2019年12月27日
あぶない話
「ここだけの話ですよ」
そう小声で言いながら、僕は唇に人差し指を持っていきます。
これは講演やセミナーなどで、時々使う話術の1つであります。
“ここだけの話”
そう、新聞、雑誌、著書には、絶対に書けない話というのがあります。
いわゆる取材で出合った 「あぶない話」 です。
たとえば、有名人や芸能人がお忍びで泊まりに来る宿、難病が治ったという神がかりな湯、消毒や衛生面にかかわる話、旅館の裏事情、犯罪や事故、タブーなどなど、モラルやプライベートに関する事柄は、一般メディア では紹介できません。
これらの話を唯一、披露できるのが “ライブ” なのです。
今より若い頃、取材で仕入れた面白いネタを何でもかんでも書いて、新聞社や雑誌社に送っていたことがありました。
でも、さすがに相手は編集のプロです。
「信憑性がない」 「裏が取れていない」 「薬事法に抵触する」 といった理由から、たびたび原稿がボツになりました。
でも根も葉もないウソではありません。
温泉地では、そんな話が、まことしやかに伝わっているのです。
いつか書きたい!
書けないのならば、話したい!
そんな僕の願いを叶えてくれたのが、講演やセミナーなどの直接、読者と触れ合える場でした。
過日、講演を終えて、会場の隅で荷物の片づけをしている時でした。
中年の女性から声をかけられました。
「とっても楽しかったです。ありがとうございました。はい、これはファンレターです」
と、封筒を手渡されました。
講演中に書いたようで、手紙には、その日の話の内容についてのコメントがビッシリと書かれていました。
そして最後に、こんな、ひと言が書き添えてありました。
<これからもっと、あぶないお話を拝聴したいです。楽しかった!>
これぞ、ライブの醍醐味ですね。
来年も、たくさんの町へ出かけて、一人でも多くの人に温泉の魅力を語り伝えたいと思います。
もし、僕が唇に指を当てて、小声になったら、ぜひ、お聴き逃がしなく!
あぶない話の、はじまりです。
Posted by 小暮 淳 at 12:31│Comments(2)
│講演・セミナー
この記事へのコメント
封筒に…… 300万円が入っていたのかと思いましたよ(笑)
Posted by T課長 at 2019年12月27日 16:37
T課長さんへ
だったら良かったんですけどね。
でも、そんなものもらったら……
受け取るのか? 返すのか?
んー、悩んでしまいそうです。
やっぱり、手紙で良かったです!
だったら良かったんですけどね。
でも、そんなものもらったら……
受け取るのか? 返すのか?
んー、悩んでしまいそうです。
やっぱり、手紙で良かったです!
Posted by 小暮 淳
at 2019年12月28日 10:56
