2019年07月24日
北軽井沢温泉 「御宿 地蔵川」④
「先生は、『天気の子』 だからな~!」
受講生の1人が、今話題のアニメ映画になぞって、笑いを取りました。
「ですよ、正真正銘の “晴れ男” ですからね。ご安心ください」
和気あいあいの中、バスは国道17号を北上し、渋川市→中之条町→長野原町へと向かいました。
2009年に開講したNHK文化センター前橋教室の野外温泉講座。
早いもので、11年目を迎えています。
毎月、第4火曜日にJR高崎駅と前橋駅からバスを出して、日帰りで県内外の温泉地をめぐっています。
すでに100ヶ所以上の温泉地を回っているのに、この10年間で傘を差したのは、たった2回だけ!
出発時は雨でも現地は晴れていたり、天気予報は雨でもギリギリ降られずに一日過ごしたり、奇跡の “晴れ男” ぶりを発揮してきました。
まさに今回も、神業のように雨をかわしながらの温泉講座となりました。
今回、お世話になったのは北軽井沢温泉(群馬県長野原町) の一軒宿 「御宿 地蔵川」 です。
僕にとっては、2014年4月に出版した 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) の取材以来ですから、約6年ぶりになります。
また、この講座では7年ぶりです。
「ああ、なつかしい!」
「ここで写真を撮りましたよね」
と、古参の受講生が数人。
でも、ほとんどの受講生が、今回初めて訪ねる宿です。
「小暮さん、お久しぶりです」
3代目主人の土屋基樹さんと、女将の幸恵さんが出迎えてくださいました。
僕と土屋家との付き合いは、かれこれ15年になります。
先代の父、勝英さんを取材したのが、きっかけでした。
創業は昭和17年(1942)、勝英さんの母が旅館業を始めました。
当時は 「地蔵川旅館」 といってました。
勝英さんの代になり、「地蔵川ホテル」 と改名。
その後、基樹さんの代になり現在の 「御宿(おやど) 地蔵川」 となりました。
だから僕が最初に訪れた時は、まだ洋風の「地蔵川ホテル」 だったのです。
今はリニューアルして、モダンな和風旅館になりました。
「あっ、先生の本が売ってる!」
「はーい、みなさん! まだ持ってない本があったら、ここでお買い求めくださーい!」
とロビーに入るなり、話題は僕の著書に。
さながらサイン会となってしまいました。
入浴をして、食事をしている間、外は雷鳴がとどろき、スコールのようなドシャ降りの雨。
ところが、バスに乗る頃にはピタリと雨が止み、高原の夏空が戻ってきました。
「やっぱり、晴れ男ですね」
と僕が言うと、
「でも先生、梅雨が明けたら “曇り男” くらいにしておいてください」
「そうですよ、熱中症は困ります」
またしてもバスの中は笑いに包まれ、一行は県境を越えて軽井沢町へと向かいました。
Posted by 小暮 淳 at 11:38│Comments(0)
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