視だぁ~!!!!
「どうしたんだい、この札?」
と問えば、
「タンスからたくさん出てきた」
とのこと。
「だったら換金すればいいのに?」
と言えば、
「いっくらにもならないよ。今でも使えるお金なんだから、使っちゃおうよ」
と、なんだか嬉しそうに言うのです。
明治の政治家、岩倉具視が描かれた五百円札は2種類ありますが、オフクロから手渡されたのは昭和44年発行の新しいほうです。
昭和60年まで製造され、平成6年に支払いが停止されています。
現在では、ほとんど見かけなくなりました。
でも、お札はお札です。
なんだか僕も、ちょっぴり買い物が楽しみになってきました。
チョコレートとせんべいを入れたカゴを持って、スーパーのレジへ。
そこで、怖気づいてしまいました。
もし、偽札と思われたらどうしょう。と……。
開放されているレジは、4台。
うち3台は、若い学生のアルバイト女性です。
<ダメだ、この娘たちは五百円札を知らない>
と思い、一番奥の年配の女性のレジに並びました。
歳の頃は、50代後半~60代前半です。
<きっと彼女なら大丈夫>
「○○○円のお買い上げです」
「あの、五百円札でもいいですか?」
「えっ、ええ」
一瞬、戸惑ったようでが、僕から札を受け取ると、
「まあ、珍しい! 初めてですよ」
と言って、精算してくれました。
でも、待てよ!
今、彼女は受け取った金額を手で入力したぞ!
「やっぱり、機械には通りませんかね?」
僕が言うとね
「でしょうね。試しに、入れてみましょうか?」
と彼女も好奇心に満ちた顔で、五百円札を機械に投入しました。
案の定、機械は受け付けず、紙幣は戻ってきてしまいました。
「残念でしたね。機械には嫌われたようですね。でも、使えますからご安心ください」
ふ~ん、そうなのか。
使えるけど、機械は受け付けないんだ。
やっぱり、年配の女性のレジに並んで良かった。
なんだか、ちょっぴり得をしたような、不思議な気分になりました。
今度は、伊藤博文の千円札で買い物をしてみようかなぁ~。
Posted by 小暮 淳 at 18:14│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
若いレジの方はどんな対応したのか気になりますね。今度はぜひ若い人のところで。
Posted by 優・寛の母さん at 2016年09月13日 15:48
優・寛の母さんへ
そうですね。
若い人の反応も気になりますね。
次回は、コンビニで試してみます!
そうですね。
若い人の反応も気になりますね。
次回は、コンビニで試してみます!
Posted by 小暮 淳 at 2016年09月14日 13:29