2019年11月01日
あざ~す!
「あざ~す!」
「あ・ざ・す? なんだ、そりゃ?」
自転車がパンクをしたというので、修理をしてやると、スマホをいじりながら次女が言った言葉です。
彼女は大学2年生。
最寄の駅まで自転車通学をしています。
「パンク、直しておきましたけど!」
「あざ~す!」
訊けば、“ありがとうございます” を短縮した若者言葉のようであります。
言葉は生き物ですから、時代とともに変化するものです。
僕だって若い頃には、親から 「なんだ、その言葉使いは!」 なんて注意をされたものです。
ただ、その変化のスピードは、昭和より平成、令和と加速しているように思われます。
たぶん、電話からファックス、パソコン、そしてスマホと、言葉の伝達方法が変化しているからでしょうね。
より早く簡単に伝えるために、言葉はどんどん短くなっています。
以前、「あけおめ」 という言葉が、正月になると飛び交いました。
「あけましておめでとう」 の略式です。
さらに進化して、若者は 「あけおめことよろ」 なんて言ってました。
「あけましておめでとうございます。ことしもよろしくおねがいいたします」 の短縮形です。
確かに頻繁にメールやラインを利用する若者にしてみれば、32文字の入力が8文字で済むのですから、短縮化は必至です。
「おとう、ヒマ?」
先日のこと。
リビングで遅い朝食をとっていると、ドタドタと2階から駆け下りて来た次女が言いました。
「ヒマ」 と言うのは彼女の口グセで、決まって他人に用を頼む時に発する言葉なのです。
「ヒマじゃないけど、なんか用か?」
「寝過ごした。チャリだと間に合わないから、駅まで送ってくれないかな?」
と娘に言われれば、父親は 「ノー」 とは言えないものです。
しかも彼女は、僕が40歳を過ぎてから生まれた末っ子であります。
世間では、“老いてからの子は可愛い” なんて言いますからね。
僕もご多分にもれず、世間の父親なのであります。
「間に合ったか? 気をつけてな」
駅のロータリーで、次女を車から降ろしました。
「あざ」
「なに? あざ? あざ~す、じゃないのか?」
父親の問いかけに返事もせず、彼女は手を振りながら駅の構内へと消えて行きました。
ますます短くなっていました!
次は、「あ」 だけだったりして……
若者に、ついては行くのは大変ですね。
では、「どくみなこれよろ!」
(読者のみなさん、これからもよろしくお願いいたします)
Posted by 小暮 淳 at 11:54│Comments(0)
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