2020年03月16日
霧積温泉 「金湯館」⑩
朗報が飛び込んできました!
昨年10月の台風19号により、路肩が崩落して全面通行止めになっていた霧積温泉(安中市) へ続く県道の復旧作業が完了しました。
これにより、今まで陸の孤島だった一軒宿の老舗旅館 「金湯館」 の営業が本格再開しました。
良かった! 本当に良かった!
昨日の毎日新聞に4代目主人、佐藤淳さんのコメントが載っていました。
<設備に支障はなかったが、県道再開のめどが立たず、廃業も頭をよぎった。>
収入が途絶える不安から、転職も考えたといいます。でも、
<伝統ある旅館を自分の代で途絶えさせたくない。>
と女将の知美さん、先代女将のみどりさんとともに決意を固め、徒歩で来られる登山客らの受け入れを始めました。
※(当時の様子は、当ブログの2019年12月1日 「霧積温泉 金湯館⑨」 参照)
歴史をたどれば、“秘湯” と呼ばれる温泉は、いつの世も災害との闘いのくり返しです。
霧積温泉も例外ではありません。
金湯館の創業は、明治17(1884)年。
往時は旅館が5~6軒あり、別荘が40~50棟立ち並び、避暑地として大いににぎわっていたといいます。
伊藤博文や勝海舟、幸田露伴、与謝野晶子ら政治家や文人たちも多く訪れています。
ところが同43年、一帯を山津波が襲いました。
そして、金湯館以外の建物は、すべて泥流にのみ込まれてしまいました。
その後、昭和30年代から親族が1キロ下流で旅館を開業していましたが、9年前に廃業。
金湯館は、また一軒宿になってしまいました。
県道寸断中のキャンセルは、延べ700人に上ったといいます。
それでもSNSには 「頑張って続けてください」 「再開したら行きます」 との励ましの言葉が寄せられました。
また、約30人もの登山客が、約3時間かけて訪ねて来たといいます。
湯よりも温かい、人の温かさを感じます。
良かったですね、淳さん、知美さん、みどりさん。
また会いに行きます!
Posted by 小暮 淳 at 12:13│Comments(0)
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