2019年11月25日
昭和を飾ったベストセラー
だいぶ秋も深まってきました。
みなさんは、どのように夜長を過ごしていますか?
僕は、もっぱら読書三昧です。
といっても、そのほとんどが仕事の資料読みですけどね。
テーマが決まると、取材に入る前の予備知識として、関連本を図書館でドッサリと借りてきます。
ですから一日の大半は、これらの本の読破についやしています。
純粋に趣味としての読書となると、若い頃のほうが読んでいました。
今でもミステリーやエッセイが好きで、寝る前にベッドの中で読んだりしますが、読み切るのは月に1~2冊程度です。
それも、すべて文庫本です。
ぷらりと古本屋に寄った時に、まとめ買いをしておいて、気が向いたときに読んでいます。
ベストセラーや話題の新刊本となると、滅多に手に取りません。
でも先日、新聞の書評で取り上げられていた本を、珍しく即行買いしました。
本橋信宏・著 『ベストセラー伝説』(新潮新書)
昭和の時代にベストセラーとなった雑誌や書籍の舞台裏を明かしたノンフィクションです。
「冒険王」 や 「少年チャンピオン」、「科学」 と 「学習」、「平凡パンチ」 に 「週刊プレイボーイ」 から受験生御用達の 「赤尾の豆単」 や 「でる単」 まで、60年代から70年代にかけて青少年を夢中にさせたベストセラーの企画と販売の裏側が次々と暴露されます。
僕なんか、ドンピシャ世代ですからね。
「科学」 と 「学習」 は、小学校に毎月販売に来た学習雑誌です。
付録が楽しみで、僕は 「科学」 を購読していましたが、お金持ちの家の子は、両方購読していて、とてもうらやましかったのを覚えています。
「平凡パンチ」 と 「週刊プレイボーイ」 には、大変お世話になりました。
たぶん同世代の男子は、当時、みんなお世話になったと思います。
(ゴールデンハーフの水着写真を切り抜いて、壁に貼っていた記憶があります)
そして、僕が一番なつかしかったのが、ポプラ社の 「少年探偵シリーズ」 です。
江戸川乱歩の少年向け作品で、小学校の図書館には全巻揃っていました。
「怪人二十面相」 「妖怪博士」 「青銅の魔人」 「一寸法師」 などなど、今でもタイトルを覚えています。
放課後は、真っ先に図書館へ駆け込んで、本好きの同級生らと取り合いです。
「ああ、それ、オレが借りようと思ったのに! チェッ、次、オレだからな。予約!」
なんて、いいながら、学校帰りに読んだ本の感想を話しながら歩いたものでした。
その当時の思い出もよみがえりつつ、なぜ小学校で売られていたのか? 素人の女の子をどうやってヌードにしたのか? など、「へー、そうだったんだ」 と思わずうなってしまう秘話が満載です。
著者のノンフィクション作家も僕と同世代です。
だからリアルなんでしょうね。
秋の夜長に、おすすめの1冊です。
Posted by 小暮 淳 at 11:11│Comments(0)
│読書一昧