2018年09月03日
一番いい温泉は、どこですか?
加齢のせいだけじゃなく、夏バテの後遺症も多分にあるのだと思いますが、極度の脱力感に見舞われてしまいました。
なんのことかと言えば、僕が10年前からライフワークとして行っている講演活動のことです。
今日は高崎市の公民館で、地域の高齢者を対象に生涯教育の一貫として行われたセミナーの講師として、2時間の講話をしてきました。
猛暑も去り、暑からず涼しからず、絶好のセミナー日和です。
しかも受講者の集まりも良く、当初、公民館側が予定していた人数以上の来場者があり、急きょ、資料を増刷したというハプニングが起きるほどでした。
満員の会場で温泉の話ができるということは、“温泉ライター” としては、この上ない至福のひと時であります。
いつもは永く感じる2時間という講話も、あっという間に終わっていました。
ところが気が付けば、全身に汗がビッショリ!
それだけ熱のこもったスピーチだっということだったのかもしれません。
聴講者たちの反応も良く、誰ひとり居眠りをしている人はなく、熱心にメモを取っている姿も見られました。
たぶん、あまりの熱心さに、ついつい僕も力が入ってしまったんでしょうね。
2時間でも、話し足りないぐらいでした。
「まだ、これを話してない」 「あれも話さなくっちゃ」 と、セミナーが終わるのが惜しいと思えるほどでした。
その双方の情熱が、伝わり合ったのでしょうね。
質疑応答の時間でも、次々と手が上りました。
「ほかに、ありませんか? 無いようでしたら、これで閉講いたします」
と司会者が終了を告げた後も、退室する僕を何人もの受講者が追いかけてきて、口々にお礼と感想を述べてくださいました。
そして、必ず最後に、こう言うのです。
「一番いい温泉は、どこですか?」
これには毎度、困惑してしまいます。
マイクを握っている講話中ならば、“いい温泉” の定義についてや見分け方について話すのですが、個別の立ち話であります。
即答しなくてはなりません。
「僕の好きな温泉でいいですか?」
と話のほこ先を少し変え、多少でも期待に応えようと、温泉地名と旅館名を伝えました。
すると、また違う人が僕を呼び止めます。
「一番いい温泉を教えてください」
さっきと同じ温泉を答えたのでは、特定の温泉旅館ばかり “えこひいき” をしてしまうことになりかねません。
ということで、また別の温泉地と旅館の名を告げました。
ま、それだけ群馬には “いい温泉” が、たくさんあるということです。
フーーーーッ!
と、公民館を出た僕は、駐車場で大きなため息をついていました。
途端、ドッと疲労が襲ってきました。
でも、不快な疲れではありません。
全力疾走した後のような心地良さのある疲れです。
ええ、決してこれは、加齢から来る脱力感などではありませんぞ!
でも10年前は、感じなかったな~!
Posted by 小暮 淳 at 19:38│Comments(0)
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