2020年04月14日
「G線上のアリア」 はダメですか?
「コロナが憎い!」
そう思った人が、全国に大勢いたことでしょうね。
先月29日、新型コロナウイルスの感染症のため、コメディアンでお笑いタレントの志村けんが亡くなりました。
享年70歳でした。
僕もご多分にもれずドリフ世代ではありますが、どちらかというと子どもの頃は、荒井注さんの 「なんだバカヤロウ!」 のギャグで育った世代です。
だから逆に志村けんさんは、ぼうや(付き人) 時代から知っていて、荒井注さん引退後に正式メンバー入りした時からズーッと見続けているわけですから、ショックはひとしおでした。
「えっ!」
しばらく、テレビのニュース速報のテロップに、釘付けになっていました。
そして、ひと筋の涙が……
それほどに志村さんは、国民に愛されていたということです。
死後、テレビ各局は、彼の追悼番組を放送しました。
さる番組のオープニングで、BGMとしてバッハの 「G線上のアリア」 が流れました。
“追悼” という意味では、とてもふさわしい美しい曲です。
ところが……
司会者に紹介されたドリフターズのメンバーの一人が、いきなり 「曲が暗い」 と言いました。
すると、続けてゲストの歌手が 「けんちゃん(志村さん) は、これは選ばないと思う」 とのコメントを繰り返しました。
その場面を偶然にも、僕は観ていました。
確かに、言われてみれば、“志村けんさんらしくない” 曲かもしれません。
ただ、そのとき僕は、ちょっとした違和感を覚えたのです。
彼 “らしく” はないかもしれないけれど、彼を追悼する番組のオープニングなんだよな……っと。
彼らしい曲、「東村山音頭」 や 「ヒゲダンス」 などは、その後、番組の中で、たくさん流れたのです。
と、僕が、こんな風に感じたのも、この時、ある友人の顔が思い浮かんだからです。
友人の職業は、「選曲家」 です。
テレビや映画に限らず、デパートやコンビニなどで流れるBGMの曲を選ぶ仕事です。
ひと言で言えば、曲選びのプロです。
きっと、この 「G線上のアリア」 も、友人のような選曲家が選んだ曲なのだと思ったわけです。
何千、何万という膨大な曲の中から選んだ1曲だったに違いありません。
志村けんさん “らしくない” ことも承知の上で、その選曲家なりの理由から選んだ1曲だったのかもしれません。
たとえば生前、志村さんが好きだった曲とか……
その後、この件については、ネットや新聞の投稿欄等で論争がされているようですが、いかがなものでしょうか?
もし、天国の志村けんさんに訊いてみたら……
たぶん、「だいじょうぶだぁ~」 と言ってくれると思いますけどね。
Posted by 小暮 淳 at 12:25│Comments(0)
│つれづれ