2019年12月18日
馬頭温泉 「南平台温泉ホテル 観音湯」
“元祖 美人の湯”
その刺激的なコピーに誘われました。
元祖があるなら、本家も始祖も発祥もあるのだろうか?
そもそも 「美人の湯」 とは、なんぞや?
日本には 「三大美人の湯」 といわれる温泉があります。
川中温泉(群馬県)、龍神温泉(和歌山県)、湯の川温泉(島根県) です。
この3つの温泉に、共通の泉質はありません。
では、なぜ、この3つの温泉が 「美人の湯」 と呼ばれるようになったのでしょうか?
出典は大正~昭和にかけて発行された 『温泉案内』(鉄道省編) という冊子にあります。
これに 「色を白くする湯」 という項目があり、3つの温泉地の名前が掲載されています。
決して “美人になる湯” と書かれているわけではありません。
でも昔から肌の美しさは、美人の条件に欠かせないものでした。
そこで、美白→美肌→美人となったようです。
その “元祖” だといいます。
いかがな湯なのでしょうか?
ということで昨日は、僕が講師を務める野外温泉講座にて、その検証のために馬頭温泉(栃木県) へ行ってきました。
最初に源泉を掘り当てたのは、ホテルの創業者でした。
昭和48年(1973) のことですから 「日本三大美人の湯」 よりは、だいぶ後発の温泉地だといえます。
それでも “元祖” にこだわるのは、そのアルカリ度の高さゆえなのでしょう。
水素イオン濃度を示すPH値は、9.6です。
群馬県内の温泉でいえば、真沢(さなざわ)温泉(みなかみ町) と同レベルの高濃度です。
真沢温泉も地元では、「美人の湯」 と呼ばれています。
※(群馬県内には、さらに高濃度のアルカリ性温泉があります)
「うわ~、ウワサどおりのヌルヌルですね~!」
受講生たちは湯舟の中で、体をさすりながら、はしゃぎます。
「真沢の湯に近いですね」
とは、古参の受講生。
さすがです!
ピッタリとPH値まで一致しています。
「先生、私が誰だか分からないでしょう? キレイになり過ぎて!」
湯上がりに女性の受講生が、すり寄ってきました。
「あっ、本当だ! あんまり若くて美しくなっちゃって、気づきませんでしたよ(笑)」
でもね、必ずしも 「美人の湯」 = 「若返りの湯」 ではありませんからね。
美しい人は、より美しく。
そうでない人は、それなりにです。
さて、今年も1年間、この講座では県内外の名湯・秘湯をめぐって来ました。
来年は、どんな湯にめぐり合えるのでしょうか?
楽しみにしています。
Posted by 小暮 淳 at 16:11│Comments(0)
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