2020年03月24日
『在りし人』 クランクイン
はなはだ個人的ではありますが、うれしい知らせがありました。
読者のみなさんは、以前、僕が中之条町まで電車に乗って出かけ、この町に全国から集まった若者たちと酒を酌み交わした話を、覚えていますか?
※(当ブログの2020年1月12日 「宵待ち列車に乗って」 参照)
この時、山口県からやって来た青年と出会い、親しくなり、その後もメールのやり取りを続けていました。
なぜ、彼は山口県から群馬県の中之条町へ移住することになったのか?
そのきっかけは、毎年、中之条町で開催されている 「伊参(いさま)スタジオ映画祭」 でした。
昨年、彼は、この映画祭で、シナリオ大賞を受賞しました。
これを機に、公務員を辞職して、この町へやって来ました。
その理由は、映画の撮影のためです。
<昨年の第19回伊参スタジオ映画祭でシナリオ大賞(短編の部) を受賞した藤谷東監督(36) の 「在りし人」 の撮影が、安中市の碓氷峠鉄道文化むらで始まった。展示されている木造の客車を使い、戦後間もない日本の風景を再現した。>(2020年3月21日付 上毛新聞より)
舞台は昭和25(1950)年の日本。
地方の養蚕農家の次男、朔治は家を守るため、戦死した兄の嫁、佐代と結婚します。
そして2人は、親のはからいで1泊の温泉旅行に出かけます。
彼は、新聞のインタビューで、こうコメントしています。
「終戦後の日本で実際にあった、逆縁婚(亡くなった兄弟の配偶者との結婚) をした若い夫婦とその家族の気持ちを映画から感じ取ってほしい」
「逆縁婚(ぎゃくえんこん) をテーマにした映画なんです」
あの日、初対面ながら熱く語る彼の真剣な眼差しを思い出します。
「若いのに、良く知っているね?」
「ええ、昔、祖母に話を聞いたことがあるんです」
その後、彼から 「映画のロケ地に使えそうな、戦後間もない頃の昭和のイメージが残る温泉地がありましたら、ご紹介ください」 とのメールがありました。
今回の撮影のロケ地を見ると、僕がピックアップした温泉街や旅館も採用されたようです。
多少なりとも、お力になれたようで、嬉しい限りです。
完成した映画は、今年11月に開催予定の伊参スタジオ映画祭で上映されます。
もちろん、また中之条町まで祝い酒を呑みに出かけるつもりです。
東君、がんばれ!
Posted by 小暮 淳 at 11:42│Comments(0)
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