2018年09月01日
すってんころりん
♪ ピーポー ピーポー ピーポー
ケータイに出た途端、中からサイレンの音が聴こえてきました。
「あっ、ジュン! すぐに来てくれ! オヤジが転んでケガをした」
慌てふためく、アニキの声。
「今、救急車が来たから……。頼んだよ」
そう言って、切れてしまいました。
実家で留守番をすること、わずか1時間。
病院にいるアニキから電話がありました。
「もう終わったから、迎えに来てくれ」
とは、なんとも、あっけらかんとしています。
指定された病院に駆けつけると、すでに正面玄関にアニキが立っていました。
かたわらには、車イスに乗ったオヤジの姿が。
頭を包帯で、グルグル巻きにされています。
訊けば、「3針縫った」 とのことです。
なんでも、アニキがちょっと目を放したすきに、徘徊を始めたようです。
徘徊といっても、部屋の中だけですけどね。
それでもオヤジは、ほとんど目が見えませんから、何かに、けっつまづいて、すってんころりん!
テーブルの角にでも、頭を打ち付けたようです。
「ドーンと音がしてさ、行ってみたら、オヤジがひっくり返っていたんだよ。それだけならいつものことなんだけど、びっくりするくらい血が飛び散っているんだもの。動転して、救急車を呼んじゃったよ」
と、アニキも大騒ぎしたことを済まなそうに言いました。
今年になって、これで2度目の救急車騒ぎであります。
前回は、あまりに寝たまま起きないので、脳梗塞ではないかと、搬送されました。
※(当ブログ2018年3月9日「眠り翁」参照)
当の本人は、何が起きたのかも覚えていない様子。
「じーさん、どこか痛いところあるかい?」
と訊けば、
「いーや」
と応えるだけです。
「大したことなくて、良かったじゃないか?」
「ああ、いつまで、続くのかね」
「しばらく入院してくれると、助かったのにね?」
「まったくだ」
「いよいよ、一時もオヤジから目を放せなくなったね?」
「いつまで、続くのかね」
僕ら兄弟は、2人して頭を抱えてしまいました。
人騒がせな爺さんであります。
Posted by 小暮 淳 at 17:37│Comments(0)
│つれづれ