2018年12月02日
金は出すが口は出さぬ
“いい湯は料金に反比例する”
そんなことを以前、ブログに書いた記憶があります。
講演会などで、「料金の高い宿は、お湯もいいんですか?」 という質問を受けることが多々あるからです。
ズバリ、宿泊料金と温泉の良し悪しは、無関係です!
いえいえ、逆かもしれませんね。
だって、外湯(共同湯) なんて無料なのに、あんなにも新鮮な湯が随時、かけ流されているのですから。
では、宿へのクレームは、どうでしょう?
料金の安い宿と高い宿、どちらが多いと思いますか?
これまた “反比例” なんです。
以前、同系列の2つの旅館の支配人に、それぞれ話を聞いたことがありました。
料金の安い大衆旅館では、クレームの嵐だといいます。
「部屋が汚れている」 「料理の量が少ない」 「サービスがなっていない」 など、挙げたらキリがないほど細かいクレームが日常茶飯とのことでした。
これに対して、1泊10万円以上する高級旅館では、「ほとんどクレームがない」 とのことでした。
それだけ料理もサービスも徹底しているからなのかもしれませんが、どうも理由は、それだけではないようです。
支配人いわく、
「金持ちは、滅多に文句を言いません」
思わず、納得してしまいました。
貧乏人の僕には、到底たどり着けない境地であります。
懐があたたかいと、心まで広くなるんですね。
ま、僕の場合、取材で行って、タダで泊めてもらっていますから文句なんて言える立場ではないんですけど。
それでも時には、「この料理、冷めているけど、どうよ?」 「なんだ! この従業員の態度」 なーんて腹の中では憤慨することがありますもの。
だもの “安かろう、悪かろう” は承知していても、クレームを言う客の気持ちも分かります。
でも金持ちは、“金は出すけど、口は出さない” のであります。
ただ、本音は分かりませんよ。
口には出さないけれど、態度に出るかもしれません。
“二度と来ない” という態度に。
比べ、貧乏人は、散々文句を言っても、しっかり元を取って帰ります。
そして、またやって来て、常連ぶったりするものです。
それが、貧乏人の処世術なのであります。
でもね、一度でいいから仕事ではなくて、自分のお金で高級旅館に泊まってみたいものです。
きっと家族に、尊敬されるだろうなァ~~~~!!!
Posted by 小暮 淳 at 13:37│Comments(0)
│温泉雑話