2018年03月09日
眠り翁
「ジュン、すぐ来てくれないか! オヤジが…」
昨晩、うっかりケータイを見ずにいたら、何度もアニキから着信履歴がありました。
いやな、予感であります。
あわてて電話をしました。
「オヤジがどうしたって?」
「寝ちゃって、起きないんだよ」
「どういうことよ?」
「いいから、すぐ来てくれ!」
実家へすっ飛んで行くと、オヤジは、いつものようにベッドで寝ていました。
蒲団が胸のあたりで上下に動いてますから、呼吸はしているようです。
「ふつうじゃないか?」
「それが、ふつうじゃないんだよ」
アニキの話によれば、晩飯を食べている途中に突然、動かなくなり、そのまま寝てしまったというのです。
声をかけても、揺すっても起きないので、そのまま担いでベッドに寝かせたようです。
「な、ヘンだろ?」
「でも、うちに来ても、そんなものだよ。1日20時間以上寝ているからね」
「でも、ベッドには自分で歩いて行くだろう? それが今日は、まったくイスから動かないんだ」
結局、昨日は一晩、様子をみることになりました。
一夜開けた今朝のこと。
またしてもアニキからの電話です。
「おい、すぐ来てくれ! 今から救急車、呼ぶから」
「えっ、きゅうきゅうしゃ、だ~!!」
あわてて実家へと、すっ飛んで行きました。
僕が着くのと同時に、救急車も到着。
救急隊員がストレッチャーにオヤジを乗せて、手際よく搬送して行きます。
「なんで救急車なのさ?」
「やっぱり朝起きないからさ、医者に電話したんだよ。そしたら軽い脳梗塞かもしれないから救急車を呼べって」
ということで、アニキが救急車に同乗して、僕が実家で待機することになりました。
午後、結果が出ました。
“脳に異常なし”
でも、もしものことを思い、しばらく入院させることにしました。
着替えや洗面用具などを持って、病室へ行くと……
やっぱり、寝ています。
「眠り姫」 「眠る男」、いや、こりゃ 「眠り翁」 だな!
人騒がせな、じいさんであります。
Posted by 小暮 淳 at 18:36│Comments(0)
│つれづれ