2019年10月04日
相間川温泉 「ふれあい館」⑥
「群馬県内で一番濃い温泉は、どこですか?」
と問われたら、
「そうですねぇ…」 と、ちょっと悩んだふりをして、
「相間川ですかね」
と答えると思います。
“濃い” という表現の解釈は人それぞれでしょうが、「色」 「におい」 「味」 の3点から見て、そう答えさせていただきました。
現在、相間川温泉(高崎市) の源泉を利用している施設は2つ。
宿泊施設も併せ持つ 「ふれあい館」 と日帰り入浴施設のみの 「せせらぎの湯」 です。
今回、僕は雑誌の取材で、両方の施設の湯に入ってきました。
この地に温泉が湧いたのは平成7年(1995)3月のこと。
源泉の温度は約62度と高温で、湧出量は毎分約200リットルもありました。
何よりも工事関係者を驚かせたのは、温泉の色でした。
湧出時は無色透明ですが、時間の経過とともに赤褐色へと色を変えます。
これは、鉄分を多く含んでいるためです。
また塩分濃度が高く、なめると塩辛く、湯の中で体を移動させようと手を突くとフワリと浮くほどでした。
そして何よりも、そのニオイ!
金気臭にまざって、油臭がします。
これは地下に閉じ込められていた微生物が、地熱と地圧により変化したものと考えられ、原油の生成過程と同じ原理だといいます。
さらに湯舟の表面には、この油の膜が張ります。
これが日光に当たると七色に変化することから 「虹色の湯」 とも呼ばれるようになりました。
源泉名は 「せせらぎの湯」。
ですが、入浴施設として先に開業したのは 「ふれあい館」 です。
でも源泉の湧出地は 「せせらぎの湯」 の敷地内にあります。
「せせらぎの湯」 は、平成12年に旧倉渕村の福祉センターとしてオープンしました。
ということで、湧出地と浴槽の距離が近いからでしょうか?
いつ訪ねても、「せせらぎの湯」 のほうが色は濃いようです。
でもニオイは、「ふれあい館」 のほうが強く感じます。
味はどちらも、とっても塩辛いです。
「個性的過ぎる湯だから、お客さんの好き嫌いは分かれるでしょうね?」
と訊けば、
「ですね。でも、嫌う人は100人に1人か2人ですよ」
と笑ったのは 「ふれあい館」副支配人の秋山博さん。
「ただ、成分が濃いので、湯あたりをする人が多いのが悩みのタネです」
そう言って、浴室の貼り紙を指さしました。
「これ、私が考えたコピーなんですけどね」
<カップラーメン お湯を注いで3分 相間川の温泉(おゆ) 入って7分! これ以上は のびるだけ>
うまい!
山田くーん、座布団3枚!
ということですので、訪れる際は、長湯は禁物です。
Posted by 小暮 淳 at 10:25│Comments(0)
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