2019年06月30日
水上温泉 「松乃井」④
「小暮君! Hです。○○高校で一緒だった」
思わぬ場所で、同級生と43年ぶりの再会をしてきました。
昨日は、水上温泉 「松乃井」 のコンベンションホールで某国立大学同窓会の全国総会が開催され、講演会の講師を務めてきました。
なぜ、僕だったのか?
もちろん僕は、そんな優秀な大学の卒業生ではありません。
みなかみ温泉大使として、開催地となった “みなかみ18湯” のPRを兼ねて、全国から集まるOB、OGの皆様に、群馬県の温泉の魅力と素晴らしさを知ってもらうためであります。
当日は僕だけでなく、みなかみ町観光協会の職員も駆けつけ、出迎えただけでなく、会場では僕の著書 『みなかみ18湯』 上・下巻の販売をしてくださいました。
さあ、あと10分後には、 「群馬は温泉パラダイス」 と銘打った講演が始まるというときです。
僕は著書の販売コーナーで、協会職員と立ち話をしながら、本を買った方へサインをしていました。
「小暮君!」
突然、近寄ってきた白髪まじりの初老の男性が声をかけてきました。
「えっ、Hく~ん!」
最初は、サインを求めてきた読者だと思いましたが、一瞬にして僕の脳の回路がつながりました。
同級生のH君だったのです。
「N大だったんだっけ?」
「ああ」
「俺が今日、来るって知ってたの?」
「知ってたよ。同窓会の案内が来たときから」
「そう、なつかしいな~。卒業以来だものな」
「今日会えるのを、楽しみに来たんだよ」
「恥ずかしいなあ~、同級生が聴いているなんて。ま、つたない話だけど、最後までお付き合いください」
そう彼に言って僕は、壇上へ向かいました。
1時間という短い講演でしたが、約160名の聴衆は、最後まで熱心に耳を傾けてくださいました。
講演中は、どうしてもH君が気になって、何度も何度もチラ見をしてしまいました。
同級生の講演を聴く、同級生の気持ちって、どんななんでしょうね?
その後、行われた総会の間、僕は部屋で旅装を解いて、同館自慢の 「生温泉」 を浴(あ)みに……。
“生” 温泉とは、源泉の鮮度を保つために、浴槽へ上から注ぎ込むのではなく、湯舟の底から直接湯が湧き上がるように給水口を設けている温泉のことです。
分かりやすく言うと、浴槽直下から湧く足元湧出温泉を模した 「湧湯かけ流しスタイル」 です。
ひと仕事終えて、温泉に入れば、やることは1つです。
そう、ただ酒を浴びるだけであります。
もちろん、懇親会の席ではH君を探し出し、思い出話に花を咲かせたことは、言うまでもありません。
Posted by 小暮 淳 at 19:50│Comments(0)
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